(アジアグルメ図鑑) アジアグルメ図鑑(中国江南特集) |
北京の前門から大柵欄の一帯は、北京同仁堂や張一元茶荘など老舗が並ぶ歴史ある商店街です。最近、前門の再開発が行われ、地下鉄前門駅から大柵欄に向かう前門大街は、新しい街に生まれ変わりました。 この日は、全聚徳の本店などを横目に見ながら、大柵欄へとすすみました。 |
大柵欄を歩いていて見つけたのは、狗不理です。天津に本店がある包子の店で、昔、天津に行ったときに、旨くて何回も行った店です。当時の天津の店は、流行ってはいたものの庶民的な店でした。最近は、ファーストフード的な店も出店する一方で、高級志向の店舗も増やしていると聞いています。 ここ大柵欄の店舗は、ご覧の通りのけばけばしさです。大柵欄の雰囲気にはマッチしています。ここには、入口にチャイナドレスの小姐(おねえさん)がいるので、高級志向の店でしょうね。同じ狗不理でも、ファーストフード店では、明確に味が落ちます。例えば、王府井店(全聚徳の前にある店)にも行きましたが、あの狗不理包子はひどすぎました。狗不理に行くなら、入口で小姐(おねえさん)が挨拶してくれるような高級志向の店をおすすめします。 |
店の前をよく見ると、西太后が包子を食べている像が建っています。 そうなんです。この狗不理は1858年に天津で開店したのですが、その名が一気に知られたのは、天津土産にもらった狗不理の包子を西太后が食べて以来、西太后が狗不理の包子をひいきにしたことが広く庶民にも知られたためなのです。そうした意味で、西太后は狗不理が発展していくなかで欠かせない存在だったわけです。 今回の北京は二人旅です。今日が北京の二日目、昨日は全聚徳の北京ダックを食べましたから、今日はちょっと軽めに、狗不理の包子でも食べましょう。 |
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猪肉包子です。懐かしいですね。猪肉包子とは豚肉入り饅頭(「猪肉」は「豚肉」の意味です。)のことです。日本風に言えば、肉まんというやつです。狗不理の包子は、一般的に日本で食べる肉まんと比べると、かなり小さめではありますが、これだけの数を二人で食べると結構お腹にもたまります。 狗不理の包子は、日本風に言えば肉まんかも知れませんが、私に言わせると小龍包風の肉まんという感じです。ちょっと大きいですけど、一口に食べると口の中にアツアツのスープが広がります。小龍包のように多くのスープが入っているわけではなく、豚肉の肉の味がしみこんだスープがジンワリと入っている感じです。これが旨いですね。個人的には、酢をつけて食べるとさらに旨いと思います。 |
次に出てきましたのは山東炒肉という料理で、日本語で言えば山東風の肉野菜炒めでしょうか。豚の細切り肉と野菜が炒められていて、野菜よりも豚肉のほうが沢山入っています。 これが、旨いんです。日本人の舌に合いますね。意外にサッパリとした味で、絶品の味です。これと下の写真で紹介する蟹肉サラダとの組み合わせがなかなか良かった感じがします。 |
蟹肉サラダです。 実は、蟹肉とエノキにねぎとキュウリが入ったサラダで、わさび風味です。これ、旨いですね。普通だったらビールでも飲みながら食べたいところですが、猪肉包子でお腹が膨らむことを考えて、今日は脂肪分を分解してくれる普洱茶を飲みながらの夕食です。ビールか紹興酒でも飲みながら、こういった狗不理の小菜を食べたら、また、違ったおいしさもあるでしょうね。 このサラダ、旨いです。自宅でも作ってみようと思います。 |
これは、麻婆豆腐のように見えますけど違います。山東風豆腐煮込みです。材料は麻婆豆腐と同じですが、調味料が違います。魚香でもないですね。辛味が若干あって食べやすい料理でした。 最近狗不理も高級志向だなどと書いてしまいましたが、こうして食べたものを振り返ってみると、やはり庶民料理、家庭料理ばかりでしたね。 |
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狗不理前門店の店内です。料理は家庭料理ですが、店内はゴージャスです。今はお客さんがまばらにしか入っていませんが、この後、すぐに満席になってしまいました。人気の店のようです。これだけの雰囲気ですから、料金もファーストフード的な狗不理店よりも若干高めです。ですが、上の料理に麺類を食べて、日本円で一人1,000円ちょっとですから、高級志向というほどの店ではありませんね。満足です。 |
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