広州には、中国最大のお茶の市場(問屋街)があると聞いて、ネットで探してみると、確かに、芳村茶葉批発市場というのが、見つかりました。批発とは卸売りの意味ですので、芳村茶葉卸売市場ということになります。場所は、広州の地下鉄一号線で西関のある黄沙駅の次、芳村(Fangcun)駅から、歩いて20分くらいのところです。バスもあると聞いていたのですが、タクシーが走ってましたので、タクシーに乗ると1メーターで着く距離です。 タクシーのドライバーから、茶葉市場のどこに行くのかと聞かれて、一番大きな建物に連れて行ってくださいと頼んで着いたところが、この広東芳村茶業城です。ドライバーから色々話を聞いていると、どうやら芳村茶葉市場はとてつもなく大きく、地域一帯がお茶の市場になっていて、店の数は1000軒を下らないと言います。この広東芳村茶業城だけでも、数百の店舗が入っているに違いありません。 広東芳村茶業城のホームページはこちらです。中国語ですが、地図等が載っているので、参考になると思います。 |
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この芳村茶業城は4階建ての建物になっていて、1階には茶葉の店舗が、2階には茶器・茶道具の店舗と茶葉の店舗が混在しています。 一階の入口付近だけでも、店がこんなに並んでいると、どこに入って良いのか迷ってしまいます。基本的に、問屋ではありますが、もちろん小売もしてくれますので、心配ありません。 |
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冷やかし半分に2軒入って、自分なりの相場観を持ったので、いよいよ購入開始です。 今日の目的は安渓鉄観音です。安渓は、福建省南部の県の名前です。私の好きなお茶で、爽やかな香りと少し甘い味わいが何ともいえません。普?茶と同じように、脂肪分の吸収を防止し、食中、食後に飲めばダイエットに効果もあります。1階の吹き抜け部分のあたりで、色々と周りの店を見渡してみて、目星をつけました。友来香茶行という店で、安渓鉄観音を専門とする店です。 今日は、その安渓鉄観音と茉莉花茶(ジャスミン茶)の購入が目的です。ジャスミン茶については、香港あたりで日本人が「お茶」というと、出てきてしまうくらい日本人が好きな中国茶として位置づけられているようですが、私自身は、実は中国では殆ど飲んだことがなくて、たまには飲んでみようかという程度の気持ちです。 そんな気持ちを、上の写真の白い服を着た女性に話してみました。 |
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で、早速、鉄観音とジャスミン茶の葉が、テーブルに並べられました。彼女がお茶を淹れてくれて試飲させてくれるのです。鉄観音、ジャスミン茶ともに、3段階くらいの値段に分けて持ってきてくれました。 こういった店では、試飲するのは当然ですから、遠慮しないで、ぜひ試飲させてもらってください。ただ、私を含めて、素人の人間があまり沢山の種類を試飲すると、かえってどれが良いのやら分からなくなってしまうような気もします。 |
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さて、この芳村茶葉市場で売られているお茶で最も多いのは普洱茶だと思います。この店にあるように、丸い包みに入っているのは普洱茶を緊圧加工したものです。一般に、良い普洱茶は緊圧加工して売られています。(緊圧加工していない普洱茶は、「散茶」と言われています。) 普洱茶は、発酵させる期間が十年とか二十年を超えるものがあったりして、年代を重ねるにつれて、ヴィンテージものとして重宝されます。価格が真の市場原理に基づいて動けばよいのですが、ここ10年くらいはヴィンテージものが投機的な商品として、とんでもない価格が付くようになってきています。この茶葉市場の各店も、そうした投機的な動きとは無縁ではありませんので、どうしても普洱茶を取り扱う店が増えてきてしまうようです。私のような素人としては、ちょっと手が出せないなと言う感じです。 というわけで、素人の私は、普洱茶を買うときは、「散茶」 もしくは比較的年代の新しい緊圧茶です。 |
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この日は買いたい餅茶(緊圧茶)は決めていましたが、お土産用に小沱茶(普洱茶を1回分ごとに小さく固めたお茶)を探して市場 この店は、普洱茶専門店のようです。雲南龍聘号茶業という看板が見えます。この店はどうでしょうか。 |
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買いたいものはこの店で揃うことが分かりました。この女性が店の主人です。日中関係が最悪の時期(2012年11月)に来ているのですが、日本人が来てくれて嬉しいと心からの歓迎ぶりです。いろいろと試飲しながら、商談を進めます。かなり親切にいろいろと教えてくれるのは良 |
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今回、自分で飲むための普洱茶はこの二つ、大益七子餅茶の製造番号「7632」と「7262」です。七子餅茶を買うときは、この製造番号と製造年度をキーにして自分の気に入った味を追い求めると良いと思います。 |
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七子餅は普洱茶を固めたものです。専用の道具 探していた七子餅茶が見つかったとしても、念のため試飲をします。 |
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さて、餅茶と小沱茶を買った後に、店の主人がすすめてくれたお茶が上の老班章というお茶で、先日、雲 |
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これが中国茶の典型的な梱包です。餅茶の工場が製品を出す場合に、昔から 茶の交易は相当の昔から、普洱茶の産地である四川省や雲南省からチベット、モンゴル、東南アジアなどへ伸びる茶馬古道という道を通って行われていましたが、その起伏に富んだ茶馬古道を、茶葉を背負って歩きやすいように梱包していたものなのです。 |
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芳村茶葉市場には、延々とお茶の店が並んでいます。芳村茶業城のように、大型のビルもいくつかありますし、上の写真のように、住宅と一緒になった個人店舗のようなところも沢山あります。 芳村茶業城の前は、片道4斜線の広い道路の両側に、道の反対側に渡るためには、本当は随分と離れた所にある歩道橋を渡るのがルールですが、地元の人たちは片道4斜線で中央分離帯に柵があろうとも、それを乗り越え、駆け渡っていきます。そうした横断に慣れていない日本人にとっては危ないですから、芳村茶業城以外も見て回りたいときは、無理しないで芳村茶業城のある側のお店で買うようにしましょう。 |
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