湾仔(ワンチャイ)という街 |
湾仔は中環(CENTRAL)と銅羅湾(CAUSEWAY BAY)の間にある庶民の街でした。 1997年の香港返還前後から海岸沿いの埋立地に現代的なビルが建ち、そして2010年代半ばからは旧市街の一部再開発が始まり、庶民の街という雰囲気は薄れては来ていますが、今でも相変わらずの庶民の街の風景は残っています。。 私の好きな湾仔もその庶民の街の方です。上の写真は龍門大酒楼と言って湾仔らしい酒楼だったのですが、2000年代に閉店してしまいました。荘子敦道(ジョンストン道)のトラム駅の目の前にありました。記憶が定かではないですが、厦門道の脇だったと記憶しています。当時はここで早茶(朝の飲茶)をして、湾仔の街をよく散歩したものです。 |
今の湾仔は、大きく分けて三つの顔を持っていると言えます。一つ目は昔ながらの庶民の下町としての顔です。今でも、告士打道(グロセスター道)の南側、すなわち山側の殆どはこの庶民の下町としての顔を持った湾仔の街です。 |
ただ、告士打道(グロセスター道)の南側(山側)であっても利東街を中心としたエリア、具体的にはトラムが走っている荘子敦道(ジョンストン道)と皇后大道(クイーンズ道)、厦門街と春園街に囲まれたエリアは再開発され、上の写真のようなモダンなショッピングセンターに生まれ変わってしまいました。 この利東街一帯の変化が周辺にも影響を及ぼし、汕頭街や荘子敦道(ジョンストン道)も若者や外国人が喜びそうな街並みに変化しつつあります。利東街エリアの周辺は、昔の湾仔とグローバルな湾仔が混然としていて、香港らしい茶餐庁があったかと思うと、隣にヨーロッパ風のベーカリーや日本料理の店(ラーメン屋も多いです)、東南アジアレストランなどがあったりして。人種のるつぼ(かつて香港はこのように言われていました)ではなく、無国籍な街並みに変化しつつあります。 |
告士打道(グロセスター道)の北側(海側)は、香港政府の入京事務所ビルや香港会議展覧中心などもありますが、基本的には事務所ビル街で、グランドハイアットなどのホテルもあるエリアです。もともとの香港島の海岸線というのは皇后大道(クイーンズ道)近辺だったと言われていますが、ここ湾仔のあたりはヘネシー道あたりが海辺だった思われます。それより北は埋め立て地区ですから、数十年かけて計画的に大きな建物が建てられているわけで、特に事務所やホテルといった大規模建築が多いのです。観光客にとってはあまり縁がないのがこのエリアで、湾仔らしい下町感とか猥雑さが全く感じられないエリアです。 上の写真は、金鐘駅付近から見た湾仔北の風景です。 |
このページでは湾仔の街を、今説明した三つの顔に分けて説明しますが、当然ながら三つ目の顔である湾仔北の街については、若干触れるにとどめます。また、この三つの分類からもお分かりの通り、湾仔にはいかにも下町らしい美味しい香港グルメの店もあれば、おしゃれで美味しい外国料理のレストランもいろいろあります。それらもこのページの中でいくつか紹介していきたいと思います。 |
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香港の下町としての湾仔‥‥湾仔街市周辺 |
トラムの二階席から湾仔の下町を見たところです。午前中よりも午後の方が人が多くなります。トラムが走っている荘子敦道(ジョンストン道)の歩道は決して広くないので、歩きづらいことこの上ないです。ただ、そこが湾仔の湾仔らしいところですから我慢しましょう。 最近困るのは大陸からの観光客です。彼らは手をつないで横に広がって歩くのが大好きです。反対側から人が歩いてきても譲ることを知りません。さらに困るのは夏に日傘をさしたまま歩く女性が多いことです。香港人の女性は人が多いと危ないので傘を閉じるマナーを持っていますが、大陸の観光客はそうした人への思いやりとか安全といったものに気づいていません。性格が悪いのではなくてマナーを知らないし安全意識も低いというだけです。そのうち改善されるだろうとは思います。 |
トラムに乗ってきたならば、こうい湾仔らしい雰囲気が見えたら降りれば良いと思います。 トラムは西行きと東行きで駅名が違います。そして、どうせ読めません。ですから、駅名を覚えて降りようとしないで、風景を見て降りた方が無難だと思います。 |
と言うのも、このあたりのトラムの駅は東行き(銅羅湾・北角方面)はホームがあるけど、西行き(金鐘・中環方面)にはホームがなくて、上の写真のようにポールが立っているだけです。こんなのはトラムに乗っていても見えません。そして、西行きと東行きの駅名が異なります。何故かというと荘子敦道(ジョンストン道)の南北で道路名が異なっていて、それぞれ最寄りの道路名を駅名にしているからです。 とは言え、西行き(金鐘・中環方面)なら上の写真の汕頭街(スワトー街)、東行き(銅羅湾・北角方面)なら柯布連道(オブリエン道)あたりが良いでしょう。 |
で、下町らしい湾仔の街の核になっているのが湾仔街市(湾仔マーケット)です。湾仔街市へは、荘子敦道(ジョンストン道)から石水渠道(このページのうえから5番目の写真)を入って突き当りです。ここを起点に歩くと、下町湾仔の雰囲気を味わえます。 |
湾仔街市の前の通りは、午前中からこんな風に屋台が出ます。午後になると、この道に限らずこの辺りの道路一帯が屋台と地元のお客さんであふれかえります。かつては私もそういう雰囲気が好きだったのですが、今は暑さに弱くなったのか、そういう時間を避けて湾仔に行くようにしています。 |
夕方の石水渠道です。日本のマーケットですと夕方が最も込み合うのですが、香港では必ずしもそうではありません。良い魚介類などは朝早く行かないとなくなってしまうかもしれないですから、魚屋さんなどは午前中の方が混んでいるような気がします。 |
街市の中は小さな専門店が軒を連ねています。上の写真は街市のすぐそばにある食品専門スーパーです。ここはいつも賑わっています。 |
そんな小売店がひしめく中に、様々な食堂があるのが湾仔の特徴です。低廉な店から中級の店くらいまでしかありません。 また、午後になって出てくる屋台の業種は本当に雑多です。衣料品や雑貨、小吃(おやつ)等々見ていて飽きません。 |
魚屋さん。街市の中にも外にもたくさんの魚屋があります。香港人は海鮮料理も大好きですので、魚、エビ、カニ、貝等々美味しそうなシーフードが軒先に並んでいます。さすがに観光客には利用しようがありません。 |
この写真は12月の上旬ですが、ちょうど上海蟹の季節です。こういった感じでどこの魚屋さんでも上海蟹が並べられています。どうしても食いたくなってしまいますね。 上海蟹は小さくて食べるところが少ないとも言われますが、美味しい蟹とは、どんな蟹なんでしょう。 まずは、蟹味噌の量なのですが、そもそも、上海蟹のシーズンが秋と言われる所以は、夏に活動した蟹が秋になって寒さを感じて活動が少なくなって、蟹味噌や蟹肉が急に増えてくるということにあるようです。要は、よく運動していた蟹が運動不足で太り始めるというようなことかもしれません。また、「10月はメスが旨い」とか「11月はオスが旨い」とか言われるのは、その時期に卵や精子が増えるということのようです。 美味しい蟹に出会うためには、まず、蟹自体の素材選びがポイントなんですね。とは言っても、日本人の場合、なかなか情報が少ないので、安心できるレストラン、評判の良いレストランで食べるに越したことはありません。こうした店で蟹を選ぶ場合は、まず活きている蟹を探すことです。元気のある蟹を選ぶということが第一です。死んでいる蟹は食中毒の恐れもありますから、決して手を出してはいけません。香港人から言われたことは、裏返しにしても起き上がることが出来るくらいの元気な蟹を選ぶんだ、ということだそうですが、大体、写真のように、足が縛られた状態で売られていますから、紐を取らないと分からないんでしょうね。 香港でも安くシーフードを食べることができますので、興味があれば香港のシーフードをご覧ください。 |
湾仔道には豚肉屋さんが多いですね。 写真にあるように、肉をつるして売っています。地面を見てください。豚の死骸です。実は写真には撮れなかったのですが、私の前を死んだ豚を背負ったおじさんが小走りに歩いていて、ここの店先に置いていったばかりです。 ここ湾仔道のあたりを散歩していると、豚を背負った人の姿をよく見かけると思いますよ。それも香港の市場の日常の風景です。 |
観光客はお肉屋さんの肉も買って帰れませんけど、上の写真にあるような焼臘屋(焼味屋)でガチョウのローストとかチャーシャーとかを買って帰り、ホテルなどで食べることはできます。ホテルでビール飲む人はつまみにもなりますよ。できるだけお客さんで賑わっている店を選ぶのがコツです。 |
こちらは野菜屋さんです。色々な種類の野菜を売っています。 一般的に、中国野菜というのは炒めものにあいますね。生でサラダみたいにすると美味くないのですが、炒めるとなるほどという味になります。炒め物に合うように品種改良していったのでしょうか。 |
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利東街に見る新しい湾仔 |
さて、次に湾仔の二つ目の顔、利東街周辺エリアです。告士打道(グロセスター道)の南側(山側)であっても利東街を中心としたエリア、具体的にはトラムが走っている荘子敦道(ジョンストン道)と皇后大道(クイーンズ道)、厦門街と春園街に囲まれたエリアは再開発され、ここは上の写真のようなモダンな街並みと欧米や日韓のショップやレストランが連なります。でも、他のショッピングセンターのように、欧米ブランドや香港ブランドのチェーン店は殆どなく、それがかえって新鮮です。 また、利東街から二本・三本道を離れた通りも、庶民的な街並みの中にモダンな店が混在しています。 |
どこからどこまでが利東街みたいな街並みなのかと言うと、それは日々変わっていきますのであまり意味がありません。少なくとも利東街に行くと、「えっ、ここが湾仔?」という目を疑うような街並みになっているのです。 |
上の写真はトラムが走っている荘子敦道(ジョンストン道)と厦門道(アモイ道)の交差点にあるカフェです。上の写真を見てそこが湾仔だと思う人は滅多にいないはずです。 利東街の再開発ができたのが2015年で、以来、利東街を目当てにした欧米人や若者が湾仔に集まるようになり、そうなると同じようなコンセプトのショップやレストランが利東街周辺に出店する。こんな風に利東街の影響が湾仔に広がってきているのです。 |
2018年にはとうとうMTR湾仔駅から利東街に地下道がつながり、雨にぬれずに涼しいままに利東街まで歩けるようになりました。利東街周辺の発展は今後加速していくに違いありません。 私のように古い湾仔のファンからすると、昔の湾仔の風情を残してもらいたいなとは思いますが、恐らく時代は待ってくれないでしょう。 |
ただ、私のように中国深圳に住んでいる者から見ると、こういう利東街の街並みは深圳にはあちこちにあります。深圳はもともと何もない漁村でしたから、そうしたところにこういう街並みができて人が住み着くというのはあっても良いとは思うのです。ところが、利東街はかつては印刷屋通りと言われて小さな印刷屋が軒を連ねていた古い通りで、そういう街並みが姿を消していってしまうことには寂しさを感じてしまいます。 |
とは言え、もう利東街と言う街並みができ、湾仔の新しいページが開いたのですから、それを楽しまなければいけません。利東街にはどんな人が来るのか、というと、朝、休日の朝は地元の香港人が多いです。ワンちゃんの散歩道です。車が通らないので犬も安心して散歩できます。 休日に多いのは、それからフィリピン人のアマさん(お手伝いさん)。休日は香港人が家族を大切にする日なので、住み込みで働いているアマさんが朝から外出して、ここ利東街にも来るのです。それから、観光客が多いです。夜になると、若者やオフィス帰りの人で結構混みあいます。 |
ここ利東街には日本のスイーツ店も頑張っています。上の写真の銀座ウエストは同社の海外第一号店をここ利東街に出して、お客さんもよく入っているようです。銀座ウエストの対面には、ヨックモックのレストランがあり、他に表参道カフェもあって、日本勢はグルメの方面で頑張っています。 この利東街には、いわゆるブランド品の店というのはなくて、中国茶の店とか文房具の店とか小吃の店とか、そういう意味では昔の庶民の街、湾仔らしい日常品を扱うショップが多いです。湾仔という地域のイメージを生かして、そうした店を意識的に集めているのかもしれません。 |
湾仔というのはもともとごちゃごちゃした街です。 そこに現代風に無国籍にごちゃごちゃした新しい街を作ったと考えれば、前向きにとらえることができます。しかも、おしゃれして出かける街ではなく、普段着で出かけられる街として利東街を考えれば、なるほど湾仔を現代風にリニューアルした街だと納得することができます。 そう考えると、この利東街を中心にした東洋と西洋が入り混じった無国籍な街づくりの今後が楽しみになってきます。 |
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湾仔(ワンチャイ)でグルメ |
ここまで見てきたように、湾仔には香港の昔の下町という側面とモダンな無国籍な街という側面とがあります。この二つの側面は当然ながら湾仔のグルメ事情にも影響します。いかにも香港グルメの名店がある一方で、グローバルにグルメを楽しめる街が湾仔なのです。 では、いくつか私のおすすめの店を紹介します。湾仔のグルメで最近の注目は、開店して1年にも満たないうちにミシュランの一つ星を取ったローストご飯の甘牌焼鵝です。甘牌焼鵝という名のこの食堂(レストランというほどの店ではありません。)のオーナーシェフは、あの鏞記創業者の孫だそうです。鏞記と言えば、小さな屋台から初めて一代で香港を代表するローストの店になった伝説のレストランで、鏞記のガチョウのローストは今でも香港ナンバー1のローストのレストランとして知られています。 私は鏞記は好きではないですけれども、ここ甘牌焼鵝のローストは大好きです。おすすめです。 |
上の写真は甘牌焼鵝で食べたガチョウのローストとバラ肉のロースト(焼腩)を乗せたぶっかけご飯、ランチセットで食べたものです。 ガチョウのローストは皮のパリパリ感が見た目にもわかります。食べてみると、肉汁がジュワッと口の中に広がる肉、素晴らしいの一言です。一方、豚のバラ肉のロースト(焼腩)これまた、皮はパリパリ、肉汁ジュワッです。皮はパリパリとバリバリの間くらいの食感で、この食感が素晴らしいのです。また、写真からも分かるように、とろけるような肉、口の中にあふれ出る肉汁にも感激します。 |
これで、HK$72は安すぎます。倍の値段を払ってでも食べたい焼味です。甘牌焼鵝のローストご飯は、まさに史上最強のローストご飯です。甘牌焼鵝については、湾仔の市場から少し離れていますが、5分ちょっと歩けば着けます。地図は甘牌焼鵝のページに載っています。 |
甘牌焼鵝のローストは、香港で一番美味しいと私は思っています。でも高いですし、それ以上に問題なのは大行列ができてしまってかなりの時間並ばなければならないことがよくあるということです。特に最近は大陸から来る中国人にも大人気で、混み方がますますひどくなってきています。でも、ただただローストご飯を食べに湾仔まで来て大行列に恐れをなして帰ってしまうというのはなかなかできません。もう胃の中はローストご飯を待ち受けています。 そんな時におすすめなのが香港人に大人気のローストご飯屋、再興焼臘飯店です。ここも大人気の店ですから店外にお客さんがあふれていますが、回転が速いですからすぐに順番が回ってきます。 |
この店の一番人気はチャーシューです。チャーシューは必ず注文しましょう。それに焼肉(豚バラ肉)を組み合わせたのが上の写真です。これでHK$30ですから甘牌焼鵝の半値以下です。それでいていつも満足させてくれる味なのです。香港人で大混雑するのも納得できます。 場所は甘牌焼鵝があるヘネシーロードを銅羅湾方向に歩き一つ目の信号を渡ったところですから、歩いて1分です。せっかく甘牌焼鵝に来たけれど、この大行列を待つ気にはなれないという時はこの再興焼臘飯店を代替策として利用するということにしたら如何でしょうか。もちろん甘牌焼鵝に比べたら満足度は落ちるものの、美味しいローストご飯は食べることができます。 |
ローストご飯が香港グルメの柱だとすれば、無国籍の代表はパッション(Passion by Gerard Dubois)でしょう。利東街のほぼ中央にあるパッションは、Gerard Duboisというスイス生まれのシェフがオーナーのカジュアルレストランで、2018年8月現在、香港に6店、マカオに2店の店舗を有するチェーン店です。 大変な人気店で、ランチタイムともなると大変混みあうので、買っても席がないということにもなりかねません。ただ、二階席は比較的回転が速いので、少人数なら少し待てば座れるでしょう。 |
私はここではサラダとパンをブランチまたはランチとして食べています。サラダは10種類以上あってどれも美味しそうです。ついつい取り過ぎてしまいます。 |
パンは、私の好みではクロワッサンが一番美味しいでしょうか。 この日のサンドイッチはパンが今一つでした。パンの種類は豊富ですから、本当に目移りしてしまいます。また、美味しそうなケーキもたくさん種類があって、いつも迷ってしまうのですが、迷うだけで実は一つも食べたことはありません。サラダとパンでお腹がいっぱいになってしまうからです。 |
パンということであれば、汕頭街の一番皇后大道(クイーンズ道)寄りにあるブレッド&ビーストもおすすめ店です。ここはオーナーが日本人ですが、無国籍なメニューで、ハンバーガーやパスタなどを気軽に食べることができます。 |
この日私が選んだのは牛バラ肉がたっぷり入ったハンバーガー(Ngau Lam''wich)。パンも美味しいですし、何と言っても牛バラ肉が素晴らしい。アメリカのハンバーガーみたいで豪快です。 |
湾仔には美味しいレストランや食堂が沢山あるから、パンは買って後で食べたいという人もいるでしょう。そんな人におすすめなのはベイクハウスです。厦門道と汕頭街の間にある大王東街にあります。 |
この店は次から次へとパンが焼きあがり、そのパンが次から次へと売り切れて行ってしまう人気店です。パンを湾仔で食べたいときはパッションかブレッド&ビーストで、買って帰るならベイクハウスという使い分けです。これらの店が徒歩3分の距離に集積している街が湾仔なのです。利東街の良い影響ですね。 |
さて、利東街開発以降の湾仔の無国籍化を象徴するのが、マレーシア料理のラクサです。ラクサは店名でもありますが、もちろんこの店の自慢料理はラクサです。この食堂に来たら、ぜひラクサを食べてみましょう。 荘子敦道(ジョンストン道)を金鐘に向かって歩いて右側、汕頭街よりも金鐘側になります。 |
マレーシフ料理の人気メニューであるラクサには、チキンやシーフードといった定番もありますが、せっかくこの店に来たら試してもらいたいのが伊勢海老ラクサとロブスターラクサです。いずれもそれなりに値段は張りますが、それだけのことはある料理です。 上の写真は伊勢海老のラクサ、30cmに近い大きな伊勢海老がドーンと載っています。ラクサの辛さは微辛、中辛、大辛の三種類から選べる仕組みです。辛い味付けが苦手な香港人の好みに合わせていますから、その辺を頭に入れて注文してください。もっと辛くしたい場合は割増料金でさらに辛口にすることができます。因みに私は大辛にしています。 |
伊勢海老はナイフとフォークで食べます。このまま食べても良いのですが、半分くらいはラクサの中に入れると、ラクサ全体に伊勢海老の香りが染み込み、とても美味しく食べられます。ぜひ一度お試しください。 このラクサという店がある場所は利東街から歩いて5分くらい、利東街の効果がもうこんなエリアまで広がってきているのです。ついでに言えば、タイ料理の店は利東街周辺に数多くあって、利東街の隣の厦門街にもいくつかあります。同じように日本のラーメン屋も数多いのが、この利東街周辺の特徴の一つです。 |
さて、伝統的な香港グルメの店に戻りましょう。雲吞麺(エビワンタン麺)の永華麺家です。ヘネシー道にあって、日本人にはあまり知られていませんが、香港人には人気の名店です。 |
香港でワンタン麺というと、エビワンタン麺を指します。エビワンタンは麺の下に隠れていますから、麺の下から掘り出して食べてください。ここ永華麺家のワンタン麺は少し小ぶりですので、小食の私でもランチとしては少なめに感じます。むしろ、おやつ代わりに食べると良いと思います。 |
雲吞の中にはプリプリのエビが入っています。香港に来たら、このエビワンタン麺は必ず食べたいメニューです。中環の沾仔記や元朗の好到底に比べると満足感はいくらか劣るものの、永華麺家の雲吞の出来や麺の美味しさは高水準ですから、必ずや満足できると思います。伝統的な香港グルメを湾仔で楽しみたいときの一つの選択肢です。 |
伝統的な香港グルメを湾仔で楽しみたいときの選択肢という点では、茶餐庁も忘れてはいけません。茶餐庁というのは香港式喫茶店のことで、軽食のメニューは香港式から西洋式(パンやパスタ類)まで揃えているような店で、香港中にたくさんあります。ここ湾仔にも数えきれないほどの茶餐庁がありますが、利東街の近くで私が何回か行ったことがあるのが上の写真の大發茶餐庁です。 場所は大王東街です。利東街の西側(中環方面)には厦門街、汕頭街があり、その次が大王東街です。 |
この大發茶餐庁でのおすすめはシンガポール焼きビーフン(星洲炒米粉)です。シンガポール焼きビーフンも香港B級グルメの定番料理の一つで、カレー味で炒めたビーフンです。これが意外に美味しいのです。 これが本当にシンガポールの焼きビーフンの味なのかというと、私は甚だ疑問ではありますが、香港で「シンガポールビーフン」と言えばカレー味なのです。ちょっとだけ辛い味付けですから、辛い料理が苦手な人でも問題なく食べられます。 |
上の写真は大王東街のペット屋さんです。こういった庶民的なにも立ち寄りながら、湾仔のグルメを探訪する散歩するのも楽しいです。 湾仔は見るところが沢山あります。食べたいものもたくさんあります。ぜひ湾仔のぶらり旅を楽しんでください。 |
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香港会議展覧中心と湾仔碼頭(フェリー乗場) |
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