深圳・寛窄巷の四川串串と小吃はおすすめ |
寛窄巷は地下鉄下沙駅前のKK Oneにあります |
深圳経済は中国経済が中成長時代に入っても、相変わらず好調を維持しています。その一つの原因に流入人口が多く、また、賃金上昇率も高いことなどから、個人消費が相変わらず伸びていることがあります。そうした背景もあって新しい地下鉄路線が次々と建設・開通しています。 このページで紹介する寛窄巷があるKKOne(ケーケーワン)がある下沙もそうした新しい路線の一つである9号線にできた駅です。KKOne(ケーケーワン)は9号線の下沙駅と地下道で結ばれていて大変便利な場所にある大型ショッピングセンターです。深圳で最も高さがあるKK モールよりは小さいのですが、深圳でも五本の指に入る広いショッピングセンターです。 |
そんなKKOne(ケーケーワン)にある寛窄巷は四川小吃のレストランというか食堂です。気軽に入れる店なので、知っておくと便利かもしれません。 この寛窄巷では四川料理のなかでも小吃(軽食)メニューが豊富で、特に串串料理があるのが特徴です。串の種類もいろいろあって、選ぶだけでも嬉しくなってしまいます。もちろん、四川の串料理ですからピリッと辛いです。 |
上の写真は四川省成都の錦里にある串串屋さんです。これが本場の串串料理のスタイルです。店先に串が並んでいて、お客さんはその中から自部の好きな具を選んで注文するのです。ただ、串串料理店は本当にたくさんあって、ひしめくようにあるので、具が良くて安くないとお客さんは買ってくれません。競争原理が働いて質の高い串料理を食べられるのが成都です。 |
道端に並ぶ串串店で串を買い、串を食べながらショッピングや街歩きを楽しむのが成都スタイルです。これ、なかなか良いもんなのです。そんなことで、成都の思い出である串料理を深圳でも食べられないかということで探してみたところ、ここ寛窄巷を見つけたわけです。串料理というのは、ここまでの話でもお分かりの通り、まさに小吃ですから、お洒落して豪華に中華料理を食べようという人には向かない食堂です。 |
寛窄巷には串料理のほか、四川料理のメニューがいろいろあります。特に小吃メニューが豊富です。串串料理は店頭で注文しますが、他のメニューはテーブルでメニューを見ながら選ぶことになります。 そもそも四川料理というのは、四川省が本場の料理で、麻婆豆腐や回鍋肉、担担麺など、辛い料理で知られています。私が思うに、もともと四川の山奥では新鮮な素材が入りづらいため、素材の味よりもスパイスなどの味付けでもって、美味しく食べられるように工夫した料理ではないかと思います。良い素材が手に入る香港や上海では、素材の味を殺してしまうような調理法は好まれず、その結果、あまり辛くない四川料理を食べさせられることが多いような気がします。 この深圳という街は、その殆ど95%以上の人が深圳以外の地域からの移住者で、四川省から来ている人も少なくありません。本場の四川料理を知っている彼らからしてみると、香港や広州で昔から営業していたレストランで食べる四川料理は四川風料理にしかすぎず、四川料理では決してないのです。そこで、深圳には数多くの大小さまざまな本場の四川料理レストランが、四川の人たちにより開店していて、香港では食べられない本場の四川料理を楽しむことができます。 なお、香港から深圳への行き方については、こちらで詳しく紹介しています。 |
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まず、串串をいただきます |
この日は朝からの打合せが昼過ぎまで伸びてしまい、遅い昼食を深圳生まれの若い女性といただいています。串料理の選択は彼女に任せたところ、選んできたのはまずアヒルの水かきです。コリコリした食感とピリッとした味付けが最高です。美味しいですね。 |
この日は私が減量中ということもあって、野菜中心の串串になってしまいました。私の健康を気遣ってくれたのはうれしいのですが、ひょっとして自分もダイエット中だったのかもしれません。 |
彼女が選んだダイエット志向の串串ではありましたが、私がメニューからたくさん注文してしまったので、そんな努力は水泡に帰してしまいました。 この寛窄巷は小吃店ですので、小吃についてはこの後詳しく紹介するとして、それ以外の料理だけここで紹介してしまいましょう。上の写真で左はよだれ鶏、右は白片肉です。前者が鶏肉で後者は豚肉で、どちらも辛いです。そもそも先ほど紹介したように深圳では本場に近い四川料理を出すので四川料理は想像よりも辛いです。味付けは美味しいですけど、素材は少し落ちるという印象です。 ここ寛窄巷は小吃店ですから、このような四川料理を食べるなら缪氏川菜や俏江南などの四川料理レストランに行った方が良いでしょう。寛窄巷では串串をはじめとした小吃を食べたいものです。 |
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四川小吃と担担麺 |
ここ寛窄巷は成都小吃の店ですから小吃を詳しく紹介しましょう。まず、紅油龍抄手です。抄手というのはワンタンのことで、ワンタンは広東省では雲吞、上海や北京では馄饨(フントゥン)と言いますのでこれが日本語になってワンタンになったのでしょうけど、四川では抄手(チャオショウ)と言うのです。抄手の前にある龍の字は、成都の有名店である龍抄手の固有名詞だったはずですが、成都でも小吃店では龍抄手というメニューが日常的に使われています。もちろん龍が付こうが付くまいが抄手に変わりはありません。 そして、紅油というのは辣油のことです。上のメニューを見ると、紅油龍抄手と並んで原湯抄手というのがありますが、原湯の方は辣油の中に入っているのではないのできっと辛くありません。実は原湯の方は辛いもの好きの私は興味がないので食べたことがないのです。 ということで解説が長くなりましたが、要は日本語メニューに直せば辣油ワンタンです。小吃としては上出来の味で、成都らしいかなり辛い小吃で、私の大好物なのです。成都の小吃店を彷彿とさせる味です。 |
そして、担担麺の紹介に入りますが、この日は二種類の担担麺を注文しています。 まず上の写真は担担甩麺です。一緒に食べた女性の説明から、幅広の短い麺と聞き日本の刀削麺かと思っていたのですが、全く違います。そこで日本にはない甩(シュアイ)という字の意味を確認してみると振るという意味の字だそうで、要は麺を振って幅広にした麺なのだそうです。 写真では見えませんが、麺の下の方に担担麺の具も入っていて、よくかき混ぜて食べます。深圳では担担麺はあちこちで食べられますが、担担甩麺については私はここでしか見たことがありませんから、寛窄巷で担担麺を食べるなら担担甩麺がおすすめです。 |
担担麺も注文しました。当然ですが汁なし麺です。これをよくかき混ぜて食べることになります。担担麺に関していえば、深圳ではあちこちの四川料理店で食べることができます。日本でラーメン屋に行く感覚でもっぱら担担麺だけ食べたいということであれば、あちこちに店舗がある蓉李記かここ寛窄巷がおすすめですし、いろいろな四川料理を食べて締めで担担麺を食べたいということであれば、あちこちにある深圳の四川料理店でも食べられます。 |
汁なし担担麺はこんな風に良くかき混ぜて食べます。麺の下には辛い汁も入っていますのでよくなじませます。強烈に辛いというほどではありませんが、辛さに対する抵抗力は人それぞれですから、日本人の中にはこの辛さであってもちょっとキツイという方がいるかも知れません。 まあ、普通に十分に美味しい担担麺です。担担甩麺とあわせておすすめです。 |
まあ、辛い物ばかり注文してしまいましたから、辛さに対する抵抗力が強い私でも口の中が痺れてきてしまいます。本来であれば辛くない料理も混ぜると良いでしょうけどこの日注文したのは成都の甘いデザートです。棗(なつめ)入りの甘いデザートです。これを食後ではなく最初から注文して、口の中を中和しながら辛い料理を楽しんだわけです。このデザートも意外に美味しかったですよ。 |