深圳の焼鵝とチャーシューなら徳記焼臘 |
深圳にも美味しい焼臘屋(ローストご飯屋)があった |
深圳は香港と接する広東省の都市です。だから料理は香港に近いのかというと、そうでもありません。深圳という街はかつては人口3,000人の漁村だった地域が、鄧小平さんの改革・開放路線の象徴として経済特区に指定された以降、あっという間に人口が膨れ上がった街ですから、人口の大半はもともと広東省以外にいた人です。ですから、深圳では良い意味で広東省だけではなく中国全土の食文化を楽しめます。そこに深圳のグルメの楽しさ・面白さがあるのですが、その一方で香港に隣接しながらも香港の食文化の影響は少ないということになります。 私は香港の焼臘飯(ローストご飯)が大好きなのですが、その焼臘飯も深圳では美味しい店がなかなか見つけられないのです。深圳に住み着いて3か月、あちこち探した結果、現時点で最も美味しい焼臘飯(ローストご飯)を食べさせてくれる食堂が、このページで紹介する蛇口徳記焼臘飯店です。 |
場所は東角頭駅と水湾駅の間に位置していて、南水歩行街に面しています。実は徳記という店は二つあって、二つの徳記焼臘の関係はよく分からないのですが、同じ系列だろうと思います。このページでは一番上の写真の店を大きいので「本店」と呼ぶことにします。南水歩行街と漁村南路の交差点に面しています。本店から一分くらい水湾側に南水路を下ると上の写真にあるもう一つの徳記があります。こちらをこのページでは「分店」と呼ぶことにします。 どちらも焼臘店ですが、本店の方は夜になると海鮮料理を食べる人が多いので、夜に焼臘飯を食べる時は水湾駅側にある分店で食べた方が周囲から浮かないと思います。私は徳記に来る目的を焼臘飯にしていますので、分店の利用が多いです。 |
上の写真は分店の方のウインドーです。ローストが見るからに美味しそうに並べられています。これを見てしまうと入らないわけにはいかなくなります。と言うよりも、もともと徳記焼臘のローストご飯を食べるために蛇口エリアまで来ているわけですから、店に入らないはずもありません。 |
店内です。分店の方は通常の焼臘店と同様にロースト類のメニューがありますからこれから選びます。シーフードなども持ち込めば廉価な調理費で料理してくれます。 |
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徳記焼臘のローストご飯 |
徳記焼臘のおすすめの第一は焼鵝飯(ガチョウのローストご飯)です。このガチョウは美味しいです。特にパリパリに焼けた皮を噛んでいるとジューっと汁が出てきて、噛めば噛むほどおいしさが出てくるのです。これは香港の味ですね。この焼鵝の美味しさになかなか深圳では巡り合えなかったのです。 初めて食べた瞬間に「これだ!」と心の中で叫びました。私が深圳で探していた焼鵝の味はこれだったのです。 |
焼鵝以外のものも食べてみようということで、続いて焼鵝&叉焼飯です。焼鵝は同じコメントになりますので差し控えますが、味に波がないです。安定して美味しいです。 一方、チャーシューですが、これも美味しいですね。深圳一とまでは言いませんが、深圳の平均水準をはるかに上回る味です。この日はちょっと焼き過ぎたチャーシューなので写真写りは悪いですね。でも、いつもはもう少し写真映えしています。 |
そういうわけで徳記焼臘店はすっかり私の贔屓の店になりました。実は私は南山区に住んでいるのですが、ここ南水路の徳記焼臘まではバスと徒歩で20分くらいかかります。会社との通勤経路でもありません。いつもは休みの日の昼過ぎくらいに行っていて、ガチョウを中心に、時々チャーシューも食べたりしていたのでした。 ある日、会社の帰り6時過ぎくらいに行ったときに気付いたのですが、その時間帯ですと焼鵝が売り切れている確率が高いようです。また、日によってはチャーシューも売り切れてしまっています。 そんな日に試したのが澳門焼腩肉(マカオ風焼きバラ肉)飯です。これは豚の皮つきのバラ肉を皮をカリカリになるまで焼いたもので、油っこいけど私は嫌いではないローストの一つです。だけど、この日の出来が悪かったのかどうかは分からないのですが、皮がカリカリを通り越して硬すぎる印象でした。次回、もう一度確かめる必要がある料理です。 |
以上は、分店の方で食べたものです。今度は夜に本店に行った際に食べたものを紹介しましょう。この日は夕方7時くらいに徳記焼臘の本店に到着しました。実は分店の方に行ったら席が空いてなかったので本店に来てみたのです。本店はテーブルが大きく、どのテーブルも既に海鮮料理の宴会で盛り上がっているのですが、一人くらいなら座れるスペースはいくつもあります。 そこでテーブルに着いてローストを食べようとしたのですが、ガチョウもチャーシューも売り切れで、しかもこの時間はローストご飯は出していないということなので、一品料理で白切鶏を注文しました。これは白切鶏飯の倍くらい量がありますから一人で食べるには多すぎるのですが、普通に美味しいので完食してしまいました。見るからにおいしそうな白切鶏ですよね。 |
野菜は通菜のニンニク炒めにしました。これは定番中の定番ですが、やはり美味しい店で食べると美味しいのです。白切鶏と通菜炒めにご飯という組み合わせで、ちょっと食べ過ぎではありますが、お腹いっぱいで、味も価格も大満足の夕食になりました。ただ、ここでローストだけを食べていると、場違い感は感じますね。 |
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南水路を歩いてみよう |
徳記焼臘がある南水路歩行街一帯は蛇口の中でも真っ先に開発されたエリアで、再開発もされていないため昔ながらの風情が残っていて私は好きです。徳記焼臘店も創業が何年なのか分かりませんが、深圳では老舗店であることに間違いはありません。当時の深圳を考えれば、羅湖が深圳の入り口であった一方で、蛇口も香港からフェリーで楽に来れる場所でしたので、蛇口は香港人が多く住み着いたと聞いています。 そのせいかこのエリアには、深圳の他のエリアとは異なり、香港の影が多少見える気がします。例えば深圳では珍しいワゴン式飲茶の華洋酒楼も水湾の駅前にありますし、香港人の好きな海鮮市場もこの南水路に面しています。夜にもなると、市場でシーフードを買って酒楼に持ち込み広東料理に舌鼓を打つという香港らしい食文化もこのエリアにはあるのです。 |
マッサージ屋がやたらに多いのもこのエリアの特徴で、全体的に年配者が多いからなのかなとも思いますし、香港の影響なのかなとも思います。 |
このエリアに来た時に時々マッサージを受けるのですが、1時間45元で丁寧な脚マッサージをしてくれます。ここを覚えてしまってからは、深圳の他のエリアでマッサージを受ける気がしなくなってしまいました。しかも、上の写真の通り、足裏のカッピングまでします。足裏のカッピングは初体験でした。 そんな具合で、ここ水湾から東角頭の一帯は何となく最近の私のお気に入りエリアになってしまったのです。 |
話を徳記に戻しましょう。この写真は分店の入り口です。ローストご飯を食べるなら分店が良いでしょう。ただ、8時半が閉店だと聞いていますし、上にも書きましたが夕方6時を過ぎるとローストが売り切れていることが多いので、できるだけ昼間に足を延ばした方が良いと思います。 一方、本店の方は深夜も営業しています。もちろん、ローストは遅い時間には売り切れているでしょうから、ローストを食べるなら夕方前に行く必要があると思います。 |
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香港の美味しい焼臘屋 |
この徳記を見つけるまで深圳で試行錯誤をしていた一方で、やはり美味しい焼臘飯を食べたくて香港まで食べに行っていました。一番多く行ったのが元朗の天鴻焼鵝です。元朗ですと深圳湾からバスで30分もあれば行けるので、ローストご飯を食べたくなったらパスポートを持って香港元朗まで脱出していました。詳しくはリンク先のページの下の方で紹介していますから、そちらを参照してください。 |
まあ、香港島まで行くのが面倒くさくなければ、そして値段に糸目をつけなければ、甘牌焼鵝の焼鵝とか焼腩とかは最高に美味しいですね。ただ、ここは混んでいると待たなければならないし、何と言っても深圳からの時間が元朗に比較して、往復で1時間半くらい多くかかってしまうので、あまり多くは行かなかったです。 おかげさまで、徳記焼臘の発見以降、香港に行ったときはローストご飯以外の別の香港グルメを堪能することができるようになりました。有難いことです。 |
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