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アジア写真帳(上海) : 旧フランス租界を歩く

<丁香花園から唐韻茶房まで、復興西路と衡山路を歩く>

アジア写真帳(上海)




丁香花園

上海:丁香花園入口

 フランス租界は、かつて多くのフランス人が住み着いたところ。復興西路周辺は邸宅街だったところで、今もその雰囲気が漂います。この日は、復興西路と華山路との交差点付近にある丁香花園を起点に歩いてみることにします。
 丁香花園は、清代末期の軍人・政治家の李鴻章が愛人の丁香のために購入した邸宅です。丁香は李鴻章晩年の愛人で、七番目の愛人です。まだ年若い丁香が正妻やその他の愛人などと不和だったため、李鴻章は上海に丁香のための別荘を建てたとのことです。丁香とはライラックを意味しますが、ライラックの木が多く植えられているわけではありません。
 この丁香花園には申粤軒という広東料理店があって、昼間は本格的な点心を食べさせてくれます。この日も、飲茶を十分に楽しんだ後での散歩です。

上海:丁香花園の洋館

 丁香花園にある邸宅の一つです。中に入ることはできませんでしたので、外から外観を楽しむだけでした。李鴻章が丁香を喜ばさせるために建てた邸宅だけあって洒落ています。

上海:丁香花園の庭とレストラン

 李鴻章は愛人の丁香を喜ばさせるために、立派な広い庭も造りました。入口近くには中国庭園が、そして敷地の中には芝生を敷き詰められた洋式庭園が広がります。先ほど紹介した広東料理店の申粤軒は、上の写真の正面の建物で、敷地の奥の方にあります。申粤軒の料理はこちらをご覧ください。



復興西路の邸宅街を歩く

上海:復興西路のレストラン

 丁香花園を出て、復興西路に来ました。復興西路はここで華山路と交差していますが、このあたりが旧フランス租界の西の端になります。ちょうどその場所に建てられている洒落たカフェです。このあたりは、プラタナスの並木道になっていて日陰も多いので、ちょっと一服するのにも良いですし、夜なんかもビールやカクテルなどを楽しむのに良さそうな場所です。
 建物入口に夏朶花園という文字が見えます。

中国語はそんなに難しくありません。
私の経験でも、英語よりはるかに早く話せるようになります。
初歩の中国語ができるだけでも、中国旅行が百倍楽しくなりますよ。



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上海:復興西路の邸宅

 復興西路から衡山路まではゆっくり歩いて15分くらいですが、邸宅が並んでいる通りです。武康路など交差する道にも邸宅が並んでいます。この周辺の洗練された街並みを歩いていると、フランスの街を歩いているかのような錯覚に襲われます。
 とにかく上の写真のように広い敷地を高い塀が取り囲んでいて、また、歩道のプラタナスが大木に育っています。なかなか建物の写真が撮れません。


 上の写真は武康路に建つ欧風様式の住宅です。武康路はこうした住宅が並ぶヨーロッパ風の邸宅街で、フランス租界の雰囲気を味わえる散歩道です。
 そもそも旧フランス租界は、外灘の南側(延安東路の南側)を東の端として、また、この辺りを西の端として東西に広がっていたわけですが、東側の外灘は金融街、それを抜けると住宅街になっていました。が、例えば人民公園(旧競馬場跡)の南側あたりは中国人のための住宅密集地でしたし、復興公園の北側(復興中路と淮海中路との間)はロシア人が多く居住するリトルロシアと呼ばれるエリアでしたから、フランス人はそれより西のエリア、すなわち衡山路辺りから西のエリアに広い土地と邸宅を構えたようです。ですから、旧フランス租界の中でも邸宅街の雰囲気を味わいたい場合には、この辺りがおすすめエリアになるわけです。

上海:復興西路を散歩する人

 復興西路を散歩する一家。夏の日差しもプラタナスの並木が遮ってくれます。
 この一家はこの付近に住んでいるのでしょうね。ご婦人がカメラを持っているのを見ると、子供のできた若夫婦の住む上海に老夫婦が遊びに来たのかなとも思いますが、もともと三世代で上海に住んでいる一家なのかもしれません。

上海:復興西路で犬の散歩

 犬と散歩する女性です。最近は上海でも犬をペットとして飼う家が増えてきています。私が住んでいた香港の浅水湾(REPULSE BAY)あたりも白人さんが多く住んでいましたので、犬を散歩させる住民を多く見かけたのですが、ここ上海の復興西路周辺も同じような光景が良く見られます。
 道路の向こうの壁は、とてつもなく広い邸宅の外壁です。

上海:復興西路のショップ

 衡山路、特に東平路のあたりが洒落たナイトスポットとして脚光を浴びていますので、そこから程近い復興西路も、上の写真のようにお洒落なショップやバーがいくつかオープンしています。あまり、こうした店が多くなってしまうと、閑静な邸宅街としての魅力がそがれてしまうので、あまりショップやバーが増えないことを私としては期待しています。

上海:復興西路のショップ開店

 この日も一つの店がオープンする準備をすすめています。花に書いてある名前からすると中国系の店ですね。

上海:復興西路の中国人
 
 このエリアにも、当然のことながら沢山の中国人が住んでいます。上の写真の親子はこの辺りに住んでいるのでしょうか。ほのぼのとした風景です。
 このエリアには、かつての李鴻章のように愛人の別宅を建てた人もいれば、蒋介石と宋美齢夫妻のように自宅を構えた人もいます。彼らは別格としても、ビジネスで財を蓄えた中国人たちはこのエリアに多く居を構えていますし、上の写真のようにこれから大きな財を成していこうとする中国人たちも居を構えています。
 いろいろな人が住んでいるこの復興西路周辺ですが、とにかく、ゆったりとした街で人があくせくしていない、優雅な生活を垣間見ることができます。



衡山路を歩き、唐韻茶房へ

上海:東平路のサーシャス(Sasha's)

 さて、復興西路を丁香花園から15分ほど歩くと、衡山路に出ます。この辺りになると、レストラン、バーやショップが多くなってきます。
 写真の建物はサーシャス(Sasha's)というレストランです。瀟洒な洋館です。ナイトライフで人気の東平路と衡山路の交差したところにあります。
 この建物の最初のオーナーは、当時の中国を代表する富豪であり政治家の宋子文です。彼の姉妹である宋慶齢、宋靄齢、宋美齢はそれぞれ孫文(中華民国を建国)、孔祥熙(孔子の子孫で大富豪)、蒋介石(孫文を支えて革命を指導、後に国民党代表として中華民国を台湾へ遷都)と結婚していますので、当時の中国における、まさに華麗なる一族だったわけです。そんな一族の長である宋子文が建てただけあって、内外装ともに洒落た洋館です。
 東平路や汾陽路周辺には、ほかにもセンスの良い洋館が沢山ありますが、それはまた別のページで紹介することとして、ここでは、地下鉄衡山路駅方面に歩いていきます。

上海:衡山路のネイルサロン

 東平路から衡山路を地下鉄衡山路駅まで歩いていく途中は、上の写真のように、プラタナスの並木道にこぎれいなショップやバーが並んでいます。写真のネイルサロンは、ちょっと人気の店のようです。
 ただ、衡山路は自動車が多いので、うるさいし空気が良くないですね。

上海:唐韻茶房の入口
 
 衡山路駅の手前にある唐韻茶房の入口です。
 唐韻茶房は日本でも広く紹介されている茶房で、本格的な中国茶を楽しみたい人のための茶房です。中国の茶館や茶房の雰囲気を味わう場所として、私のおすすめの場所です。

唐韻茶房の店内

 店内は明るく清潔ですし、ゆったりとした時間を楽しむことができます。また、ポットがありますから何杯でもお茶を飲めますし、お茶請けも好きなだけ取ることができますので、ちょっと一休み、ということではなく、じっくりと中国茶の時間を楽しんでもらいたいと思います。唐韻茶房については、こちらで紹介しています。


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