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揚州の街のシンボル、文昌閣です。揚州を歩く際には、この文昌閣を中心にして考えると道が頭に入りやすいと思います。例えば、个園は文昌閣の北東、富春茶社は文昌閣の南東、痩西湖は文昌閣の北西、そして、その途中に冶春茶社と冶春花園、といった具合にイメージできるのです。また、揚州の夜はこの文昌閣の北側が人出が多いところです。 この日の夕食は、中国のネットで調べて、地元の人気ナンバー1の店、盛宴に行くことにしました。地図を見ると、文昌閣の北側に5分程度歩いたところにあるようです。 |
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予定通り、文昌閣から歩くこと5分で盛宴に到着しました。一階の入口からして白を基調にしたモダンな内装で、明るいレストランです。4フロアーか5フロアーくらいありそうな広いレストランです。 指定された階に行ってみると、上の写真の通り、明るいモダンな内装が揚州にいることを忘れさせます。 |
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席に案内されると、メニューを渡されます。上の写真がメニューで、印を付けてウェイトレスに渡す仕組みです。ウェブ上でも人気が高かった獅子頭が8元、盛宴炒飯茶碗一杯が10元など、お手ごろ価格です。こんな値段で本当に美味しかったら、大感激です。 |
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なんと、メニューで品定めをしていたらスイカが出てきました。普通はデザートで出てくるのに、最初に出てしまうのですね。実はこの日、昼飯を冶春茶社で食べたのが3時過ぎだったものですから、お腹がすきません。とは言っても、田舎の揚州です。あまり遅くなると本格的なレストランが閉まってしまう恐れもありますので、盛宴に着いたのが9時少し前でした。10時くらいにはこの盛宴はクローズしてしまうようですから、私たちの到着時間が遅かったから先にスイカが出てしまっただけなのかもしれません。 |
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蟹黄鶏汁煮干絲が出てきました。干絲とは干し豆腐を細切りにしたもので、これを鶏がらスープにたっぷりの蟹粉を加えて煮た料理で、揚州名物の一つです。スープが多くて具が分かりづらいので私の取り皿に移してみましょう。 |
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玉子そばみたいに見えますが、そばのように見えるのが干し豆腐で、玉子みたいに見えるのが蟹黄スープです。蟹がふんだんに使われている贅沢な味で、しかもあっさりしていて旨いです。この日、あまり空腹感がない中での夕食だったのですが、これなら食えます。 さすがに人気店だけあってなかなか良いレストランだと二人で話している時に、ウェイトレスが来て「ごめんなさい。獅子頭(名物のハンバーグ入りスープ)が売り切れていました。何か他の料理にいたしますか?」と済まなそうに言います。でも、正直言って、あまりお腹が空いていなかったので、半分くらいは助かった気持ちで追加料理は要らないと対応しました。 |
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これも盛宴の人気メニューの一つであるキノコ炒めです。期待していたのですが、これは上品そうに見えて結構脂っこいのです。私たち二人は半分くらいしか食べられませんでした。この料理がこの日一番高い料理だったのですが、やっぱり空腹感がないときの食事はつらいものです。 |
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そして、盛宴炒飯です。お椀で二つ注文したのですが、これが意外に量が多くて、日本なら炒飯どんぶりの大きさです。これも玉子チャーハンですからねやはり揚州炒飯の一種類です。さすがに店の名前を冠した炒飯だけあります。実は、揚州で4箇所のレストランで炒飯を食べましたが、ここが一番私の舌には合いました。味付けがすこぶる良いのです。そして、ご飯の炒め方も少しパラッとした軽い感じで心地良いのです。実は炒飯が来てもあまり食べられないと思っていた私なのですが、何とどんぶり一杯分の炒飯を完食してしまいました。 本当に旨いです、盛宴炒飯。インターネット上でもこの盛宴炒飯を絶賛する書き込みが多いのですが、揚州ナンバー1の揚州炒飯です。このどんぶり一杯で10元(日本円120円。2011年9月現在。)というのは信じられません。 |
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そして、私たちの炒飯への食欲を書きたててくれたのが、これ、寧波酸白菜です。いわゆる漬物です。すっぱ辛くて、その味が盛宴炒飯にぴったりなのです。これも合格です。 地元で人気ナンバー1のレストラン、盛宴。確かに安くて旨いです。今度揚州に行く機会があったら、もっと空腹のときに行きたい店です。この店の蟹黄鶏汁煮干絲も盛宴炒飯も私のお気に入りになりました。特に、盛宴炒飯は、しつこいですが揚州ナンバー1の揚州炒飯と言って良い素晴らしい味でした。 |
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管理人が最近読んだ本
中華美味紀行 (新潮新書)中華美味紀行という題名の本ですが、内容の殆どがいわゆる小吃(点心や麺類などの軽食)をテーマにしたエッセイです。最近読んだなかでは、一番面白かった本です。作者の南條竹則さんは、高級料理店の料理は日によって味にバラツキが出ることがあるけれども、小吃の味は安定していて旨い店は旨いのだということを書いていますが、これは私と全く同意見です。 あるときは「小林秀雄の蟹まんじゅう」(これが富春茶社の蟹黄包です。)を求めて揚州の小路に入り込み、あるときは杭州の高級料理店で満漢全席の至福に身を委ねる。中国の千変万化の食文化の魅力にとりつかれた作者の思いが全編にみなぎる力作エッセイです。 |