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グルメの中心は香港から上海へ

潮州料理の定番、ガルーパ蒸し
潮州料理の定番、ガルーパ蒸し

 皆さんは、中華料理が好きですか?
 私は中華料理が大好きで、朝・昼・晩ともに中華料理でも全く問題ないくらい、中華料理が大好きです。何故こんなに中華料理が好きになったのかについては、少し時代を遡って説明する必要があります。

 私は以前、香港に3年間住んでいました。その後しばらくの間は、半年も行かないと香港に行きたくてうずうずしてきたものです。香港の魅力とは何だったのでしょうか。
 決して買物が目当てではありませんでした。もともと香港が買い物天国だった頃だって、私は、香港で漁るような買物をしていたわけではありませんでした。食事が目的か、と言われると、これはそんなに外れていません。香港の中華料理は本当に旨いと思います。私の場合、そんなに有名な店や高級店に行くわけではありません。むしろ、地元の香港人の中流家庭くらいが行くような日本人から見れば庶民的な店で、本当に旨い中華料理によく出くわすのです。私にとって、食事こそ香港への旅の目的だったのかもしれません。

ご存知、上海蟹
ご存知、上海蟹


 それがいつからか香港に1年や2年の間行かなくても平気になってしまいました。その代わり、上海や広州といった中国本土の方に行くようになっていたのです。
 私が香港に住んでいたころは、上海や広州の良い調理人は、香港のレストランに引き抜かれ、上海や広州といった大都市のレストランでさえ、良い調理人が流出してしまっていたという話を、香港人からよく聞いていました。これはある程度事実でしょう。また、上海蟹を例にとれば、良い上海蟹は香港に売られてしまって、上海でさえ良い上海蟹はなかなか手に入らないという話もよく聞かされました。これもまた、事実だったかもしれません。

 要は、良い調理人も良い素材も、経済的に豊かだった香港に高い金で買われてしまっていたのです。

上海のレストラン、小南国の入口
上海のレストランは味もセンスも良くなってきています


 しかしながら、その状況は、今日大きく変化しています。勿論、香港のグルメの状況は、依然として高い水準にあるのですが、上海のグルメ水準もここ何年かで急速に追いついてきたのです。それはちょうど上海経済が大きく飛躍し、上海の街が著しい発展を遂げている状況に比例しています。上海の経済成長が、良い調理人、良い素材を確保できるようになり、香港と肩を並べるグルメの街へと変わってきたということなのです。

 私の中華料理好きが始まったのは香港生活の時代ですが、今その中華料理好きを高じさせているのは上海とその周辺の中華料理なのです。

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ツアーの料理

夜の上海・外灘(バンド)
上海・外灘から見る浦東の摩天楼


 上海に旅行する日本人もここ数年でかなり増えてきました。多くの方は中国語という大きな壁がある中で、ツアーで行かざるを得ない実態だと思います。これは香港でも同じことなのですが、同じレストランに行っても、ツアーで行くのと個人で行くのとでは、料理が違います。同じ料理名であっても違う料理が出されることもありますし、そもそも広東料理レストランのコース料理の中に、酢豚(北京料理)や麻婆豆腐(四川料理)といった本来はそのレストランのメニューにはない料理が入ったりすることもあります。
 酢豚や麻婆豆腐が中華料理の代表的な料理であると信じ込んでいる日本人に料理を合わせてくれている面もありますし、酢豚や麻婆豆腐のように食べなれた料理を好むツアー客が少なくないからです。

      茄子の魚香土鍋煮込み
茄子の魚香土鍋煮込み。こんな家庭料理もぜひ食べてみたい。

 これは、一つには、一見(いちげん)さんにも常連さんにも同じサービスをしていたらコストが高くつくというレストラン側の考え方もありますし、もう一方で、旅行会社が有名店に連れて行くことをツアーの売りにしながらも値段を値切ったりしているという旅行業者側の事情もあります。また、旅行会社によっては、本場の味をわざわざ日本人の口に合うように変えるようにアドバイスすることもあるやに聞いています。さらには、日本で有名な中華料理のメニュー(A社のクックドゥで知られているメニューなど)を伝え、それらを中心にメニューの組み立てを依頼することさえあるようです。上海や香港のレストランでは夕食時にはあまり見かけない焼き餃子(鍋貼)が日本人向けには出されるというのも、こうした理由によるものです。
 ですから、私はツアーで行く方々には、できるだけ食事がセットされていないツアーをおすすめしています。一番良いのはツアーに全く入らないことだとも言っています。



中華料理のジャンル

北京ダック
北京ダック

 とは言え、見ず知らずの土地でしかも言葉が不自由な中国で、どのようにグルメを楽しむのか、これは多くの方が頭を悩めることだと思います。
 まず、アドバイスしたいことは、中華料理をジャンルで捕えるということです。
 中華料理というと、日本では、広東・上海・四川・北京といった料理の違いを感じることは難しいといえます。例え、横浜や神戸の中華街に行っても、感じることは難しいのです。何故ならば、日本では、日本人の好きな料理、例えば、マーボ豆腐、えびのチリソース、チンジャオロース、酢豚、焼き餃子などがメニューに揃っていないと、お客様を集めることが難しくなるので、どのレストランに入っても同じようなメニューが並んでいるのです。

本場の麻婆豆腐
本場の麻婆豆腐は辛いのですが、‥‥


 これらの料理は、基本的には上海料理でも広東料理でもありません。
 しかしながら日本では、例えば上海料理の看板を出している店でも、こうしたメニューは揃えられています。言い換えれば、「上海料理ではない中華料理」を広く取り扱っています。よく解釈すれば、「上海料理風」に調理しているのですが、上海料理店が出す四川料理などは本場とは味付けが異なるといっても良いものばかりです。
 日本と異なり中国では、一般的に、上海料理店で北京ダックや麻婆豆腐は食べられません。ですから、自分で食べたい中華料理がどのジャンルの料理なのかがある程度分からないと、レストランに入ってもお目当ての料理が食べられないということになります。この点が日本と根本的に異なる点です。

紹興の臭豆腐
紹興が本場、臭豆腐。普通は屋台などで食べる。

 まず、自分の好きな中華料理がどのジャンルの料理なのかを知るということが大切なのです。そして、どうしてもエビのチリソースが食べたいのなら、四川料理レストランを探さなければならないのです。 
 一方で、「上海に来たら基本は上海料理や准揚料理など地元の料理を楽しむべきだ」とするのが私の考え方でもあります。ただ、上海での滞在期間中、毎日、毎食、上海料理の本格料理を食べていたら飽きてしまいます。そこで、必要になるのが中華料理についての一定の知識です。食事に変化をつけながら、レストランや料理の選び方を考えるようになれれば、旅行の楽しみは倍増、いいえ、10倍くらい楽しくなるのです。


 
   ダイエットや糖尿病にも効く中国茶の力
     薬になる中国茶図鑑 茶のチカラ

 中国茶がダイエットに聞くという話は聞いたことがあると思います。実は私も中国茶でダイエットに成功したのですが、中国茶であればどのお茶もダイエットに効果があるというわけではありません。私は普洱茶を飲んでわずか3ヶ月で5kg以上のダイエットに成功しています。但し、普洱茶を毎日一定量以上飲んで初めて効果が出てくるのです。また、ダイエットした結果、血糖値や中性脂肪も改善したことは言うまでもありません。
 このように、中国茶には様々な効能があるのですが、症状別にどのお茶をどのように飲んだら良いのかを教えてくれているのがこの本です。
 中国茶と健康について興味のある人は必読の一冊です。



上海のグルメ(夕食編)おすすめの上海旅行プランもご覧ください

上海での朝食

丁香花園のえび焼売
上海・丁香花園のえび焼売

 例えば、34日のツアーで上海に行くことを考えると、仮に1日目の午後に上海着、4日目の午後に上海発だったとすると、朝食、昼食、夕食が3回ずつあることになります。この合計9回の食事を、朝、昼、夕の3回ずつの食事に分けて考えるのが、私のレストラン探しのスタートです。

 まず、朝食です。ツアーで行くと必ずホテルの朝食が付いています。また、ツアーではなくホテルをインターネットなどで予約した場合でも、朝食が付いてしまうことがあります。しかしながら、上海で変化のあるグルメを楽しもうとするならば、ホテルの朝食は捨てた方が良いというのが私の考えです。一部の超一流ホテルに宿泊するのであれば、1回か2回くらいはホテルで食べてもいいかなとは思いますが、五つ星のホテルであっても日本でも食べられるような価値のない朝食ビュッフェになっているホテルが殆どです。


黄河路・佳家湯包の小籠包は朝食に最適

 では、朝食は何を食べたら良いのか、という話です。楽しみ方は3種類あります。

第一は、せっかくの上海旅行だから、上海らしく小籠包を食べに行くというのが私のおすすめです。人民公園近くの黄河路・佳家湯包の小籠包なんかは最高に美味しいですね。また、豫園の南翔饅頭店の小籠包を食べに行くという選択も悪くないです。南翔饅頭店の小籠包は、上海旅行の際には話のネタに一回は行くべき店です。もちろん朝食でなくても食べられるのですが、朝は比較的空いているので食べやすいのです。

皮蛋痩肉粥は朝飯にぴったり
皮蛋痩肉粥は朝飯にぴったり

 第二に、粥を食べるというものです。これは中国の一般的な朝食である粥を食べてみようという考えです。街のあちこちに粥屋はありますが、どこに入って良いか分からないというのが日本人の一般的な考えだろうと思います。
 そういう時は、中国人になって考える必要があります。中国人というのは旨い店には行きますがまずい店には行きません。したがって、人だかりしている店は旨いけれども、逆に閑散としている店はまずいと思って良いのです。確かに、日本人と中国人の舌の感覚は違うので、中国人が旨いと考えているものが必ずしも私の舌に合うわけではありません。が、一応の目安にはなります。粥のような庶民の食べ物は、人だかりをしている店に入ることがポイントなのです。

丁香花園の店内
上海・丁香花園申粤軒の店内

 第三に、広東式点心を楽しむことです。いわゆる飲茶です。
 私は無類の飲茶好きなので、毎日飲茶でも良いくらいです。パクパク食いつくというよりも、中国茶を味わいながら点心をいくらかつまむという感覚で楽しむのが良いと思います。南京東路であれば新雅粤菜館、虹橋なら満福楼、フランス租界エリアなら復興西路に近い丁香花園の申粤軒(但し、朝の時間は日曜だけの営業です。)あたりがおすすめです。

 
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上海での昼食

南翔饅頭店の小籠包
上海名物、南翔饅頭店の小籠包

 旅行中の昼食は、どこを回っているかに左右されて、ついつい事前準備なしにぶっつけ本番みたいな感じで知らない店に入り残念な結果になりがちです。そこで、グルメを目的としている私の上海旅行では、考え方を変えて、昼に何を食べるかを考えて旅行のスケジュールを決めています。

 それでも、昼食から本格的な料理を目一杯食べるとせっかくの夕食を食べるだけの胃のキャパシティがなくなってしまうので、一定軽めの食事の方が良いと思います。昼食の選択肢も3つあります。


上海でラーメンを食べるなら「蘇州麺」(写真は蟹粉麺)

 第一に、ラーメンを食べるというものです。
 上海に来てまで日本風のラーメンを食べようというのではありません。いわゆる蘇州麺をはじめとした中国のラーメンを食べるのです。本当に美味しい蘇州麺を食べようと思ったら、蘇州の朱鴻興麺館同得興に行くのをおすすめしますが、上海の街でよく見かける滄浪亭も蘇州麺のラーメン屋さんですから、滄浪亭でも蘇州麺の雰囲気は味わえます。蘇州麺は、鶏がらスープと細麺が特徴で、麺と具が上の写真のように別々に出てくる店が多いようです。具には蟹粉や蝦など上海ならではのものを選べば、印象深い上海旅行になるでしょう。
 一つ、ご注意です。本場の坦坦麺だと思って上海で坦坦麺を食べても、実は坦坦麺は四川が本場ですから、上海では上海風坦坦麺に過ぎません。上海で食べるならやはり蘇州麺がおすすめです。

上海焼そばは太い麺が特徴
上海焼そばは太い麺が特徴

 それから、麺のついでに焼そばにも触れますと、私は上海の焼きそばが大好物なのです。上海焼きそばは、ちょっと太麺なのが特徴で、どこで食べても無難な美味しさです。ちょっと脂っこいかなと思ったら、鎮江名産の黒酢を多めにかけると大変食べやすくなります。これ、おすすめです。



泰康湯包の蟹粉小籠包
泰康湯包の蟹粉小籠包

 第二に、上海の小吃を食べるということがあります。前述の南翔饅頭店の小籠包を昼食で食べるのも良いですし、小吃店が集まっている呉江路や来福士広場(ラッフルズ・スクエア)の地下1階のように小吃店が集まっている食堂ゾーンに行って好きなものを食べるのも良いでしょう。また、街のあちこちに、例えば泰康湯包のような小吃店がありますので、そこで小籠包、生煎包や湯包などを食べることもできます。事前にガイドブックなどで場所を調べておくと良いと思います。

上海・満福楼の潮州粉果
上海・満福楼の潮州粉果

 第三に、飲茶大好き人間の私としては、ここで飲茶を入れる方法があります。おすすめの店は朝食の項目で説明していますが、他にも新天地にあるZENや准海中路に近い蔵楽坊なども良いでしょう。特に蔵楽坊や前述の丁香花園・申粤軒などは、フランス租界に立つ洋館で広々とした芝生の庭園を見ながらの豪華な昼食になりますので、上海旅行の良い思い出になることは間違いありません。

 それから、蘇州や杭州、あるいは水郷古鎮など周辺に日帰りで旅行する方もいると思いますが、そこでも重い昼食とならない範囲で、現地のおいしい料理にトライしてみてください。上海周辺のグルメについてもアジアグルメ図鑑(上海・中国江南)では詳しく紹介しています。

満記甜品のドリアン・パンケーキ
満記甜品のドリアン・パンケーキ

 最後に、私が「昼食を軽めに」とアドバイスするもう一つの理由をお話しましょう。それは甜品の存在です。例えば、満記甜品西施豆腐坊、寧波湯団など、上海にはおいしいスイーツ、お菓子が沢山あります。これらをおいしく食べるためには、昼食でお腹一杯にしてしまうわけにはいかないのです。
 上の写真は満記甜品のドリアン・パンケーキですが、満記甜品は今や上海や杭州などに数多くの店舗を構えています。上海でも手軽に香港スイーツを楽しめる時代になったのです。

西施豆腐坊の甜豆腐花
西施豆腐坊の甜豆腐花

 また、上海らしいスイーツを食べるなら、街のあちこちに甜品屋を見つけられるはずです。上の写真は豫園近くの西施豆腐坊という店の甜豆腐花です。豆腐花の上に甘い小豆が載っています。素朴ながらも味わい深いこうしたスイーツも、上海旅行の良い思い出になると思います。

 さて、上海のグルメ事情について、朝食・昼食を中心に紹介してきましたが、いよいよ次は夕食編です。ページが重くなるので、ここで、次のページに移動しましょう。

上海のグルメ(夕食編)もご覧ください


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このサイトでは上海のレストランで食べた料理を紹介しています

上海のレストラン 飲茶・点心 上海らしい小吃
生簀でシーフード素材を選ぶ
寧波漢通海鮮大酒店
李鴻章ゆかりの地
丁香花園の申粤軒で朝飲茶
小龍包で有名な南翔饅頭店
洋館で広東料理、蔵楽坊 丁香花園申粤軒で飲茶を満喫 南京東路の泰康湯包
小南国 新天地店 南京路の新雅粤菜館で飲茶 蘇州ラーメンの滄浪亭
南京路の揚州飯店 香港の名店、満福楼 上海でもスイーツは満記甜品
花園飯店、広東料理の白玉蘭 老舗の杏花楼 豫園近くの西施豆腐坊
豫園の緑波廊餐庁 虹口の美味しい飲茶、点点心 新天地のカフェ
湖南料理の滴水洞湘菜館 激辛   美味しい小籠包なら佳家湯包 

蘇州、杭州や揚州など、中国江南地域のレストランについてはこちらをご覧ください。



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