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花園飯店は日本のホテル・オークラが運営するホテルで、フランス租界の時代には租界で暮らすフランス人のための「フランスクラブ」だった建物の後ろに33階建ての建物を造り、1990年にオープンしたものです。上の写真は花園飯店のロビー建物です。「フランスクラブ」らしい気品あふれるコロニアルな建物です。 |
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私が初めて出張で上海に来たのが1992年です。当時は、まだ上海のホテル事情が悪く、中国語の話せない日本人が安心して泊まれるのは、ここ花園飯店だけだ、などとよく言われたものです。私も時々宿泊していました。 当時の上海には、公共交通としてはバスしかなく、そのバスも今のようには整備されておらずぎゅう詰め満員の状態で走っていましたし、タクシーは今にも壊れそうな車が多く、たまに天津ダイハツ製のシャレードのタクシーが来たりすると、ほっとして乗ったりしていました。(一番ひどいタクシーはかなり古いチェコ製の自動車で床に10センチ四方の穴が開いていて地面が見えました。)勿論、タクシーに乗っても道路は高速などなく大渋滞していて、花園飯店から虹橋空港まで2時間くらいかかったこともしばしばでした。 そんな時代に、上海の街からここ花園飯店に帰ってくると、ほっとして上の写真にあるコーヒーショップでコーヒーを飲んだものです。当時中国語が全く話せない私にとって、この喫茶室のウェイトレスの片言の日本語が、とても嬉しく感じたものです。 私がかつてお世話になったコーヒーショップ、1990年代と変わらぬ雰囲気です。 |
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今日のレストランは、花園飯店の広東料理レストランの白玉蘭です。 その当時は、花園飯店に宿泊もしていましたし、とにかく安心して食べられるというので、値段は高いけれどもよく利用していたレストランです。 花園飯店は、当時は利用者の日本人比率が今よりももっと高かったのではないでしょうか。今は、日本人の観光客も多いですが、中国人の利用も増えているようです。また、白玉蘭の利用者も、この日は中国人が多かったですね。中国人の高所得者が増えてきていることをこんなところにも感じます。 |
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花園飯店の白玉蘭は広東料理レストランです。 今日は家族三人で上海旅行の最終日の昼食に来ています。同行の家族からは、折角だから飲茶以外の広東料理を食べたいとの声が出ています。 まず、広東料理の定番、ローストもの、化皮焼乳猪(子豚の皮のロースト)です。なかな旨そうな色に焼けて出てきています。広東料理のローストものというと、焼き味の店ではダックなどの方が一般的ですが、私はこの子豚の皮のローストが一番好きです。脂っこく見えますが、実にさっぱりした味で一度食べると癖になる味です。ここ花園飯店の白玉蘭の化皮焼乳猪(子豚の皮のロースト)も、期待にたがわず旨かったです。 |
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続いて、キノコとキクラゲの炒め物です。これも香港ではよく食べた炒め物です。本来はもう少しさっぱりとした味なのですが、この店では、味付けがちょっと濃い目ですね。皿いっぱいに盛り付けられているので、うちの家族三人では、少し持て余してしまいました。 |
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白玉蘭は広東料理レストランなのですからあまり期待できないとは思っていましたが、上海を発つ日だったので小龍包も注文してしまいました。小龍包の食い収めです。 3個で28元もする小龍包です。値段が値段ですから、さすがにたっぷり入ったスープは旨いです。食い収めという目的に照らせば、旨い小龍包が食べられて満足です。が、ちょっと高すぎですね。 |
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この昼食の仕上げは福建炒飯です。もともとは福建料理ですが、今では広東料理としても定着しているメニューです。と、私は福建出身の料理人に聞いたことがあるのですが、一説によると、「天津にはない天津麺」や「中国にはない中華丼」と同じように、福建にはこんな炒飯はないという人もいます。 さて、普通の炒飯の上に海鮮のあんかけがかかっている状態で出てきますので、よくかき混ぜて炒飯とあんかけをなじませた上で食べます。美味しい福建炒飯の一つの条件に、小エビや貝柱、鶏肉やシイタケ、フクロダケといった具が沢山入っているということがあげられますが、ここ花園飯店の白玉蘭の福建炒飯も具沢山のあんがかかっています。 でも、何かが違いますね。そうです。グリーンピースが入っているのです。それも沢山入りすぎです。 |
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福建炒飯はよくかき混ぜて茶碗に盛り付けて食べます。ここでもグリーンピースが目立ちます。食べてみるとグリーンピースの味が強すぎて他の具材の味が殺されてしまっています。はっきり言って、広東料理レストランが出す福建炒飯としては不合格ですね。この後私は、グリーンピースを一つずつ丹念に取ってから食べました。(私は特にグリーンピースが嫌いなわけではありません、念のため。) 日本のチャーハンではグリーンピースを入れるのが一般的です。この白玉蘭がある花園飯店はホテル・オークラの経営で、日本人客が多いということは既に書いた通りです。日本人の舌にあわせて、或いは日本から来ているホテル・オークラの社員のアドバイスで、日本人向けの福建炒飯もどきにしてしまっているのではないでしょうか。 この白玉蘭というレストランは、値段は高いですが、素材は良いものを使っているようです。また、出される料理には値段にふさわしい美味しい料理もあります。ですが、この福建炒飯のように、日本人に媚びたような調理法はいけません。この味は残念でした。 |
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この花園飯店以外にも、花園飯店の向かい側に建つ錦江飯店や瑞金二路にある瑞金賓館(写真上)など、旧フランス租界時代の建物を生かしたホテルは、この周辺に沢山あります。旧フランス租界時代の香りが漂うこの一帯は、絶好の散歩道でもあります。時間があれば、最近人気の高い田子坊(泰康路)までぶらぶらと散策してみるのも良いと思います。 |
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