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虹口で美味しい飲茶、点点心:アジアグルメ図鑑(上海)


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虹口(ホンキュー)の街を散策しよう


 上海の虹口(ホンキュー)は、第二次大戦中は日本租界が置かれていたエリアで、一時は10万人を超える日本人が住んでいたエリアです。当時、海外で一旗揚げようとした日本人が目指した上海・虹口(ホンキュー)には、日本人なら歩いてみたい街並みがあります。
 虹口の街歩きでは、@魯迅公園A魯迅故居と内山書店B多倫路文化名人街C四川北路公園南地区にある日本人街だった頃の歴史的な建物、といったあたりが見どころですが、この@からCまで歩くと、2時間から2時間半くらいかかりますので、ちょっと疲れます。そんな時に見つけた飲茶屋さんが、このページで紹介する点点心です。


 点点心のお店の紹介の前に、少しだけ、虹口の見どころを紹介します。
 まず、上の写真の魯迅故居。一番奥が魯迅が住んでいた部屋で、魯迅が亡くなったのもこの部屋です。家具がそのころのまま残されています。当時、魯迅は蒋介石軍閥に追われる身だったので、隠れるようにこのアパートに住んでいました。この魯迅の生活を支えたのが日本人で内山書店を経営した内山完造で、内山書店資料館も見どころです。


 多倫路文化名人街にある魯迅像です。多倫路文化名人街には、中華人民共和国の成立に大きな役割を果たした人たちの銅像がいくつもあって、また、建物も当時のまま残されていたりしているので、旅行者としては一回は行っておきたい通りです。



 上の写真は四川北路公園南地区にある旧西本願寺です。点点心はこのエリアの近くにあります。
 このエリアの街並みには、当時の日本人街の面影が強く残っています。ただ、この虹口近くにも再開発の波が押し寄せていますので、いつまでこの風情が残されるのかについては、あまり期待が持てる状況にはありません。


 西本願寺からさらに南へ少し歩くと、ウヰルス劇場が正面に見えます。この辺りは今も人通りが多いのですが、日本租界だったころも映画館などが立ち並ぶ繁華街だったところです。こんな虹口の街角を歩きながら、はるばる海を渡り上海に新天地を求めて移住してきた当時の日本人たちの儚い夢に思いを馳せるのも、虹口探索の冥利です。

 


虹口(ホンキュー)で美味しい飲茶、点点心


 さて前置きが長くなりましたが、このページで紹介するおすすめの飲茶屋、点点心は、ウヰルス劇場とは海寧路を挟んで反対側のビルの二階にあります。虹口の街歩きに少し疲れたと思ったら、ここで点心をつまみながら中国茶を飲み癒しの時間を楽しんでください。


 この点点心の素晴らしいところは、創作点心とまではいきませんが、ありきたりの点心ではなくオリジナル点心が多いことです。この日、私が注文した三品もすべてオリジナル点心でしたが、どれも美味しいのです。
 一品目は三花菜苗餃という焼売です。緑、黄色、赤の野菜が見た目にもきれいですね。点心というのは、味も大切ですが、見た目も大切なのです。


 上海には、例えば老舗の杏花楼新雅粤菜館丁香花園申粤軒等々、美味しい点心を食べさせてくれる広東料理レストランは沢山ありますし、また、それぞれにゆったりした雰囲気を持っていてリラックスできる良いレストランだと思います。
 そういった高級店の味と甲乙つけがたい味を、庶民の街である虹口で味わえるなどとは思っていなかったわけで、なかなか感動的な出会いです。私は香港に住んでいたこともあるのですが、雰囲気としては香港の庶民向け飲茶屋で食べている雰囲気です。そう、私が求めていた味であり、気安さなのです。


 こちらはエビ入り腸粉でこの店の自慢メニューの一つです。腸粉は生の腸粉ではなく、油をかけているのかパリッとした脆皮腸粉です。この脆皮腸粉というのが珍しいですね。このレストランにはもちろん普通の腸粉もあったのですが、脆皮鮮蝦腸粉が自慢料理ということなので、注文してみました。
 確かに生腸粉ではありません。ふむふむ。写真上のたれをつけて食べます。


 食べてみると、確かに美味い。エビの味が脆皮腸粉と合うというのか、腸粉を食べているのか、エビ餃子を食べているのか分からなくなりそうです。というのも、エビのプリプリ感が心地良く、腸粉にも程よいヌルヌル感があるのです。
 さすがは自慢料理です。素晴らしいです。




 そして、ドリアンのサクサク揚げ(松化榴蓮巻)です。マンゴーや他のフルーツを包んだサクサク揚げはよく見るのですが、ドリアンは珍しいですね。ドリアン好きの私には食べる前から期待感が募ってしまう一品です。
 見た目にもサクッと揚がっている感じがしますよね。この商品名、ドリアンのサクサク揚げというのは、もちろん私が勝手に付けた和訳ですけど、なるほど言い当てている和訳だと思いませんか。


 食べてみると、中にはドリアンがトローリと入っています。点心のデザートとしてドリアンパイが有名ですが、あのドリアンパイをサクサク揚げにしたものという感じでしょうか。満足です。美味しいです。私にしては珍しく、ベタ褒めしたいレストランです。私、上海に住んでいたら通ってしまうレストランかも知れません。
 中国茶を楽しみながら、こんなにおいしい点心をいただいていると、人生至高の喜びです。
 みなさんも、虹口散策の折には、ぜひ、この点点心まで足を延ばしてみてください。



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