これが潮州料理です |
潮州料理とは |
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| 私が最も好きな中華料理は潮州料理です。潮州とは、広東省東部のスワトー付近を指します。海の幸に恵まれた地域であり、テーブルには素材の味を生かした料理が並びます。 香港といえば、広東料理のメッカですが、あわせて潮州料理も本場です。と言うのも香港には潮州出身者が数多くいて彼らが郷土料理である潮州料理を好むからです。 上の写真は深圳の郷里頭鵝肉飯店(残念ながら閉店済)のもので、ここは鵝肉だけでなく本場の潮州料理を廉価に食べられる名店です。 |
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| 潮州料理は油を比較的使わずに調理することに特徴があります。そういう意味では日本人には食べやすい料理といえます。魚も焼き魚の形までは日本と同じで、これに醤油をかけるか手前に見える中華調味料を使うかで味が異なるだけです。 |
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| 潮州料理は豪華な海鮮料理ばかりかというと決してそうではなく、上の写真のような素朴な家庭料理にも特徴があります。潮州料理レストランに行くと、一方で蟹や伊勢エビなどの海鮮も楽しみなのですが、もう一方でこうした家庭料理も注文から外すことはできないのです。芋系の料理なんかも多くて、そのうちのいくつかはかなり甘い味付けで、そういう味付けは日本ではあまりないものですから、ちょっと驚くかもしれません。 |
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| このページでは、香港に来た旅行者が気軽に潮州料理を楽しむためのヒントを紹介しています。でも、本当のことを言うと、潮州料理を食べるなら深圳まで行って深圳の潮州料理レストランで食べた方が本当の潮州料理を食べられると思います。しかも価格も香港より3-4割安いと思います。 日本では知られていませんが、今は土日になると大勢の香港人が国境を越えて深圳に来ています。ウイークデイは仕事で往来する人が多いのですが、週末は家族や友達と深圳に行って、広東料理、潮州料理、湖南料理や飲茶、麺類など、様々なグルメを楽しんでいるのです。毎週のように深圳に行く香港人も少なくありません。 上の写真は深圳の地下鉄南山駅近くにある潮香四海という潮州料理店です。私行きつけの店です。ここにも週末は多くの香港人が食べに来ます。 |
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潮州料理の始まりは工夫茶 |
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上の写真は、潮州料理の最初と最後に出てくるお茶。鉄観音の一種で、工夫茶といわれています。消化に良いのだそうですが、あまり飲みすぎるといけないといわれています。香港の中級レベル以上の潮州料理レストランではこの工夫茶が出てきます。 |
![]() 前菜は鹵水鵝片(潮州城酒楼) |
潮州料理の前菜といえば、これです。潮州鹵水鵝片。 ガチョウを鹵水というたれで煮た前菜で、やわらかくておいしいんです。鹵水の味なんでしょうか、味付けが何とも繊細で素晴らしい一品です。見た目はあまり見栄えがしないのですが、とにかく美味い! 潮州料理の前菜として、私は必ず注文しています。 |
![]() 鹵水盛合せ(潮楽園) |
潮州料理では鹵水料理が豊富です。レバーの部分や豆腐なども鹵水で煮て盛合せにした料理もありますので、人数が多い時などはこうした盛合せにすると良いと思います。鹵水の豆腐などは酒の肴に最高です。 |
![]() 太極素菜羹はおすすめのスープ |
| 前菜の後には、スープを飲みましょう。 スープというと、すぐフカヒレを思い浮かべる人が多いようですが、ふかひれスープも、もともとは潮州料理だったといわれています。フカヒレや燕の巣など高級品が多いのも潮州料理の特長なのです。フカヒレスープ以外でおすすめのスープはないでしょうか? そうですね。そんな時に頂くのが太極素菜羹という私おすすめのスープです。「羹」という字はとろみスープを意味していて、太極模様は野菜の色から出ています。彩りも、また、太極模様もきれいですが、野菜の味がよく出ていて美味しいのです。ヘルシーなスープです。今日はフカヒレ以外で行きたいというときは、迷わずこれを選んでください。 香港に住んでいた頃は、家族で毎週外食でした。そうなると、毎回フカヒレスープというわけにもいかず、いろいろトライしてみましたが、中でもこのスープは絶品でした。 |
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シーフードがいろいろ |
![]() 白灼蝦(茹で海老) |
| そして、シーフードのおすすめ料理は白灼蝦というえびの茹でたもの。茹でたてのえびを唐辛子を入れた醤油に漬けて食べます。えびを一つ一つ自分でむいて、口にほうり込むと、おいしくて次から次へと手が出てしまいます。私がよく行く大衆店では、どさっとエビが出てきます。これはもう、食べだしたら止められません。こんな簡単な料理で、しかも旨いのに、なぜ日本ではこういう食べ方をしないんだろうと思ってしまいます。 香港に来たら、これを食わない手は絶対にありません。まあ、この料理は潮州料理というよりも広東料理というべきですが、潮州料理レストランはシーフードを扱うので必ず食べられる料理です。 |
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| この日はちょっと大きめのエビを選んでしまいましたが、もう少し小さいエビでも美味しく食べられます。小エビの料理には紹興酒の中で茹でたりするものもありますが、私としては最もシンプルな白灼蝦がおすすめです。 白灼蝦の食べ方です。 どうやったら上手に皮をむくことができるか、私の食べ方を教えましょう。上手に食べるのはそんなに難しいことではありません。 |
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| ポイントは、まずエビの頭をちぎること、これだけです。頭をちぎると周りの皮を簡単に取ることができるんです。そして、尾を持ってこんな感じでタレに付けます。上手に皮がむけるようになると、美味さも倍増です。ほら、美味しいでしょう。 その殻を取ったら、上の写真のように、タレに付けて食べるのです。因みに上の写真では、写真を撮るためにタレをつけすぎていますので、もう少し軽くたれをつけて食べます。 プリプリした新鮮なエビの食感と香りが何とも素晴らしい料理です。シンプルな料理でも素材が良ければ美味しいのです。 |
![]() 潮州料理の蟹は花蟹 |
一方、潮州料理で蟹といえば、この花蟹です。 茹でると出てくるオレンジ色のまだら模様が綺麗ですね。身は甘く締まっていて、爪の部分が特に美味しいのです。茹でる前に、「この蟹でいいか」と生簀の中の蟹を見せに来てくれるレストランが多いです。 上海蟹もいいけど、蟹を食った感じがするのはこの花蟹ですね。 |
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| 花蟹がある場合は店のカウンターに並べられているかぶら下がっています。値段は時価ですから日々変わります。上海蟹に比べたらこちらのほうが安価です。と言うことは見た目の華やかさほどには高くないということです。伊勢海老は深圳の郷里頭鵝肉飯店にはありますが、潮州料理ではあまり一般的ではありません。 |
![]() 大連鮑のチーズ風味焼き |
これも潮州料理とは言えませんが、潮州料理レストランには海鮮素材が多く入っていますので、アワビも手に入ります。2014年4月に深圳の佳寧娜潮州菜で食べたときは、一つ38元(日本円で650円くらい)ですから、嬉しくなる安さです。この鮑だけはナイフとフォークで食べます。 |
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ナイフとフォークで切ったところです。コリコリした食感、アワビの甘みとチーズの香りが意外にマッチします。ウーン、と唸ってしまいます。潮州料理の味付けというよりもフランス料理を食べているかのようです。中華料理の香りが全くしません。香港で海鮮料理を食べても、やはりこの料理のように西洋料理のような味付けをすることがよくありますので、別に驚くほどではないのでしょうが、この料理を食べたのは深?です。深?の料理水準もこのレベルまで上がってきたかと思うと、嬉しくなってしまうのです。 大連産の鮑もいいですし、味付けも最高です。とにかく美味しいです。 |
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潮州料理のメインディッシュはガルーパ |
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出ました。本日のメインディッシュ、ガルーパ(ハタ)の蒸しです。これぞ、「潮州料理の真骨頂」とでもいうべき料理です。 ガルーパは香港での高級魚で石班と呼ばれており、これは清蒸石班魚という料理です。ガルーパの食べ方としては、この清蒸にするのが一番良いと思います。ネギ、生姜とともに蒸して塩などで味を調えています。蒸した後にたまり醤油と油をあわせたタレをかけ、香菜を散らせば出来上がりです。ごま油も少々入っています。香港人もガルーパの食べ方としては、この清蒸を最も好みます。 この日は四人で食べたんでちょうど良い大きさのガルーパです。このくらいの大きさのが一番美味しいですね。二人で食べる時はちょっと小さすぎるガルーパになりがちで、味が少し落ちるような気がします。 ところで、ガルーパは高級魚ですから、時価になります。注文時に値段を確認することを忘れないで下さいね。 |
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| 今回利用したレストランは香港人が気楽に利用するレストランで、決して高級店とはいえないのですが、こうしてウェイトレスがガルーパを取り分けてくれます。 |
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清蒸石班魚を食べないと、香港に来た気がしません。身の締ったガルーパ、といっても締りすぎもいけませんが、これは最高です。この味は日本では食べられませんね。この料理の決め手は蒸し加減につきますが、骨の周りがレアな状態に仕上がっていれば美味しいレストランです。頭、特に頬骨のあたりが一番旨い部分です。 |
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潮州料理の家庭料理(家常菜) |
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潮州料理は家庭料理のメニューも豊富で、日本人の舌に合う家庭料理が少なくありません。まず潮州の家庭料理で、蠣煎です。 牡蠣入りのお好み焼きとでも言ったら良いのでしょうか、さっぱりした味付けで美味しいですね。 そもそもこの手の料理は韓国のチヂミやベトナムのパイン・セオ、さらには日本のお好み焼きといった具合に、アジア各地で食べることができます。 いったい、どこの国が本家本元なのでしょうか? |
![]() 潮州城酒楼の魚香茄子煲 |
魚香茄子煲です。煲というのは、いわゆる土鍋煮込みです。 高級料理として知られる潮州料理ですが、この料理などは潮州家庭料理というやつで、高級店では作ってくれません。さて、この魚香茄子煲ですが、これがもう癖になる旨さです。魚香という調味料は若干辛味もありますが、むしろ甘辛い微妙な味付けです。この料理はとろ火で長時間煮込んでいますから、魚香の風味が茄子によく染み込んでいて、「これは旨い!!」と思わず叫んでしまいたくなります。 これを注文するときは、もちろん普通のおかずとしても食べるのですが、どちらかというと白いご飯にこれをぶっかけて魚香茄子飯として食べることが、私の場合は一般的です。(周りの人でそんなことをしている人は決して多くありませんので、念のため。)すると、不思議や不思議、ご飯が進んでついついご飯をお代わりしてしまいます。 ご飯にかけるのは邪道かもしれませんが、いいんです、旨ければ。 でも、この料理、日本ではまだお目にかかれないのが残念です。 |
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| 続いて潮州家庭料理の定番、普宁豆腐(揚げ豆腐)です。揚げたての豆腐に塩などで味付けをしたシンプルな料理です。見た目には臭豆腐を想起させるかもしれませんが、全く違います。 中華料理で豆腐料理というと、日本人は麻婆豆腐とか蟹粉豆腐といった味付けのはっきりしたものを思い浮かべがちですが、家庭料理としては塩をベースにしたこうしたシンプルな味付けの料理になるのです。素朴に美味しいです。 |
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これ、メニューを見て初めて注文した一品ですが、名前を忘れました。エビのすり身を煮込んだ料理に茹でたブロッコリーが載った料理です。 さっぱりして旨かったですね。広東料理だと少し油っこい料理が多いのですが、潮州料理の場合は胃にやさしい味付けになっていて、日本人には食べやすい中華ということができると思います。 |
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深圳で潮州料理を食べよう |
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私が香港への旅行者に対して、深圳の潮州料理レストランをお勧めする理由は、美味しい本場の味を安く耐えられるということに加えて、店を選べばてんないにならべられている料理見本から、簡単に注文できるということがあります。 こうした料理見本が並べられている店は、比較的大規模なカジュアル店に限られていますが、例えば次のような店がおすすめです。 ・潮香四海南山店(地下鉄11、12号線南山駅付近) ・ 陳鵬鵬潮汕菜万象前海店(地下鉄5号線桂湾駅付近) ・潮州小厨・大排档来福士店 陳鵬鵬潮汕菜と潮州小厨・大排档は市内に数十店店舗があります。どこでも料理見本が並べられていて料理を探しやすいです。 ・ |
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このように鍋料理についても入れる具をいろいろ提案してくれています。スタッフが英語を話すことはほぼ期待できませんが、ここまでは 指さしだけで注文可能です。 |
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| これ以外に、海鮮類も水槽等での指差しと簡単なスマホの翻訳ソフトで、蒸すとか焼くとかチーズとかを指定するか、写真を見せるかすれば大丈夫です。香港よりはるかに楽に注文できます。 上の写真は白灼虾(ゆで蝦)。水槽からあまり大きくない蝦を選んで茹でてもらうだけです。 |
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| 水槽にロブスターがあれば、ロブスターも調理してくれます。ロブスターは大きさによって価格が変わりますが、日本や香港で食べるのと比べて格段に廉価に食べられます。ロブスターがあったらラッキーだと思ってトライしてみてください。 |
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| ガチョウのローストや鹵水料理(潮州料理で使われる醤油ベースの調味料で味付けられた料理)はメニューから選択します。ガチョウの鹵水料理は特におすすめです。様々な部位を選べますが、私の一番のおすすめはレバー。上の写真のように盛り合わせを選ぶのも無難です。 |
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店によってはガチョウの 内臓も鹵水料理で食べられます。これも、上の写真のように盛り合わせいすると注文が簡単です。ガチョウ 内臓の鹵水料理は日本では殆ど知られていませんが、大変美味しいです。 |
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ご飯は潮州砂鍋粥が有名で、特にエビ(虾)を入れた粥が有名です。2-3人いればぜひ注文してみてください 。日本人の口に合う粥だと思います。こういうのが香港では食べられないのです。 だから、潮州料理は深圳がおすすめなのです。 |
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エビ入りの粥を茶碗に入れてみました。どうですか、美味しそうでしょう? あとは人数によって、上で紹介した蟹や海老の冷菜、普宁豆腐(揚げ豆腐)や野菜を、料理見本が出ていれば指差しで、出ていなければメニューから注文するだけです。簡単です。 |
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| エビだけではなく蟹も入れればさらに豪華版になります。 潮州砂鍋粥はその専門店もあるくらいポピュラーな粥ですが、そうした専門店では粥は美味しいものの他の潮州料理の選択の幅が狭いです。先ほど紹介したような潮州料理レストランで食べることをお勧めします。 潮州砂鍋粥についてはこちらの頁でも紹介しています。 |
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書き忘れてしまいましたが、潮州には粉果など日本人好みの独特の小吃がいろいろあります。これらも見本として並べられていますから、指差しで注文しましょう。 |
![]() 潮州城酒楼の鴛鴦水晶包 |
いよいよデザートタイムです。 潮州料理のデザートといえば、はい、これ。鴛鴦水晶飽といいます。あんこ味と黄な粉味で、鴛鴦というのは二種類の味があるという意味です。 私は甘いものが好きというわけではありませんが、この水晶飽は、もう、癖になってしまいました。 |
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焼きそばとラーメン |
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さて、潮州料理には潮州炒麺というのがあって、お腹一杯にするために、かつては私も潮州レストランに来るたびに、潮州炒麺を注文していました。でも、それ、ちょっと油っこいんですね。潮州料理は素材の味を生かすために、全体的にあっさり目の味付けなんですが、この炒麺だけは違うようです。ただ、お酢をたっぷりかけて食べると脂っこさも消えて美味しく食べられます。 今では蒸しガルーパを食べる時は白いご飯の上にスープごとかけて食べるようにしているので、潮州炒麺を注文しません。 |
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潮州料理のラーメンはどうでしょうか。上の写真は潮興魚蛋粉という潮州ラーメンの専門店で食べた河粉(米を成分とした麺)麺です。これはかなり美味しいのですが、潮州料理レストランでは出してくれないようです。(メニューに入っていません。)日本のうどんのようにさっぱりしたラーメンで、中華料理で疲れた胃には優しいラーメンで、私のおすすめです。 食べたい方は私のおすすめ、潮興魚蛋粉でチャレンジしてください。 |
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| 香港内ではあまり見かけないものの、最近深圳で目立つのが粿条(グオティアオ)の専門店です。粿条(グオティアオ)は米の麺です。中国で米の麺と言えば河粉とか米粉とかが有名ですが、河粉を改良して潮州でよく食べられている麺が粿条(グオティアオ)です。見た目は日本のきしめんのようですが、潮州に行くと麺の太さは自由に選べてもっと細い麺もあるとのことです。 粿条(グオティアオ)は、実はきしめん以上にタイのクイッティアオに似ています。タイにいる中華系の人の多くは、先祖をたどると中国の広東省潮州から来ていると言います。タイの中華料理はベースが潮州料理でありタイ風に味付けされてタイ風中華料理になっているということを私は常々言ってきています。クイッティアオもどうやら潮州の粿条(グオティアオ)か原型なのではないかという気がしています。グオティアオを地元の潮州語ではクイッディアと呼んでいて発音もそっくりです。タイに渡った中国人がこのクイッディアを潮州から持ち込み、タイ語にしたときに今のクイッティアオになったと考えることができます。 上の写真が広東省深圳にある粿条(グオティアオ)専門店で食べた餃子とイカ団子入り粿条(グオティアオ)です。 |
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| この店の粿条(グオティアオ)の麺は上の写真で分かる通り、タイのセンヤイによく似ています。そして、スープに潮州の辛い調味料を乗せて食べると、まさにクイッティアオのスープになります。スープを飲んだ瞬間に、「この味、まるでタイのセンヤイだ、クイッティアオだ」とびっくりしてしまいます。 あえてクイッテイオと粿条(グオティアオ)の違いを言うと、上に乗せる具がちょっと違うかなという程度です。中国では餃子やエビ餃子などもよく乗せられています。一方でイカボールや豚肉ボールなどは、クイッテイオと粿条(グオティアオ)の両方で使われています。 クイッテイオと粿条(グオティアオ)はまるで双子のような食べ物なのです。こうした粿条(グオティアオ)の専門店も近々香港に広がっていくものと思います。 |