阿鴻小吃 香港空港店 香港空港で潮州料理 |
香港空港のおすすめレストラン 阿鴻小吃で朝食 |
香港空港は、昔の啓徳空港(カイタック空港)から今の新空港になって、見違えるほどきれいにそして近代的になりました。ショップも沢山あります、レストランも沢山あります。特にレストランは、グルメの街香港らしく目移りしてしまうくらい、美味しそうな店、著名な店が入居しています。 そうしたなかで、私がおすすめしたい香港空港の名店が阿鴻小吃です。阿鴻小吃は、北角に本店があった潮州料理レストランで、香港で最も評価の高い潮州料理店で、店の外には入りきれない席待ちの人があふれる超人気店でした。ただ、本店が北角から観塘に移転してしまい、私の行動範囲外に行ってしまいましたので、最近は阿鴻小吃というと、ここ香港空港の店の利用が多いです。なお、阿鴻本店についてはこのページの下の方で紹介しています。 |
そんな阿鴻小吃の支店が香港空港の第二ターミナルの三階にあるのです。第二ターミナルの三階は、このページの下で紹介する中国本土への連絡バスのチケット売り場の近くですから、香港から日本などへ帰る時はイミグレーションを入る前に立ち寄ってください。 店はあまり広くないですが、これでもかというくらいテーブルを詰め込んでいますから、二人くらいなら、そんなに待たないでも入れそうです。 |
この日は朝の便で東京に帰る時でしたので、朝食メニューです。メニューは時間帯によって変わります。 |
空港という場所柄、朝食メニューには中式と西洋式がありますが、香港での最後の食事ですから、中式にしましょう。 白抜きになっているところに、「ミニ点心セット」(「迷你」は「ミニ」です。英語に中国語の発音を当てた字なのですが、ミニスカートがあなたを迷わせるという意味からも、この字が当てられたなどという説もあります。)があったので、同行者はこのミニ点心セットを、私はその下にあるガチョウのミンチと椎茸入りの潮州式粥を注文しました。 ミニ点心セットには、コーヒー・紅茶かソフトドリンクがセットされています。お粥には5元でコーヒー・紅茶かソフトドリンクをセットできます |
ミニ点心セットは、チャーシュー饅頭、香港粽(チマキ)と馬拉糕(マーライコウ=中華カステラ)です。同行者によれば、それぞれ水準以上の味だそうで、満足したようです。でも、朝食だとしても量が少ないですね。もう一品くらい欲しいところですね。 |
私が注文した潮州式の粥はこちらです。潮州粥は広東粥とは大きく違います。 一つはスープが多いということですね。上の写真で見てもスープが多い点に気づくはずです。 |
潮州粥のもう一つの特徴は、米粒が残っていることです。広東粥ですと粒がなくなるまで煮込みますが、潮州粥ではそこまでしません。香港粥の名店、羅富記と比較してもわかりますね。米とともにの中にガチョウのミンチとシイタケも見えます。この味が染みこんでいるから、スープが美味しいんですね。 |
蓮華で中身をすくってみると、よく分かりますね。 このお粥、美味しいです。今回の香港旅行でも例によって中華料理の食べ過ぎでさすがに胃が疲れてしまいましたが、このお粥はそんな疲れた私の胃腸をいたわるかのような優しい味付けです。香港旅行の締めくくりに、空港で阿鴻の潮州粥、悪い選択ではないです。 |
|
でも、このお粥も、欠点は量が少ないことです。 そこで、最後の最後に潮州焼きそばを追加注文しました。香港の焼きそばにしてはさっぱりした味付けで朝食でも苦にならない焼きそばでした。とは言え、油っこさを緩和するため、例によってお酢を少し多めにかけたのは言うまでもないことです。 |
さて、冒頭で書いた通り、阿鴻小吃は大変人気のある潮州料理レストランです。朝でなければ潮州料理を食べたいレストランです。阿鴻小吃での一番の人気商品は上の写真の鹵水鵝片、ガチョウの肉を鹵水という調味料で煮込んだものです。ガチョウのレバーを鹵水で煮込んだ鹵水鵝片も人気です。ぜひ、こちらの料理にも挑戦してみてください。 潮州料理は日本人の舌に合う料理だと私は思います。潮州料理についてはこちらのページをご覧ください。 |
|
阿鴻小吃で昼食、ランチセットに大満足 |
後日、阿鴻小吃の鹵水鵝片(ガチョウの肉の鹵水煮込み)がどうしても食べたくて、昼過ぎにやってきました。この日は午後便で香港から東京に帰る予定です。少し早めに香港空港に着けるようにスケジュールを立てていたのです。(2014年5月) お昼のセットメニューは上の写真の通り、AからFの6種類のセットが用意されています。AからEのセットでも鹵水煮込みの料理は食べられますけれども、鹵水鵝片が食べられるのはAとFセットだけということで、Aだともう1種類鹵水煮込みの料理を少々食べられるのですが、ここは迷わずFセットを注文です。 セットの見方ですけれども、セット名の下に書いてあるのが主食で、セットには白飯、白粥、麺のうち1種類をつけることができます(但し、撈麺だけは5元プラス)。また、それにソフトドリンクや季節の野菜をオプションで付けることができます。私はFセットで撈麺を選び、さらに季節の野菜をオプションで追加しました。 |
そして、出てきました、 阿鴻小吃の鹵水鵝片(ガチョウの肉の鹵水煮込み)。どうですか、この美味しそうなとろとろのガチョウのお肉を見てください。上に載せた他店の鹵水鵝片だって美味しいのですが、やはりここ阿鴻小吃の鹵水鵝片にはかないません。一切れずつ味わっていただきます。至福の時間が流れます。 |
最後の一切れになりました。下に敷いてあるもやしもつまみながら味わいます。ちなみにこの日の季節の野菜はレタスを湯がいたものです。意外に行けます。 |
そして、 セットの撈麺です。潮州料理の平麺です。この撈麺も美味しいですね。潮州料理らしいこのセットは、これからも昼過ぎに香港空港から帰る時の、私の定番メニューになりそうです。 |
|
アラカルトだとこんなに美味しそうな潮州料理が |
午後2時過ぎに行くと、もうランチセットはありません。アラカルトで注文することになります。その時のおすすめは上の写真、鹵水三点セットです。セットメニューに比べると高くなってしまいますが、料理のレベルはかなり高いです。 鹵水三点セットの場合、自分で素材を選べます。この日選んだのは上から順に、ガチョウの手、豚の首肉(トントロ)、豚のバラ肉です。この中では豚の首肉(トントロ)が絶品の味。実は豚の首肉(トントロ)を鹵水料理で食べるのは初めてですけれども、これは癖になりそうな味です。豚のバラ肉もまた食べたくなる美味しさです。 一方でガチョウは美味しいのではありますが、日本人にとってはちょっと食べづらいかなという印象です。ただ、何回か食べてみるとやっぱりガチョウが一番美味しく感じてきます。深みのある味で、最近は私もすっかりこの味にはまっています。 |
阿鴻小吃の人気料理にはもう一つ、南乳粗齋があります。家庭料理に使う素材を南乳(腐乳のことです)で味付けした土鍋料理(煲仔菜といいます。)です。この家庭的な味わいが潮州家庭料理の特徴で、日本人の舌には大変よく合う料理です。私の友人には潮州の人が多いこともあって、よく潮州家庭料理の店で食事をしますが、この料理はよく出てきます。 |
阿鴻小吃の南乳粗齋は南乳の味が良く染み込んでいて、いつ食べても絶品だと私は思います。写真を見てもその美味しさが感じられると思います。見た目に日本の煮物みたいな料理ですが、南乳(腐乳)で味付けられていますから全く違う料理です。だけどこういう味付けの料理が日本にあっても決して不思議ではないなと思うほど、何か日本の家庭料理の味わいが感じられるのです。ぜひ一度お試しください。 |
そして、潮州料理で忘れてはならないのが麺類です。この日は招牌撈麺にしました。撈麺は和えそばですから焼きそばではありませんが、日本人的には焼きそば感覚の味です。この招牌撈麺に関しては麺を少し炒めてから和えていると思います。私は潮州焼きそばが大好物ではありますが、ここ阿鴻小吃では撈麺に軍配を上げます。 |
阿鴻小吃の撈麺には二種類あって、一つはXO醤味の招牌撈麺、もう一つは普通の豚の油で炒めるだけでXO醤を使用しない蔡瀾撈麺です。好みは人によって分かれると思いますが、私は少しピリッとした味付けの招牌撈麺をおすすめしたいと思います。 潮州出身の友人たちに聞くと、こうした麺類よりも粉、すなわち河粉の方が美味しいと口を揃えて言います。うどんのような麺です。ただ、彼らがどう言おうと、私はここ阿鴻小吃の撈麺はやはりおすすめなのです。 |
阿鴻小吃本店(観塘) |
阿鴻小吃は2003年に香港島北角で創業した潮州料理レストランです。数年前にここ観塘に移転してきました。オーナーの阿鴻は鏞記酒家で調理師としての人生をスタートさせ、その後香港マキシムグループ(美心皇宮など)の香港エリア営業責任者等の経験を経て、自分のレストランを開業するに至っています。阿鴻小吃は2010年から5年連続でミシュラン一つ星を獲得している名店です。 観塘という場所柄、観光客はあまり来ませんし、香港人も北角に比べるとわざわざ食べにくる場所でもないので、北角に店舗を構えていた時には開店前から大行列だったのに比較すると、随分と食べやすくなったという気がします。 |
店頭には阿鴻小吃の自慢料理の一つであるローストがぶら下がっています。阿鴻小吃では、潮州の鹵水料理、広東式のロースト料理、化学調味料を一切使用しないスープや潮州家庭料理などがおすすめです。 結論から言ってしまうと、空港店より数段美味しいです。空港店は一見の客を相手にする店なのに対して、観塘の本店は常連客を相手にする店ですから、料理の丁寧さが違うのではないでしょうか。数年間ずっと空港店に行っていた私としては、観塘の本店で久しぶりに食べてみて「これが阿鴻の味だ」と昔の味を思い出してしまいました。 阿鴻小吃は、今や知る人ぞ知る潮州料理の名店です。 |
朝11時半の開店と同時に一番乗りで店に入りました。書がいろいろ飾られていますが、左から二番目の「鵞」の字は言うまでもなく鵞鳥(ガチョウ)の鵞です。この字に阿鴻小吃のプライドがうかがえます。 |
この日は一人ランチなので、焼きそばプラス一品と決めていました。一品の方は潮州家庭料理の潮州風牡蠣のお好み焼き(金絲煎蠔餅)にしました。普通サイズとミニサイズがありますので、一人飯の私はミニサイズを選びました。 牡蠣がたくさん入っています。嬉しくなってしまいます。見た目に脂っこそうですが、たれをつけると脂っこさも消えて食べやすくなります。 |
アップするとこんな感じです。どうです、美味しそうに見えますか。 北角に店があるころは、友人や会社の仲間と阿鴻小吃に来てはこの潮州牡蠣のお好み焼きをよく食べたものです。その頃の味と全然変わりません。サイズとしては、この日食べたミニサイズで二人用かなという感じです。三人以上なら普通サイズを注文した方が良いでしょう。 上で紹介したガチョウの鹵水料理や南乳粗齋(土鍋料理)とともに、ぜひとも味わってもらいたい阿鴻小吃のおすすめ料理です。 |
そして招牌撈麺です。XO醤味です。 空港店でよく食べていますが、何故かここ観塘本店の方がはるかに美味しいです。素材はすべて同じだと思いますが、調理の腕が違うのか、明らかに美味しさが違います。空港店の味に慣れてしまっていた私としては驚きです。もう、空港店で食べるのはやめて、ちょっと遠いけど観塘まで来ることにしました。 |
XO醤は阿鴻小吃特製の自家製で、これ自体は本店だろうと空港店だろうと同じものを使っているのだと思っていましたが、ひょっとすると店でそれぞれ作ったものを使っているのかもしれませんね。 写真をご覧ください。どうですか、この美味しそうな撈麺。香港にレストランの数は星の数ほどありますが、これほどの撈麺を食べさせてくれるレストランはほかにはありません。 阿鴻小吃観塘本店。足の便は良くないですけど、食べに行く価値は大いにあります。 |