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西塘の名物料理-アジアグルメ図鑑(上海・中国江南)

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 西塘のキャッチフレーズは「生きている千年の古鎮」。すなわち、千年の歴史を有する水郷古鎮ですが、そこには人の生活があって、今なお沢山の人が暮らしている街、それが西塘です。烏鎮や同里など他の水郷古鎮と比較すると、観光客は多くはないですし、西塘の人々も観光客ずれしていません。そういう意味では、素朴な水郷古鎮を楽しむことができる反面、観光客向けの豪華なホテルやレストランは一切ありませんので、日本人で中国語のできない人にとっては若干ハードルが高く感じられるかもしれません。
 そこで、少なくとも食事については、言葉ができなくても問題なくそれなりの料理にありつけることをこのページではご紹介したいと思います。

 上の写真は西塘古鎮で、右側が煙雨長廊という歴史のあるショッピングアーケード、左側に西街というこちらもショッピング・ダイニングエリアが広がります。


 この日は11時頃に蘇州から西塘行きの直通バスで乗り、昼過ぎに西塘に着きました。蘇州汽車南站から西塘までほぼ1時間ですから、広州から西塘に来るよりも時間がかからないのですが、何故か本数が少ないのが欠点です。
 まあ、そんなことでホテルにチェックインし、西塘古鎮の散歩を始めたのが2時頃で、食事をする気になったのが2時半頃でした。今日、選んだ食堂は、丁記飯店です。私は、中国を旅行するときに、予め「大衆点評」という中国語サイトにアクセスしてレストランや食堂の情報を入手しているのですが、このサイトでの丁記飯店の評判が高かったからです。
 場所は一番上の写真で、右に続く煙雨長廊を前方へ進み、奥に見える大きな橋(環秀橋)の手前あたりになります。


 2時半を回ったこの時間、丁記飯店には他のお客さんはいません。座った席にはメニューが置かれています。写真入りのメニューはおすすめの品ということで表裏に合わせて12品が紹介されています。もう一つの文字だけのメニューには、この店のすべての料理が載っています。
 写真入りのメニューは、この店のおすすめというよりも西塘の名物です。(実は予め前述の「大衆点評」という中国語サイトで調べてありました。)写真の左下に記載の丁記龍蹄は豚のひざの煮込みで大変時間をかけて煮込んでいるので大変旨いとの評判です。周荘の万三蹄や同里の状元蹄と同じ種類の料理です。かなりボリュームがありカロリーもあります。一人でなければ注文したいところなのですが、今回は一人旅なので見送りです。
 結局私が何を注文したかは、この後おいおい紹介していきます。


 実際に、丁記飯店に行く途中に通り過ぎた別のレストランでも、煙雨長廊に出している看板で紹介しているおすすめメニューはあまり変わりません。
 中央下が龍蹄(豚ひざの煮込み)、中央上が野菜の湯葉包み、これに魚やエビなど江南の湖沼で獲れる素材を生かした料理、それに右下のワンタン鍋といった感じです。




 さて、この丁記飯店では食器がパックに入れられて出てきます。紹興のこの店と同じです。お客さんが自分でパッケージを開けて使用します。これですと清潔なんでしょうけど、ちょっと味気ないですね。少し古い食器でもいいから、むしろ少しお皿の端が欠けていたりしていたら古鎮らしくていいのに、などと思ってしまいます。

 

 料理は10分くらい待たされましたが、一遍に出てきました。
 最初に紹介するのは、「かぼちゃの天ぷら塩胡椒味」です。この料理名は勝手に私が名づけたものです。先ほどの写真入りメニューの右下の料理です。写真入りメニューということは西塘の名物料理ということです。実際に前述の「大衆点評」で見ますと、多くの店でこの料理がおすすめ料理として掲載されています。
 食べてみると、中華料理とは思えないさっぱりした味付けの料理です。普段日本ではかぼちゃを避けている私ですが、この料理なら食べられます。かぼちゃの甘さと塩胡椒味のバランスを程よくとった料理です。


 そして、野菜の湯葉巻きです。これも多くの店でおすすめ料理となっている西塘名物料理の一つです。これまたさっぱりした味の料理です。
 実は、この三品を注文した後で食べ終わる頃に、これも西塘ではどの食堂でもおすすめ料理になっているワンタン鍋を注文しようと思っていたのですが、三品がどれも一皿の量が多く、とてもワンタンまで食べ切れないことが明らかなので、この野菜の湯葉巻きを今日の主食に位置づけることにしました。でも、これだけの量を一人で食べると流石に飽きてしまう味です。


 もう一つ、おすすめ料理、すなわち、西塘名物料理から、水郷豆腐を注文しました。上の写真付きメニューの中央下の料理です。豆腐、エビ、シイタケ、などに混じって、蒓菜が入っているところが水郷風なのでしょうか。蒓菜は湖沼で育つ藻草の新芽で、湖沼の多い中国江南地方ではよく使われる食材です。


 カロリー摂取に気を使っている私にとっては、この料理は素晴らしいですね。おいしくいただきました。
 今回の私は、蘇州での食べ過ぎもあって、ここ西塘ではおとなしい料理ばかり注文しましたが、西塘名物料理としては、前述の丁記龍蹄もあれば、各種の川魚料理も豊富です。ただ、私の経験上、魚料理に関していえば、中国の川魚料理で満足できたケースが全くないので、パスさせていただきました。
 でも、もう一つ忘れてはならない西塘名物があります。それは粉蒸肉です。西塘のあちこちで売っていますが、店によって味にはバラツキがあります。わたしのおすすめはこちらのページをご覧ください。




 丁記飯店に入ったときに、店の人からせっかく外の風景が見えるのだら外のテーブルで食べたらどうかとお誘いを受けましたが、テーブルの下では犬が熟睡中です。結局、私が丁記飯店にいた時間は、ずっとこの犬が外のテーブルで眠っていました。


 外のテーブルから見える西塘の風景です。確かに西塘らしい風景が広がっています。
 この丁記飯店は、お世辞にも凄くおいしかったとは言えない味でしたが、まずまず空腹は満たすことのできるまあまあのお店だというのが私の評価です。


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