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赤壁のレストラン、臥龍飯店−アジアグルメ図鑑


アジアグルメ図鑑(上海・中国江南)  三国赤壁古戦場

 

 赤壁古戦場は、三国志の中の一つのハイライトである赤壁の戦いが繰り広げられた赤壁に作られているテーマパークです。最近は映画「レッドクリフ」の大ヒットもあったためか、テーママークが増設・改装され、また彫像なども新たに作られたりしたため、入場料も150元に値上げされてしまいました。
 赤壁古戦場へは、武漢から車で約2時間半(片道200kmくらい)かかります。新幹線だと武漢駅から約30分で赤壁北駅に着きますが、武漢駅自体が武漢中心部から車で1時間かかるところにあり、また、赤壁古戦場が赤壁北駅からタクシーで30分くらいかかる場所にあることを考えれば、武漢からタクシーで行った方が早くて安いということになります。
 最も経済的に行く方法は、中国の旅行サイト(例えばここ)で赤壁古戦場へのツアーを探してみることです。この方法ですと、武漢・赤壁間の専用バスと入場料込みで200元もしない価格(2012年8月現在)で販売されています。ただ、私が行った7月・8月といった時期は、あまりに暑すぎてツアー客が集まらないという理由から、武漢発のツアーが実施されていません。春や秋の季節の良い時期だけ利用できる方法ではあります。(但し、サイトもツアーも中国語ですから、最低限の中国語の心得は必要です。)
 

 私が行ったのは7月31日。真夏のこんな日には、赤壁古戦場は観光客もまばらです。ゆったりと見て回れるといえば聞こえは良いのですが、とにかく陽を遮るものが少ないこのテーマパークにおいて、真夏の日の見学というのは大変過酷なものがあります。私たちも3時間くらい見て回りましたけれども、意識が朦朧になりそうなくらいの暑さでした。シャツを絞れるくらいに汗が出ましたので、見学後シャツを着替えたくらいです。


 シャツを着替えて時計を見たら、もう時間はすでに午後2時を回っています。テーマパーク内にも何軒か食堂はあったのですが、着替えてから食事をしたいという気持ちが強かったため、テーマパークの外、すなわち赤壁鎮の商店街で食事をすることにしました。赤壁鎮には数件のレストランが固まってあります。事前に情報は持っていませんでしたので、私の選択肢は「エアコンがある食堂」です。とにかくシャツを着替えた後も汗が滴り落ちるのです。
 そこで見つけたのが臥龍酒楼、諸葛亮にちなんだ食堂の名前もいいではないですか。


 この食堂の自慢は、過去に共産党の中央副書記が来たこと。飾られている大きな写真の中央が副書記で、右端がこの店のご主人でその隣が奥さんです。
 「旦那、偉大何だねえ」とか「奥さん、たいしたもんですね」とか、ほめてあげると「どんどん召し上がれ」などと上機嫌に対応してくれます。写真の中で主人の男性が照れ笑いしているような顔が見えますが、まさにそのような顔で照れながらお話してくれるのです。さらには、「日本人と話をしたのは初めてだ」と感激して、彼が吸っているタバコをくれながら(これが中国人のもてなし方です)、いろいろな話題について話しかけてきます。赤壁鎮に日中友好の輪が広がります。
 店の奥さんからは、長江(揚子江)の魚料理が名物である旨、説明を受けましたが、私も同行者氏も淡水魚には興味がないため、家庭料理系の注文にしました。




 そうこうしているうちに、料理が運ばれてきました。
 この臥龍飯店には麺類や炒飯といった料理は置いていません。一品料理を頼むと、スープとライスをつけてくれます。私がまず注文したのは、の魚香肉絲です。魚香肉絲はいわゆる家庭料理で、私も大好物です。日本では青椒牛肉(チンジャオロースー) が有名ですが、中国では魚香肉絲(ユーシャンロースー)の方が一般的です。魚香という調味料で味付けした肉野菜炒めで、食欲をそそる味付けです。


 つづいて、家常豆腐です。その名の通り、これまた家庭料理です。
 日本では揚げ豆腐を使いますが、この店では豆腐をそのまま使用しています。そんなところがますます家庭料理風ですね。味付けは魚香肉絲(ユーシャンロースー)と同様にちょっと濃い目で、暑さで疲れている体の食欲を掻き立ててくれます。


 そして三品目は、青椒炒蛋(ピーマンの玉子炒め)です。前の二品と違って、さっぱりした風味で料理に変化が出ましたし、少しピリッとした味付けも旨いです。この味を再現しようとして自宅で作ってみたのですが、どうもピリッとした味付けが出来ません。ピーマンが違うのか、或いは調味料が不足しているのか、いずれにしても、日本に帰ってからその味を再現したくなるほど旨かったということです。
 左奥が家常豆腐、右奥の殆どなくなっている料理が魚香肉絲です。


 赤壁鎮には上等なレストランなどありません。むしろ、家庭料理を楽しむ場所だと心得て、注文をすれば良いと思います。同行者氏は今回が初めての中国でしたが、この赤壁の家庭料理を大変気に入っていました。


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