アジア写真帳アジアグルメ図鑑アジアグルメ図鑑(上海・中国江南)武漢、湖北料理の老漢口

湖北料理の老舗-武漢の老漢口


アジアグルメ図鑑(上海・中国江南)  三国赤壁古戦場

 

 中国内はあちこち行っている私ですが、武漢へは今回が初めてです。今回の武漢の旅はわずか2泊で、しかも1日目の夕食は広東料理の広東商会酒楼でとってしまいましたので、湖北料理を食べるとすると、武漢二日目のこの夕食を逃したら機会がありません。
 「本格的な湖北料理を食べたい」、そんな気持ちで中国の「グルナビ」ともいえる「大衆点評網」というサイトを調べたところ、どうやら老漢口という老舗のレストランの評判が良さそうです。来てみると、なかなかモダンで立派な建物です。しかも、玄関にはドアボーイがいてドアを開けてくれるというゴージャス振りです。


 上の写真の通り、店内は明るく清潔です。老漢口は、まさに武漢の最高級店の一つなのではないでしょうか。湖北料理については私もあまり詳しくありませんので、「大衆点評網」で事前研究をしました。 比較的評判の良い料理を中心に、注文してみました。


 まず、飲み物はビールと普洱茶を注文しました。
 ビールは雪花ビールです。雪花ビールは中国で最も売れているビールで、中国内シェアは20%程度あるブランドです。ここ武漢にも工場があるので、武漢で出されたビールはすべてこの雪花でした。すっきりした飲みやすいビールです。
 普洱茶については、中華料理を食べすぎても肥満しないための予防として、最近は必ず注文しています。




 まず、樟茶鴨(四川ダック)です。北京ダックに対抗する意味で、四川ダックという名前がついていますが、四川ダックについては見ての通り、焼味系の料理です。「樟茶鴨」という名にある「樟」とはクスノキのことで、この料理はダックをクスノキの火で燻したもので、それに茶の香をつけたものです。香が良くて旨いです。旨そうな色をしていますよね。


 食べてみると実に旨い。この料理が湖北料理なのかというと、ちょっと自信がありませんが、いずれにしてもこの樟茶鴨(四川ダック)を食べただけでも、老漢口というレストランの味のレベルが良く分かります。今後の料理に期待が持てそうです。




 続いて粉蒸肉です。これも鶏料理です。(ダイエット中だとどうしても豚肉に手を出しにくいのです。)粉蒸肉についても、中国各地で食べられますので、湖北料理なのかと聞かれるとちょっと怪しいところがあります。
 そもそもこの武漢がある湖北省というエリアは、長江(揚子江)沿岸ということもあり、古くから交通の要衝だったわけで、中国内の様々な地域の人々も行き交うし、料理も融合されていった地域ですから、湖北料理と言ってもそんなに特徴的なものがあるわけではないのだと思います。そうした意味で湖北料理は、広東料理、四川料理、上海料理といったジャンルほどには、明確な特徴がないのだと思います。
 また、武漢の料理の中で、最も有名で地元の人に勧められたのは武昌魚の料理です。ただ、私も同行者氏も淡水魚には食指が動かないため、今回は注文していません。この武昌魚の料理がないと、湖北料理らしさが見えづらいような気がしますね。


 さて、話を粉蒸肉に戻しましょう。
  粉蒸肉は上の写真の通り、トッピングをとってみると、スライスされた肉が何枚も入っています。鶏肉がよく蒸しあがっていて柔らかくてジューシーです。味付けはちょっと甘みが強い気もしますが、おいしいです。十分に合格です。



 続いて武漢名物の牛肉豆皮です。この料理は湖北料理と呼んでよいでしょう。
 武漢の豆皮は、湯葉の中にもち米を包んだもので、牛肉豆皮だと、もち米と一緒に牛肉も包み込まれています。武漢の豆皮で有名な逸話に、毛沢東が武漢の老通城という店の豆川を痛く気に入っていたということがあります。
 さて、そんな逸話もあって豆皮には期待していたのですが、老漢口の牛肉豆皮は期待していたよりもさらに美味しくて、二人で完食してしまいました。お腹にもたまりますね、これ。



 牛肉豆川を横から見たところです。白い部分がもち米です。もち米の上の部分が牛のひき肉です。このように豆皮はもち米プラスアルファを湯葉で包むのですが、エビやシイタケなどを一緒に包むこともあります。




 デザートになりそうかなと思って注文した料理が、これ、糍粑というものです。よくよく字を見ると米ヘンですね。実はこれももち米系の料理でした。これも湖北料理の一つです。


 こちらの写真の方がわかりやすいのですが、糍粑という料理はもち米をきな粉とゴマで味付けしたものでした。日本のきな粉餅にさらにゴマ味がプラスされている感じです。日本のきな粉餅の原型かな、なんて考えてしまいます。食べた第一印象が懐かしい、きな粉餅の味なのです。
 そういう意味では立派にデザートでした。日本人にとっては懐かしい味で、これについても完食です。美味しかったですよ。

 例によって、ビール二本と普洱茶をポットでもらって、二人合計で203元(日本円約2,500円)はあまりに安すぎます
 湖北料理、悪くないっすね。意外に旨いという印象です。というか、老漢口が美味しいだけなのでしょうか。なんて感じなのですが、同行者は胃がちょっとお疲れ気味のご様子。私なりに気を遣って、翌朝の朝食はホテルのビュッフェでとることにしました。
 武漢で二泊したけど、湖北料理はあまり食べられなかったなあという印象です。やっぱり一人で来ないと、その地その地のせっかくの料理が十分に楽しめないですね。
結局、湖北料理らしいものが食べられたのは、ここ老漢口と蔡林記の熱干麺だけでした。



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