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広東料理の品軒順記－アジアグルメ図鑑（蘇州）

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この日の昼食は3時ごろから唐宮海鮮舫の飲茶でした。十数回来ている蘇州で私が食べた初めての広東料理でした。遅い昼食だったことに加え、おいしかったので量的にもかなり食べてしまったこともあって、夜になってもお腹がすきません。さすがに10時近くになって、このままでいくと夕食を食べられる店が小吃店に限定されそうな時間にもなってきたため、蘇州一の繁華街である観前街に繰り出したのでした。蘇州料理店の老舗である松鶴楼や得月楼は既に閉店していて、散歩がてらレストランを探しているときに見つけた店がこの店、品軒順記という広東料理店です。昼飯も飲茶ではありますが、広東料理を食べたものですから、できれば蘇州江浙料理を食べたいところです。そんなことを考えていたのにこの店に吸い込まれるようにこの店に入ってしまったのは、やはり昼間の唐宮海鮮舫の飲茶があまりにも旨かったので、体が自然と広東料理レストランに向いてしまったのかもしれません。 　上の写真は品軒順記の入口です。時間が時間ですから、殆どお客さんは入っていません。でも、こうして10時近くになっても営業してくれているレストランは蘇州では貴重ですね。

夕食をとる気持ちにはなったものの、正直言ってあまり食欲が旺盛なわけではありません。本当のところ、いくつか点心をつまむだけで十分なのですが、ディナータイムなので、広東料理レストランといえども、点心は殆どありません。 　こういう時に選ぶメニューというのは難しいですね。食欲を増進してくれそうなメニューで、かつ、あまりヘビーではないメニューにする必要があるのです。飲み物はもちろん普洱茶で決まりです。 　まず選んだのは、チャーシュー盛り合わせです。昼間に点心を食べたので、焼味系の料理も食べたくなってしまったのです。香港や広州への郷愁が呼び覚まされたのかも知れません。因みにこのチャーシューは良い意味で平凡な味です。平凡な味ではありますが、焼き具合は最高にいいですね。たれが少し甘すぎるかなという感じですが、噛んでいるうちに徐々にチャーシューの味が口の中に広がり、たれの味と交じり合っていく、そんなチャーシューです。甘いかななんて思いながらも、ついつい箸が伸びてしまうチャーシューなのです。

続いてエビと黄ニラの玉子炒めです。これは間違いなくさっぱり系の味付けで出てくるだろうと予想して注文したものです。期待通り、さっぱりした軽い味付けの玉子炒めです。エビとニラ、卵という組み合わせが何と言ってもよく合うのです。これらにニンニクとショウガの味が加わり、これはまさに広東料理らしい味わいになります。

広東料理レストランに来たものですから、私も香港流に茶碗に料理を取り食べています。エビもしっかりと入っていますね。食べてみると、このエビが意外にプリプリしていて旨いのです。これなら蝦餃(エビ餃子)も旨いだろうななんて考えてしまいます。もちろんエビ餃子も点心なのですが、この時間でも注文できるようなので、追加注文するかどうか本当に迷ってしまいました。でも、昼も夜もエビ餃子を食べるというのもちょっと芸がない気がしたものですから、注文をとどまりました。

そして、上湯娃娃菜です。胃にやさしい料理を求めるときに私がよく注文するのは上湯系の野菜です。娃娃菜は白菜の一種ですから、スープに入れて食べても苦くなったりしないで旨いはずです。そんなことを考えて、注文した一品です。 　期待にたがわず、この料理は私好みの味付けで、大変満足です。少しだけ入っているピータンも味わいに広がりを持たせていますし、何と言っても上湯のスープの味付けが良いのです。広東料理らしい上等のスープです。 　が、この写真では分かりづらいのですが、これが大変な分量で出てきてしまいました。いくら胃にやさしいといってもこれを全部食べたら食べすぎです。旨いので箸はすすむのですが、三分の一くらいは残してしまいました。蝦餃(エビ餃子)を注文しないで良かったと思います。 　この品軒順記については、あまりにも定番料理ではないマイナーな料理を注文してしまいましたので、広東料理レストランとしての評価はできません。が、味の基本はしっかりしているという印象を受けました。また、夜遅くまで営業してくれているのは大変ありがたいと思います。

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