秦始皇帝陵博物館(兵馬俑)の銅馬車 |
西安の秦始皇帝陵博物館と言えば、日本では兵馬俑が有名です。と言うか、兵馬俑だけが良く知られていますが、もう一つ絶対に見逃してはならない文化遺産があります。それがこのページで紹介する銅馬車(中国では「銅車馬」と言います。)です。 秦始皇帝陵博物館は、兵馬俑や銅馬車が陳列されている秦始皇兵馬俑博物館と秦始皇帝陵遺跡公園とに分かれていますが、銅馬車も兵馬俑博物館の中に陳列されています。ただ、整列した兵士たちが並ぶ兵馬俑の建物とは別の総合陳列楼という上の写真の建物で見ることができるようになっています。 兵馬俑博物館は大変混みあいます。ですから朝の開門(朝8時30分、2015年4月現在)と同時に入ることをお勧めしています。というのも、団体客が入場してくる時間になると、落ち着いて見れなくなるなんてものではなく、立ち止まってみることができなくなることもあるそうで、ましてや写真を撮るなどできなくなってしまうそうなのです。この銅馬車は後ほど見ていただくと分かる通り、暗い展示室に陳列されているため、フラッシュが途切れることなく焚かれてしまうそうで、兵馬俑以上に見づらい状況になるそうです。 したがって、朝開門と同時に博物館に入ったら真っ先に見るべきがこの銅馬車なのです。 |
銅馬車は出土した順に、一号車、二号車と命名されています。上の写真は一号車で、出土したのは1980年12月です。兵馬俑の発見は1974年3月ですから、それから6年9か月後ということになります。この一号車は中国の国宝に指定されています。 御者が乗っているのが見えます。この馬車は実物大の半分のサイズで造られているそうですが、秦の始皇帝が巡礼するときに、始皇帝が乗る御車の前で警護を担当していた馬車だと言われていて、武器なども同じ場所から出土したようです。全長225cm、高さ152cm |
上の写真は、秦始皇帝陵博物館のホームページから転載したもので、発掘された時の馬車です。馬と馬の間に薄い板状のものが割れているのが見えますが、これらは荷台なのでしょうか。 秦の始皇帝が死後も中国内を安心して巡航できるようにという目的で製造・埋葬されたものです。馬の脚も折れているのが分かります。折れた脚の片割れも発掘し修復して、現在の姿になっています。馬も車も青銅製で、轡や馬車の金属部分は大量の金や銀で装飾されていたようです。 |
馬も生き生きとしていて、轡なども精巧です。今には走り出しそうな馬車のリアリティに圧倒されます。見事に修復されて、現代に蘇っています。 |
上の馬車は二号車です。二号車は全長317cm。高さ106cmです。実物の二分の一のサイズで製造されていたことは一号車と同じです。こちらの馬車は安車と呼ばれています。副車といって始皇帝は滅多に乗らなかったものの、行幸の際には副官クラスが乗った馬車です。この副車は始皇帝の行幸の際に、始皇帝が乗っているものと間違えられて襲撃を受けたこともあったそうで、以来、行幸の際の警備はさらに厳しくなり、一号車のような警護車が副車の前を走っているのだとも言われています。 |
上の図は秦始皇帝陵博物館のホームページから転載したものです。一号車と二号車はこのように隊列を組んで進んだということだそうです。 |
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上の写真は二号車の銅馬車を前から見たところです。今にも走り出しそうな気配が感じられ、極めて精巧に作られていることがよく分かります。一番左の馬の頭には何か棒のようなものがついています。これはどうやら馬のリーダーのようで、方向や速度などをこの馬から他の馬に指示するのだそうです。 |
馬のリーダーです。なるほど賢そうな馬です。 |
上の図は秦始皇帝陵博物館のホームページから転載したものです。二号車の御者です。金箔で飾られていその豪華さに驚きます。また、見事な手綱さばきがこの銅馬車からも伝わってくるようです。 |
馬車の輿(こし)を後ろから見てみると、そこには繊細な模様が施されています。乗り降りは輿の後ろのドアからするようになっています。残念ながら、中がどのようになっているのか、何人乗りなのかは分かりませんでした。 しかし、この銅馬車(中国では「銅車馬」と言います。)を見ていると、この秦の始皇帝の権力の強さや支配者としての誇りのようなものを感じないわけにはいきません。ここまで精巧な銅馬車を自分の墓に埋めて、死後も中国の領土を行幸し見て回るぞという強い意志を感じるのです。銅馬車は秦始皇兵馬俑博物館での必見の展示です。 |
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それでは、兵馬俑を見に行きましょう |
兵馬俑博物館に来ると、すぐに兵馬俑を見に行きたくなる気持ちは分かりますが、先ほども書いたように、朝開門と同時に博物館に入ったら真っ先に見るべきがこの銅馬車です。朝同時に博物館に入り銅馬車を見ているうちにも、銅馬車の周りには二重三重の観光客が群がり間近に見ることさえ困難になってしまいます。幸い私は最初の20分くらいはゆっくりとなめまわすように銅馬車を見学できたのでラッキーでした。 さて、それではいよいよ兵馬俑を見に、別の建物に移動しましょう。この続きは兵馬俑のページで紹介します。 |
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