書道道具や書の専門店が集まる書院門通り |
西安の地元の料理は陝西料理です。陝西料理というのは日本ではあまり知られていませんが、西安を中心にした陝西地域の料理を指します。西安は昔の長安ですから、かつては中国の都でした。それだけに料理の質は高いとは言えますが、なにぶんにも内陸に所在していますので海の幸はあまり入らない地域です。その分、濃いめで辛い味付けになるのは、四川料理や湖南料理と同じです。 西安では陝西料理のレストランに何軒か行きました。その中で最も私の好みに合ったレストランがこのページで紹介する酔長安です。酔長安は西安の旧市街である書院門通りのエリアにあります。 まず、書院門通りについて、少し紹介します。上の写真は書院門通りの入口です。 |
書院門通りは碑林博物館に続く道沿いに広がるエリアで、書画・骨董や文房四宝(紙、筆、硯、墨)などを扱う専門店街です。碑林博物館に続く道なので観光客も多いですから、観光客相手の自ずと土産品店なども増えてきてしまっていますが、昔ながらの書画骨董の専門店街という雰囲気が残っています。 街を歩くと筆や硯などの専門店が、それこそピンからキリまでの価格の商品を取り扱っています。 |
奥の方へと進んでいくと、上の写真のように昔の懐かしい中国の街が広がります。20年、3年前には、上海や大連など今ではビルが立ち並ぶ都市もこんな感じの街並みでした。こうした道の両側に専門店が軒を連ねているのです。 |
そして、たくさんの書画の専門家が小さな店を構えています。画家のギャラリーのようなものです。上の写真の店では、諸葛孔明の誡子書に出てくる「寧静致遠」(冷静でなければ道は遠い。)の書がありました。誡子書は、子孫に向けて諸葛孔明が残した書です。諸葛家の家訓と言っても良いと思います。 私は誡子書の「非澹泊無以明志,非寧靜無以致遠」(無欲であることで志が明確になり、冷静でなければ道は遠い。(大志は成し遂げられない))の部分が好きでしたから、思わず買ってしまいました。なお、こうした書の価格は交渉になります。 |
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酔長安の陝西料理 |
このページで紹介する酔長安は、このように文化の香りが高い書院門通りの一角にあります。でも、通りから路地のようなところを入ったところにあり、表通りには看板が目立つようには出ていないため、場所はかなり分かりづらい場所にあります。観光客など相手にせずに、地元の食通だけをお客さんとしているような立地です。 表通りから暗くて細い道を2回くらい曲がったところに、ようやく上の写真のような酔長安の看板を見つけました。 |
その看板からさらに先に進むと、目の前が少し開けて、上の写真のように酔長安の建物が見えます。そうした分かりづらい場所にある隠れ家のようなレストランなのです。 |
私が行ったのは、出発日のランチ時です。大衆点評(中国の食べログのようなサイト)の酔長安のページで予め予備知識も持っていましたので、沢山あるメニューの中から、まず長安凍肉を注文しました。凍肉というのは単に凍った肉と言う意味ではなく、凍凍肉と言って、柔らかいゼリー状の前菜のことです。鎮江肴肉に似た感じもしますが、それよりもさらにゼリー状です。 見るからに激辛の料理です。これは、期待していた以上に美味しそうです。 |
アップにすると、凍肉(凍凍肉)の姿も良く見えます。凍肉に唐辛子やゴマ、ネギなどからできたスパイシーなソースがかかっています。陝西料理については、今回の西安旅行時に、西安一の老舗レストランと言われる西安飯庄に行っていますが、西安飯庄は上品ではあるものの刺激の少ない料理ばかりだったのに対して、ここ酔長安の陝西料理はかなりスパイシーです。中国人の友人が私に対して「陝西料理はかなり辛いぜ」と言っていたイメージに合うのは、ここ酔長安の料理です。 辛さについては、かなり辛いとお伝えしておきます。唐辛子と山椒の効いた辛さです。こういう料理は私の好みなので、もちろん完食しました。 |
続いて、三道辣孜然炒肉です。日本語に翻訳するとクミン入りスパイシー肉炒めです。これはクミンが入っていて西安らしい香りがしそうなので注文してみました。見た目は濃いめの野菜炒めに見えますが、写真にもある通り唐辛子がかなり入っていて、正直言って、これもかなり辛いです。ただ、クミンの香りも効いていますから、長安凍肉とはまた違った辛さを楽しむことができます。これまた、私好みの味なので完食です。一つ反省すべきは、この二品を注文したなら、本来はご飯も注文すべきだったということです。両方ともご飯が進みそうなスパイシーな料理だったのです。 でも実はこの日、白いご飯を注文しなかった理由があったのです。 |
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油溌麺 |
先ほども書いた通り、ここ酔長安に来たのは西安旅行の最終日でした。私の大好物である油溌麺については既に二回食べていましたが、西安を離れるにあたってもう一度油溌麺を食べたいという気持ちが強くて、ご飯ではなく油溌麺を注文していたからです。 油溌麺は唐辛子入りの味噌やピーナッツが載せられている汁なし麺です。最近は中国各地でこの油溌麺が人気で、中国内のあたこちの西安料理店で食べられます。幅広・太めの麺に唐辛子をベースにした辛いソースがかかっていて、これを麺と混ぜて麺全体に味をなじませて食べます。油溌麺はもともとスパイシーな味付けですが、私が3か所で食べた油溌麺の中では最もスパイシーだったのが酔長安です。 酔長安はやはり地元の人向けの味付けで、観光客などターゲットにしていないレストランなのでしょう。酔長安は店内の雰囲気も良く清潔で客層も良好です。辛い料理を苦手にしない方にはおすすめのレストランです。 |
酔長安は、陝西料理らしいスパイシーな料理を出してくれる素晴らしいレストランでした。難点を言えば、私のオーダーの仕方が悪くてスパイシーな料理ばかりになってしまったことです。辛い料理が好きな私でさえ、口の中がヒリヒリ状態になってしまいました。 空港に向けて出発する時間まで1時間くらいあるので、近くにある満記甜品でマンゴーのデザートを食べて口の中を癒しました。 |
このページの先頭へ 酔長安、洒落た陝西料理レストラン |
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西安の城壁(永寧門を歩く)
大雁塔と小雁塔
大雁塔がある大慈恩寺は
玄奘三蔵ゆかりの寺
鐘楼と鼓楼
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お洒落でスパイシー陝西料理
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油溌麺は西安のB級グルメ
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