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孤山(杭州・西湖)−アジア写真帳


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 孤山の概要


 弧山は、白堤を東から西に進んだところに位置している島で、新新飯店やシャングリラホテルのある北山街と向き合うように浮かんでいます。
 白堤から歩いてくると上の写真の建物が建つところから弧山になります。弧山は、白堤ができる前からありましたから、白楽天(772〜846)が杭州の行政官だった時期に築いた白堤は、この弧山と北山街の断橋を結ぶ形で一直線に作られたということになります。
 狐山の南側、白堤から来た道をまっすぐに歩くと、「西湖十景」の一つである「平湖秋月」や西冷印社、杭州料理の楼外楼などがありますが、これらは別のページで紹介していますので、このページでは主として弧山の南側を中心に、すなわち弧山后山路に沿ってご紹介します。


 弧山の見どころということでは、魯迅の大きな像がある中山公園が一つ挙げられます。魯迅の像の裏手には山がありますが、これが弧山です。


 弧山后山路をさらにすすむと、放鶴亭などがある空谷伝声というエリアになります。ここは弧山と北山街に沿ってそびえる宝石山(保俶塔などが建つ山)とに挟まれているため、大きな声がこだまするため、「空谷伝声」と言われています。


 「空谷伝声」に建つ休憩所です。あまり中国風ではなく、むしろ洋風です。このエリアは山深く、歩道に沿って山の中を歩くと、杭州市内の雑踏が嘘のように静まり返っています。


 しかし、何と言っても弧山の見どころは蓮です。弧山后山路に沿って蓮畑がいくつかあり、きれいな花を咲かせています。観光客が比較的少ないエリアなので、ゆっくりと静かに蓮を観賞することができます。


 弧山から蓮畑越しに見た白堤です。白堤が見えるのは、弧山の東側になります。


 弧山から北山街方面を見たところです。このあたりが「空谷伝声」のエリアになります。弧山の北側になります。


 そして、こちらが弧山の北西側になります。弧山からシャングリラホテルに向かう橋の手前も多くの蓮の花で彩られます。
 このように、蓮の季節が弧山の観光シーズンなのです。

 それでは、弧山の美しさを弧山后山路に沿って紹介します。



逸雲寄廬から中山公園、放鶴亭へ


 それでは、順を追って、弧山を紹介します。
 まず、上の写真は白堤です。白堤を断橋から西へと歩いています。


 このページで紹介する弧山后山路へは、白堤から孤山に入ったところで、右に曲がります。その孤山后山路に入る角に立っているのが、上の写真の逸雲寄廬別名を明鑑楼とも言います。)という文化財の建物です。


 白堤から来た道から、この逸雲寄廬を過ぎたところで右に曲がり弧山后山路に入ります。


 弧山后山路はすぐに西湖の湖岸に沿った道になり、目の前に蓮畑が広がります。逸雲寄廬が正面に見え、逸雲寄廬から左に白堤が伸びていきます。このあたりの風景は、私の杭州でのお気に入りの一つです。


 逸雲寄廬です。もともとは別荘として使用されていたものです。三階建ての中洋折衷の建物で、杭州市の文化財に指定されています。
 この建物は北山街の方から見ると、後に紹介する林社とともに、北山街から白堤・弧山方面を見たときに目立つ建物です。中洋折衷というデザインもいいですが、カラーが西湖の雰囲気にマッチしていると私は思います。


 蓮の花が咲く時期には、こうして湖岸に並ぶベンチに腰かけて蓮を観賞します。
 この弧山后山路はツアーの観光コースからは外れています。ですから、観光客があふれていないのです。白堤を断橋から来た観光客のほとんどは、逸雲寄廬にさえも気づかずに平湖秋月や西冷印社の方へと道を直進してしまいます。おそらく、白堤を訪問する観光客のうち、弧山后山路に回る人の割合は5%未満ではないかと思います。だから、静かに自分のペースで蓮の花を観賞できるのです。


 
この蓮畑に沿って、広大な中山公園が広がります。広い芝生の公園で、人々が伸び伸びと遊んでいます。


 中山公園に建つ魯迅像です。魯迅は、杭州の隣町、紹興で生まれ、16歳まで紹興で暮らしています。まさに魯迅の故郷です。ですが、魯迅と杭州との関わりについては、私も不勉強でよくわかりません。隣町出身だから像があるわけでもないでしょうし、‥‥。
 魯迅像の前で太極拳をしている人がいます。朝の中山公園は、このように太極拳などを楽しむ人が数多くみられます。


 弧山后山路は湖岸に沿って弧山を半周していますが、ここで弧山后山路を外れて弧山の内側に向かって歩いてみましょう。中山公園の広々とした芝の公園から階段を登ると、弧山も木々に覆われてきます。


 少し歩くと、北側の湖岸に出ました。山の中腹に建つ放鶴亭のすぐわきに出たようです。朝7時半くらいなので、放鶴亭では地元の女性たちが太極拳をしています。


 放鶴亭は北宋時代の学者、林和靖が隠遁した地に建てられた亭で、彼の墓もこのすぐそばにあります。林和靖は障害、独身を通し、仕官もせず、一羽の鶴とともに過ごしたと言われています。中国の「賢人・賢者」の定義は時代とともに変化します。北宋の時代では、知識と徳の有無だけが条件ではなく、世俗を離れた隠遁生活こそが「清楚な孤高の人」のイメージを生み、「賢人・賢者」として尊敬されたと言います。


 蘇東坡も放鶴亭記という詩を詠んでいますが、これは徐州にある放鶴亭で詠ったものですから、この杭州・孤山の放鶴亭を詠ったものではありません。
 この放鶴亭にも誰かの詩が紹介されているのですが、私には誰の作なのかわかりませんでした。


 放鶴亭の前で太極拳をする地元の人。放鶴亭の住人、林和靖よろしく、清廉潔白な賢者とお見受けしました。


 この日は、逸雲寄廬から弧山后山路に入り、中山公園から孤山の山の中に進んで放鶴亭に出てきたので、孤山にあるもう一つの重要な建物、林社を通りませんでした。弧山后山路をそのまま進めば、中山公園と放鶴亭の途中にある建物です。
 林社は1896年から4年間、杭州市長を務めた林氏を記念して建てられた建物です。市長をしたくらいで記念館ができるのかというと、そうではなくて、現在の浙江大学と浙江理工大学を建学した人でもあるのです。
 林社の建物も逸雲寄廬と同様に、中洋折衷の建物となっており、北山街から見た孤山の風景の良いアクセントになっている建物です。


 この林社の付近から撮影した新新飯店と北山街 方面の様子です。まだ朝霧が漂っていて、ぼんやりした風景なのですが、これが西湖らしい風景でもあるのです。



空谷伝声


 空谷伝声は、標高38mの孤山と保俶塔が建つ宝石山などに挟まれたエリアで谷のように低くなっていて、大きな声を出すとその声がこだますることから、「空谷伝声」と名付けられたエリアです。上の写真は孤山側の放鶴亭付近から見た風景です。


 空谷伝声のエリアの弧山后山路です。湖沿いの道なのですが、まるで山中にいるかのように森が深く、また静寂の中にあります。観光客も少なく、西湖の景色を楽しむには良い散歩道です。


 西冷印社への参道もこの空谷伝声のエリアに出てきます。西冷印社の正門は、白堤がつながる孤山道にありますが、西冷印社から孤山の北側である弧山后山路に出る参道もあるのです。西冷印社に向けて延々と階段が続く道です。


 弧山后山路の北側もまた、蓮畑が見事です。正面に見えるのは対岸の北山街ですが、その間をたくさん蓮が埋めています。


 孤山の北西側にも、もう一つ別の大きな蓮畑があります。ですから、孤山を囲むように、西側、北側、北西側にそれぞれ大きな蓮畑があるのです。弧山后山路をぐるりと歩くことにより、これらの蓮畑にアクセスすることができます。
 それぞれの蓮畑の開花のピークは微妙にずれますので、6月から7月の蓮のシーズンには、この弧山后山路を歩きながら、最も美しい花畑の前で蓮の花を鑑賞すればよいのです。
 では、最後に、この弧山で見た蓮の風景をご紹介します。

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孤山の蓮


 杭州西湖にはいくつかの蓮の名所があります。有名なのが、白堤の断橋のあたりと曲院風荷でしょうか。ツアー観光客も含め、この辺りは多くの観光客でにぎわいます。観光地気分は十分に味わえるものの、静かに花を鑑賞する気分に離れません。
 一方、この弧山とか茅家埠は観光客が比較的少ないですから、ベンチに座ってゆっくりと自分のペースで見事な蓮の花を鑑賞することができます。足の便からすれば孤山に軍配が上がりますし、観光客の少なさから言えば茅家埠に軍配が上がります。


 孤山の周りは弧山后山路に沿って、蓮の見どころがいくつかあることについては、既に書いた通りです。上の写真は孤山の東側です。背景に白堤や杭州の街が入りますので、いかにも杭州らしい雰囲気になります。


 上の写真は孤山北西側の蓮畑です。こちらですと、空谷伝声のエリアになりますので、背景が山深いものになったりします。
 どちらの蓮が綺麗だとかそういう違いはありませんので、要は弧山后山路を歩いてみて、気に入った蓮畑、花付の良い蓮畑でじっくり鑑賞するのが良いと思います。


 蓮の花の寿命は3日程度と言われています。開花してすぐの場合は色も形もきれいです。


 そして、徐々に花弁が開き気味になってきて、開き具合が花弁によってばらつくので、花の形も崩れてきます。

 
 
 上の写真も色は綺麗なのですが、形が少し崩れてきていますね。

 
 
 ただ、蓮の花は一つの根から次々と茎が立ち上がってきますから、シーズンさえ良ければ、咲いたばかりの蓮の花をいくつも見ることができます。

 
 
 
 左の花は形が崩れてきましたが、右の花は蕾ですけれども素晴らしい色合いです。


 また、花だけではなく、生き生きとした蓮の葉も見事なものです。


 孤山の西北の蓮畑です。
 今回、私の杭州行は5月下旬だったため、蓮のシーズンには少し早すぎました。蓮のシーズンに合わせていったのではなく、たまたま5月下旬に杭州に行けただけです。行けただけでもラッキーかもしれません。
 5月下旬ですと、開花している蓮の花が少なくて鮮やかさに欠けますが、あと一週間遅ければ、蓮の花が一面に広がっていたのではないかと思います。


 孤山の西側、ここは白堤からまっすぐにつながる孤山路から蘇堤方面を見たところです。こちらにも蓮畑が広がっています。ここで蘇堤を背景に蓮の花が撮影できると綺麗な写真が撮れると思います。

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