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杭州−西湖を歩く−柳浪聞鶯


アジア写真帳(杭州)



 柳浪聞鶯は「西湖十景」の一つに数えられる景勝地です。文字通り、数多くの柳が風に揺れ、時には鶯の声を聞くことができる公園です。西湖の東岸にあって、かなり広大な敷地に美しく整備された公園です。私が杭州を訪ねたときは、必ず朝散歩する場所ですし、また、一人でボーッとしたいときに足を運ぶ場所でもあります。
いつの季節に行っても、西湖を渡る風に揺られる柳の木の下で、気持ちの良い時間をすごすことができます。


 西湖の東岸を走る南山路にある柳浪聞鶯の入口です。南山路は文化的な香りが漂う街並みですが、ソフィテルホテルや西湖天地のあたりからこの入口までの南山路は特に雰囲気のある街並みで、洒落たレストランや画廊などが建ち並びます。西湖天地からそんな街並みを十分程度歩くと、この柳浪聞鶯の入口に到着します。
門を過ぎるとすぐに柳の中を進む道になります。


 柳浪聞鶯の魅力の一つは、その柳の美しさです。柳の葉が太陽の光できらめき、また、優しい風に揺らいでいます。兵庫県但馬地域にある城崎温泉の柳も、かつて杭州から送られてきたものらしいですが、ここの柳も見事です。城崎温泉の柳を見ると、杭州を思い出してしまいます。
さて、柳浪聞鶯の入口から西湖に向かう道を歩くと、歩道には無数の彫刻が施してあったり、、道端には可愛らしい花が植えてあったりと、心の和む公園です。


 彫られている彫刻も、柳浪聞鶯らしく鳥です。あまりにもきれいに彫られているので、この上を歩いていいのかななんて考えてしまいますが、みんなそんなことを考えず踏みつけて歩いていきます。


 入口を入ってすぐのあたりでは、柳のまぶしさをいつも感じます。西湖へは、入口から入った突き当りを道なりに左に向かって歩いていきます。10分くらいはかかりますが、明るく気持ちの良い道なので、いつも心が爽快になります。


 このように、きれいに整備された歩道を進んでいくことになります、ごみ一つ落ちていないのが特徴です。みんなマナーを守っていますので、タバコの投げ捨てなど、絶対にしないようにお願いします。
杭州を観光する外国人はまだ少ないので、散策している人はその殆どが中国人です。日本からも直行便のフライトが出ているとは言え、まだまだ日本からの観光客が少ないのが現状です。日本人のマナーが悪いなどと言われないように注意しましょう。


 柳の美しさを見ながら、ところどころ草花も咲いている道を歩くと、じきに西湖に着きます。




 入口から入って西湖に着く手前にある茶館、聞鶯閣です。茶館というのは、喫茶店みたいなところで、様々な種類の中国茶が置いてありますし、また、コーラみたいな清涼飲料水も置いてあります。
 この聞鶯閣からの西湖の眺めは見事なので、私もついついこの茶館に寄ってしまいます。茶館では果物や様々なお茶請けが無料ですから、一時間や二時間時間を費やすこともできます。ここ聞鶯閣ではエアコンのついている屋内の席もあれば、屋外の部屋もありますから、その日の天候や自分の体調を考えて席に着くようにします。


 聞鶯閣の入口です。
 聞鶯閣の利用価値として最大のものは、真夏の杭州で暑さに体が負けそうな時の休憩場所だと思います。フルーツやお茶請けをつまみながら中国茶を飲むと、不思議に疲れが回復するのです。せっかくの杭州ですから、杭州の茶文化に触れられるというのも嬉しいことです。
 なお、日が暮れていく西湖が見れる夕方の時間帯も、私が聞鶯閣をよく利用する時間帯です。ここ聞鶯閣からは雷峰塔がよく見えるのです。


 さて、聞鶯閣を過ぎると、いよいよ西湖の湖畔です。西湖を向いて沢山のベンチがありますから、ぜひベンチに腰かけて西湖の風景を楽しんでもらいたいと思います。
  写真にあるように、遊覧バスが西湖の周りを走っています。環境を考え、電気自動車になっています。2009年現在、西湖一周で40元、短距離を乗るなら10元です。それ以降は乗っていないので、今の値段は分かりません。


 西湖はその三方を山に囲まれていますので、山を背にした完結した美しさを感じさせてくれます。柳浪聞鶯のある東岸は、唯一山が迫っていないところですので、この柳浪聞鶯から西湖を見ると、西湖全体が山に囲まれているように見えます。何時見ても美しい風景です。そんな西湖を見ながらの湖畔の散策は本当に気持ちの良いものです。


 芝生の公園もあって、そこから西湖方面を見たところです。遊覧バスの橋っているすぐ脇が西湖です。西湖の風景が180度広がっているのです。




 柳浪聞鶯から見た雷峰塔です。波の静かな西湖の向こうに、美しいフォルムの雷峰塔、そして、山々の緑、‥‥。私の好きな風景の一つです。

 こんな風景を見ながら、龍井茶(杭州近郊にある龍井村の名産)を味わいたいという人には、上で紹介した聞鶯閣がありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。詳しくはこちらです。


 夕暮れの雷峰塔です。
 西湖十景の一つに、「雷峰夕照」があります。夕陽に照らされる雷峰塔のことです。ところが、夕陽に照らされる雷峰塔は、なかなかお目にかかれないもので、暗くなるとライトアップされる雷峰塔を見ることになります。
 上の写真にあるように、まだ日が明るいうちから、ちょっと暗くなりかけた時間、そして日が完全に落ちて雷峰塔のライトアップだけが燦然と輝く時間まで、聞鶯閣から中国茶を飲みながら眺めるのも、杭州での私の一つの贅沢です。


 江南の古鎮について、もっと知りたい方は必見の本

写真で歩く中国江南の町並み―水郷の都市と古鎮

 中国江南地域を代表する水郷都市(杭州・紹興・蘇州・無錫)とその周辺の古鎮、そして上海の街並みを、273枚のカラー写真で紹介しています。
 現在、日本で江南水郷を紹介している本のなかで、最も丁寧に詳しく紹介しているのがこの本だと思います。地図も的確で参考になります。
 作者の高士宗明さんは、もともとは医師だったようですが、今は廃業し、紀行作家・町並み研究家として活躍されている方です。街並みについての造詣の深さも感じられ、美しい写真とともに、読んでいて大変参考になる本です。

 

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