アジア写真帳アジアグルメ図鑑アジアグルメ図鑑(上海・中国江南)>「知味観」高銀街店

杭州のグルメ−高銀街の知味観味宅


アジア写真帳(杭州)   アジアグルメ図鑑(上海・中国江南)

 初回訪問時の記録


 知味観は伝統的な杭州料理を食べさせてくれる杭州でも評判の店ですが、本店以外にもいくつか支店を出しています。知味観の多くは点心や麺類などを食べさせる小吃店が殆どですが、数店だけレストランスタイルの店を出しています。高銀街の店がその一つで知味観味宅と名付けられています。
 杭州屈指のショッピングゾーンの清河坊界隈では、呉山広場近くにはファーストフード風の店がありますし、ここ高銀街には、高級志向の支店があります。高銀街には、沢山のレストランが軒を連ねていて、どこも旨そうな気がして、どこに入るか迷ってしまいます。が、庶民的な店が多いので、どこに入っても安心して食べられます。街並みも庶民的ですよね。


 ここの知味観は、内装から違います。落ち着いたシックな雰囲気で、ビールの陰になってしまったウェイトレスもスマートです。
 今日のビールは、西湖緑雨。杭州のビールを飲みながら、メニューから今日の料理を選択です。


 まず、最初の一品は、前菜です。どうです?中華料理ではないみたいでしょう?香港あたりで出される広東料理の新派といわれる料理にも、脈を通じている料理です。
 料理名は、野菜冷涼?といいます。「?」という字は、土を小高く盛り上げたものを意味しますが、そうした意味からすれば、「野菜の冷やし重ね」などという訳になります。しかし、それでは、おいしく聞こえませんので、「季節の野菜の豆腐ゼリー包み四川風」とでも名づけましょう。
 たれは、写真の通り、ラー油も入っていますが、そんなに辛いものではありません。野菜、豆腐、それからたれが絶妙な味を構成していて、本当に旨い!絶品です!


 次は、杭州料理の定番、龍井蝦仁です。
 上海料理の蝦料理に清炒蝦仁という料理がありますが、これはムキエビを炒めた料理で、これはこれでさっぱりして蝦のうまみが味わえる私の好物の一つです。
 龍井蝦仁は、この清炒蝦仁に作り方は似ていて、ムキエビを龍井茶(茶葉だけでなく、お湯も一緒に炒めるケースが多いと聞きます。)と一緒に炒めた料理です。良い店では、季節が合えば(4月〜5月)、龍井茶の新茶を使っていますので、龍井茶の香りが一段と良くなります。
 今回は、7月下旬でしたが、ご覧の通り、エビに龍井茶の葉がよく絡んでいて、龍井茶の香りが、本当に爽やかです。エビもぷりぷりしていて、最高です。満足です。


 今度は、上海料理の定番、蟹粉豆腐です。杭州は、上海のそばなので、上海料理も色々な店で食べられます。しかし、こんな鍋で出てくると思わなかったですね。
 最近の私は、ダイエット中ではないのですが、せっかくダイエットした体重をキープしたいということもあって、どうしても、体に優しいカロリーの低い料理を注文してしまいがちです。
 そういう意味で、豆腐料理は最適の料理です。でも、しっかりした味付けのおいしい料理が食べたいということで、この蟹粉豆腐などは最適です。豆腐と蟹粉(蟹味噌と蟹肉)を一緒に炒めてとろみをつけたものです。上海は、ご承知のとおり、上海蟹で有名ですが、私のような庶民グルメ派にとっては、食べるのが面倒くさくて食べるところが少ない上海蟹よりも、この蟹粉豆腐の方が性に合います。
 実際に旨いんです。普通はこんなに多くないのですが、こんな風に沢山出てくると、豆腐汁みたいですね。でも、濃厚な蟹味噌がたっぷり入っていましたよ。


 ちょっとサッパリ系の料理が続きましたので、今度は、「韮の回鍋肉」という見たことも聞いたこともない料理に挑戦です。回鍋肉は、ご存知のとおり、四川料理の定番ですが、普通は、キャベツとピーマンを豚バラ肉と一緒に炒めます。それが韮に変わるだけだろう、くらいに思っていたのですが、思っていた以上に、違います。写真を見た限りは、そうは見えないかもしれませんが。


 実は、食べ方が違うのです。上の写真のように、葉に包んで食べるのです。もともと、豚バラ肉を使っていながらも、そんなに脂っこさのない料理なのですが、葉に包むことで、さらにサッパリ系の味になります。
 これも、絶品、文句なしに旨いです!豚バラ肉も、調理の加減が良くて、旨そうですよね。柔らかくて美味しい豚肉と韮の味が思った以上にしっくり合います。これ、安い料理だったけど、いけますね。この料理も、創作料理だと思いますが、この店のシェフの腕は大したものです。
 これで、締めて約200元。(2008年7月)
 ぜひ、また、行きたい店の一つですね。



 知味観味宅のその後の記録

 
 
 杭州料理の定番と言うと、東坡肉です。脂身のある豚肉をトロトロになるまで、醤油漬けで長時間煮込んだ料理で、見た目ほど脂っこくないのが特徴です。知味観の東坡肉は期待した通り水準が高いです。良く煮込まれているので、味も良いですし肉もやわらかいです。
 ところで、この東坡肉の料理名には歴史があります。
 西湖を舞台にした詩を書いている蘇東坡は、宋の時代の杭州地域の太守(首長)でした。蘇東坡は西湖に蘇堤を作ったことでも名を残していますが、こうした工事に関わった労働者たちの労苦に報いるために、蘇東坡が振舞った料理が、大変評判になったとされています。そして、その料理に蘇東坡の名前をつけ、「東坡肉」と言われているわけです。
 そんな歴史の重みを感じながら食べると、ますます旨く感じます。東坡肉は日本でも知られている数少ない杭州料理の一つです。

 
 
 知味観味宅での前菜で最近のお気に入りは、上の写真にある寧波?菜です。寧波は杭州から少し南に下ったところにある港町で、海鮮料理が発達している都市です。この寧波?菜はインゲンのような野菜を焼いてから冷菜にした料理で、ニンニクと味噌調味料の味付けが絶妙です。まさに前菜らしい味付けの料理です。

 
 
 この豆腐料理も前菜です。料理名を控えてこなかったのですが、ゴマ油、醤油とニンニクによるシンプルな味付けですが、それがかえって豆腐の美味しさを引き出してくれているようです。見た目も美しいですが、見た目以上においしい豆腐でした。

 
 
 ガチョウのローストです。香港で3年間ほど住んだ私にとって、ローストものは前菜として食べたくなる料理の一つです。杭州ではガチョウのローストがメジャーな前菜かというとそうではありません。これはただ私の好みにすぎません。実は、ここ知味観で試しにガチョウのローストを一回食べたところ、期待以上に美味しかったものですから、それ以来、私がたびたび注文しているものです。ローストものが嫌いではない人は、ぜひお試しください。  

   


関連するページ  
アジア写真帳(杭州)    アジアグルメ図鑑(上海・中国江南特集)

杭州のグルメ トップページ  

 杭州料理の老舗「知味観」 地元の人に人気!杭州酒家  杭州の名店、張生記 
高銀街の知味観味宅  新新飯店の新新庁 神仙鶏で有名!好紹欣
ソフィテルホテルの湧金閣   高銀街の杭州料理店  東坡路の玉麒麟 

 広東料理の名粤軒で飲茶 咬不得高祖生煎の生煎包  スイーツなら満記甜品
杭州のラーメンなら奎元館   清河坊の状元館でラーメン  
柳浪聞鶯の茶館、聞鶯閣 曙光路の茶館