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アジア写真帳(タイ)−バンコクのワンラン市場


アジア写真帳(タイ)

ワンランマーケット


 タイの市場というと、クロントーイ市場パククローン市場などが有名です。クロントーイ市場は生鮮食料品の市場として、また、パククローン市場はお花の市場として、その特徴がありますが、このページで紹介するワンラン市場は日用雑貨や衣料品が豊富で、すぐ近くにマヒドン大学やタマサート大学プラジャンキャンパス、シリラート病院があり、女子学生や看護士が多く来ることから女性客の多い市場、しかも若い女性も多い市場として知られています。その結果何が起こるかというと、美味しいB級グルメ店が自ずと集まってくるということになります。
 ワンラン市場はチャオプラヤエクスプレス(乗り合いのボートバス)のワンラン(WangLang)駅に直結しています。ワンラン駅はチャオプラヤ川を挟んで王宮(ワット・プラケオ)の向かい側で、王宮(ワット・プラケオ)の最寄駅であるターチャンの次の駅です。


 ワンランでチャオプラヤエクスプレスを降りると、駅前からワンラン市場の雑踏が始まります。もともとローカル度が高い市場だということは聞いていた私ですが、行ってみると想像していた以上にローカル度が高く、殆ど外人さんの姿を見かけなかった、というか全く見なかったという印象です。
 このワンラン市場は面白いですね。


 駅前からは歩道つきの車道がまっすぐ伸びています。この通りに沿って店舗が連なっています。車道にはトゥクトゥクなどが走っています。トゥクトゥクの乗客を見ると、確かに若い女性が多いですね。


 露天は狭い歩道の上に連なって広がり、歩行者はすれ違うのがやっとという状態で進みます。露天で買い物をする人がいれば歩行者の動きはストップしますので、この通りでは牛の歩みよりも遅いくらいのスピードでしか歩けません。


 露天の一つ一つを見ると、確かに食べ物屋さんが多いし、美味しそうなB級グルメやフルーツなどが並んでいます。


 このあたりでやっと歩道に隙間が見えました。駅前から100mも歩いていないのですが、5分か10分かかったような気がします。このあたりも食べ物屋さんが多いですね。


 上の写真のようにその場でB級グルメを作っているお店が多いですから、作りたての美味しさを楽しめるんですよね。日本でも実演販売をしている店は売り上げが伸びますけれども、このワンラン市場のB級グルメ屋台では、どの店も実演販売をしているようなものですから、当然食欲が出てきてしまうんですね。




 駅前通りは混んでいるので、少しソイ(脇道)の方に入ってみましょう。左に衣料品が出てきました。右側は相変わらずB級グルメです。女性客が多いと、こういうB級グルメ店がはやるんですね。これは、日本もバンコクも同じです。


 ソイの方に入っても、一向に人通りは衰えません。狭い道ですから、相変わらずのろのろとしか歩けません。B級グルメ店、衣料品店、アクセサリー屋さん、‥‥。若い人が多いから、そういったお店が連なります。バンコクでもこれだけ若い人たちが集まる市場って、私は見たことがありません。
 熱気と活気がありますよね。

管理人がおすすめする本

歩くバンコク2012~2013

 私が愛用しているバンコクのガイドブックはこれ、「歩くバンコク」です。新しいビルが次々に建設されているバンコクの街歩きをするには、最新の地図代わりになるガイドブックが欲しいものです。
 地下鉄やBTS(スカイトレイン)が開通したり延長されたりした結果、バンコクでの私の歩き方は、地下鉄やBTSの駅を中心に考えるなってきました。この「歩くバンコク」では、主要駅を中心に駅周辺のショッピングやグルメの店を紹介していますので、その点が使いやすいのです。駅ごとに出ている詳細な地図は、私のバンコク歩きに欠かせません。薄くて軽いことも、街歩きの地図としての位置づけからすれば、嬉しいことです。
 皆さんも、ぜひ、この歩くバンコクを活用して、自分だけのバンコクを発見してみてください。この本を見ていると、私はまたすぐにバンコクに行ってしまいたくなってしまいます。困ったことです。



 私たち観光客にとって、このワンラン市場というのは、特に何かを買いたいというショッピングを目的にするのではなく、元気をもらう街だと考えれば良いと思います。このマーケットに来る女性だって、最先端のファッションや高級な化粧品を探しに来るのではなく、廉価だけど可愛らしいグッズやおいしいお菓子などを探しに来ているだけだと思うのです。だけど、そのパワーが日本と違っていて、市場全体からほとばしるような活気が私たちに強いインパクトを与えてくれるのです。


 私がワンラン市場に来たのはウィークデイの午後です。若い女性が多いですね。
 かえってこういう時間だからこそ、近所の大学や病院帰りの人が多いのかもしれません。このあたり衣料品店やアクセサリーショップが多いですね。


 ちょっと前の瞬間まで人だかりしていたお店です。店員さんが一息ついたところで商品を並べなおしています。こういう路上でも食べられそうな簡単なB級グルメが人気あるようです。


 そうこうしているうちに、中・高校生の下校が始まったようです。若い子たちがチャオプラヤエクスプレスのピアに向かってどんどん歩いてきます。
 下校途中の中高生に人気があるのでしょうか、奥のジュース屋さんには絶えず女子高生たちが群がります。さあ、下校時間に巻き込まれると、マーケットの狭い通路でますます身動き取れなくなってきてしまうので、この辺で退散しましょう。



ブラックキャニオンコーヒーで甘いアイスコーヒーを



 でも、そうしたB級グルメのお菓子やジュースの誘惑を絶ち、私が目指したのはワンラン駅の中にあるブラックキャニオンコーヒーです。ワンラン店がピアのすぐ横の建物の二階にあるのをチャオプラヤエクスプレスから見て、いかにも眺めが良さそうだったのです。


 ブラックキャニオンコーヒーはタイの各地にあって、バンコク市内だけでも何店舗あるのか分からないくらい、どこででも見かける喫茶店です。実は私はそんなブラックキャニオンコーヒーのアイスコーヒーが大好きなのです。この甘過ぎるアイスコーヒーがバンコクでの疲れをほぐしてくれるような気がするのです。


 ブラックキャニオンコーヒーからの眺めです。バンコクに旅行に来ると、このチャオプラヤ川の流れというのが印象に残ります。チャオプラヤ川沿いの景色が、何かバンコクらしいなあと私は感じるのです。私が初めてバンコクに旅行した20年以上昔と比較して、あまり変化がないので、かえってそれが魅力なのかもしれません。
 

 ワット・プラ・ケオと王宮方面を見ると、こんな感じです。大きな広告がいかにも邪魔です。みんなが見る方向に大きな広告があるというのは、それだけ高い広告効果が得られるわけで、それはそれで正しいのかもしれません。
 ブラックキャニオンの甘過ぎるアイスコーヒーを飲みながら、ワンラン市場の興奮も思い出しながら、いつも変わらないチャオプラヤ川を眺める、それはそれで私流のバンコク旅行の魅力なのです。一時間くらい、この雰囲気に浸り、目の前のチャオプラヤエクスプレスに乗り、また別のバンコクを探しにいきます。


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週末バンコクでちょっと脱力(下川裕治著)

 バンコクを語らせたら右に出る者がいない下川さんの、バンコクについては10年ぶりの書き下ろし最新作です。
 バンコクがかつて持っていた「まったりとした空気」は、バブル期のせわしない日本から逃避したかった私たちにとって心地良いものでした。そのバンコクが21世紀になり高度成長期に入ってしまったため、逃避場所としての価値が薄れていたわけですが、最近になりそのバンコクとまた波長が合い始めたという点は、私も同感です。
 この本では、朝の屋台、運河巡り、歩道のフードコート、川沿いで飲むビール、早朝のマラソン大会。心も体も癒される、ディープな週末バンコク旅が紹介されています。「バンコク通」の下川さんならではの感受性・表現力に満ち溢れた会心の作品です。

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