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桂林のグルメ、広西料理は美味くない|アジア写真帳(桂林)

(2016年6月21日以来)

桂林の広西料理(桂林のグルメ)GUILIN


桂林は広西料理の本場。でも広西料理は美味くない。

桂林のとあるレストラン店内
 
 桂林は世界に名だたる観光地です。素晴らしい桂林の景色に感動する観光客は数多くいますが、桂林の料理が美味しかったと絶賛する人に、私はこれまで出会ったことはありません。せいぜい桂林米粉は美味しかったという人がいるくらいです。むしろ、桂林の食事には困ったという人には何人も会いました。
 桂林のグルメに関していうと、私も全く同感で、桂林米粉以外の地元料理(広西料理)は残念ながらおいしくありません。レストランの中はそこそこお洒落なんですけどね。

 桂林のレストランは中洋折衷

 上の写真はとあるレストランの店頭に合ったメニューです。このように中華料理と西洋料理の両方を扱うレストランは少なくありません。さすがに欧米人の多い観光地だけのことはあります。でもレストランメニューに入っているからと言って、桂林でナポリタン、ピザやハンバーガーを食べても美味いはずがありません。また、毎日米粉ばかり食べるのも脳がありません。困ったものです。

 
広西料理のビール魚(啤酒魚)
 
  広西料理で有名な料理にビール魚(啤酒魚)という料理があります。上の写真です。陽朔名物だともいわれています。これは川魚をビールを入れた鍋で煮た料理です。魚をビールで煮るという調理法は新たな発見ではありますが、もしそれが美味しいのであれば中国全土に、そして世界にこの調理法が広がるはずです。当然美味しくないから他のエリアに広がらない。でも、美味しくない素材(魚)しか手に入らないからこんな調理法を用いる。そんな感じの料理です。もちろん、私は食べませんでした。

桂林で食べた魚香肉絲。最悪の味でした。
 
 私は中華料理が大好きで、二週間・三週間中国にいても、毎日中華料理だけで暮らせる人間です。中国にはよく仕事で行くので、中国人から桂林の食事は不味いぞということは聞いていました。
 ある日の夕食です。そこで私が選んだメニューは上の写真の魚香肉絲です。青椒肉絲と似た料理で豚肉細切りと野菜を魚香という中国の調味料で炒めて味付けした私の大好物です。しかし食べた瞬間にうーんと唸らざるを得ません。魚香だけでなくほかの調味料の味付けが強すぎるのです。甘くて酸っぱい感じです。私がこれまで50回以上は食べた魚香肉絲の中で、ダントツに美味しくない出来栄えです。

桂林で食べた広西風酸辣チャーハン。不味い。
 
 中国人からも酷評される桂林で食べるのですから、私もある程度覚悟はしていたのです。でも、チャーハンくらいなら食べられるだろうなどと甘く見ていた私がいけませんでした。
 しかもこの日は広西風酸辣チャーハンを注文してしまったのです。中国のグルメサイトで最も味の評価が高いレストランで、「このチャーハンは地元の味ですよ」などと言われてその気になった私が浅はかでした。見るからに水分が飛んでないダメな炒飯の典型です。美味しいチャーハンというのは水分が飛んでないといけません。なのに、ここの炒飯は水分が飛んでないどころか、おじやのようにベチャベチャです。

ご飯がベチャベチャしています
 
 水分が飛んでないのはこのレストランの火力が弱いからだろうと許してあげても、米が美味しくないのです。これは致命傷です。レストランのシェフに聞いたら、この味付けが本来の桂林風だと胸を張って言っていましたが、酸っぱいけども辛さが足りなくて、逆に甘さが意外に強すぎます。酸辣チャーハンだからもっと辛いと思っていたのに、広西料理のだめさ加減を再確認させられるチャーハンでした。

桂林の揚州炒飯は、私の経験上最低の味。
 
 今度はその翌日、昼食でもう一回広西料理にチャレンジしてみました。昨日は自分なりにネットで調べて評価の高いレストランを選択したつもりでしたが、それでも自分の努力が不足していたのだと考えたわけです。
 今回も私の大好きな料理を選択しました。まず、炒飯ですね。今回は中国内で最もポピュラーな揚州炒飯にしました。日本でいうところの玉子チャーハンです。そして、出てきたチャーハンが上の写真です。玉子がチラッと入っていますが、全然揚州炒飯ではありません。そして、これまたベチャベチャなご飯で、炒飯らしさが感じられない料理です。しかも甘酸っぱくて広西料理風です。水分が多い米質でチャーハンに合わないのだろうかとか、もともと桂林の米が美味しくないのだろうかなどと疑いたくなってしまいます。
 そこで旅行後に二人の中国人に「桂林の米は美味しくないね」と言ってみたところ、「桂林の米は美味しいですよ。美味しいから米粉も美味しいのです」と言われてしまいました。彼らの言によれば、たまたま行ったレストランの調理が下手だったのではないかという意見です。次回はもう一度広西料理にもチャレンジしてみたいと今は思っていますが、本当に広西料理を選択するかどうかは微妙です。

トマトの卵炒めは不味かった
 
 もう一品は、これまた広東料理でよく出てくるトマトの卵炒めです。さすがにこれは玉子が使われていましたが、玉子を炒めすぎですよ。それに玉子がトマトに絡んでいないのです。これでは私が作るトマトの卵炒めより見栄えが悪いです。そして、さらに食べてみると、これが変に甘酸っぱいのです。全部同じ味付けです。この日の昼飯はひどい目に会いました。

桂林で食べた奇香茄子(茄子の甘辛揚げ)
 
 そうしたなかで私が唯一ある程度評価できた料理は上の写真の奇香茄子(茄子の甘辛揚げ)です。これとて、脂っこい中華料理が大好きな私さえ脂っこいと感じる料理ではありました。けれども、茄子には合う味付けなのかなという気はしました。因みに、最初の広西料理レストランで食べたものです。

桂林の広西料理
 
 美味しくない、不味いと言われる広西料理ですが、そんななかでできるだけ美味しく広西料理を食べようとしたら、賑わっているレストランを選ぶという鉄則に加え、良い油を使っていると思われる大型の比較的高級なレストランを選ぶと良いと思います。私もそうしたレストランを選んだうえでこの有様ですから、広西料理レストランに行く時には相当な覚悟を持って臨むことをおすすめします。



広西料理は美味しくない。だから桂林米粉か広東料理を食べる

桂林米粉は美味しい
 
 以上の通り、広西料理は美味しくありません。でも、広西料理から逃げることはできます。
 一つ目は、桂林米粉です。桂林と言えば有名な料理は桂林米粉です。桂林でも陽朔でも興坪でも、桂林米粉の食堂はたくさんあります。どこに入ったら良いかというと、お客さんで賑わっていて清潔な食堂を選ぶのが無難だと思います。
 そうして選んだ米粉店で食べる桂林米粉は期待を裏切りません。桂林米粉について別ページで紹介している通り、日本のうどんに似た麺で、上の写真のように盛り付けられて出てきます。

桂林米粉はたれとよく混ぜて食べる
 
 日本のうどんと異なるのは食べ方です。一般的にはスープに入れずにタレとかき混ぜて食べる鹵菜粉です。タレが下に入っていて、これに調味料を自分で好きなだけ入れてかき混ぜるのです。上の写真はかき混ぜた後の米粉です。焼いてない焼うどんというか、うどんで作った油そばというか、まあ、そんなような感じです。これは美味いです。
 私はもともと麺類が好きですからあまり参考にならないかもしれませんが、今回桂林で食べた桂林米粉はどこも美味しかったです。ただ、賑わっている店を選ぶという店選びのコツを実践しているからかもしれません。
 桂林米粉についてはこちらのページで詳しく紹介しています。 

桂林、椿記焼鵝のガチョウのロースト

  広西料理から逃げるもっと良い方法は美味しい広東料理レストランに行くことです。
 上の写真は桂林市内の椿記焼鵝というレストランで食べたガチョウのローストです。まさに広東料理です。ガチョウのローストは広東料理の定番で、私も香港や広州などでよく食べています。桂林が所在する広西エリアは広東省に隣接しています。また、広西エリアはガチョウの産地でもあるので美味しいガチョウが食べられるのだそうです。そんな予備知識がありましたので、私はこの椿記焼鵝に来るにあたって一番食べたかったのがガチョウのローストだったわけです。今回の桂林旅行は一人旅です。ですから食事も一人飯です。幸いなことにガチョウのローストは4分の1から注文することができました。2・3人で食べるのにちょうど良い量だと思います。
 素晴らしい焼き色で、見るからに美味しそうなローストです。皮がパリパリ、肉はジューシーな感じがお分かりいただけるでしょうか。確かにここのガチョウのローストは香港や広州などで食べるものに遜色ない、と言うよりもむしろ美味しいくらいの味です。

桂林、椿記焼鵝で食べたホタテと春雨のニンニク蒸し
 
 そして、この日のメインディッシュとして選択していたのがホタテと春雨のニンニク蒸し(蒜蓉粉絲蒸帯子)です。これも広東料理の定番です。嬉しいことにこれも2つから注文できる料理でしたので、お一人様の私にはぴったりのメニューだったのです。
 味付けは素晴らしいです。でも悲しいかな、ホタテが小さくて豪華さに欠けます。これが山奥にある桂林で食べる限界なのです。良い素材が安価に手に入らないのです。したがって海の幸については素材の質が良くないということになるのです。味付けが良いのに惜しいです。
 でも味付けは上手ですから大変満足できました。広西料理を食べるより何十倍良いか分かりません。桂林に来て広東料理を食べるなどというのは邪道ですが、美味しくない広西料理を食べて欲求不満になるより、ずっと良い思い出になります。なお、椿記焼鵝では広西料理も食べられますので、こういうレベルの高いレストランで広西料理に挑戦すれば、ひょっとして美味しいのかもしれません。そんな気持ちもちょっと芽生えましたけれども、実行には移せませんでした。
 椿記焼鵝についてはこちらのページに詳しく紹介しておきましたので参考にしてください。




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