黄布倒影とは |
桂林で最も有名な漓江の景色は黄布倒影でしょう。人民元20元札の裏面の図案にもなっている場所です。黄布倒影は興坪古鎮から少し桂林側に戻った場所にあります。漓江対岸から見ると確かに山の影が漓江に美しく映ります。ただ、天気や光線の加減で映り方はかなり左右されます。船上から見るよりはずっと綺麗なことは間違いありません。 |
人民元20元札の裏面です。黄布倒影を描いています。上の人民元札の写真からもわかるように、ポイントは、カルスト状の山々、漓江に映る山の影と奥にうっすらと見える山々です。 |
この桂林で最高の景色はもちろん漓江下りの船からも見れますが、 あっという間に通り過ぎてしまいますし、船のデッキからですと漓江に映る山々の姿が見えませんので、本当の美しさを楽しむことはできません。この景色を満喫するためには興坪に来ないとならないのです。 興坪は桂林と陽朔を結ぶ漓江の途中にある古い街で、中国広西チワン族自治区桂林市陽朔県に属しています。バスで移動すると、桂林から約1時間半、陽朔から1時間弱かかる場所にあります。 |
漓江の景色は天候によって、また時間によって刻々と表情を変えていきます。上の写真は雨上がりの朝9時ごろのもので、うっすらと靄がかかったような景色はむしろ青空のもとの景色よりも風情があるように思えます。 |
今回の私の桂林旅行の目的は、夜明けの漓江の風景を見ることでした。そこで興坪の中でも黄布倒影に近い場所のホテルを予約し、朝4時半起きで夜明けの風景を見るべく漓江の岸辺に出ました。 私が興坪に宿泊した朝はあいにく雨が降ったりやんだりの天気でしたが、それでも軽く朝もやがかかった風景は昼間よりもずっと情緒があります。これを見たかったら、興坪に宿泊するしかないのです。この日はちょうど鵜飼いの漁師もいて思わぬ素晴らしいショットを撮影することができました。山の影と林の影の間を走る鵜飼いの船など、めったに撮影できるものではありません。興坪に宿泊したのはわずか一泊なのに、こんな光景に出会えたのはラッキーとしか言いようがありません。 |
黄布倒影の風景で最も素晴らしいと思うのは夜明けの時間です。周囲には街頭や建物などの灯りは全くありません。暗闇から夜が少しずつ明けてきて、黄布倒影が姿を現すときの素晴らしさは何とも形容しがたいものがあります。 この景色を見るためには興坪に宿泊するとともに、前日のうちにどこから朝の黄布倒影を見るのか、翌朝慌てないように場所を下見しておくことも大切です。 |
休憩してタバコを吸う鵜飼いの漁師です。漓江に映る山影が美しいです。 興坪に来れば必ずこのような鵜飼いの漁師に出会えるわけではありません。この日はたまたまラッキーだっただけですので誤解しないでください。皆さんもラッキーであれば鵜飼いの漁師に出会えることがあるかもしれません。 |
山々に雲が美しくかかりました。時間によって、また朝の光の加減によって、刻々と変わる漓江の表情を二時間くらい満喫することができました。もちろん、ほとんど観光客はいません。静かな漓江で過ごしたこの朝は、まさに最高に贅沢な時間でした。 夜明けの漓江については、「興坪の朝の鵜飼い(水墨画の風景)」のページで詳しく紹介しています。 |
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興坪で一泊して漓江の景色を満喫 |
私がこの日興坪で宿泊したホテルはCTN漓江ホテル(Li River Hotel)です。興坪古鎮からは歩くと15分くらいあって不便なのですが、黄布倒影の目の前にありトリップアドバイザーでの外国人の評価が高いので選択しました。中国地場のホテルですから、ホテルの設備はそれなりですし、セーフティボックスがフロントにしかないなど不便さはあります。ただ、ホテル内は清潔ですし、スタッフが皆さん親切だったので快適に滞在できました。 |
4階のリバービューの部屋からの眺めです。 このホテルは漓江沿いに道路を隔てて建てられています。残念なことに漓江沿いに林があるので、リバービューの部屋からも漓江の流れを見ることはできません。林の間から少しだけ川の水が見えるだけです。それでも、遠くに見える山々の形が良いですから、桂林に宿泊している実感はあります。桂林市内のホテルより周りの雰囲気がかなり良いです。 |
ホテルの目の前には筏が停まっています。まだ漓江下りの遊覧船が来ない時間にこれに乗れば漓江の素晴らしい景色を独り占めできるわけです。 この写真はリバービューの部屋のベランダから撮影したものです。川が見えないとはいっても、このくらいのリバービューはあります。 |
ホテルの目の前の漓江に出てみました。川べりまで出れば上の写真のような桂林らしい風景が広がります。素晴らしい景色が広がる漓江沿岸の中でも、ここ興坪エリアはとりわけ風光明媚な風景が広がっていて、ここを単に漓江下りの船で一回通り抜けるだけではあまりにももったいないのです。 |
上の写真のように岩肌がむき出しになった景色もいかにも桂林らしさを感じさせます。 |
興坪古鎮からホテルまでは歩いて15分かかります。途中に商店や食堂などはほとんどなく、道路から奥に入り込んだところに民家や中国人向けの宿泊施設がポツポツと建っているくらいです。したがって、夜なると道路は真っ暗で治安が悪いわけではないですが、ホテルのスタッフからもタクシー(トゥクトゥク)を利用することをアドバイスされました。 |
興坪のタクシーです。これは新車のタクシーです。でも、車の性能が悪いのでスピードはあまり出ません。構造的にはタイのトゥクトゥクと同じで、小型のトラックの荷台を改造してお客さんを乗せます。 興坪のタクシーは女性ドライバーが多いです。このドライバーは威勢が良くて親切です。私の顔を覚えてくれて、すれ違うと必ず声をかけてきます。当然ですが、英語は話せません。中国語しか通じませんので念のため。因みに料金は事前交渉制です。私のホテルから興坪古鎮まで、一人で乗っても二人で乗っても10元です。このあたりの人はすれていませんから、中国語が話せなくてもぼられることはないと思います。 |
そんなわけで、CTN漓江ホテル(Li River Hotel)はたいへん静かな場所に建つホテルです。興坪古鎮までは大勢の観光客が押し寄せるのですが、このホテルの周辺は嘘のように観光客の数が減ります。でも、風景は素晴らしいのです。 |
興坪古鎮からホテルに行く道の途中には、上の写真のように「20円図案景観」とされている場所が、今回私が気付いただけでも二つあります。いずれも興坪古鎮から桂林方向へ向かう道路脇にあって、そんなに目立つ案内看板はありません。こうした場所からの黄布倒影は確かに美しいのですが、最もよいのは川べりまで出ることです。 |
夕暮れの興坪も大変美しいです。夕陽に山々や漓江が染まればさらに美しいのですが、夕闇が迫るだけでも景色に深みが出ます。この時間までにしておくべきことは、翌朝に夜明けの漓江、夜明けの黄布倒影を見るための場所の下見を済ませておくことです。 夜明け前のホテル周辺は真っ暗で足元さえも見えません。そんななかで黄布倒影の見える場所を探すのは不可能なのです。前日までにどこで夜明けを見るのか下見をしておくことが必要なのです。ホテルの目の前の川べりでは黄布倒影は綺麗に見えません。私が選んだ場所はホテルから歩いて5分くらいの場所でした。 |
CTN漓江ホテル(Li River Hotel) |
この日私が宿泊したホテルはCTN漓江ホテル(Li River Hotel)です。興坪古鎮からは歩くと15分くらいあって不便なのですが、川べりに出れば黄布倒影の風景が広がる景色の良い場所に建っています。天気が良ければ上の写真のような風景も楽しめるようです。(あくまでも川べりに出ればという意味です。ホテルのリバービューの部屋でも木々に遮られて漓江の眺めはそれほど良くありません。)桂林や陽朔と違って夜は寂しい場所ですが、朝の黄布倒影を楽しめるのでおすすめのホテルです。 フロントには英語の流暢なスタッフも一名います。彼女の言によれば、日本人はめったに宿泊しないホテルだそうです。彼女以外も感じの良い親切なスタッフばかりですし、セキュリティも一定の水準にありますので、快適に滞在できるはずです。桂林観光を予定しているならぜひ検討してみてください。 |
興坪の周りには黄布倒影や九馬画山といった漓江沿いの名所があって、そうした風光明媚な場所への筏(いかだ)遊びの拠点にもなっていて漓江観光の拠点としての人気があります。上の写真は興坪の筏乗り場です。私も興坪古鎮から興坪漁村まで筏に乗って移動しました。船で移動する漓江下りとはまた違った楽しさがあります。 |
興坪から見る漓江の雄大な風景です。興坪の周辺は揚堤と同様に尖った形の山が多いので、いかにも桂林らしい風景を楽しむことができます。漓江下りの遊覧船から見るばかりでなく、興坪の岸辺に上がってこうした風景を見ると、桂林旅行が充実すると思います。何といっても、遊覧船で走るように通り過ぎながらでは見切れないくらいの素晴らしい風景がそこには広がっているからです。 |
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興坪古鎮の街並み |
さて、興坪古鎮についても若干触れておきます。詳しくは興坪古鎮のページをご覧ください。 上の写真は朝8時頃の興坪古鎮です。 まだ観光客も少ないこの時間に古鎮を歩くと、遠い昔にタイムスリップしたかのようです。因みに左手前の建物は戯台といって村での催し物が開催されていた建物で、その奥には現在カフェとして利用されている古い建物が建てられています。戯台は中国の古鎮には必ずある街や村の中心になる建物で、中国の古い街や村では必須の建物です。興坪古鎮の戯台は立派な風格のある建物です。 |
雨上がりの朝の興坪古鎮のメインストリートです。何百年もの歴史を刻む石畳の道路の両脇に商店が並びます。興坪は漓江観光の拠点となる観光地ですが、まだいわゆる観光地らしい土産物屋はなく、地元の人向けの商店がほとんどです。多少は土産物っぽいものも販売されてはいますが、素朴な古鎮としての味わいが感じられます。 |
いくら古鎮だからと言って車まで古い必要はないのではないか、などと軽口をたたいてしまいたくなるような車が停まっています。ヘッドライトが今にもポロリと落ちてしまいそうなくらい古いです。 興坪古鎮では、北京、上海や広州などの大都市ではほとんど見かけない中国製の小型トラックをよく見かけます。バイクのエンジンにトラックの車体を乗せた車で、のちほど紹介するように興坪ではタクシー(トゥクトゥク)として使用されています。中国製の車ですが、会社名は私も初めて聞く名前でした。 |
小型トラックで遊ぶ地元の子供たちです。この古鎮で見かける子供たちはすれていない素朴な子供ばかりです。無邪気な子供たちの笑顔が古鎮らしい雰囲気をさらに高めています。 |
商店の数はそれほど多くなく、メインストリートを少し歩けば民家もあります。どこにでもある中国の田舎の風景ですが、欧米からの観光客も大勢やってくる観光地でこうした風景が見られる場所はそれほど多くありません。ノスタルジックで良い雰囲気です。 上の写真は古鎮のはずれにある民家です。見ている方が平衡感覚を失ってしまいそうなほど、傾いています。猫や鶏も沢山います。 |
興坪古鎮は漓江観光の拠点で、宿泊施設も相当数ありますので、古鎮内にレストランも何軒かあります。但し陽朔に比較すると街の規模は数十分の一ですし、外国人観光客もあまり多くないので、レストランの選択肢や水準には限りがあります。 上の写真は、そんな興坪古鎮の中にあって最もモダンなレストランで、スタッフの英語力も一定レベルにある老街餐庁というレストランです。 こうしたレストランのメニューは中華料理と西洋料理です。中華料理はこのエリアの地元料理である広西料理が主です。もちろん、四川料理と広東料理もメニューに含まれていますが、食べてみると広西料理風にアレンジされてしまっています。広西料理は、甘味、辛味と酸味がミックスされた料理で、そう聞くと美味しそうに聞こえるかもしれませんが、食べてみると日本人の舌には合いそうもない味付けです。中華料理ならどんな料理でも大好きな私でさえ、この広西料理だけはどうしても続けて食べる気が起こりません。 |
そんなわけで、夕食のディナーを考えると興坪のレストラン事情はお寒い限りですが、朝食や昼食についてはまずまずの評価を与えることができます。上の写真は朝食を食べた桂林米粉の老舗食堂です。 朝食はホテルで用意されていたのですが、ありきたりの中華朝食を食べるよりも地元の人に交じって食堂で地元らしい朝食をとるのが私の旅の流儀です。ここ桂林では当然桂林米粉を朝食で食べることになります。 |
上の写真は桂林米粉です。かなり美味しいです。 注文の仕方や食べ方など詳しくは桂林米粉のページで紹介していますが、この米粉の下に特製のタレが入っていて、さらに調味料を加えたうえで、麺とよくかき混ぜて食べます。見た目は日本のうどんのようですが、味は全く違います。食べれば桂林米粉の虜になること、間違いありません。 桂林で美味しいのは桂林米粉だけですね。 |
以上、興坪古鎮ついて簡単に紹介しました。日本では興坪についての情報が少ないので、興坪古鎮については別ページに詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。 |
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筏に乗って興坪漁村へ |
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