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陳麻婆豆腐で本場の麻婆豆腐|アジア写真帳(成都と武候祠)

(2017年1月2日以来)

陳麻婆豆腐で本場の麻婆豆腐−成都と武候祠Chengdu

陳麻婆豆腐は成都の人気店

陳麻婆豆腐の本場の麻婆豆腐(成都)

 成都は四川料理の本場です。中華料理の系統には大きく四つあって、広東料理、上海料理、北京料理と四川料理に分けられます。日本で食べている分には違いが分かりませんが、本場の中華料理の味付けはこの系統によって大きく異なります。海鮮料理などで素材の味を大切にする広東料理とスパイスを効かせて麻辣味で食べる四川料理とでは、同じ中華料理という括りにすること自体に憚りがあると私は思います。
 繰り返しますが、成都はその四川料理の本場、本家本元です。四川料理には、麻婆豆腐、棒棒鶏、エビのチリソース、回鍋肉、青椒肉絲など日本でもおなじみのメニューが並びます。でも日本で食べるこれらの料理は大いに日本人向けにアレンジされた四川料理ですから、本場の味とはわけが違います。
 成都に来たらぜひ食べてほしいのが麻婆豆腐です。日本の麻婆豆腐とは味付けが違います。成都の麻婆豆腐は麻辣味、すなわち唐辛子と山椒で辛さとしびれを楽しめる料理です。日本で食べる激辛の麻婆豆腐と同じでしょうと言われそうですが、それとも違います。日本で食べる激辛の麻婆豆腐は唐辛子の辛さでもって激辛にしているケースが多いからです。

春熈坊の唐宋美食街入口

 まあ、何はともあれ、本場の麻婆豆腐を食べてみましょう。おすすめは陳麻婆豆腐です。市内のあちこちに支店があります。今回は市内中心部にある春熈坊の唐宋美食街にある陳麻婆豆腐に来ました。地下鉄の春熈路または市二医院駅から歩いて行ける場所です。「春熈坊の唐宋美食街」と言えばタクシーは必ずわかる有名な場所です。春熈坊の唐宋美食街は、ビルの一階に広がっているレストラン街で、写真のように大きな看板が出ていますからわかりやすいです。
 
春熈坊の唐宋美食街(成都)
 
 建物の中に入ると通路の両側に店がたくさん連なっていて、陳麻婆豆腐は少し奥の方ですから、途中でほかの店に入りたくなってしまうかもしれませんが、我慢して奥に進みましょう。

陳麻婆豆腐の春熈坊店(成都)
 
 上の写真が陳麻婆豆腐です。50人ちょっとしか入れない小さな店です。陳麻婆豆腐の本店は騾馬市にありますが、先ほども書きましたが陳麻婆豆腐は支店がたくさんありますから、行きやすいところに行けば良いと思います。店舗はこちらのサイトで調べると良いでしょう。中国語が読めなくても、地図や住所は参考になるはずです。



 この日の注文は回鍋肉と麻婆豆腐

陳麻婆豆腐の本場の回鍋肉(成都)
 
 今回は一人で食べに来たので、二品だけ注文しました。
 まず回鍋肉です。見た目で日本の回鍋肉と違うのはキャベツが入っていないことです。これはここ陳麻婆豆腐だけじゃなくて、中国のどこで回鍋肉を食べてもキャベツなんか入っていないのです。そして、食べてみると、ピーマンだと思っていた野菜がピーマンと唐辛子のあいの子みたいな野菜で辛いのです。むしろ唐辛子ですね、これは。実は麻婆豆腐が激辛であることは想定していたので、少し辛さを和らげる目的で注文した料理が回鍋肉だったのですが、まんまと思惑が外れました。
 でも、美味しいです。私は実は激辛料理が大好きなのでこの回鍋肉の味付けは私好みだったのです。麻婆豆腐が出てくるのが楽しみです。

陳麻婆豆腐の本場の麻婆豆腐(成都)

 出てきました。お待ちかねの麻婆豆腐です。嬉しいことに冷めにくいように石焼スタイルで出てきました。そうなんです、麻婆豆腐は冷めてしまうとその辛さが衰えてしまうのです。安い店なのに嬉しい心配りです。
 食べてみると、これが痺れる辛さです。これです。この味を期待していたのです。分量的には一人で食べるには多すぎる麻婆豆腐です。普通なら二〜三人で食べるとちょうど良い量でしょう。でも、美味しいから、当然完食してしまいました。
陳麻婆豆腐で麻婆豆腐かけご飯(成都)

 麻婆豆腐は蓮華ですくって食べる方法もありますが、私は白いご飯をもらって麻婆かけご飯にしてしまう食べ方が好きです。これで食べると食欲が進むのです。だからと言ってご飯をたくさん食べてしまうと他の料理を食べられなくなってしまうし、今回は昼食ですけれどもそもそも夕食さえ食べられなくなってしまいます。ですから、ご飯は小ライスを注文しました。小ライスですからたっぷりの激辛麻婆豆腐をかけて、大満足の昼食になりました。
 ここでアドバイスです。麻婆豆腐を取り皿に取り分けて、それから食べようとすると麻婆豆腐が冷めて全然おいしくありません。麻辣味が和らいでしまいます。この食べ方だけはやめましょう。
 因みに麻婆豆腐が28元、回鍋肉は33元でした。(2017年11月現在)



陳麻婆豆腐赤坂店の麻婆豆腐 

陳麻婆豆腐の東京・赤坂店で食べた陳麻婆豆腐セット

 そんな本場成都の麻婆豆腐の味を日本でも食べられる陳麻婆豆腐の直系店が東京・赤坂にあります。場所は。赤坂見附駅前の東急プラザ2階です。この日は日曜日で、一人でランチに来たので、迷わず麻婆豆腐定食を注文しました。陳麻婆豆腐セットという名前だったと思います。上の写真がそのセットで、1,330円はちと高いかなとは思いますが、場所柄やむを得ない面はあります。ただ、本場成都では28元(約420円)に比較すると、3倍の値段です。

陳麻婆豆腐の東京・赤坂店で食べた麻婆豆腐

 成都まで食べに行く航空チケット代を考えればこれも安いと思いますが、問題はその味です。東京・赤坂でも本場成都の味になっているのかという点です。触れ込みによれば、シェフは成都の本店から来たとのことです。本店から来たのであれば本店のシェフのはずがないので、正直言って本店での勤務経験者程度に考えた方が良いでしょう。この触れ込みに期待を膨らませてはいけません。
 さて麻婆豆腐の色を見ると、なるほど日本でよく見る明るい色の麻婆豆腐よりずっと赤黒くてしっかり辛そうです。実は注文時に「本場と同じくらい辛くしてくれ」という注文を付けたところ、「かなり辛いけど大丈夫ですか」などと念を押されたものの「ぜひ本場の辛さで食べさせてくれ」と注文を付けた経緯にあります。

陳麻婆豆腐の東京・赤坂店

 結論から言うと、この日東京・赤坂店で食べた麻婆豆腐は、本場よりは辛さが若干不足しているものの、山椒もよく効いた本場の味にかなり近いものでした。普通に何も注文付けなければ、こんなに辛くなかったかもしれません。でも美味しいです。合格です。食べ進むうちに汗が次から次へと噴き出してきます。

麻婆かけご飯(陳麻婆豆腐、東京・赤坂店)

 私の食べ方としては、やはりご飯に麻婆豆腐をかける麻婆豆腐飯スタイルです。しばし成都の思い出に浸りながら麻婆豆腐飯をかきこみます。
 一つ苦言を呈するとすれば、上の本場の陳麻婆豆腐店では石焼スタイルで麻婆豆腐が出てくるため麻婆豆腐が冷めることによる味の低下を防止していますが、赤坂店では麻婆豆腐を深めの皿に入れてくるので、冷めやすく味が低下しやすいという点です。この辺りは改善の余地ありというか、本場を見習ってほしいと思います。「俺の美味い麻婆豆腐を食ってみろ」というシェフの気合が足りないのでしょうか。
 成都には陳麻婆豆腐以外にも美味しい麻婆豆腐を出すレストランは沢山あるため厳しい競争下にあります。それに比較すると日本では東京でも美味しい麻婆豆腐を食べられる店はそうそうありません。そんなことをしなくても客は集まるということなのでしょうか。

陳麻婆豆腐調料(麻婆豆腐の素) 50g×4p

 我が家で利用している麻婆豆腐の素です。麻婆豆腐の本場、中国四川省成都市で作られた麻婆豆腐の素です。さすがに本場の麻婆豆腐だけあって、日本製とは辛さのレベルが違います。ただ、花椒が別になっていますので辛さが調節できます。この1パックで、3〜4人前を4回作ることが出来ます。
 辛い料理が苦手な家族もいる我が家では、出来上がった麻婆豆腐を二つの食器に分けて盛り付け、片方にだけ花椒を入れることで、激辛麻婆豆腐と中辛麻婆豆腐の二つの麻婆豆腐がテーブルに並びます。私としては、絶対におすすめの麻婆豆腐の素です。これを食べたら、日本製の麻婆豆腐の素は使えません。
 私の場合は麻婆豆腐の香りをさらに強めるため、五香粉(ウーシャンフェン) を入れています。ここまでやると、もっと刺激的な麻婆豆腐になります。

夫妻肺片

夫妻肺片の本店(成都)

 さて、話はまた成都の陳麻婆豆腐に戻ります。
 実はここ春熈坊に来た目的は、もちろん陳麻婆豆腐の本場の麻婆豆腐を食べることにあったのですが、もう一つ、その帰りに夫妻肺片の本店に寄って本場の夫妻肺片を食べたいという気持ちもあったからです。春熈坊の並びに一分も歩かないところに夫妻肺片の本店があるのです。
 残念なことにこの日はお腹がいっぱいになってしまって泣く泣く店の前を後にしました。次回は必ず寄って食べたいと思います。

深?で食べた夫妻肺片

 夫妻肺片は四川料理の冷菜で中国では大変ポピュラーなメニューです。内臓を回教料理の香辛料を効かせて煮込んだ冷菜です。日本人から見ると変な料理名ですが、屋台の食堂をしていた夫婦がセンマイなど豚の内臓肉を使ってこの料理を開発したところ、爆発的な人気を得て、以来夫婦は豊かな暮らしをしたという言い伝えがこの料理名の語源です。そして、ここがその本店なのです。上の写真は深?の四川料理レストランで食べた夫妻肺片です。
 この料理、四川料理レストランでしたら、大体どこでもメニューに入れてあります。そのくらいポピュラーな料理なのです。日本人は四川料理というとすぐに棒棒鶏(バンバンジー)、エビのチリソース、回鍋肉(ホイコーロー)や麻婆豆腐を注文したくなるでしょうが、せっかく成都では本場の四川料理を食べられるのですから、日本ではあまり食べられないメニューにもぜひ挑戦してみてください。日本の中華料理の多くは四川料理のメニューなのに、なぜこの料理が日本のメニューにないのか不思議です。
 この夫妻肺片という冷菜も結構スパイシーな料理ですから、食欲を引き出してくれますよ。





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