アジア写真帳>アジア写真帳(ベトナム)> チョロンのティエンハウ寺(天后廟)
ホーチミンシティ、チョロン地区を日本のガイドブックで見ると、必ず紹介されているのがティエンハウ寺(天后宮)です。 ティエンハウ寺(天后宮)は航海の神様と言われる媽祖を祀る寺院で、華僑のいるエリアにはどこにでもある寺院です。香港でもタイでもマレーシアでも、そして日本でも、ティエンハウ寺(天后宮)はどこにでもある寺院です。 入口に吊られている右側の大提灯には天后聖母の文字が見え、左側の大提灯には霞漳会館の文字が見えます。霞漳会館は福建省漳州地方出身者のための会館で、もともとはベトナムに移住した福建省の人々のための建物です。 |
ティエンハウ寺(天后宮)の構内です。天后聖母にお祈りを捧げる参拝客が絶えません。天井から吊るされたうずまき線香の煙と香りがあたり一面に漂い、寺院らしい雰囲気を醸し出します。 ティエンハウ寺(天后宮)の入口にある中国語の解説によれば、媽祖は宋の時代の建隆元年に福建省興化府で生まれた林黙という女性が神になったもので、4・5歳の頃から聡明で、8歳では読書に親しみ、聞いただけで暗誦をしてしまうほどだったそうです。林黙は自分の一生を人々のためになることに尽くそうと考え、医学を勉強し人々を治療したり、気象学を勉強し航海の安全について人々に説いたりしていたそうです。林黙が16歳のとき、父と兄が海で行方不明になった時に、林黙は自分で閃きを感じ、自ら海に漕ぎ出し父を探し出し、その後兄も見つけて二人を救出したそうです。このような逸話から、林黙は媽祖という航海の神様(天后聖母)になり、特に華僑の多い福建省と広東省を中心に崇められているものです。 |
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媽祖に祈りを捧げる地元の女性。幸せを願う敬虔で熱心な祈りです。 「海国安瀾」とは、海も国も静かで氾濫する様子がないこと、すなわち、「海も国も太平であること」を意味します。 |
「首郡銘恩」とは、出身地への恩を忘れない、すなわち、出身地のために尽くすという意味合いもあると思います。中国を離れ東南アジアをはじめとした世界の国々に広がる華僑のネットワークですが、こうした媽祖信仰とそこから育まれる価値観や華僑としてのアイデンティティなどもあいまって、強力な絆が生まれているのだと思うのは考えすぎでしょうか。 |
こちらのコーナーには、上に「忠義千秋」の文字が見えます。常に忠誠であり義を尽くすという意味ですが、このコーナーの神様は、三国志の関羽です。関羽は恐らくは中国で最も信仰されている神様で、関帝廟という関羽を祀る寺院は中国各地に、また、全世界のチャイナタウンで見られます。武勇で名高い関羽ですが、関公として信仰されると「商売の神様」になります。 中央の祭壇には関羽ら三人が見えます。また、右手前に愛馬の赤兎馬も見えます。 恐らくこのティエンハウ寺は、ホーチミンシティの関帝廟の中で最大のものだと思われます。 |
神様として祀られている関羽です。中央に座しています。上には「関聖帝君」の文字が見えます。右側に立つのが息子の関平、左側に矛を持って屹立しているのが最後まで関羽とともに戦った周倉です。 この部屋の周りには勇壮な関羽の絵がいくつも描かれています。 |
青龍偃月刀を持ち愛馬の赤兎馬にまたがる関羽です。 |
チョロンは、ホーチミンシティのチャイナタウンです。チャイナタウンらしい活気を感じるのも快いし、ティエンハウ寺(天后廟)で線香の煙と香りに包まれて中国らしい時間を過ごすのも一興です。 雰囲気のある良い寺院だと思います。 チョロンの庶民の台所、サータイ市場はティエンハウ寺(天后廟)からすぐ近くです。朝早い時間でしたら、ぜひサータイ市場にも行ってみましょう。 |
アジア写真帳(ベトナム) 目次 |
ホーチミンシティ | ハノイ | |
中心部を歩く ホーチミン市 人民委員会周辺 サイゴン大教会と 郵便局周辺 市民劇場周辺 コンチネンタルホテル マジェスティックホテルと サイゴン川周辺 旧市場とパスター通り ベンタインマーケット ベンタイン市場 朝のベンタイン市場 安全な旅行のために ベトナムでの道路横断術 |
チョロンを歩く チョロンを歩く チョロン・バスターミナルと 路上市場 ビンタイ市場とその周辺 庶民の台所、サータイ市場 ティエンハウ寺 (天后廟) チャタム教会 メコン川ツアー カイベー水上マーケット シンツーリストの メコン川ツアー カイベーの水上マーケット ライスペーパー工場等の見学 |
旧市街を歩く ハノイの旧市街 ハノイの街を歩く ドンスアン市場 |
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