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台北の美味しいグルメを
写真とともに紹介

 

アジアグルメ図鑑(台北)

小籠包の明月湯包


 小籠包の明月湯包

  台北で小籠包と言えば、何と言っても鼎泰豊が有名です。初めて台北に行き小籠包を食べるという方には、私は迷わず鼎泰豊をおすすめしています。鼎泰豊の小籠包は日本でも食べられるし、日本の鼎泰豊の各店も台北の本店と同じ味を出すということを売りにしているのではありますが、やはり台北の鼎泰豊の小籠包は日本で食べる小籠包とは違うのです。
 一方、台北への旅行が二回目、三回目、あるいはリピーターともなると、毎回鼎泰豊に行くのも脳がないですから、たまには違う店で小籠包を食べたくなります。実際に台北には無数の小籠包専門店があって、美味しい小籠包を鼎泰豊よりも廉価に食べさせてくれるのです。そんな無数の台北の小籠包専門店の中で、ネット等で見ると評判の高い店の一つに、このページで紹介する明月湯包があります。場所は通化街夜市から歩いて5分くらいです。上の写真にあるように、小綺麗な店構えです。
 店内に入ると上の写真にあるメニューに記載します。この日は一人ご飯ですから、小籠包と何か一品食べて、帰りに通化街夜市で少しつまみ食いをするか、場合によっては老店頭台南意麺の乾意麺でも食べて帰ろうかという構想です。
 お目当ての小籠包は明月湯包として一番上に書いてあります。湯包というのは小籠包よりも少し大きなものを指しますが、ほぼ小籠包と同じだと考えて良いでしょう。湯包の起源は中国揚州の富春茶社の湯包にあります。
 
中国揚州の富春茶社の湯包
  上の写真が揚州の富春茶社の湯包です。リンクのページに詳細を記録していますが、スープが沢山入っているのでスープをストローでチューチュー吸うようになっています。これが隋の時代から続く伝統的な湯包です。
 ただ、現代における湯包は一般的に少し大きめの小籠包を湯包と言っているケースが多いので、別にここ明月湯包が誇大表示をしているわけではありません。普通の小籠包よりも大きめ、もしくはスープが多めの小籠包を「湯包」と命名して食べさせている店は一般的なのです。
 ここで、もう一度メニューをご覧いただきたいのですが、ここ明月湯包の湯包メニューには、明月湯包というもの以外に、韓式、蟹粉、エビ入りなどの種類があって、明月湯包は伝統的な豚肉の小籠包です。この日は一人で食べに来たので迷わず豚肉の明月湯包を選びましたが、もし二人で来たのならスープが蟹味の蟹粉をプラスしたと思います。蟹粉湯包は、他の店ではよく食べていて、日本人好みの蟹味の小籠包ですから、蟹スープを飲んでいる感じです。エビ入りも昔は時々食べていましたが最近私はあまり食べていません。何故なら小籠包にエビの味が合わないと私は感じているからです。
 というわけで、小籠包は明月湯包を選んで、出来上がりを待ちます。
 最初に運ばれてきたのは酸辣湯です。胡椒の良く効いたスープはまさに酸っぱくて辛くて私のストライクゾーンのど真ん中です。美味しいです。もちろん酸辣湯の小を注文したのですが、それでも小さなお椀に4杯は取れるくらいの分量です。これだけでお腹いっぱいになってしまいそうです。それで70元ですから、良心的な値段設定は本当にうれしいです。
  そして、サクラエビ味のブロッコリー蒸しです。温野菜みたいなものですが、台湾名産のサクラエビとニンニクで味付けされていて一味違います。台湾の家庭料理の味で、日本人にも喜ばれる味付けだと思います。意外にブロッコリーの量が多くて、一人で食べるには持て余し気味です。そろそろ湯包が来てくれないと、お腹がいっぱいになってしまいそうです。
  そして、ようやく来ました。お待ちかねの明月湯包です。8つ入り130元は鼎泰豊と比較すると破格の値段です。それにしても湯包が出てくるのが遅かったですね。注文を受けてから蒸し始めるのは良いのですが、30分か40分くらいかかっていました。もっとも私が訪問したのは夕方8時15分くらいで、閉店の9時直前でしたから、何かその辺りにも調理が遅くなった理由があったのかもしれません。
  調理には時間がかかっても美味しければ良いのです。見た目にも美しいし、鼎泰豊の小籠包と比較するとちょっと大きめでスープがその分多く入っているのでしょう。湯包らしい姿です。
 いよいよ、湯包を一つ口に入れました。湯包にしても小籠包にしてもスープが命ですから、私はよほど大きな湯包でない限り、一口で口に入れスープを漏らさないように食べます。アツアツのスープが口の中ではじけるはずです。ところが、口の中ではじけたのはぬるいスープです。スープがぬるいからなのかコクもありません。酸辣湯をはじめその他の料理は悪くないのですが、看板の湯包がこの味では困ったものです。
 実は、この明月湯包の店内は日本人の声であふれていました。半分以上は日本人客なのでしょう。日本のサイトで広く紹介され、みんなが美味しいなどと書いていますから日本人が集まるのです。そうした意味では、嫌な予感はしていたのです。いつもこの味だとしたら、本場の小籠包や湯包を求めている人にはおすすめできません。はっきり言ってこのままでは日本人向けの味ですね。特に日本人に多い猫舌の人に合うようにスープを作られている感じです。
 先ほども書いたように、閉店間際に行ったので何か特別の要素があってこんなぬるい湯包になってしまったのかもしれません。私も一回しか行っていませんので、明月湯包は美味しくないとまでは言い切れません。少なくとも湯包以外は普通のレベル味ですから美味しくないわけではありません。ただ、こんなぬるいスープが入っていた店で二度と湯包は食べたくないという気持ちは強いです。



通化街夜市(臨江街観光夜市)

 明月湯包では美味しくない湯包を食べさせられて不完全燃焼でしたが、帰り道は通化街夜市(臨江街観光夜市)を通ってMRTの信義安和駅まで散歩し、気分転換をしました。台北の夜市というと、観光客は台北最大の夜市、士林夜市に行きがちですが、地元の人たちが集まる雙城一条街 やここ通化街夜市の方が、台湾らしくて私は好きです。
 この日の口直しは、老店頭台南意麺です。店頭の看板にも書いてある通り老舗の店で、開店は1969年ですから、今年2015年時点では看板に書いてある「35年」ではなく、既に「46年」の歴史を持つ老舗の食堂です。
 看板メニューは台南意麺です。意麺というのは小麦粉と卵から作った細平打ちのちぢれ麺で、台湾では一般的な麺の一つです。台南の意麺は予め軽く油で揚げてあって少しコシが強いところに特徴があります。この店はそうした台南らしい意麺を出してくれる食堂なのです。意麺には乾意麺と湯意麺があります。お分かりかと思いますが、前者は汁なし麺で後者はスープ入りの意麺です。私のおすすめはもちろん汁なし麺の「乾意麺」です。
老店頭台南意麺の乾意麺(台北、通化街夜市)
  これが噂の老店頭台南意麺の乾意麺です。細平打ちのちぢれ麺、意麺が見えますね。乗せられているのは魯肉飯の上に乗せられるのと同じ脂身の多い豚肉の細切れです。甘辛く味付けられた豚肉が絶妙の味で、これにもやしがあるので脂っこさを感じさせません。
 食べる前にこれをよくかき混ぜ、肉、もやしと麺をよく馴染ませます。普通の汁なし麺を食べる要領です。意麺にはほど良いコシがあって、これに豚肉の煮汁などがかみ合い、とても美味しいのです。
 小籠包(湯包)では満足できなかったですが、乾意麺で満足しましたから、今日もぐっすり眠れそうです。
  明月湯包は私としてはあまりおすすめできない小籠包専門店ですが、猫舌の方や子供連れの方には向いている食堂かも知れません。明月湯包に行かれたら、通化街夜市は目と鼻の先ですから、帰りに散策されることをおすすめします。台湾らしい夜市風景を楽しむことができますよ。

おすすめの本: 歩く台北 2018

 私が利用して便利だった台北のガイドブックはこれ、「歩く台北」です。新しいビルが次々に建設されている台北の街歩きには、最新の地図代わりになるガイドブックが欲しいものです。
 MRT(地下鉄)が次々に開通している台北での私の歩き方は、地下鉄の駅を中心に考えるようになってきました。この「歩く台北」では、主要駅を中心に駅周辺のショッピングやグルメの店を紹介していますので、その点が使いやすいのです。駅ごとに出ている詳細な地図は、私の台北歩きに欠かせません。薄くて軽いことも、街歩きの地図としての位置づけからすれば、嬉しいことです。
 さらに言えば、私が買っているのはKindle版です。ご承知のようにKindle版はKindle端末に加え、iPadやAndroid端末でも利用できます。私はiPadにダウンロードしていますから、旅行先にタブレットを持っていけば、ネット環境がないところでも、いつでも自由に情報にアクセスできるのです。

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