迪化街はオールド台北に合える街 |
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実はこの日は台湾で中国茶を買おうと考えていました。上海だと天山茶城、広州だと芳村茶葉市場、蘇州は蘇州市茶葉市場、杭州は茶葉一条街など、それぞれの街の茶葉市場を探し、大量購入している私としては、台北でもどこかに茶葉市場と言われるエリアがあるに違いないと考えていたのですが、それらしいエリアが見つかりません。台湾の茶葉は人気があるだけに、茶葉市場がないはずがないと思うのです。 そこで目をつけたのが、台北随一の問屋街である迪化街(ディーファジエ)です。台北の港に近い迪化街は、19世紀中頃の清朝末期から、多くの商社が進出し街を形成し始め、日本統治時代も含めて茶葉が台湾の特産品となっていました。台湾からの輸出額の50%以上を茶葉が占めていた時代もあったのです。そんな迪化街の歴史から考えれば、このエリアに茶葉専門問屋があるに違いないと踏んだわけです。 |
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ここ迪化街(ディーファジエ)にはオールド台北の街並みが残っています。このオールド台北の街並みの特徴は、建物の1階部分をアーケードとしている建物が並んでいることです。日有為受け建築様式を「騎楼」と言います。この建築様式は、かつて広州で流行った建築様式で、西洋のコリドール(回廊)建築と中国伝統の建築様式が結合したものです。2階部分が通りにせり出していて、その結果、1階部分はアーケードとなり通行人は夏の強い日差しや急な雨を避けることができるわけです。確かに、広東省、福建省、そして台湾といった地域の気候に合った建築様式だといえます。 上の写真のエリアは高級食材店が軒を連ねていて、小売りもしてくれます。 |
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現在の迪化街は、中国茶ではなく漢方薬や高級食材などの問屋街として知られています。 上の写真は漢方薬の老舗、乾元です。創業1875年の老舗漢方薬店です。この乾元の周りには漢方薬店が軒を連ねていて、漢方薬街を形成しています。 |
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食材店が並ぶエリアでは上の写真のように、騎楼で形づくられるアーケードの下で、いつでも雨にぬれずにショッピングができます。中華食材を台北で探すならこのエリアに来ると良いでしょう。 なお、カラスミも台北の街中で買うよりもずっと安く手に入ります。カラスミの選び方などについての旅々台北の記事は役に立つと思いますのでリンクを張っておきます。 |
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私が台湾を初めて訪問したのは1992年です。 その頃はまだ超高層ビルは台北にはなく、街を歩けば、こうした騎楼スタイルの建物が並んでいたものでした。今回(2014年11月)<迪化街に来て、この騎楼スタイルの街並みが保存されている様子を見て、すごくノスタルジーを感じてしまうのは私だけでしょうか。 | |||
もちろん、グルメのお店もいろいろあります。もともとは港町という歴史があるだけに、洋食系の食堂も有名な店があるようなのですが、私が気になるのは上の写真のようなB級グルメ店です。 この迪化街を歩くときに役に立ったのが、歩く台北2014-2015 です。 迪化街の地図やグルメ情報も詳しく載っていて、迪化街の街歩きの際に威力を発揮しました。私が買っているのはKindle版です。ご承知のようにKindle版はKindle端末に加え、iPhone、iPadやAndroid端末でも利用できます。私はAndroidのタブレットに旅行前にダウンロードしていましたから、台北ではネット環境がないところでも、タブレットを持ってさえいれば、いつでも自由に情報にアクセスできたのです。 |
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迪化街で中国茶を買う |
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迪化街のなかでで名を知られた茶葉問屋というと、上の写真の有記名茶でしょうか。100年以上の歴史を持つ老舗問屋で製造もしているようです。100年を超える歴史を有しているということは、台湾の輸出額の半分以上を茶葉が占めていた時代から営業している茶葉問屋ということです。この有記名茶の周辺に、ひょっとしたら茶葉問屋街が形成されているのではないかと期待していたのですが、小さい茶葉問屋がポツポツとあるだけで、茶葉市場街と呼ぶには程遠いようです。 | |||
そんな時にふいに見つけた中国茶専門店が上の写真の三才茶荘です。上の方にある看板を見て、三階あたりにあるのかと思ったら、一階に店舗を構えていました。さきほどの有記名茶と比べると、建物や店構えが貧相です。 | |||
店内は上の写真の通りです。問屋らしく来店客をあまり想定していない内装で、無造作に茶葉を入れる缶が並んでいます。こういう店を探していたので、私としてはイメージ通りです。上の写真で、店舗全体の4分の1くらいしか写っていません。全体では相当の数の缶が置かれています。 ここ三才茶荘の主人と思われる女性の話によれば、台湾産の茶葉を幅広く取り扱っていますが、大陸の茶葉も取り扱っているとりことでした。 |
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この主人と思われる年配の女性は片言の日本語も話しますが、売込みに熱心な様子もなく、いろいろと茶葉の説明をしてくれています。いよいよ買う茶葉を決めようかと私が考え始めたころ、この主人と思われる女性が奥の机から本を取り出してきて、私に見せてくれました。 それが上の写真で、家庭画報でここ三才茶荘が紹介されているページでした。この三才茶荘は、家庭画報のほか、ミセスなどでも紹介されていた店だったのです。それを最初から言わない謙虚さは信頼に値するものです。 |
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この日は小沱茶を1千包程度買うつもりでした。小沱茶は普洱茶(プーアル茶)を一回分の分量で固めたもので、一つずつ紙に包まれているので持ち運びに便利なのです。また、特別な茶器なども必要としないので、普洱茶(プーアル茶)の初心者にも手軽に楽しんでもらえるお茶で、私は贈答品に使うこともあります。 | |||
このくらいの数を買うとなると、値段交渉が必要になります。私の下手な中国語、主人思われる年配の女性の下手な日本語で、交渉が続きます。 そこに割って入ってきたのが、もう一人店内にいた若い美人の女性で、二人の話を聞いていると親子のようです。しかも、今は店の経営をこの若い女性に任せていましたから、この若い美人の女性が店の主人だったのです。そればかりか、しばらく話しているうちにこの若い女性まで日本語を話し始めました。しかもすごく流暢です。聞いてみると、日本への留学経験もあったのです。この娘までが謙虚だったのです。 価格は円満な線でまとまり、良い買い物ができました。 |
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この迪化街という街は地下鉄駅からは少し歩きます。私は雙連駅から歩いていたのですが、三才茶荘の若い女性主人が大橋頭駅までの道順を教えてくれました。なかなか親切です。この頃にもなると、話は全部日本語になってて、私は楽になりました。確かに改めて地図を見ると、この三才茶荘に行くのでしたら大橋頭駅の方が近いですね。 結局、迪化街に中国茶市場みたいなエリアは見つけられませんでしたが、この三才茶荘を見つけたことが収穫でした。台北で中国茶を買う場合はしばらくここを利用したいと思います。 |
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おすすめの本: 歩く台北 2018 |
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