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台北の鼎泰豊本店

 

アジアグルメ図鑑(台北)

鼎泰豊の小籠包


鼎泰豊、どうせ行くなら本店にしましょう

台北・鼎泰豊本店の小籠包
 日本で小籠包と言えば、真っ先に名前が出てくるレストランが鼎泰豊です。その鼎泰豊の本店が台北にあるということを聞けば、台北に観光に来た日本人は台北の鼎泰豊に行きたくなるのは当然です。そんな鼎泰豊ですから、小籠包の発祥の地も台湾ではないかと考えている日本人も多いのですが、 それは誤りです。小籠包の発祥は上海市近郊の南翔という街で、そういう意味では上海・豫園にある南翔饅頭店の方が血筋は正しいことになります。最近は、その南翔饅頭店も日本に出店しましたね。
 鼎泰豊と南翔饅頭店、どちらの小籠包が美味しいのかと聞かれると、それは一長一短あってどちらかに軍配を上げることはできませんが、どちらも美味しいことには変わりありません。私がおすすめしていることは、日本の鼎泰豊で小籠包が美味しいと思った人が台北に来たら、迷わず台北の鼎泰豊に行くべきということです。
 東門にある鼎泰豊本店ビル
 日本にも多くの支店を持つ鼎泰豊は、台北にも6店舗を有しています。でも、せっかく台北まで来たのですから、やはり本店に行きましょう。上の写真が鼎泰豊本店ビルです。場所はMRT東門5番出口を出てすぐですから、わかりやすい場所にあります。
 上の写真は午後2時くらいの鼎泰豊本店前の混雑ぶりです。お客さんの半分くらいかそれ以上は日本人です。何故かというと、鼎泰豊の小籠包は台北市内の一般的な小籠包の価格に比較してべらぼうに高いからです。ですから、地元の台北の人はあまり来ていないと思って良いでしょう。
 では、何故私が鼎泰豊本店の小籠包をすすめるかというと、日本の鼎泰豊に比べて格段に美味しいからです。そして、美味しかったという感動は、鼎泰豊以外の店で食べるよりも鼎泰豊で食べた方が強くなるからです。ですから、鼎泰豊本店の小籠包を食べて、台北にいる間にまた小籠包を食べたいと思った人は、今度は別の小籠包専門店に行って、その美味しさを味わったら良いと思うのです。
鼎泰豊本店の入口
 で、問題は、鼎泰豊本店の混雑です。いつ行っても満席で入れません。これを避ける方法は、ベストは朝の開店と同時に、つまり10時に入店することです。その次に良いのが昼飯時の混雑が多少は緩和される2時くらいに行くことです。
 この日も2時くらいに行きました。結論を言えば、20分待ちで入れました。
 その要領ですが、店の入口に着いたら入口の所に立っているお姉さんに人数を言い、整理券をもらうことから始まります。ここ鼎泰豊本店の店員は全員が日本語を聞いて理解することができます。また、殆どの店員は日本語を話すことができます。それが店員応募の条件になっているのです。さらに言えば、美男・美女も店員採用の条件になっているような気がします。
 さきほど、店の入口に着いたら入口のお姉さんに人数を言うと書きましたが、もちろん日本語で通じます。ただ、その前に、上の写真でお姉さんの左上に出ている「20」という数字を見てください。これが予想待ち時間ですから、その後のスケジュールも考えながら、あまりにも長い待ち時間になる場合は出直すしかありません。この数字が「60」を超えることはよくあります。
 そして、整理券をもらったら、お姉さんの右上の数字が3つ並んでいる掲示板を見ます。左から順に、1~2人、3~5人、6人以上のお客さん別に呼ばれている整理券番号が示されているのです。もちろん、新しい番号が呼ばれるときには日本語でもアナウンスされますけれども、聞き逃したとしてもこの掲示板を見れば一目瞭然なのです。
鼎泰豊本店の調理場風景
 ということで、この日は20分の予定待ち時間通り、20分で入場できました。
 上の写真は入口横にある調理場風景です。調理場を見るたり写真を撮ったりするのが好きな日本人のために、ちゃんと写真撮影できるようになっています。親切ですね。こういう調理場風景を見ると、美味しい小籠包への期待感が膨らみます。



鼎泰豊の小籠包

 この日は一人で鼎泰豊に来ました。そんなにたくさんは食べられません。と言っても、小籠包だけ食べても芸がないので、胡瓜の冷菜(キューリのピリ辛漬け)から入りました。鼎泰豊特製の辣油で味付けされたキューリです。さっぱりしていて美味しいですね。これをつまみながら小籠包を待ちます。
 で、ここで問題が起こります。上の写真の胡瓜の上に置いてある小皿に係の店員が、美味しい食べ方を教えますということで、醤油と酢を入れてしまったのです。
 私は鼎泰豊の小籠包を食べる時に醤油を入れません。何故ならば小籠包に入っているスープの繊細な味が醤油を入れることで揉み消されてしまうからです。仕方がないので、すぐに手元の別の皿に生姜を移し、お酢だけを入れて小籠包を待ちます。
 日本の支店で食べている日本人や、日本から台湾に来るお客さんのほぼ全員が醤油を付けて食べているので、恐らく鼎泰豊の会社としてそういう教育をしているのでしょう。親切かもしれないけど、決して美味しい食べ方ではないと思うので、せめて「こちらが醤油でそちらがお酢です」くらいの説明にとどめた方が良いのではないでしょうか。
  小籠包が運ばれてきました。今日は3品注文しているのでそれぞれ半分ずつの注文です。見た目にちょっとさびしい感じはします。鼎泰豊に来るときはやはり二人以上じゃないと、見た目に迫力がないですね。
 上の写真は以前に鼎泰豊本店に来た時の写真です。蒸籠一杯に小籠包が並んでいないと、個人的には雰囲気が盛り上がりません。
 さて、小籠包の命は第一にスープにあります。小籠包に入っているスープというのは、煮こごりを作って豚ひき肉の餡と一緒に包み、蒸し上がると煮こごりがスープになるわけですけど、その煮こごりを作る際に生姜、ニンニクやシイタケなどで味付けもしています。その味付けの良し悪しが小籠包の出来の良し悪しで重要なポイントの一つです。
 鼎泰豊本店の小籠包をよく味わって食べると、中のスープの味に繊細さと透明感があるのです。このスープは確かに美味しいです。秘伝のスープと胸を張れる味です。他の店の小籠包では感じられない上品な味わいもあります。口の中にスープが広がり染み渡っていくような感覚があるのです。
  ですから、鼎泰豊本店で私が同行者に注意する二つのご法度があります。第一に、二つに割って食べないこと。一口で食べないとせっかくのスープが口の中に広がらないからです。第二に、醤油を付けないこと。せっかくのスープの繊細さを殺してしまうからです。酢と生姜で小籠包を食べるのが私のおすすめです。
 スープの話が長くなりましたが、小籠包の命と言える二つ目は皮です。皮についても鼎泰豊本店の小籠包の皮は理想的です。薄いけれども破れない、そして皮自体に味わいがある、そんな皮なのです。上海・豫園にある南翔饅頭店の皮はもっと厚めです。ただ、南翔饅頭店の方が皮自体の甘さと味わいが強い気がします。
 鼎泰豊本店の小籠包は、間違いなくおいしいです。台北で一番美味しい小籠包とは言い切れないものの、食べる価値は間違いなくある小籠包です。
  そして、今度はエビ蒸し餃子です。このエビ蒸し餃子に関して言えば、私個人の趣味としては全くおすすめできません。第一に皮が厚すぎます。香港の飲茶で食べる蝦餃(ハーガウ、エビ蒸し餃子)とは比べようがありません。香港の飲茶で食べる蝦餃(ハーガウ)は透明感のある皮の中にプリプリのエビが入っていて、視覚的には皮の外側からもエビが透けて見えていますし、口に入れるとプリプリのエビの甘さが口に広がります。
 一方、ここ鼎泰豊本店のエビ蒸し餃子は皮が厚めで味が重たいのです。さすがにエビは新鮮でプリプリ感はありましたけれども、全くの期待はずれです。実は前回来た時もエビ蒸し餃子を食べて失望感が強かったのですが、同じ失敗を繰り返してしまいました。
 こんなことを言ってますが、、皮に味があってと言いますか、皮自体が美味しいので、美味しくないわけではありません。ただ、餃子を食うんだったら、というか、この程度の餃子だったら、わざわざ鼎泰豊まで来る必要はないということです。
  一番最後に蟹粉小籠包が運ばれてきました。皮は豚肉の小籠包と同じで中に入っているスープに蟹粉が入っているというものです。これは美味しいです。小籠包と蟹粉小籠包については、スープの美味さでは甲乙つけがたいものがあります。人により好き好きはありますから、どっちがおすすめということはありませんけれども、基本は両方食べてみることでしょうね。私としては普通の小籠包に、より繊細な味付けとうまみを感じています。
鼎泰豊本店の蟹粉小籠包
  この蟹粉小籠包は写真をアップにすると中に蟹粉が透けて見えますね。蟹粉の入れて絶妙な味にしているスープが美味しいのです。そこで問題になるのが醤油です。皆さんは蟹を食べる時に醤油をつけますか? 私はつけません。何故なら蟹の味を殺してしまうからです。中国や台湾の人も同じ理由から蟹に醤油は使いません。ですから、小皿には醤油を入れずにお酢だけで良いのです。
 醤油さえ入れなければ、蟹粉小籠包は美味しく召し上がれますよ。



小籠湯包、そしてデザート

鼎泰豊の小籠湯包

 先ほどから小籠包を食べる時はスープが命だから一口で食べましょうと言っているのですが、日本人には猫舌の人も少なからずいます。そうな猫舌の人にとってアツアツのスープが入っている小籠包を一口で食べろと言っても結構酷な話かもしれません。。
 そういった猫舌の人におすすめしているのが、上の写真の一品です。小籠包にしては小さすぎますね。そうなんです、これは小籠湯包という料理で、普通の小籠包より二まわりくらい小さいようです。小籠包というと中にアツアツのスープが入っているのですが、この小籠湯包には中にスープが入っていません。下の写真にあるように錦糸卵入りの特製スープと一緒に食べる食べ物なのです。

 

 上の写真の要領で小籠包の小さい奴を特製スープに入れて食べるわけです。
 皮の中にスープが入っているのが小籠包、皮の中にはスープがなくて代わりにスープとともに食べるのが小籠湯包というわけです。私は小籠包の方がいいですね。アツアツのスープがジュッと出てくるあの感じが最高なのです。
 今回は一人で来たので注文しませんでしたが、前回来た時には猫舌の人が一緒でしたので注文したのです。

 
 私は鼎泰豊本店でデザートを食べたことはありません。鼎泰豊本店がある東門界隈は台湾スイーツの有名店がひしめいているからです。
 上の写真は鼎泰豊本店から歩いて2分くらいのところにあるマンゴー皇帝(芒果皇帝)のマンゴーかき氷アイスクリーム乗せです。とてつもない大きさで、美味しい台湾マンゴーもたっぷり、そしてマンゴーアイスクリームも乗っかっていてNT$170(日本円で約600円、2014年11月現在)という破格の値段です。二人で食べても多すぎるくらいの大きさです。
 ひょっとして鼎泰豊本店のデザートも美味しいのかもしれませんが、私のおすすめのデザートはこれなんです。

おすすめの本: 歩く台北 2018

 私が利用して便利だった台北のガイドブックはこれ、「歩く台北」です。新しいビルが次々に建設されている台北の街歩きには、最新の地図代わりになるガイドブックが欲しいものです。
 MRT(地下鉄)が次々に開通している台北での私の歩き方は、地下鉄の駅を中心に考えるようになってきました。この「歩く台北」では、主要駅を中心に駅周辺のショッピングやグルメの店を紹介していますので、その点が使いやすいのです。駅ごとに出ている詳細な地図は、私の台北歩きに欠かせません。薄くて軽いことも、街歩きの地図としての位置づけからすれば、嬉しいことです。
 さらに言えば、私が買っているのはKindle版です。ご承知のようにKindle版はKindle端末に加え、iPadやAndroid端末でも利用できます。私はiPadにダウンロードしていますから、旅行先にタブレットを持っていけば、ネット環境がないところでも、いつでも自由に情報にアクセスできるのです。

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