ソンテウはタイの各地で見られる乗合バスの一種です。一般的には市内路線用ですが、田舎の町に行くと近隣の街とを結ぶ路線もあったりします。パタヤ市内もソンテウが網のように走っています。タクシーが少ないパタヤでは、このソンテウを利用することで行動範囲を広げることができます。さらにバイタク(バイクタクシー)を使えば、パタヤでの行動範囲は一段と広がります。 このページでは、パタヤを観光する人のために、ソンテウの利用の仕方や料金、そして走行ルートなどを紹介します。 |
そもそもソンテウとはどんなバスなのかというと、路線バスだけれどもルート上であればどこでも乗り降りできるバスだと考えてください。そういう意味ではすごく便利なのです。 ちょっと考えてみてください。タイは一年中暑い国です。パタヤも一年中暑いです。人間は誰でも暑くて陽射しが強いところを歩くのは嫌です。タイ人もそうです。ですから、市内を走るバスはできるだけ自分の目的地の近くに停車してもらいたいのです。そうすれば歩く距離が縮まります。こういったニーズがタイでは強いので、市内バスであるソンテウはどこでも乗降できるルールになっているのです。 |
上の写真のバイクタクシーも、同様の理由から利用者が多いです。要は、タイ人は歩くのが嫌いだから近くても乗り物に乗るのです。 タイの街の構造は大通りがあって、大通りからソイという路地が左右に伸びています。ちょうど大きな川に支流が流れ込むような構造です。もともと移動手段がボートだった頃の街の構造を、陸路中心の時代も踏襲してしまったような感じです。これについては、旅行作家の下川裕治さんが以前から指摘されている通りです。 路線バスやソンテウはこの大通りを走るわけです。ソンテウはどこでも停まってくれるのでソイの入口で降りることはできます。でも、その大通りから奥へ奥へと延びるソイの先に目的地がある場合、ソイの中を5分とか10分とか歩かないといけなくなってしまいます。それが暑くて嫌だから、億劫だから、バイクタクシーというニーズが生まれるのです。ですから、バイクタクシーは奥の深いソイの入口で待機しているのです。 パタヤでは、ジョムティエンやその途中のタップラヤ通り、ナクルアといったエリアで移動するときにこのことを知っていれば、移動が楽になります。行動範囲を広げられるのです。 |
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さて、ソンテウの乗り方と降り方です。 ソンテウは手を挙げれば停まってくれます。手の挙げ方は日本のように上に挙げるのではなく、横もしくは斜め上くらいに挙げます。車をストップさせるような動作です。そして、後ろから車内に乗り込みます。この際に、自分の行きたい先をドライバーに告げる必要はありません。それから、料金は明朗会計ですから念のため確認するという必要もありません。ただ、乗り込めば良いのです。 上の写真で、白人のおじさんが後ろに立って乗っていますが、あの場所も良い場所です。室内に座るよりも涼しいですし、後ろや横に寄りかかれますから疲れません。特等席です。 |
なお、ソンテウは外見からだけだと行先が分かりません。ですが、その道を走るソンテウはある程度の地点まで同じルートを走るのです。ですから、乗ろうとしているソンテウがどこを最終地点としているのかをいちいち確認する必要はありません。 例えば、セカンドロードのサウスパタヤとセントラルパタヤロードの間を走るソンテウには、三種類の行先があります。最も多いのはノースパタヤロードを終点とするソンテウです。稀に、ノースパタヤロードを超えてナクルアまで行くソンテウやセントラルパタヤロードを右折してスクンヴィット通り方面に向かうソンテウもあります。でも、どれもがセントラルパタヤロードまでは行くのです。目的地が違っていたらすぐに降車ブザーを押して降りてください。後から来るソンテウに乗り換えるだけです。 上の写真はソンテウの車内から後方を撮ったものです。遮るものがないから見晴らしが良いです。立ち席の特等席からはこんな風景が楽しめます。 |
さて、ソンテウの降車方法です。日本のバスと同じように室内にある降車ブザーを押してください。降車ブザーを押すとドライバーはすぐに停車させるので、目的地の直前で降車ブザーを押すようにしましょう。 ソンテウから降りたらドライバーに料金を支払います。普通は10BAHTです。ところが、少し長距離になると20BAHTを要求されることがあります。例えばジョムティエンからサウスパタヤを抜けてセントラルパタヤロードまでだと10バーツでOKですが、セントラルパタヤロードを越えたあたりで降りると20バーツを請求されます。これは経験的に得られた料金知識です。パタヤの地理を理解しないと分からない料金体系です。旅行者の場合は、まず10BAHT渡してみて、20BAHTだと言われたときだけ20BAHT支払えば良いと考えれば良いと思います。 10BAHTの料金なのに20BAHT札で支払った時にはちゃんとお釣りをくれます。100BAHT札だと嫌がられますし、時にはお釣りがない場合もありますので注意してください。 |
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パタヤのソンテウの走行ルート |
上の地図はパタヤのソンテウルートを図で示しています。pattaya city expats clubのサイトから転載したものです。旅行者にとってはこの程度の範囲のソンテウルートが分かっていれば十分でしょう。ただ、かなりラフな地図で、距離感などはデタラメですし、ジョムティエン方面の道路も変です。それでも大体の感じをつかむには役に立ちます。。 |
まず、パタヤ地区のソンテウ路線から説明します。 最も利用されるのは南北に走るビーチロードとセカンドロードを走る路線です。上の図で青い線で示されている路線です。ビーチロードとセカンドロードはともに一方通行ですから、北から南へはビーチロードを、南から北へはセカンドロードをソンテウは走ります。終点は北がノースパタヤロードとセカンドロードとの交差点(ここを「ドルフィン・サークル」と呼びます。)、南がサウスパタヤロードとセカンドロードとの交差点(ここを「サウスパタヤ交差点」と呼びます。)です。始発ポイントも同じ場所になります。 ノースパタヤロードとセカンドロードとの交差点(ドルフィン・サークル)からは、ナクルア方面へのソンテウやノースパタヤロードを東へ向かうソンテウに乗り換えることができます。また、サウスパタヤロードとセカンドロードとの交差点(サウスパタヤ交差点)からはジョムティエン方面やサウスパタヤロードを東へ向かうソンテウに乗り換えることができます。 |
そして、地図の中で薄い赤で示されている東西に走るソンテウ路線は、セカンドロードとスクンヴィット通り方面を結んでいます。北から順に、ノースパタヤ通り、セントラルパタヤ通りとサウスパタヤ通りを走っています。それぞれの路線のバスに乗るためには、セカンドロードから少し東(地図上では右側)に少し歩くとソンテウが停車して待機していますのですぐに分かると思います。 ここからややこしくなるのですが、例えばセントラルパタヤロードを走るソンテウの中にはビーチロードまで走り、さらにサウスパタヤの交差点まで走るものがあったり、ジョムティエンから来るソンテウがノースパタヤまでセカンドロードを走ったり、サウスパタヤから走るソンテウがセントラルパタヤロードを右折したり、セカンドロードを走るソンテウがナクルアまで走ったりします。でも、ビーチロードやセカンドロードを走るソンテウの殆どは、上の地図の青い路線部分なのです。そして、上述の通り、ソンテウには行先が明示されていないので、外見ではどこに行くソンテウなのかわからないのです。 |
ですから、目的地が違っていたらすぐに降車ブザーを押して降り、後から来るソンテウに乗り換えるだけです。料金については10BAHTだという話をしましたが、私が経験的に感じていることは、ジョムティエンとかセカンドロードとかの路線で乗り換えずに来れた場合には、サウスパタヤロードとセントラルパタヤロードとの間はサービス区間で割増なしという理解をしています。例えば、セカンドロードから乗ってきてビーチロードの途中で降りても10BAHT、ジョムティエンから来てセカンドロードをセントラル・フェスティバルで降りたら10BAHT、ノースパタヤまで乗れば20BAHTということです。その理解で料金を払っていて、ドライバーに文句を言われたことはありません。 |
ジョムティエン方面のソンテウ(バンコク空港行きバス乗場) |
では、パタヤの南、ジョムティエン方面を見てみましょう。ジョムティエンビーチはパタヤビーチよりはゆったりとしたビーチで、中国人観光客もそれほど多くないので、ゆったりと過ごすことはできます。そうしたビーチに行く際とか、バンコク空港行きバス乗場に行く際などに、このジョムティエン行きのソンテウを利用することになります。 上の地図はラフすぎて、一部に間違っている部分もありますので、下に正しいgoogle地図を入れておきます。 |
特に、タプラヤロードとテプラシットロードの交差点(ちょうどバンコク空港行きバス乗場がある所です。)からジョムティエンビーチに行くまでの道路が間違って表示されていますのでご注意ください。google地図が正しい地図です。 なお、サウスパタヤ交差点でのソンテウの乗場位置などには間違いはありません。 |
ツアー以外でパタヤに来る場合、バンコクからのルートは大きく分けて三つあります。 一つ目はバンコク市内や空港からタクシーで来る方法です。2,000baht以上かかりますが、早いしホテルまで送り届けてくれます。二つ目はバンコクのエカマイバスターミナルからバスで来る方法です。これですと、料金は108BAHTで、パタヤの北バスターミナルに着きます。北バスターミナルは、ノースパタヤロード沿いにあって、ノースパタヤロードを走るソンテウに乗って行くことができます。 三つめがエアポートバスでバンコク空港の8番ゲートからパタヤに直行するバスに乗る方法です。このエアポートバスに乗ると、終点がタプラヤロードとテプラシットロードの交差点なのです。料金は120BAHTです。(料金はいずれも2016年9月現在) |
私はパタヤに来るときにはバンコク空港から直行するので、もっぱら三番目の方法でパタヤに来ます。そして、バスターミナルからソンテウに乗ってホテルに行くのです。このような方法でパタヤに来ると、大変早くてかつ経済的です。ポイントは、ホテルをソンテウルートに近い所にするということです。ジョムティエンの時もあるし、サウスパタヤの時もありますが、いずれもソンテウ10BAHTで、ということは乗り換えなしで行くことができるわけです。 上の写真はバンコク空港行きバス乗場と同じ敷地内にあるフードマートというスーパーです。ソンテウで行く時に、エアポートバス乗場の目印になります。 |
こんな風に、ジョムティエン行きソンテウは自由旅行には欠かせないバスルートと言えます。 乗場はサウスパタヤ交差点の交番横です。たくさんのソンテウが停車しているのですぐに分かります。 このジョムティエン方面行きソンテウはジョムティエンビーチ沿いを突き当りまで、すなわちシーフードレストランのプーペンまで行くものと、途中までしか行かないものとがあって、どちらかというと途中までしか行かないソンテウの方が多いです。私は予め確認してから乗るなんてことはせずに、とりあえず終点まで乗るかという軽い気持ちで乗ります。タイ化した考え方かもしれませんが。 |
ジョムティエン方面行きソンテウ乗場です。満員にならないと走り出しません。でも、5分も待たないうちに満員になりますので、室内の座席に座るか、立ち席の特等席を確保するか、乗ってしまいましょう。 このソンテウを使うと、美味しいグルメにいろいろありつけます。既に述べたシーフードレストランのプーペン以外にも、Trip Adviserでパタヤナンバー1の評価を得ているメイズ・アーバン・タイ・ダイン、シーフードのリムタレー、パンとケーキが美味しいカフェ、ラ・バゲットや本格的なパストラミサンドが食べられるパストラミ・オン・ライなど、枚挙にいとまがありません。このルートはパタヤに来たらぜひ使いたいソンテウルートです。 |
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ナクルア方面のソンテウ |
今度はパタヤの北、ナクルア方面を見てみましょう。 ナクルア方面へのソンテウは、ノースパタヤロードとセカンドロードとの交差点(ドルフィン・サークル)から出ます。この路線には、セカンドロードから直通で来るソンテウや北バスターミナルのあるノースパタヤ通りの方から直通で来るソンテウも少なくないので、パタヤ・ナクルア通りでソンテウを待ってナクルア方面に走るソンテウを捕まえるのが良いと思います。 |
ナクルア方面に行くソンテウの一番の利用価値はナクルア市場でしょう。ナクルアに向かうソンテウの終点付近にありますので、場所は大変分かりやすいです。朝7時から9時ごろまでに行けば、賑やかなタイの市場の様子を見ることができます。美味しそうなシーフードがずらりと並んだマーケットは圧巻ですし、午後から夕方でしたらマーケットで買ったシーフードを調理してくれるレストランも近くにあります。ただ、シーフードを食べるなら、先ほど紹介したジョムティエンのプーペンやリムタレー、セントラルパタヤ通りにあるブラジャンバーンで食べた方が良いと思います。 |
この方面のグルメということでは、タイ料理レストランのマイタイがおすすめです。上の写真はマイタイで食べたポメロのスパイシーサラダです。マイタイは、ナクルアという場所柄、外国人(特にロシア人)の好みに合わせて辛さを押さえた調理をしていますが、頼めば普通にスパイシーなタイ料理を作ってくれます。英語はきっちり伝わります。そうして作ってもらった本当のタイ料理を食べれば、このレストランの素晴らしさはよく理解できると思います。マイタイは目でも舌でも味わえるおすすめのレストランです。 庶民的な食堂で地元のタイ人に大人気のソムタムプーマ・パパイはローカルなレストランですけど、美味しいタイ料理を食べることができます。一人旅や仲間うちの旅行では重宝するでしょう。 |
以上、パタヤのソンテウ(乗合バス)を紹介してきました。このほかにも、例えばソイ・ブッカオやテプラシットロードを走るルートなどもあります。そうしたルートでも、基本的に乗り方、降り方や料金は同じです。 パタヤの中を移動するときは近くまでソンテウで行って、そこから先はバイタクに乗るという動き方を身につければ自由自在です。行動範囲を広げればパタヤの滞在はもっと楽しくなります。 |
最後に、上の写真はソンテウの中に掲示されている説明書きです。ビーチロードでは停留所以外では停止しない旨が書かれています。(実際にはどこでも停車してくれます。) この表示を見ていつも悲しくなることは、タイ語、英語、ロシア語、中国語と韓国語での表記となっていて日本語の表記がないことです。確かに、パタヤのソンテウに乗っていて日本人に会ったことは殆どありません。街では日本人観光客を見かけるのですが、彼らはどうやって移動しているのでしょう。 パタヤではもっとソンテウを利用しましょう。 |