本文へスキ

         アジアグルメ図鑑(パタヤ) 

パタヤの人気食堂レンキー(張龍記)

レンキー(張龍記)はタイ風中華料理の食堂

パタヤのレンキー(張龍記)
 
 パタヤで日本人に人気のある食堂の一つにレンキー(張龍記)があります。中華料理店として紹介する人もいれば、タイ料理の店として紹介する人もいます。日本人にとって食べやすい料理で毎日食べても良いなどという感想まであったりします。
 私もレンキー(張龍記)には3回行ったことがあります。1回目・2回目は2010年頃で、パタヤに行くのは年に一回もなかった頃です。もともと中華料理は好きですし、バンコクヤワラーの和盛豊(フアセンホン)陳再裕(タンジャイユー)などは美味しいなと思うし、トンブリにある私お気に入りのソン・ポチャナなどもタイ料理と言うよりもタイ風中華料理と言っても良い店だと思います。そんな感じの味を求めてレンキー(張龍記)を初めて訪ねたのが、2010年頃というわけです。ところが、期待しているような味ではなく、一回ではわからないから再度訪問して食べたのですが、それでも私にとっては好きになれない味でした。

パタヤのレンキー(張龍記)の店先

 というわけで、2回も行って良い目に合わなかったからしばらく行かない時期が続きました。レンキー(張龍記)の前を通ることはよくあっていつもそれなりにはお客さんが入っているのを見ていましたし、2017年になってレンキー(張龍記)がエアコンを入れて全面改装したので、ひょっとしてやっぱり美味しいのかもしれないと思い、2017年10月に再訪しました。レンキー(張龍記)の店の前には美味しそうなダックがぶら下がり、こういう焼味系の料理が好きな私はいつも誘惑されていたのです。
 3回目の訪問、どうだったのでしょうか。


オースワン(カキと卵の鉄板焼き)

パタヤのレンキー(張龍記)のカニサラダ

 最近は年に数回パタヤに遊びに来る私ですが、たいてい一人で来ます。この日も一人でランチタイムにレンキー(張龍記)を訪問です。
 レンキー(張龍記)のメニューは見づらいです。メニューの種類がたくさんあるのは良いことですが、もう少し選びやすく並べてくれると嬉しいですね。最初に人気料理というページがあってここだけでもかなりの数の料理が出ていて、中華料理とタイ料理が分かれています。そうなると、ある素材から選ぼうとすると、三つのページを見ないといけません。面倒くさいです。途中で見るのをやめて、食べたい料理をタイ語で伝えました。但し、サラダだけはソムタムカイケムがなかったので、サラダのメニューの一番上にあったカニサラダを選んでしまいました。カニカマが入ったマヨネーズ和えのサラダでした。これは、タイ料理かな、それとも中華料理かな。

レンキー(張龍記)で食べたオースワン(カキと卵の鉄板焼き)

 この日食べたかった料理の一つがオースワン、カキと卵の鉄板焼きです。鉄板に乗せたまま出てきたので出来立てのアツアツです。ちょっとカキが少ないかなとは思いますが、鉄板に乗せたまま出してくれると料理が冷めにくいので有難いです。

レンキー(張龍記)のオースワン(パタヤ)

 カキが少ないので、カキを掘り出して少し見えるようにしてからアップで写してみました。食べてみると、普通に美味しいです。ただちょっと油が強いでしょうか。また欲を言えばトローリとした感覚が少なくてタイ料理のオースワンではありません。と言って中華料理かというとナンプラーの味が入っているから中華料理とも違います。これをタイ風中華料理と言えばそうなのかもしれませんが、はっきり言ってどっちつかずの味付けです。
 私はかつては香港に住み、現在は中国に住んでいます。中華料理でも似たような料理はありますが、もっとあっさりしています。と言うのも、この組み合わせ自体は潮州料理(広東料理の一分類)でよく食べるものです。潮州料理は素材の味を生かす調理法ですのでもっとあっさり仕上げます。

レンキー(張龍記)のオースワン(パタヤ)

 タイに住む華人は潮州の人が多いですから、先ほど紹介したバンコクの三店も実は潮州料理の流れを汲んでいる味付けです。だからもっと食べやすいのです。レンキー(張龍記)の場合は油がきつくなってしまっています。恐らくは潮州料理風の味付けから地元の人向けの味付けに長い間に変化してしまったのでしょう。それも中途半端に変化してしまったという感じです。
 見た目には美味しそうですし、一つの料理を大勢でシェアして食べる分にはこの味付けはそれほど苦にならないかもしれません。美味しくないとは言わないですが、やっぱり私が好きな味ではありません。もっと思いっきりタイ料理の味になっていれば良いのになあと思います。



 見た目が素晴らしいホーモックタレー

レンキー(張龍記)のホーモックタレーン(パタヤ)
 
 今日のメインディッシュに考えていたのはホーモックタレー(シーフードのカレー風味包み蒸し)です。パタヤでは、ジョムティエンビーチにあるリムタレーが美味しいホーモックタレーをおしゃれに出してくれますが、レンキー(張龍記)もそれに負けず劣らずヤシの実に入れて見た目は素晴らしい料理になっています。

パタヤ・レンキー(張龍記)のホーモックタレーは具だくさん

 料理名のホーモックタレーを分解すると、ホーモックというのはカレー蒸を意味していて、タレーというのはシーフードのことです。料理を上から見ると、なるほどホタテやエビ、イカやカニなど様々なシーフードが入っていて、まさにホーモックタレーです。これは見た目に美味しそうです。期待感が高まります。
 後で分かるのですが、レンキー(張龍記)のホーモックタレーは大変具が多いです。上に乗っているだけではなくヤシの実の中を掘り下げていっても具が多いので、大変良心的なメニューだと言えます。

パタヤ・レンキー(張龍記)のホーモックタレー
 
 ホーモックタレーはカレー料理の一つですからご飯をもらってご飯と一緒に食べるのが私は好きです。この日もご飯にかけていただきました。味付けは思っていたよりも辛いです。ホーモックについては比較的マイルドな甘さにしているレストランが多いですが、もともとは家庭料理ですからこういう辛さがあっても不思議ではありません。日本でもバーモントカレー甘口を食べる家庭がある一方でジャワカレーの辛口を食べる家庭があるのと同じです。
 この料理に関しては中華料理の香りは全くなく、まさにタイ料理です。そういう意味ではこの日食べた三品の中では一番良かったのがこの料理です。でも、油が良くないのでしょうか、それとも油を使い過ぎなのでしょうか、胃に重たい料理になってしまっています。また食べたいという出来ではないのです。

 料理については人により味の好みが違いますのでレストランの美味しさを云々するのは大変難しいのですが、私はやっぱりレンキー(張龍記)の味は好きになれません。きっともう行かないと思います。パタヤにはもっと美味しいレストランや食堂はいろいろあるからです。初めてパタヤに来た人にとっては、外人向けの変なタイ料理レストランに行っても美味しくないし、逆にタイ人向けの本格的なタイ料理レストランに行っても食べづらいし、ということで、レンキー(張龍記)の料理は比較的食べやすいのかもしれません。でも決して感動するような美味しさはないし、これがパタヤのグルメ水準だと思ったら間違いだと思います。人気店で絶賛する方も少なくないですから一度くらい行っても良い店なのかもしれません。



バナースペース