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         アジアグルメ図鑑(パタヤ) 

イタリアンのスパカフェでパッタイ

スパカフェはナクルアにあるお洒落なイタリアンカフェ


 タイの焼きそばのパッタイについては私は決して嫌いではないのですが、イサーン料理(タイの東北料理)のような辛いタイ料理が好きな私には、パッタイは甘くて他の料理との相性も悪いような気がして、実はあまり好んで食べることはありません。
 ところが、パタヤでふと入ったイタリアンカフェで、しかもロシア人が多く住むナクルアにあるイタリアンカフェで美味しいパッタイに出会えたのです。このカフェ、スパカフェの主たる客層はパタヤ在住のタイ人とロシア人のようです。ロシア人居住地にあるイタリアンカフェで、タイのB級グルメであるパッタイを食べるという、どう考えても良くない結果になりそうな組み合わせなのに、信じられない満足度でした。


 私がスパカフェを訪問したのは平日の夜8時ごろです。昼間はカフェとして営業していて、美味しそうなケーキがケースに並んでいます。実は夜はガラガラだろうと思って行ったのですが、予想に反して満員で10分ちょっと待たされる羽目になりました。こんな住宅街の一軒家カフェが満員なんて信じられません。結構人気の高いカフェだったようです。
 飲み物として注文したのは、マンゴーシェイクです。


 今回宿泊したホテル近辺では既に高級レストランのマイタイローカル向け食堂のソムタムプーマ・パパイを訪問し、いずれも大変満足のいく料理を楽しんでいます。ナクルアにも良いレストランはいろいろありますね。
 パタヤからナクルアに行くのはそんなに面倒ではありません。地図で見ていただいて、パタヤ・ナクルアロードにはドルフィンサークル(ドゥシタニホテル前のラウンドアバウト)から頻繁にソンテウが走っていますので、このソンテウにひょいと乗って、ソイ16/2で降りればすぐにスパカフェに辿り着けます。マイタイソムタムプーマ・パパイに行く場合はソイ18で降車してください。



スパカフェのパッタイは激ウマです


 実は今回宿泊したホテルがナクルアで、歩いて行ける範囲にそんなに多くの食べ物屋があるわけではありません。ネット等で調べていますから、このスパカフェがイタリアンカフェであることは承知のうえでの訪問です。
 確かにメニューを見るとイタリアンレストランらしいメニューが並んでいます。ところが最後のページにタイフードという項目があって、そこにいくつかのメニューが並んでいます。ほとんどないに等しいくらいの数のタイ料理メニューです。たまにはイタリア料理でも食べようかという気持ちに傾いていたのですが、ここで方針変更してヤムウンセンとパッタイを注文しました。

 
 地元のロシア人も多く来るようなレストランでは、味付けがロシア人向けに辛さ控えめになっていることが多いです。そこで、いかに私がスパイシーな料理を好むのかを説明したうえで、spicy & spicy で調理してもらうよう依頼したことは言うまでもありません。
 そして出てきたのがこのヤムウンセンです。ヤムウンセンはそもそもヤム料理の中でもスパイシーな方ですが、ここスパカフェのヤムウンセンもしっかりスパイシーになっていました。エビやイカなどのシーフードも新鮮です。盛り付けも綺麗で、さすがにお洒落なカフェらしいヤムウンセンです。美味しいです。


 そして、お待ちかねのパッタイの登場です。お待ちかねなどと書きましたが、実はほとんど期待していないパッタイです。上で書いたようにパッタイについては好んで食べる方ではありませんし、所詮はイタリアンレストランのパッタイです。期待する方が無理です。私の心の中には、スパゲティは良く作るだろうからパッタイもスパゲティ風に出てくるのではなどとという自虐的な期待しかなかったというのが正直なところです。
 でも、出てきた料理を見ると、普通のパッタイです。屋台で食べるよりエビが大きいなあという印象です。豪華なパッタイです。


 これが食べてみると、想定をはるかに超えて、これまで何十食と食べてきたいかなるパッタイよりも美味しいのです。マナオを絞りよく味を混ぜると甘さは残るもののスムーズに食べられる味です。油が良いせいでしょうか。屋台なとで食べるパッタイよりずっと食べやすいのです。美味い!美味しい!


 麺はしっかりパッタイ用の麺を使っています。当たり前とは言え、ひょっとしてスパゲティの麺を使ってパッタイを作るんじゃないのかなんて疑う気持ちもちょっとあったのです。これは驚きの美味しさです。ロシア人居住地にあるイタリアンカフェでパッタイを食べるという、どう考えても良くない結果になりそうな組み合わせがうそのようです。きっと調理人の腕が良いのでしょう。

 食後にこのカフェのスタッフと話す機会があったので、私からはここのパッタイは本当にうまかった、大満足だと伝えたうえで、今度はイタリア料理も食べるよと約束しました。ここはイタリアンカフェですものね、タイ料理だけ食べてごめんねと付け加えました。タイ人らしい素晴らしい微笑みで「お待ちしています」と答えたスタッフの笑顔はやっぱりタイですね。この笑顔に会いたくて、タイにまた来てしまうのです。

 





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