西塘の見所の一つは路地です。上の写真は石皮弄です。「弄」という字は路地を指します。石皮弄とは石皮の弄(路地)という意味になりますが、ここで、石皮とは路地に敷かれた石が皮のように薄いことから名づけられたとされています。この路地の石板は厚さがわずか3cmしかないようです。
石皮弄は西街を入って、環秀橋を渡った道がぶつかったあたりにあります。
それにしても、狭い路地で、ご覧の通り、幅は80cm程度しかありません。西塘の中でも、この石皮弄が最も狭い路地のようです。
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石皮弄に沿って、種福堂という民家があります。民家といっても、庶民の家ではなく、かなりの財を成した一族の家のようで、むしろ邸宅と言うべきかもしれません。この種福堂の敷地内に入ると、間口からは想像できないほど奥行きがあり、建物もがっしりとしていることが分かります。また、こじんまりした中国庭園もあり、置いてある石もかなり立派なものです。
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この西塘にある古い民家を少し、掘り下げてみてみましょう。
上の写真は門の上の部分を撮影したものですが、かなり手の込んだ木彫りが施されていることが分かります。どこの建物も門や窓に手の込んだ木彫りがあって、なかなか西塘の豊かさを感じさせるものです。
雨がひどくて、写真が見づらいですね。
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上の写真は石皮弄の近くにある「木彫り陳列館」にあるものですが、三日月形の梁です。明の時代のもので、かなり精巧に彫られています。この陳列館には、窓枠、扉や柱、あるいは家財といったものまで、いろいろな木彫りが陳列されていて、私はそれほど木彫りに興味があるわけではなかったのですが、ガイドさんに色々と説明してもらうと、当時の人々の美意識や心のうちが少し分かったような気がしました。
木彫りの好きな方は、ぜひこの陳列館をご覧になったらよいと思います。
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ついでに、瓦も見てみましょう。同じく石皮弄の近くには、瓦の博物館もあって、そこでガイドさんから説明してもらったのですが、この時代の中国の瓦というのは、上の写真にあるように、瓦を上下に組み合わせて雨水が流れるようにしています。そう言われて、よくよく西塘にある家々の瓦を見てみると、確かに、こうした瓦の組み合わせになっていることが分かります。
西塘には、これ以外にも「ボタン博物館」やお酒の陳列館などもあります。ボタン博物館では、清の時代の工程そのままに、貝殻からブラウスのボタンを作る実演もしてくれます。
なお、博物館・陳列間の入場料は、100元の西塘古鎮入場料の中に含まれています。また、各施設にいる案内ガイドが、個人客に対しても説明をしてくれます。(もちろん、中国語です。)
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さて、石皮弄近くの話に戻ります。
上の写真は蘇家弄という路地で、写真の通り、途中で路地の幅が狭くなっているのが特長です。なかなか渋い雰囲気で、この界隈、味がありますね。
また、路地の上を横断歩道橋みたいなものが通っていますが、これを過街楼と呼ぶそうです。過街楼は、路地の両側にまたがる二つの建物をつなぐ橋だったり、部屋だったりします。ガイドさんによれば、「建物の面積を増やして、しかも、道路をふさいだり、庭を狭くしなくてもいいんです。すごいアイデアでしょう?」という感じです。
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過街楼は西塘のあちこちで見ることができます。上の過街楼は、永寧橋の近くですが、これなどは、通路・渡り廊下というよりも、部屋に近いもので、ガイドさんの自慢げな説明も分からないではありません。
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石皮弄や蘇家弄へは、西街を環秀橋方面に向かって歩いていけば、すぐに見つかります。石皮弄近くの西街は、こんな感じで商店が連なり、煙雨長廊のあたりとは一味違った、庶民的な商店街となっています。
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また、路地に入れば、こんな感じで生活観があふれていて、まさに「生きている千年の古鎮」という西塘のキャッチフレーズを実感する街並みです。時間があれば、もっともっとぶらつきたい街です。
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