広州で観光する場所としては、私の趣味では第一に沙面地区を挙げます。沙面というのは、清の時代に広州が外国との窓口として解放されていた頃、租界だったエリアで、上海のバンド(外灘)と同様に、欧風建築が並んでいるエリアです。上海と違って観光客は少ないのですが、なかなかの雰囲気です。 このページで紹介する西関地区(オールド広州地区)と言われている地域は、その沙面から徒歩で行ける近さにあって、広州一の繁華街である上下九路が第十甫路と名前を変える辺りから始まります。上の写真はちょうど西関地区に入るところあたりです。この西関地区は官僚をはじめ裕福な人々が居住したエリアで、清の時代から大規模な住宅や建物が建てられていて、その頃の街並みが保存されているエリアです。 |
このあたりが西関地区らしい雰囲気を漂わせるエリアです。道の両側に建てられた建物は、騎楼といって、2階部分が歩道にせり出し、1階部分はアーケードのようになっています。歩道の上に屋根が付いているようなもので、雨が多く陽射しも強い広州では大変合理的な建物です。こうした構造は台湾の台北などでもよく見られますが、西関地区の特徴はそうした騎楼にヨーロッパ風の雰囲気と中国固有の建築文化との融合が感じられることです。 私は広州を旅行する場合、この西関地区にホテルを取ります。西関エリアの街並みが好きだということもありますが、それ以上にお気に入りのレストランがあるからです。西関には、広州酒家、蓮香楼や陶陶居といった素晴らしい老舗レストランが軒を連ねているのです。上の写真では、右側に蓮香楼、左の奥に陶陶居の建物が見えます。 |
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何でもない建物のようですが、壁の彫刻が見事ですし、2階というか屋上のベランダの手すりが特徴的です。 騎楼を歩いていると、道の反対側にある建物は見えますけど、自分が歩いている側の建物については全く見ることはできません。騎楼の一階を歩いていると、単にアーケードを歩いているようなもので、お店にばかり興味が行ってしまいがちですので、時々建物にも目を向けて歩くことが、西関地区を楽しむポイントです。 |
こういった交差点にある建物というのはちょっと目立ちますね。一階部分だけ見ると単なるどこにでもあるズボン屋さんですけど、一階と二階の間の壁面の絵がきれいです。 |
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こちらは、広州酒家の近くにある皇上皇という店の建物です。 私が思うに、西関でも最も美しいビルの一つだと思います。もちろん、このビルにおいても、騎楼の建築スタイルが使われています。 |
少しアップしてご紹介します。 窓にしても、壁に彫られている彫刻にしても、大変凝っていて、お洒落ですね。 |
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箸を販売している店舗です。いわゆる観光客向けのお店ではないので「高級品」はないのですが、自分が日常的に使うものなら、こういったお店で買うのも悪くはないと思います。 |
広州は暑い日が多いので、歩いていると結構のどが渇いてきます。そんな時に便利なのが、最近増えてきたジューススタンドなど、テイクアウトできる軽食屋です。この店では、若くて可愛らしい熱心な売り子のおねえさんに冷たいミルクティを勧められたので試しに飲んでみましたが、想像していた通り、とても甘いアイスミルクティーでした。中国では冷たいウーロン茶でさえも、砂糖がたっぷり入った激甘ドリンクになっています。試しに飲むのは良くても、私としてはあまり好きになれないですね。 |
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さて、上の写真は西関地区に隣接している清平路エリアです。 清平路というと、詳しい方はご存知でしょうが、かつては清平市場という野生動物を扱う食品市場があって、私も10年以上前に行ったことがあります。市場で動物を買って、レストランで料理してもらうことができるということでした。生簀で魚を選んで料理をしてもらうのと仕組みは同じです。その清平市場も、SARS騒ぎの時に食品衛生上の問題から閉鎖されました。私は犬や猿などの料理には全く興味がないのでどうとも思いませんが、中国の友人の中にはこの市場がなくなったのを大変残念がる人もいます。 その結果、清平路一帯は最近では漢方薬やペット類を取り扱う店が集積している状況です。 |
漢方薬類を取り扱う店が集まる一帯です。第十甫路から一本横道に入っただけなのですが、街の雰囲気は様変わりします。主として業者向けに卸している店なのだそうですが、小売もしてくれるそうです。 |
このゴチャゴチャした雰囲気がいかにも中国的で、この界隈を歩いていると楽しくなってしまいます。ペット用の犬や鑑賞魚を扱う店が集積する一帯もあって、上下九路から第十甫路へと続くショッピングゾーンとは客層も雰囲気も全く異なります。 |
清平路にある漢方薬店。 雰囲気からすると、店先にいる人たちは家族か親戚だと思うのですが、どうでしょうか。夕方にもなると、子供も来て一層のどかな庶民の街になります。 |
漢方薬店が集積しているビルもあります。こんなに店が集まっていてよく共倒れしないななんて思ってしまいます。さすがは広東省最大の漢方薬の市場です。でも、上の写真は夕方なんですが、お客さんの姿が殆ど見当たりません。買い付けに来る人はもっと違う時間帯に来るのでしょうか。 |
清平路から六二三路に出たところにある漢方薬(中国薬剤)市場ビルです。この六二三路を渡るとすぐにかつて英仏租界だった沙面地区になります。そのせいか、このビルも少し中欧折衷のデザインです。英仏租界の外にもヨーロッパ風の建物が建てられたのだと思います。 清平路地区は、西関地区のメインロードとも言える第十甫路とた沙面との間に位置しています。観光で広州に来た方は、西関と沙面という二つのエリアをそれぞれを点で捉えずに、線として考えれば、西関、清平路、沙面を続けて歩くことになります。それぞれが特徴を持った街並みなので、ご興味のあれば立ち寄ってみてください。 |