オーガスティン広場とロバート・ホー・トン図書館 |
マカオ歴史地区を観光するときにはセナド広場を「マカオの観光スポットのへそ」として考えて、バス通りである新馬路を境にして南北を分けてスケジュールを組むと組みやすいです。新馬路の北には、仁慈堂大楼、聖ドミニコ教会、大三巴牌坊(聖ポール天主堂跡)や大砲台(モンテの砦)など、マカオ歴史地区の世界文化遺産でも際立って人気の高い観光スポットが続きます。 一方、バス通りである新馬路の南には、民政総署がセナド広場と相対するように建ち、民政総署の横の道を登ると、聖奧斯定教堂(聖オーガスティン教会)、崗頂劇院(ドン・ペドロ5世劇場)や聖老楞佐堂(聖ローレンス教会)へと道が続き、媽閣廟まで歩きながら次々とマカオの世界遺産を訪ねることができます。こちらのルートは北側ルートと同じように世界遺産が続くのですが、観光客は少なくゆったりと観光できます。 上の写真はこの南側ルートで最初に出てくる世界遺産、聖オーガスティン広場(崗頂前地)です。 |
この南側のルートは、まず、上の写真の民政総署ビルと奥の青緑の色の建物との間の道を登っていくところから始まります。この角から、聖オーガスティン教会(聖奧斯定教堂)やドン・ペドロ5世劇場(崗頂劇院)などがある聖オーガスティン広場(崗頂前地)までは歩いて5分もかかりません。さらに聖ローレンス教会(聖老楞佐堂)まで行くには、聖オーガスティン広場(崗頂前地)からさらに5分くらい歩くことになります。 |
先ほど紹介した角からの道をすすんでいくと、上の写真のような古い壁が右側に出てきます。この壁は聖オーガスティン教会(聖奧斯定教堂)のもので、この緩やかな坂を上ると、そこに広がるのが聖オーガスティン広場(崗頂前地)です。 |
聖オーガスティン広場(崗頂前地)からロバート・ホー・トン図書館(何東図書館大楼)方面を見たところです。写真にはありませんが、左側に聖オーガスティン教会(聖奧斯定教堂)があります。 |
ガジュマルの樹が視界を邪魔していたので少し前に出てみましょう。ここが聖オーガスティン広場(崗頂前地)で、洒落た石畳と南欧風のパステル調の建物が調和して、マカオ歴史地区らしい雰囲気です。 上の写真で、右側の黄色い塀がロバート・ホー・トン図書館(何東図書館大楼)で、正面緑色の塀が聖ヨセフ修道院(聖約瑟修道院)です。聖ヨセフ修道院(聖約瑟修道院)には一般観光客は入れません。 |
ロバート・ホー・トン図書館(何東図書館大楼)です。こちらは中に入ることができます。この図書館の建物は、もともとは香港の大富豪であるロバート・ホー・トンの別荘として建てられたものですが、彼の死後、彼が所蔵していた図書とともにマカオ政府に寄贈され、図書館となったものです。 |
もともと図書館用に作られたのではないかと思えるような建物です。 |
ここまでご覧いただいてきてお分かりかと思いますが、このルートはそれほど観光客が多くはありませんが、時々見かける上の写真のような道標が道案内してくれます。特に聖オーガスティン広場(崗頂前地)を過ぎて、聖ローレンス教会(聖老楞佐堂)やペンニャ教会(主教山小堂)方面へ行こうとすると、歩いている観光客も数少ないので道標が頼りです。 すると大切なのが日本語以外の言語で地名を覚えておくことになります。私は中国語で覚えておくと良いと思います。道標で最も大きな字が中国語だからです。聖オーガスティン広場(崗頂前地)、聖オーガスティン教会(聖奧斯定教堂)、ドン・ペドロ5世劇場(崗頂劇院)、ロバート・ホー・トン図書館(何東図書館大楼)、聖ヨセフ修道院(聖約瑟修道院)といった具合です。日本語からは想像できない漢字になっています。 |
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聖オーガスティン教会 |
さて、聖オーガスティン広場(崗頂前地)の角に、ロバート・ホー・トン図書館(何東図書館大楼)のはす向かいに建つのが聖オーガスティン教会(聖奧斯定教堂)です。マカオには数多くの教会があるなかでは比較的地味な存在です。ただ、ここ聖オーガスティン広場(崗頂前地)付近の街並みを形成するうえでは重要な役割を担っている教会です。 |
教会の中に入りました。普通の教会です。観光客は全くいません。世界遺産の多いマカオにあっては、世界遺産というだけでは観光客は呼び込めないのです。でも、かえって誰もいないことで教会らしい静寂と荘厳さが伝わってきます。 |
教会内部の内装です。この教会はもともと1591年にスペインのオーガスティン修道会によって建てられたものですが、現存している建物は1874年に建て替えられたものです。 |
祭壇です。祭壇中央に小さく見えるのが、十字架を担いだキリスト像です。 |
十字架を担いだキリスト像です。こういうキリスト像は私はここでしか見たことがありません。 十字架を担いだキリスト像は、毎年春に行われるカトリックの伝統行事、「キリスト受難行列」の儀式の中で、いったんカテドラルに運ばれた後、翌日にこの教会に戻されます。「パッソス聖体行列」と呼ばれるこの行事は、数千人もの信者が参列するマカオ最大のキリスト教行事だそうです。こういう伝統行事もあって、世界遺産に選定されている教会なのだろうと思います。 |
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ドン・ペドロ五世劇場 |
ドン・ペドロ5世劇場(崗頂劇院)は、その中国語名の通り聖オーガスティン広場(崗頂前地)の近くにあって、聖オーガスティン広場(崗頂前地)から道を少し下ったところにあります。1860年に建築された中国では最も古い様式の劇場です。そのミントグリーンの建物は聖オーガスティン広場(崗頂前地)の雰囲気にマッチしています。 |
ドン・ペドロ5世劇場(崗頂劇院)の内部で、劇場の前室です。劇場はポルトガルでは社交場ですので、当時は夜になると恐らくこの前室でダンスなども催されいたのでしょう。そんな雰囲気のある広間です。 |
劇場は300人くらい入れる大きさで、現在でもマカオオーケストランの演奏などで使用されることがあるそうです。それ以外の日は、入口にロープが張ってあって、中を見ることはできますが劇場のホールの中へは入れません。 |
この劇場には二階席もあって、二階席へは裏の階段を利用して上がっていきます。上の写真は「裏の階段」なのですけれども、南欧らしくて雰囲気が良いですね。 |
二階席からステージを見たところです。二階席にもロープが張ってあって入ることはできませんが、二階席の雰囲気は見て取れます。そんなに大きな劇場ではないですが、この劇場でマカオオーケストラのコンサートを聞いたら、さぞ気持ちが良いでしょう。二階席でも良いですから、チケットを手に入れられないでしょうか。チケットを手に入れる方法を知りたくなってしまいました。 |
ドン・ペドロ5世劇場(崗頂劇院)の道の向かいにある公園で一休みしています。ここから見るドン・ペドロ五世劇場も素晴らしいものです。聖オーガスティン広場(崗頂前地)界隈の街並みは、マカオ歴史地区の中でも際立って南欧的です。パステル調の建物が点在し、また適度な坂やガジュマルの大樹などもあって、素晴らしい景観を作り出しています。 |
セナド広場向かいの民政総署ビルから聖オーガスティン広場(崗頂前地)まで来ました。聖オーガスティン教会(聖奧斯定教堂)やドン・ペドロ5世劇場(崗頂劇院)などを見学しました。ここからさらに聖ローレンス教会(聖老楞佐堂)まで歩いて5分くらいです。その方向には上の写真のように、マカオらしい密集した住宅街が連なっています。 |