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退思園の眠雲亭と天橋|蘇州古典園林の魅力

(2010年5月1日以来)

退思園の眠雲亭と天橋|蘇州古典園林の魅力TONGLI

眠雲亭へ


 眠雲亭は築山の上にある亭で、退思園の池の景を立体的に楽しむ場所です。周りの木々に覆われているため、眺めは正面以外はあまり良くないのですが、正面に閙紅一舸が見え、その左に天橋のなだらかな曲線を楽しむことができます。


 池の向かい側の回廊から見る眠雲亭です。閙紅一舸が正面にあることがこの写真から分かると思います。


 眠雲亭が建つ築山の前から見た閙紅一舸、回廊と水香榭が見えます。一階部分から見る眺めを頭に入れて、では、築山の上の眠雲亭に登ってみましょう。 



眠雲亭からの眺め


 眠雲亭への登りは、築山の中を貫くトンネルの向こうにあります。すなわち、池とは反対側です。


 眠雲亭から見る閙紅一舸から天橋方面です。雰囲気が随分と違うことが分かるはずです。


 天橋とその手前にある太湖石群を眺めます。太湖石で最も高さがある石は老人峰と言われています。この角度ですと、天橋のなだらかな微妙な曲線がよく分かると思います。


 築山の上の小さな太湖石と閙紅一舸です。
 太湖石は、長年太湖の水によって浸食された結果、多くの穴が開いて複雑な形をしています。江南地方では、「透、痩、漏、皺」が太湖石を評価する四大原則だと言われています。すなわち、大きな穴や多くの穴が開いていて反対側が見えていて、かつ、細身で皺が複雑な太湖石が、良い太湖石だと言われているようです。その意味では、最も素晴らしい太湖石は、蘇州・留園の冠雲峰だと思います。清の時代には形の良い太湖石はすべて彫りつくされた後なので、清代の庭園には観光客の呼べる太湖石はありません。


 閙紅一舸と回廊です。閙紅一舸が池に突き出す形で、池の上に建てられていることがよく分かります。
 なお、眠運亭では、これより右は樹木で視界が遮られるため良い眺めは期待できません。


 眠雲亭の近くで見つけた鋪地(敷石)です。退思園は清代の庭園だけあって、モダンな鋪地が多いと思います。池の景にばかり気をとられていないで、時には地面を見て鋪地の美しさも楽しみましょう。


 眠雲亭からまた下に下りてきました。ここからの景色、素晴らしいですね。



天橋


 池の対岸から、天橋と菰雨生凉軒方面を見たところです。ここでも、閙紅一舸が池に突き出していて池の景に変化を与えています。また、天橋の前の太湖石、老人峰も目立ちます。
 さて、その天橋に登ってみましょう。


 老人峰にちょっと視界を遮られますが、ここからの眺めは絶景です。左下に閙紅一舸、右下に退思草堂が見え、奥に攬勝閣が見えます。貼水園(水に貼りつく庭園)と呼ばれる退思園らしく、閙紅一舸と退思草堂が池の上に建てられ、水と建物が一体化していることと、池の周りの木々の緑が濃いことが、退思園の風景の特徴です。


 退思園草堂の天橋では、貸衣装に身を包んだ若い女性がカメラの前でポーズをとっています。西塘や烏鎮のような水郷古鎮等では、明や清の時代の貸衣装を時間貸しして、古鎮のあちこちで写真を撮ってこれるようになっています。日本の女性だと人前でポーズをとるのは苦手な人が多いような感じがしますが、中国の女性は人目を気にせず、かなり大胆にポーズをとります。国民性の違いでしょうか?


 さて、天橋の先の方に建つと、老人峰が視界を邪魔しなくなります。こちらに立つと、随分と広々とした池に見えるものです。この角度からですと、退思草堂の左と言うか、攬勝閣の手前と言うか、そのあたりに水香?も見えます。
 しばらく、この風景を前に、退思園の雰囲気に浸っていた私ですが、よくよく見てみると、遠くに見える攬勝閣二階からの風景はどんなものなのでしょうか。そんな気持ちになって、攬勝閣に行ってみようという気になったのです。実は、攬勝閣からは、私の一番お気に入りの風景が広がっていたのです。


このページの続きは  退思園(4)回廊から攬勝閣の絶景へ