| 中国四大名園の一つ、蘇州の拙政園は、見所が豊富な庭園で、まさに蘇州旅行のハイライトです。拙政園の魅力・楽しみ方を、6ページ構成で写真とともに紹介しています。 下の写真をクリックすると、それぞれのページに行くことができます。 | 
| 拙政園の概要と見学のポイント | 拙政園は蘇州旅行のハイライトです。拙政園は、明代に官界に失望した御史王献臣が故郷に戻り、庭園を建造したのが始まりだとされています。5万haの広さを持つ蘇州最大の庭園である拙政園。計画的に見学しないと、せっかくの見所を見逃してしまうかもしれません。 このページでは拙政園の概要と見学するポイントを説明しています。また、拙政園ができた背景なども理解して、中国屈指の名園を設計した庭主の心を感じてみましょう。 | 
| 中園 | 拙政園の見学は遠香堂から始まります。遠香堂を起点として枇杷園に入り、心憎いばかりの精緻な庭園の妙を楽しみましょう。素晴らしい内庭、海棠春塢を抜け回廊に出ると、拙政園のハイライトである北寺搭借景に出ます。一気に視界が広がり、水を中心とした拙政園らしい風景が広がります。 | 
| 中園 | 北寺塔の借景を十分に楽しみましょう。また、北寺塔借景を見る回廊に続く梧竹幽居の優雅なフォルムも楽しんだら、石橋を渡り池の小島を歩きましょう。見学の起点、遠香堂の向かいの丘に建つ雪香雲尉亭に立つと、官界に失望した庭主の心が理解できるとともに、隠者として生きていくという達観した心構えが自分にも生まれてくるような気がします。 | 
| 中園 | 雪香雲尉亭から丘を下りると、楽園のような景観が広がります。瀟洒な造りの見山楼を中心とした水の景は、拙政園の中でも最も建物と自然が調和した風景が広がるエリアです。隠者としての達観した心構えを秘めつつも、明るく伸び伸びと生きていきたいという庭主の心を見ることができます。見学する私たちの心まで開放されるような気がします。 | 
| 中園 | 香洲は画舫(がぼう=屋形船)をイメージした建物で、神仙蓬莱思想の中の「始皇帝と徐福の不老不死の薬」の話から来ています。仙人たちが住む島へ旅立つための舟をイメージしている建物で、中国庭園ではよく見かける建物様式です。小飛虹という美しい橋のあるエリアから池を見ると、大海原を想像させることから、あたかも港の集落のようなイメージです。香洲とあわせ、港町という感じです。 | 
| 西園と東園 | 拙政園は中園と東園と西園の三つに分けられていますが、その見所のほとんどは以上の中園に集中しています。それは、拙政園が徐々に拡大されて整備されてきたことに起因しています。拙政園はもともと中園から整備されていて、その他は後から付け加えられているのです。しかしながら、西園でも回廊や扇亭などがある一角は中園と同時期に造られています。この辺りにも拙政園らしい風景が広がっています。 | 
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| 拙政園の概要 | 
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| 写真は拙政園の入口です。古都蘇州の目玉は、何と言っても中国庭園です。蘇州古典庭園、蘇州古典園林などとも言われます。 蘇州の庭園では、滄浪亭、留園、獅子林、そして拙政園が四大名園と言われています。また、蘇州の拙政園と留園に、北京の頤和園と華北省承徳市にある避暑山荘を加えて、中国四大名園と言います。ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。 拙政園の特徴は、第一に5万haの広さを持ち、蘇州最大の庭園であることです。留園が2万haですから、留園の倍以上の広さということになります。そして第二に、その5万haの約60%が池になっていることです。ですから、拙政園は自然や水を取り込んだ優雅でのびのびとした雰囲気を持つ庭園で、明代庭園の典型例だとも言われています。 | 
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| 拙政園は、明代正徳4年(1509)に官界に失望した御史王献臣が故郷に戻り、唐時代に建てられた邸宅や元時代の寺院跡地に庭園を建造したのが始まりだとされています。拙政園は大きく東・中・西に分けられており、東園は緑が多く伸びやかで、中園は水や花と建物が優雅に融合していて、まさに自然の美・豊かさが感じられます。西園では水辺の雰囲気と池の周囲の豪華な建物が見ものです。 拙政園を見るときに最も気をつけなければならないことは、5万haというその広さです。その5万haの庭園は、東園、中園、西園の3つで構成されているのは既に書いた通りですが、拙政園の良さ、拙政園の見所というのは中園に集中してます。ところが、拙政園の入口は広い東園の一番端にあって、東園だって公園のように伸び伸びした気持ちの良い庭園なものですから、とかく日本人は入口近くにある東園から精力的に見学して、中園に着く頃には疲れきってしまうなどということもあるようです。 | 
|  クリックすると、新しいウインドウで拡大図が開きます。 | 
| 上の写真は拙政園の案内図ですが、入口は右下の駐車場の隣で、東園は放眼亭のある島の左側の回廊を越えたところからです。東園も広いことが分かりますよね。拡大図を見ると分かるように、案内図には矢印が出ていて、あたかも順路のように見えます。しかし、これは推奨する順路でも何でもありませんから、無視して考えましょう。 また、私はツアーでは行ったことがありませんが、聞いたところによると、あるツアーでは拙政園の外周に沿って、すなわち、池の周りを右下の入口から時計と反対周りに回っているだけだそうです。これも疲れるだけでナンセンスな話です。 何故ナンセンスなのかを、これからお話します。 | 
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| 上の案内図を拡大して、中園と西園だけ表示しました。左上にある倒影楼からその下にある宜両亭を結ぶ線から左が西園、それ以外が中園ということになります。 拙政園の魅力というのは、自然との融合にあります。拙政園が中国四大名園とされているのは、その広さを評価しているのではなく、自然との融合、すなわち山水の景観にあります。その自然との融合や山水の景観とは、まさに中園の持つ性格で、中園があるからこそ、そして中園の構成力が評価されているからこそ、中国四大名園の名声を受けているわけです。 | 
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| そもそも拙政園では、中園が最初に整備され、時代が変わり所有者も変わる中で、東園、西園が整備されてきています。西園はどちらかと言うと豪勢な建物建築が魅力であり、東園は伸び伸びとした公園という感じです。拙政園の魅力が山水の景観ということであれば、実は、拙政園と言っても、そのエッセンスは中園にあるわけです。 ですから、敢えて挑戦的に言うならば、拙政園をすべてみて回るくらいなら、中園を2周3周した方が拙政園の良さを理解できると思います。また、中園のハイライトは、遠香堂や香洲などの建物がある池の南岸と、二つの島と見山楼を結ぶ線(地図で言えば池の中央)にあります。中園の中でもこのラインを重視して見学するのが良いと思っています。 そんな思いを持っている私なりの拙政園の楽しみ方を紹介していきます。 | 
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| 拙政園見学のポイント | 
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| 中国庭園の楽しみ方については人それぞれの考え方があってよいのですが、私は私なりに次のような点をポイントにしています。 1.その庭園のテーマが、自然景観にあるか建築景観にあるかを考えて見学する。 2.設計者(または所有者)の心を想像して見学する。 3.橋、窓、洞門や窓といった中国庭園のパーツに注目して見学する。 ここでは詳細を書きませんが、こちらに私なりの「中国庭園を楽しむ視点」をまとめていますので、ぜひ参照してください。 | 
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| 私なりの「中国庭園を楽しむ視点」から、拙政園の楽しみ方・回り方を考えると、拙政園の回り方は次のようになります。時間的には最低でも2時間は確保したいところです。折角の拙政園ですから、私の場合は、4時間くらい楽しみます。 私がこのページで一番強調したい点は、蘇州古典園林(中国庭園)を日本人にもっと理解してもううためには、言い換えれば好きになってもらうためには、見学の方法や見学のポイントを伝える必要があるということなのです。拙政園であれば、以下の通りになります。 1.中園を中心に見学する。何周でも気が収まるまで中園を回る。 西園はついでに見る感じ。 東園は時間があるなら見るところで、普通は通過するだけ。 2.中園見学は遠香堂を起点にして、時計と反対周りに一周する。 遠香堂から枇杷園を抜けて、二つの島を渡って見山楼を見て、香洲から遠香堂に戻る。 3.中園を一周したら、今度は中園にある様々な脇道や橋を歩く。 様々な角度から拙政園の中園を楽しむ。 この考え方に沿って、順を追って、説明します。 ここから先、拙政園のパーツの一つひとつを紹介します。これを読んでいただければ、拙政園の素晴らしさをきっと理解していただけるものと思います。 | 
| このページの続きは、拙政園〔2〕(中園:遠香堂~枇杷園、北寺塔借景)へ | 
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