バーンカニタは老舗の高級タイ料理レストラン |
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バーンカニタはタイ北部料理を得意とする老舗のタイ料理レストランです。タイ北部料理を得意としていますが、もちろん、トムヤムクンをはじめとする著名なタイ料理を含め、幅広いメニューを誇っています。 バーンカニタの店舗は2016年3月現在4店舗で、 私が何度か行ったのは、このうち最も古くから営業しているアソークの店(スクンビットソイ23)です。上の写真の通り、閑静な住宅街にある広い敷地を有するレストランです。 |
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BTSアソーク駅(地下鉄スクンビット駅)から歩いて6〜7分で、ソイ23をただひたすら歩いていくと大きな看板があるのですぐに分かると思います。店の外装や敷地内の雰囲気はさすがに老舗高級店の風格を感じさせます。 |
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ドアを開けて中に入れば、アンティークな置物が置いてあったりしてこれまた日本人好みの内装です。バンコク観光が初めてとか二回目とかの方なら、こんな店構えだけでも満足してしまうに違いありません。 実際にこのレストランは既に日本語のウェブでも有名です。私は15年くらい前に当時バンコクに住んでいた友人に連れて行かれたのが初めてで、その友人の話によれば、 彼のような駐在員からするとこのバーンカニタは、日本からの出張者や観光者をタイ料理レストランに連れて行く時によく利用しているとのことです。内外装は日本人好みですし、味が外国人向けにアレンジされていて食べやすいので、安心して連れていける店なのです。 |
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それは別の言い方をすれば、タイ料理らしい刺激的な辛さを求める私のような者には物足りない味なのです。 そういったこともあって、私は3回ほどバーンカニタに来ていたものの、ここ10年間はすっかりご無沙汰していました。たまたま今回はバーンカニタから歩いて3分くらいのところにあるホテルに宿泊したので、辛さ対策も練って10年ぶりの訪問を果たしたわけです。 2時半くらいの訪問でしたので、この時間、席には余裕がありました。このレストランは屋外の席もあり、混んでいたら外で食べようと思ったのですがその必要はありませんでした。ただ超人気店ですから、私のようにピーク時間を外すとか、事前に予約するとかして訪問すると良いと思います。 なお、客層は昔から外国人が多いです。この日はお客さんは全員外国人のようでした。日本人も二組いました。価格も高めに設定されていますから、バンコクのレストランを熟知しているタイ人同士で来るのは、記念日的な時だけなのです。 |
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バーンカニタへの地図です。最寄駅はアソーク駅です。近くにはワナカームやプアンゲーオといったレストランもありますので、目的によって使い分けたら良いと思います。 |
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視覚的にも味覚的にも日本人好みの味 |
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今回も例によって一人旅ですから、こうした高級店で注文するときは本当に頭を悩ませてしまいます。いろいろ試したいのですけれども、食べきれずにたくさん余ってしまうのも困りものです。特にスープなどは小サイズで注文しても余ってしまいますから二の足を踏んでしまうのです。 そこで、飲み物は中国茶(ジャスミンティー)にしました。ビールなど飲むとお腹がそれだけで一杯になってしまうからです。そして料理の注文は二品です。おいおい紹介しますが、辛さ対策として「スパイシー&スパイシー」にしてくれと注文時に好みを言っておきました。過去に何も注文をつけずに食べたり、スパイシーにしてくれと言ったりタイ人向けの味付けにしてくれと言ったりしても全然辛くなかった経験から、とにかく外国人向けになっている味付けを何とかしたいのです。 案の定この日も「ノースパイシーにするか」とウェイターに聞かれました。恐らくここに来る客層の殆どがスパイシーな味付けを苦手としているからなのでしょう。いつもこの質問で騙されてきたのです。すなわち、普通の味にすれば辛いのかと勘違いしてしまうのです。そこで今回は、「スパイシー&スパイシー」にしてくれと注文したわけです。 |
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中国茶と一緒に、お店(バーンカニタ)からのサービスということで、タイ北部の前菜が運ばれてきました。この料理は、下に載せている1998年の記録でも出てきますが、チャプルーというタイ北部で栽培される辛い葉に、ピーナッツ、生姜、ライム、干し海老、干し魚、唐辛子、生姜、ライム、チーズやピーナツなどを乗せ、特製のタレをかけて、食べる料理です。 |
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タイ料理の美味しさは甘味、酸味と辛味が同時に味わえる味付けにあって、料理によって、あるいは地域によって、辛さや酸味が強かったりします。この料理は、甘味、酸味と辛味のバランスを、自分の好みに合わせて調整できるのです。このチャプルーの葉は若干辛さがあって、そこに私の場合は唐辛子を多めに入れたりするものですから、結構辛さが強まってしまいます。 |
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上の写真ではタレを多めにかけてみました。そして、チャプルの葉でくるっと巻いて食べます。 この料理はバンコク周辺や日本では食べられない料理ですから、サービスで付かない場合には注文してでも食べるべき料理です。私もここバーンカニタ以外では食べたこともお目にかかったこともありません。前回はビールのつまみとして食べたのですが、お茶にも合う味です。一人一つずつ食べるのが基本だと聞いたことがありますから、私のようにチャプルー4枚分食べてしまったのはちょっと邪道かもしれません。でも、そのくらい美味しかったのです。 |
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ヤムヌア(ビーフのスパイシーサラダ)は絶品 |
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そして、一品目が運ばれてきました。ヤムヌア(牛肉ステーキのスパイシーサラダ) ブドウ乗せです。ヤムヌアは牛肉ステーキを小さく切ってからヤム(ナンプラーと唐辛子とマナオ(ライム))で和えるもので、サラダの一種に区分されています。ヤムの味はすっぱ辛いもので、和えるものによって出来上がりの辛さが異なります。ヤムヌアはヤム料理の中でも辛さが強い料理です。そうした本来スパイシーな料理であるヤムヌアの辛さを緩和するため、ブドウを乗せています。 また、牛肉の下にキャベツが見えますが、これはヤムの味付けのためのソースに牛肉が浸からないようにしている工夫です。長い時間ヤムのたれに浸かると牛肉が辛くなってしまうからでしょう。こういったところにも外国人向けタイ料理レストランであるバーンカニタの工夫が感じられます。(正直言って私には迷惑な工夫です。) |
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でも、どうですかこの牛肉、美味しそうに焼けていますね。バーンカニタの料理は丁寧です。辛さ対策として「スパイシー&スパイシー」にしても、辛さは一般的なタイ料理レストランよりまろやかです。ただ、許容範囲の味付けではありました。そして、ブドウと一緒に食べると確かに辛さと酸っぱさや甘さが同時に感じられてタイ料理らしい複雑な味付けになります。 |
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二品目はエビ入りグリーンカレーにしました。 実は以前にバーンカニタでトムヤムクンを食べたことがあるのですが、大きなエビが入っていて豪華なものでした。(だけど、普通のトムヤムクンに比較すると酸っぱさばかりが目立ち、辛さがほとんど感じられませんでした。)そこで、その大きなエビが入っているであろうエビ入りグリーンカレーを注文したわけです。期待通り、立派なエビが二尾入っていました。もちろん、「スパイシー&スパイシー」と言い足すのを忘れませんでした。 |
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エビです。大きいですね。 他の一般的なレストランで食べるエビの一回りどころか二倍・三倍の大きさです。グリーンカレーの味付けも他の一般的なタイレストラン並みの辛さに仕上がっています。エビも美味しくカレーも美味しい、この注文は大正解でした。 |
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上の写真は食べかけのところで見苦しいのですが、よく見ていただくと分かる通り、このエビにはエビ味噌がたっぷり入っているのです。このエビ味噌をしっかりエビから取って、これをカレーに絡めながら食べると至福の味になるのです。美味しいです。白いご飯をおかわりしてしまいました。 |
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すっかりお腹いっぱいになった私ですが、デザートも注文してみました。タイの屋台などでよく見られるバナナのデザートです。タイの屋台ですと焼バナナをよく見かけますが、バーンカニタは煮たバナナをココナッツミルク入りの甘いシロップに漬けたデザートです。 バナナ自体がもともと甘いので、かなり甘いデザートになってしまいます。でも、辛いタイ料理を食べた後にこうしたデザートを食べると口の中がほっとするわけです。これはおすすめできるデザートです。 |
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久しぶりに来たバーンカニタですが、印象としては外国人向けの高級タイ料理レストランそのものです。本場のタイ料理を食べたい方は別のレストランを選択した方が良いと思います。ただ、雰囲気やサービスのレベルが高い店ですから、そうした総合的な評価で言えば、料理注文時に 「スパイシー&スパイシー」という好みを伝えることによって、洗練された本場の味を楽しむことができます。 今回の訪問(2016年2月)ではデザートを含め三品と中国茶の注文で約1,000バーツですから価格は他のレストランよりくっと高くなります。が、これだけの環境とサービス水準はタイ旅行の良い思い出にもなるので、観光客の方にはおすすめできるレストランだと思います。 同じような環境やサービスレベルが提供できるレストランに、スコータイホテルのセラドンがあります。セラドンは外国人向けのレストランではあるものの容赦のない辛さを味わえる数少ない高級レストランです。一緒に召し上がる方の辛さに対する対応力に応じて、バーンカニタと使い分けると良いと思います。 |
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三人で食事、ホーモック・タレーは最高 |
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2016年5月の記録です。この日は私がバンコクに遊びに来ているときに、たまたま初めてバンコク旅行に来た年配の夫婦の方もバンコクにいることが分かったものですから、急に夕食を一緒に食べようということになりました。初めてのバンコクの方ですから辛いタイ料理は避けて、日本人には無難な店ということで、バーンカニタを予約しました。バーンカニタですと、雰囲気や素材の良さは間違いないですから、こうしたシチュエーションでは安心して利用することができるのです。 まず、例によってチェンマイ風の前菜がサービスとして出てきます。 |
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最近バーンカニタに来るとspicy & spicy に調理してもらうように注文時に念を押す私ですが、この日は普通の日本人の方とご一緒ですから、バーンカニタの標準的な味付けで食べることにしました。 まず、すっぱ辛いサラダのヤム料理で、ヤムポメロです。柑橘系のポメロの入ったヤムでもともと辛さはあまりない料理です。バーンカニタのヤムポメロもポメロの甘さが強調されて、全体的に甘い味付けでした。まあ、初めてのタイ旅行の方には食べやすいヤム料理だったのではないでしょうか。 |
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ソムタムは、様々なシーフードの入ったソムタムタレーにしました。シーフードがたくさん入っていて豪華なのですが、ソムタム本来の辛さが弱いので、ヤムポメロと続けて出てくると、ちょっと味の変化に乏しいですね。これは普通のソムタムにして、スパイシーに作ってもらえば良かったと思いました。 |
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ホーモックタレーです。ホーモックタレーのことを私はシーフードのレッドカレー風味茶わん蒸しなどと名付けています。他の店で出てくるホーモックタレーは茶碗蒸しという表現が当たってないでもないのです。ところが、さすがはバーンカニタです。ホーモックタレーもこんなにお洒落に盛り付けられてしまいます。 |
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外観だけではわかりづらいですから、さらに取り分けたところも写真に撮りました。他のレストランでは考えられないような大き目サイズのシーフードが中に入っています。これがレッドカレーで味付けされていて大変美味しいのです。もちろんバーンカニタですから辛さは控えめで、日本人には食べやすい料理です。この日食べた料理の中では、このホーモックタレーが最も評判が良かったようです。とにかく今日はスパイシーさを控えた料理にしていますから私にとっては少し物足りないのですが、その私でもこのホーモックタレーは大変美味しいと思いました。 |
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そして、コームーヤーン、豚の喉肉(トントロ)の炭火焼きです。タイイサーン(東北地方)の屋台料理ですが、ここバーンカニタでは大変お上品に出てきます。肉質も良いですし、器もセラドン焼の上質なものです。 |
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美味しそうに焼けていますね。柔らかくてとても美味しい肉です。一つ苦言を呈させていただければ、タレが全然辛くない。これではコームーヤーンらしくない味になってしまいます。せっかくの美味しいトントロなのに惜しいなあと思います。違うメンバーと来ていれば、間違いなくたれを辛くするように注文を出したと思います。 |
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そして、カオ・パッ・クン(エビチャーハン)です。今回ご一緒したお二人は4日間のバンコク旅行の最終日で、まだ一度も海老炒飯を食べていなかったというので、メニューに入れました。ブリックナンプラーをたっぷりかけて、私好みの味にして食べます。バーンカニタのような高級店でカオパックンのようなどこで食べてもそれなりに食べられる料理を食べるのはもったいないような気もしていたのですが、具が良い分、確かに美味しいカオパックンです。全員が、何度もおかわりしてしまう美味しさでした。 |
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デザートは、焼きバナナにアイスクリーム乗せにしてみました。焼きバナナが入っているとタイらしいですからね。焼きたて 今日の夕食は初めてバンコク旅行に来られた方のおもてなしです。大変満足していただいたようですので、私としても満足です。日本人が安心して食べられるレストラン、来てよかったと決して後悔させないレストラン、それがバーンカニタです。スパイシーな味がお好みの場合は、料理注文時に「スパイシー&スパイシー」という好みを伝えることを決して忘れないようにしましょう。 参考までに、下に1998年の記録もつけておきます。この時が私のバーンカニタへの最初の訪問で、がっかりした話になっています。 |
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1998年の記録 |
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今回の旅では、比較的高級店志向で食事をしています。 となると、紹介しなければならないのは、ここバーンカニタ。高級タイ北部料理の店です。スクンヴィットのソイ23にあります。閑静な住宅街に大きくて瀟洒な建物がありますので、そこがバーンカニタです。夕方7時頃に行きましたが、殆ど空席がない状態でした。客層は欧米人と日本人が殆どだったと思います。 私たちは短パンにTシャツという屋台向けの服を着てましたが、他のお客さんはネクタイを締めていたり、カジュアルな服でも襟付きの服を着ていたりで、少なくとも短パンで来ている人は皆無の状態です。 うーん。落ち着かないなあ。ちょっと私にはお洒落すぎる。 で、最初に出てきたのが、つまみセットで、まさにビールのつまみです。食器とか盛り付けとか、見るからに高級店ですね。若干カントーク風の器が雰囲気を出しています。 |
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こういう高級店はあまり来ないもので、メニューと実際に出てくる料理との間にどうしてもギャップが出てしまいます。 写真の料理はナムプリック・オーンといいます。ナムプリックというのは、辛みそみたいなものでタイ料理にはかかせません。いつも食べているような店では、もっと気さくに野菜が盛られていて、いかにも酒のつまみになりそうな料理なんです。日本で言えば谷中生姜やエシャレットのノリに近い雰囲気で食べられる料理なのです。が、こうやってドーンと立派に出されるとちょっと戸惑ってしまいますね。 お味は、さすがに野菜はいい野菜を使っています。ナムプリックの味としては、ちょっと上品すぎるかなという感じです。 |
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これも美しすぎる盛り付けですね。私の大好きなラープ・ムーです。 私のおすすめの店、ラープランスアンとかと比べてみてください。まるで別の料理のようです。(ラープランスアンは閉店しました。) で、問題は味付けです。 それが、思わず「うーん」と首を傾げたくなる味なんです。何と言っても辛さが足りない。これでは外人に媚びた味付けだと言われても仕様がないですね。見た目は綺麗だし、お店は清潔だし、サービスレベルも高いので、値段はそれなりにしますから、どうしてもお客さんは外人さんになりますよね。味付けも、お客さんに合わせてしまっているという感じです。 私好みの味ではないですね。 |
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続いて私の大好きなコームーヤーン、豚ののど肉のバーベキューです。 これも、上品に来ましたね。 私のおすすめの店、シーファーとかソンポシャーナとは違う料理にも見えます。でも、確かにソンポシャーナに比べると、バーンカニタの方がずっと美味しそうに見えます。 で、問題の味付けです。 確かに、これは美味しいです。肉も柔らかいし、タレも複雑な味です。この料理はみんなであっという間に食べてしまいました。このコームーヤーンだけは合格でしたね。 |
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今日の仕上げは、野菜のレッドカレーです。 ご飯を沢山もらって食べました。もう、ここまで来ると、この店の味付けというのが大体分かっていましたから、このカレーの辛さが押さえられているからといって、そんなに失望感はなかったですね。まあ、考えようによっては、タイのスパイスがふんだんに使われているけど、マイルドなカレーだということで、期待していた味ではないけども予想していた味でした。 全員がご飯を思いっきりお代わりしたことからしても、まあまあのカレーだったということができるでしょう。バーンカニタは、グループ店でカリーズ&モアという店を持っていますが、このレストランのカレーは美味しかったです。(カリーズ&モアは閉店しました。) 人間、普段食べ慣れないものを食べちゃ駄目ですね。せっかくの高級店なのに、どうも居心地が悪かったのか、高い評価ができないですね。 でも、この店、流行ってますし、日本人の駐在員もよく利用している店だそうです。そうした意味では、日本人の舌には合う店なのではないでしょうか。あまり私の舌を信じない方が良いと思います。 私にとっては、二度と足を運ぶことのないレストランだと思います。 |
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