伝説のシェフ、タムさんは自分の店、バーン・タムに移動しました |
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サイフォンのシェフとして、サイフォンを一気に人気のレストランにした伝説のシェフ、タムさんが2016年に自分の店を新大久保に開きました。 このページをご覧の方でタムさんの料理を食べたいと思っている方は、すぐ下の画像リンクをクリックしてください。現在のサイフォンはタムさんではない人がシェフです。そのシェフも美味しい料理を作るかもしれませんが、タムさんの料理が食べたいなら、バーン・タムに行きましょう。 |
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バーン・タムの記事はこちらです。 下の地図はサイフォンの地図です。 |
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「今(2015年11月)東京のタイ料理レストランでどこが一番おすすめですか」と聞かれたら、私は迷わず小岩のサイフォンの名前を挙げます。サイフォンが小岩に店を移したのは2015年ですが、以来、シェフはタイ料理の鉄人として知る人ぞ知るタムさんです。このタムさんは、かつては小岩のいなかむらでシェフをしていましたし、その後金町のサイフォンでシェフも務めていました。時々タイに帰ってしまうし、店も転々と移ってしまうので、いつまで小岩のサイフォンにいてくれるかは分かりませんが、とにかく彼のタイ料理は絶品の味なのです。小岩駅からサイフォンへの行き方については上の地図を参照してください。 このページではタムさんのタイ料理をいただくときに、どんな料理を注文したら良いかということを主たるテーマに、私が小岩のサイフォンで食べた数々のタイ料理を紹介していきます。 |
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タイ風のサラダを選びましょう |
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タイ料理を美味しく食べるためには、料理の組み合わせを考えることです。まず第一に、サラダ系の料理を注文します。サラダ系のタイ料理というと、ヤム系のメニューが頭に浮かびます。ヤム・ウンセン(春雨サラダ)とかヤム・ヌア(牛肉サラダ)などが代表的ですが、「ヤム」とは「混ぜ合わせる」という意味で、唐辛子やマナオ(ライムの一種)などの調味料を加えて混ぜるため、辛くて酸っぱい味になります。 上の写真はヤム・タクライというレモングラスのサラダで、レモングラスを薄切りにしてヤムにしたものです。タムさんの作るヤム・タクライは香辛料がかなり効いていて刺激的です。 これは、他の料理にも言えることですが、タイ料理を食べ慣れない人にとっては、現地の辛さはつらいかもしれませんし、また、パクチーがふんだんに使われる料理は口に合わないかもしれません。注文時にそうした好みを伝えておけばそれなりに作ってくれます。ただ、タムさんからしてみると、本場のタイ料理を愛してくれる人が好きなので、日本人向けにアレンジしたタイ料理を食べたいのなら、別のレストランに行ってもらった方が良いかもしれません。 |
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ヤム料理の中でもう一つおすすめは、ヤム・プラームック(イカのスパイシーサラダ)です。ヤム系のサラダですから、刺激的な辛さになるのは当然です。 タイはイカが豊富に採れるので、イカ料理のというは大変一般的ですし庶民的な料理です。イカと野菜を香辛料とともに混ぜ合わせるヤム・プラームックは、私がタイでもよく食べているサラダです。タムさんのヤム・プラームックはまさに本場の味です。ちょっと辛いなと思ったら、ビールなど水分を取るのではなく、添えてある生野菜を食べて辛さを中和してください。水分を取るより効果があります。 |
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アップして見ると、唐辛子やニンニク、その他の香辛料がいろいろ使われていることが分かります。ですから辛いのです。でも、この辛さが食欲を掻き立てるわけで、この後に紹介するソムタムやラーブ系のサラダも同じような食欲増進効果があると私は考えています。食前酒と同じようなものです。 |
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続いて、これもタイ料理の定番、ソムタムプー(蟹入りソムタム)です。ソムタムは青パパイヤのサラダと言われていますが、青パパイヤに干しエビやトマトなどを加え、ニンニク、ナンプラーやライムで味付けしているサラダで、すり鉢でコンコンコンと良い音を立てながらたたいて作る姿は、タイを旅行した人なら屋台などで一度ならず見ているはずです。 正直言って、このソムタムも本来はかなりスパイシーですので、ここサイフォンで食べる場合には十分に覚悟をしてください。 |
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ソムタムは代表的なイサーン料理で、その種類はかなりあるようです。日本で食べられるのは、上の写真のように蟹入りのソムタム・プー、蟹が入っていないソムタム・タイ、塩漬けした卵の入っているソムタム・カイケムあたりでしょうか。他にも、コームーヤーン(豚ののど肉のバーベキュー)入りですとか、イカやエビなどのシーフードを入れたソムタム・タレーなどがありますが、タムさんのことですから材料さえあれば作ってくれるはずです。そういえば、私はいつもソムタム・プーかソムタム・タイを食べています。 |
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スパイシーなサラダには、他にラーブがあります。ラーブ・ムー(豚のひき肉のスパイシーサラダヤム)やラープ・ガイ(鶏ひき肉のスパイシーサラダ)が代表的で、これらもおすすめなのですが、良い写真がないので割愛します。 一方、スパイシーでないサラダということでは、ヤムの料理で、ヤムプラードックフーがあります。これは、ナマズを細かくして揚げたものを青マンゴーのヤムと一緒に食べる料理です。上の写真で手前にヤムがあって、奥にナマズのふわふわ揚げがあります。まさにふわふわに揚がっていますので、へたに取ると簡単に崩れてしまうのでご注意ください。 |
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タレを上からかけてしまうと上のようになります。ヤム料理ですからサラダのコーナーで紹介していますが、個人的には実はサラダという感じではありません。このタレが白身で上品な味のナマズによく合って、酸っぱくて甘い味わいになります。その酸っぱさがビールに合います。 |
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同じような料理にヤムパックブーントードクローブがあります。これはタイでポピュラーな野菜の一つである空心菜を揚げて、これをヤムのタレと一緒に食べるものです。こちらのたれにはエビ、イカや野菜が入っていて、味付けは甘酸っぱいものです。 |
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ヤムパックブーントードクローブ、日本語だと「空心菜のカリカリ揚げのヤムサラダ」とでも言うのでしょうか。この料理にしてもヤムプラードックフーにしても、日本のタイ料理レストランではあまり一般的ではありません。タムさんが作るこれらの甘酸っぱいヤム料理は絶品の味で、日本人の舌には合うと思います。 |
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肉料理はこれがおすすめ |
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では肉料理に入ります。 最初に紹介するのは、コームーヤーンです。豚ののど肉のバーベキューで特製のタレを付けて食べます。タレは辛めのソースです。タムさんの作るコームーヤーンはいつも焼き具合が良いので、私は毎回のように注文しています。ひどいレストランで食べると固くて美味しくもなんともない料理になってしまうのですが、サイフォンのコームーヤーンはぜひ試してみてください。 |
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思わずコームーヤーンをアップで撮影です。 絶妙の焼け具合が分かるでしょうか。これ以上焼いたら固くなってしまいます。できるだけ焼きたてのうちに召し上がってください。美味しいですよ。 |
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タイの肉料理というと必ず紹介されるガイヤーン(タイの焼き鳥)も、もちろんサイフォンのメニューにあります。人数が多いなら、豚肉(コームーヤーン)と鶏肉(ガイヤーン)の両方を注文したら良いですし、人数が少ないのなら同じバーベキューの類ですからどちらかを注文するようにしたら良いと思います。 |
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タイで食べる鶏肉料理は当然ながらタイの鶏肉です。私はタイの鶏肉は結構おいしいと思います。一方で牛肉は地元の牛肉ですと、恐らく水牛の肉ではないかと思っていますが、固い場合が多いです。その点、鶏肉は美味しくて安い肉ですから、私はタイの鶏肉料理が大好きです。 例えば、後ほど紹介するカオマンガイ(蒸した鶏肉ごはん)ですとか、スープのトムヤム・ガイですとか、ひき肉サラダのラーブ・ガイですとか、鶏肉を使った料理で私が好きな料理はいろいろあるわけです。したがって、その日のメニューを組み立てる時に鶏肉料理がいくつかある時にはガイヤーンの注文は見送って、コームーヤーンを選択することになります。 |
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そして、牛肉です。タムさんのタイ料理で牛肉のおすすめは、写真の牛ステーキグリーンソースがけです。私がタイのパタヤビーチに行くと必ずと言って良いほど行くステーキ専門店があるのですが、実はそこで食べたステーキに匹敵するステーキは、日本ではタムさん以外の調理人から食べさせてもらったことがありません。私の少ない経験ではありますが、タイカレー風味の美味しいステーキは、ここサイフォン以外では食べたことがないのです。 |
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食べやすいようにステーキを小さく切って出してくれます。ご飯も欲しくなりますが、ビールやメコンウイスキーにも合うのです。 タムさんのタイ料理を食べる時は、牛肉に関してはステーキで行くか、ヤム・ヌア(牛ステーキのスパイシーサラダ)で決まりです。ヤム・ヌアもステーキにしたビーフを小さく切りヤム料理にするわけで、牛肉の調理法は同じようなものです。このヤム・ヌアもおすすめです。 |
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シーフードはタムさんの得意料理 |
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シーフードになると、タムさんのメニューは実に多彩です。皆さんにはいろいろな料理に挑戦してもらいたいのですが、まず紹介するのは、タイ料理の定番、プーパッポンカリー(蟹の卵炒め)です。これは同じカレー料理でも玉子で炒めますので辛くない料理です。これに関しては美味しくないわけではないですが、タムさんの個性があまり感じられない料理なので、実は私はあまり注文していません。 |
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私の一押しはオースワン(牡蠣の卵とじ)です。鉄板で出てくることが多い料理で、小岩のいなかむら時代は鉄板で出ていました。鉄板で出した方が本場らしくていいのになとは思います。この料理を食べるといつも感じるのは、タムさんの絶妙の火加減とトロトロ感です。味付けはタイ料理というよりも、むしろ中華料理をタイの調味料で作ったような感じです。タイには華僑の人が多く、しかもその華僑の出身地としては潮州の人が多いと聞きます。潮州料理という広東料理の一分野の料理に近いのです。 |
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上の写真で見るとトロトロ感が分かるでしょうか。もともと私自身が牡蠣好きだということもありますし、中華料理が好きだということもあるのですが、このオースワンは私としてはまさにイチオシの料理です。 |
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次に紹介するのはホーモックタレー(シーフードのカレー味蒸し)です。今回はココナッツに入れて出してくれました。タイのカレーにはココナッツミルクが入っていますから、そんな意味もあって、タイでこの料理を注文した時も、お洒落なレストランではココナッツに入れて出てきます。 |
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ココナッツに入りきらなかったと言ってお皿にも盛ってくれました。良心的ですね。イカ、ホタテやエビの姿が見えます。このようにシーフードをレッドカレーで味付けして蒸したものがホーモックタレーです。レッドカレーですから辛さはほどほどで、辛い料理が苦手な方でも美味しく召し上がることができます。 |
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魚料理にしましょう。プラーニン・トート・サムンプライ(イズミ鯛のハーブ揚げ)です。タイでは魚をカリカリに揚げた料理が多いですね。プラーニンという魚の上にカリカリに揚げたレモングラスが乗って、そのレモングラスと一緒に魚を食べると一段と美味しい料理です。見た目にも派手なので、私の好きな料理です。 なお、ここで使われるプラーニンという魚は、今から約50年前、天皇陛下がまだ皇太子だった時代に、タイの食糧事情が良くなかったためタイのプミポン国王にティラピアを50匹寄贈したそうですが、その後養殖も行われ、今ではタイでは広く食べられています。そのティラピアは天皇陛下の名前から一文字取ってタイ語でプラーニン(仁魚)と名付けられたそうです。 |
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こちらは鯛を蒸した料理でマナオとナンプラーで味付けがなされています。タイで魚を食べる時は、一つ上のカリカリ揚げかこの蒸し料理ということになります。私としては、カリカリ揚げをおすすめします。 |
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そして、上の写真はクンチェナンプラーです。日本語ではタイ式エビの刺身という人もいますし、エビのタイ式マリネなどという人もいます。私としてはもう少し正確に表現して、エビのタイ式刺身ナンプラー味と呼びたいです。 |
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拡大すると分かりますように、生のエビ(エビの刺身)に唐辛子やニンニクなどを入れたナンプラーをかけています。タイの料理というのは刺身でもこのようにタレの味にこだわって作っているのが分かります。味付けとしては激辛というよりもニンニクの味が利いています。 こうしてタイ風に食べるのが美味いのか、日本のようにわさび醤油で食べるのが美味いのかという不毛な議論は置いておいて、タイ料理レストランなのですからタイらしく食べたら良いのです。とにかく、見た目に華やかな盛り付けですから、この料理を出すと連れてきた人たちがワーッと騒ぐ名物料理です。 |
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スープとご飯 |
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タムさんの作るスープはいくつか試していますが、最近私が注文するのはすっかり上の写真のガオラオ(豚の内臓と野菜のスープ)ばかりになってしまいました。これ、美味しいのです。癖になる味なのです。ガオラオには豚の血を固めたものを入れる場合も少なくありませんが、タムさんの作るガオラオには豚の血を固めたものは入っていません。でも、具だくさんで豚の内臓はいろいろ入っています。 |
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タムさんの作るガオラオの味というのは、豚の出汁がよく出ていて、胡椒が結構利いています。調味料として何を入れているのか、私にはにはよく分かりませんが、滋養強壮に効きそうな匂いと香りです。 タイのスープと言えば、トムヤムクンとかの名前がすぐに思い浮かぶのですが、サイフォンに来たら、頭をちょっと切り替えて、このガオラオに挑戦してもらいたいと思います。 |
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タイのご飯の話をします。他の店だとカオ・パッ・クン(エビ炒飯)を注文することの多い私ではありますが、とにかく得意料理の広いタムさんの場合には、カオ・パックンでは満足できません。 上の写真はカオマンガイ(タイ式チキンライス)です。はっきり言ってこれは美味いです。タイに行くとバンコクではピンクのカオマンガイ、チェンマイではキアット・オーチャー、そして、東京ではピンクのカオマンガイ(渋谷店)や東京カオマンガイに入り浸り、パタヤでもカオマンガイ、ラオス国境のチェンコーンでもカオマンガイとカオマンガイ三昧の私でも、このタムさんのカオマンガイに勝るものは食べていません。 確かに美味しい。鶏肉のふっくら感、ジューシーさがたまらなく良いのです。だけど、カオマンガイっていうのはB級グルメだから、それまで本格的なタイ料理を食べた後にドーンと出てきても感動がちょっと薄いのです。本格グルメの跡にちょこっとご飯としてはふさわしくない感じがするのです。カオマンガイを食べるなら、朝食とか、昼飯とか、夜食とか、専らカオマンガイを目的に食べるほうがシチュエーション的にはあっていると思うのです。 |
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そういったシチュエーションから考えて、タムさんのタイ料理を次々と食べた後にはふさわしくないなあと思うのが、上の写真のガパオライスです。ガパオの味は悪くないけど、みんなでシェアして食べるにはふさわしくないなあという感じなのです。 |
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それではタムさんのタイ料理で、コースの締めには何がおすすめかというと、カオソーイなのです。タムさんは人数に合わせて、一人茶碗に一〜二杯分くらいの量のカオソーイを作ってくれます。これを取り分けて食べるのです。上は5人で来た時でしたか、量的には2〜3人前の麺の量だと思います。カオソーイの場合には、スープの中に中華麺が入っていて上に揚げ麺が乗るのですが、それがこれだけの量で来ると、迫力あるカオソーイになって、食欲を増進させてくれるのです。 |
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上の写真は、以前にタムさんが小岩のいなかむらにいた頃、食べたものでこの時はもっと多い人数できました。鍋の間口が広い分、こちらの方がビジュアル的には好きです。 そして、肝心のカオソーイの味ですが、これは万人受けする日本人なら誰もが食べられるカレーラーメンです。カオソーイが出てくるころには、もう完全にお腹いっぱいになってしまうのですが、それでも完食してしまう味です。スープが美味しいのでスープまで飲み干してしまうのは言うまでもないことです。 以上のように、小岩のサイフォン、私が東京で最もおすすめしたいタイ料理レストランの楽しみ方を紹介してきました。美味しい量はみんなに食べてもらいたいものです。タムさんも日本でのタイ料理のファンが一人でも増えるように、毎日腕を振るっています。ぜひ、みなさんも一度小岩のサイフォンに行ってみましょう。 タムさんは、東京・新大久保にバーン・タムを開店させました。バーン・タムの詳細記事はこちらです。 |
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