陸羽茶室で飲茶-飲茶の名門 |
香港で飲茶と言えば、まず,最初に名前を挙げられるのが、中環(セントラル)の陸羽茶室でしょう。香港最古で、茶室という名前からも分かるように、もともとお茶を飲む場所です。香港はいまさら言うまでもなく、かつてはイギリスの植民地でした。イギリスにはアフタヌーンティーを楽しむ習慣がありますが、香港の飲茶というのはこれとは別のルーツがあります。中国の茶というのはピンからキリまであって、茶室や茶楼には高級なお茶が備えられていて、広東ビジネスマンが商談に利用していたものです。19世紀くらいからのビジネス習慣だと言われています。 高級ビジネスマンや金持ちたちが高級茶を飲みに集った場所、それが茶楼・茶室であり、陸羽茶室はそうした時代の名残なのです。 |
最高級と言われるこの店は、香港島中環の士丹利街(Stanley St.)にあります。士丹利街は皇后大道の一つ山側の道で、B級グルメ通りであるウェリントン街と皇后大道の間の道と言うことになります。 写真は士丹利街です。陸羽茶室の看板が見えますね。 |
陸羽茶室の建物前です。遠くから見ると分からないのですが、入口の装飾や二階・三階のバルコニーなどを見ると、コロニアルな雰囲気が漂います。香港で最も格調の高い茶室として、植民地の時代から歴史を重ねてきただけのことはあります。 |
陸羽茶室の玄関です。さすがに、風格を感じさせますね。さらに、インド人のドアボーイ。入口にドアボーイのインド人がいるのも陸羽茶室の特長です。 私が初めてこの店に来たのは1992年ですが、そのときもインド人のドアボーイがいました。旧英国植民地のオールド香港の名残りがここにあります。当時、私をこの店に連れてきた関西人の人が、「香港に来て陸羽茶室で飲茶をしないと言うのは、大阪に行ってたこ焼きやお好み焼きを食いに行かないようなもんや」などと、分かったような分からないようなことを言っていましたが、なるほど、他の飲茶屋とは一線を画した格調高い店です。 |
一階の様子です。天井にはトンボが回り、ステンドグラスの絵がかかっていたりして、普通の飲茶屋さんとは一線を画していますね。一階と二階とを比較すると、天井が高くてトンボも回っている一階の方が私は好きです。 |
二階はこんな感じです。二階とて雰囲気が悪いわけでは決してありません。席もゆったりしていますし、客層も他の飲茶屋さんとは一線を画していますから、上品に、そしてコロニアルな雰囲気の中で、上質な飲茶の時間を楽しむことができます。だけど、観光客は二階に通されることが多いですね。基本的には常連さんが期待している雰囲気を壊しそうなお客さんを一階には案内しないという方針なのかなと思います。 私は一階の方が好きですし、二階へどうぞと言われたことはありません。ということで、最近は殆ど二階には行きません。こういう風に一見の客は差別されてしまうのが、陸羽茶室の悪いところなのですが、そうでないと常連客から苦情が出かねないということも背景として理解してあげる必要があります。 |
もう一つ、一見の観光客には食器を洗うボールが出てきません。私にも以前は出なかったのですが、最近は顔を覚えられたのか、私を日本人と知りつつも私には食器を洗うボールが出てきます。毎回行くたびに若干でも多くチップも渡しているということも覚えてもらえている理由の一つかもしれません。 飲茶の伝統からすれば食器を洗わないで飲茶を始めるのは邪道です。飲茶の作法を知っている客にはボールを出す。どうせ作法など知らない観光客にはボールを出さない。そんなところにも陸羽茶室ならではの伝統を感じさせます。 |
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私が陸羽茶室に行くのは早朝です。7時半よりも前に行ったこともありますが、確か、朝は7時からあいているはずです。 ご覧の通り、食器も綺麗です。私が行き始めてから28年間、変わっていないと思います。他の飲茶屋と同様に、ここでも店に入るとお茶の銘柄を聞かれますから、飲みたいお茶の銘柄を言ってください。いつもの通り、私は普洱(ポーレー=プーアー)茶を注文しましたが、さすがにここ陸羽茶室のお茶は違いますね。おいしいです。 |
陸羽茶室の飲茶は、朝から夕方6時までできます。朝9時頃までは、売り子が点心を肩から数種類さげて売り歩きます。ワゴン式よりもコストのかかる販売形態です。しかし、そこにオールドファッションな飲茶スタイルを見ることができます。(2019年5月に行ったときは、8時ごろ着きましたが、9時少し前までワゴン式でしたが、その後オーダー式になりました。その後何回か行きましたが、土日には売り子を見なくなりました。) 売り子さんは数人いますが、当然ながら広東語で料理名をいいます。ワゴン式では、前に料理名がぶら下がったりしていてどんな点心を打っているのか、名前から大体検討がつけられるのですが、この店では売り子さんが連呼する広東語の料理名だけが頼りです。と言っても、私は広東語は殆どヒヤリング不能ですので、それらしき発音を聞けば、「ムコイ」と言って、点心の中を見せてもらいます。この店は格調が高くて息が詰まるという人もいますが、スタッフは売り子さんを含め、皆さんフレンドリーで、気持ちいいですよ。 |
朝早いと、まだ点心の数が少ないですから、朝の飲茶で点心を楽しみたいなら、9時過ぎに行かれたら良いと思います。但し、朝9時前には売り子による販売は終了しオーダーシート式になります。オールドファッションな飲茶風景を期待するなら、8時半までに来た方が良いでしょう。要はワゴン式の時間は点心の種類が限られているのです。点心を食べることが目的なら9時過ぎに行けば良いし、昔ながらの駅弁売りスタイルを期待するなら8時ごろには行った方が良いということです。 |
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陸羽茶室の点心 |
というわけで、陸羽茶室のオーダーシートを見てみましょう。このオーダーシートも歴史を感じさせるものです。が、よく見ると定期的にメニューが少しずつ変わっています。上から二行目に「新暦3月23日から29日」と書いてあります。土曜日から金曜日までの一週間は同じメニューになります。 |
どのくらい違うのか2月3日から14日のメニューと比較すると、2~3割違う感じです。ですから、ある程度の回数通った人でも一つや二つは食べたことのない点心があるはずです。その一方で、蝦餃(エビ餃子)や猪潤焼売(豚レバー焼売)のような人気点心は、リストから消えるとはあまりないと思います。 |
ということで、鮮蝦餃皇(ハウガウ=エビ餃子)です。焼売、ハウガウといった発音は、さすがに私でも広東語での聞き取りが可能です。連呼する売り子さんに「ムコイ」と言ってハウガウ(エビ焼売)をGETです。 写真のピントがちょっと合ってなくて、美味しく見えないですね。実際は、もっと輝いた薄い皮の中にエビがほんのりと見えていて、見るからに美味しそうなハウガウ(エビ餃子)なんです。 |
気のせいかもしれませんが、陸羽茶室のエビ餃子に入っているエビはプリプリ感が一味違います。弾力性が強いんですね。新鮮さということでは他のレストランでも新鮮なエビを使っているとは思いますが、食感が違うのです。一方で、餃子の皮は若干厚めで透明感に欠けるきらいはあります。陸羽茶室に来たら絶対にこのエビ餃子を食べなければ後悔しますよというほどではないです。他のメニューで食べたい点心があればそちらでも良いのではないでしょうか。 |
もう一つの人気点心であるレバー焼売です。これまでは売り子さんが売りに来た点心を注文して食べていればよかったのですが、これからはオーダー式ですから、自分で選ばないといけません。この日のオーダーシートを見ると、こんなに数少ないメニューの中に焼売が三つもあります。牛肉焼売というのは他の店では牛肉球と呼んでいる点心ですから、これはカウントしていません。 その中からレバー焼売を注文したわけです。この陸羽茶室や鳳城酒家本店のような老舗店のレバー焼売はレバーが大きくすごい迫力です。 |
そこでレバーをずらしてみたら中に焼売がありました。この焼売というのが優れモノで、焼売の中にプリプリのエビが丸ごと入っています。美味しいです。さすがは陸羽茶室です。とは思うものの、HK$48もするのだから当然と言えば当然だという考え方もあります。 レバー焼売というのはいくつかの店で食べたことはありますが、ここまでの迫力あるレバー焼売は初めてです。今後、陸羽茶室に来る機会があれば、ぜひ注文したい点心ではあります。 |
こちらは脯魚蝦焼売(干し魚乗せエビ焼売)です。脯魚とは干し魚を指します。干し魚の下がエビと豚肉の焼売になっていて、食べてみるとエビと魚の香りが口中に広がります。この絶妙な味付けはさすがに陸羽茶室の格の違いを感じさせます。日本で食べる焼売はもちろんのこと、香港のそこいらの点心屋で食べる焼売とは大違いです。 |
焼売には様々な種類があります。上の写真は蟹子のせ焼売です。ありきたりですが、この雰囲気の中で食っていると、やっぱり旨いと確信してしまいます。何か、途方もなく満足感が出ます。 当たり前ではありますが、焼売を食べるからといって、この店では間違っても、醤油とか辛子とかを欲しがらないでください。あくまでも、店が醤油を持ってくれば醤油をつけて食べる。売り子さんが醤油を入れたら、醤油をつけて食べるのです。それが、この店がおすすめする食べ方ですから、それに従うのが美味しさを味わうコツでしょう。しかも、陸羽茶室のようなプライドの高い店では、店のおすすめに従わないと、不機嫌な顔をされてしまいます。フレンドリーでも、店の格調にはこだわりがあるのです。 |
山竹牛肉球です。これ、すごく美味しかったです。他の店の牛肉球よりも臭さがなくて食べやすいですし、何と言ってもその柔らかな食感には素晴らしいものがあります。牛肉球の表面を見ると分かるのですが、ここ陸羽茶室のように凸凹がはっきりしている牛肉球は概して美味しいです。 |
蒸し餃子の定番の一つ、韮と野菜蒸し餃子。透明感のある薄い皮に包まれた餃子は見た目にも美しく、また、見た通りの爽やかな味付けが印象に残ります。安定した美味しさです。 こういった点心を時々つまみながらお茶を飲みます。お茶のポットのお湯が少なくなってきたら、ポットのふたをずらしてスタッフにお湯を追加してもらいます。その際に、お湯がなくなってから追加してもらうのではなく、減ってきたりお茶がぬるくなって来たりしたときにお湯を追加してもらうのが、中国茶を美味しく飲むコツで、そうしたお客さんのふるまいを見て、スタッフもお客さんの品定めをしているように思えます。 ただ、点心をガツガツ食べるだけの客や、美味しい中国茶の飲み方を知らない客には不愛想ですし不親切です。こんなところに、陸羽茶室のスタッフのプライドが見えるような気がします。 |
春巻です。陸羽茶室で最も見ることが多いのはエビ春巻や鶏肉の細切り入り春巻ですが、この日のメニューは牛肉の細切り入り春巻でした。私が牛肉入りを食べたのはこの日が初めてです。 春巻と言えば、香港の点心の中でも最も安い点心ですが、ここ陸羽茶室ではHK$54もします。春巻に関して言えば、エビ春巻きの時はエビのプリプリ感が好きで満足するのですが、牛肉だとちょっと平凡すぎる味ですね。味には好みがあるのでそれ以上は申し上げませんが、人数が多くてメニューにバリュエーションを持たせたいときに注文する点心かなという印象です。 |
続いて粉果です。粉果は、米の粉で作る餃子のようなものです。 |
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お腹にたまる点心、そしてデザート |
私は一人で陸羽茶室に来ることが多いのですが、私が陸羽茶室に来た時は、あまりがつがつと点心を注文することはしません。点心を食べる目的なら、別の店に行きます。むしろ、考えごとに浸りながら、また、iPadなどを見ながら中国茶を楽しみたいときに訪問する店です。 |
再三書いてきたように、陸羽茶室は茶楼ですから点心をガツガツ食べて食べ終わったらさっさと帰るという味気ない場所ではありません。でも、別に点心をあまりたくさん食べてはいけないということではありません。あくまでもお茶を楽しむことを主として点心を食べる分には、どんなにたくさん食べても構いません。特に大勢で来た時などは点心でテーブルが埋まってしまうのも問題ありません。ただ、そんな時であっても誰かが適切なタイミングで中国茶の面倒を見ておくことが肝要なのです。 そんな面倒くさいなら陸羽茶室など行きたくない、と思うなら行かななければ良いのです。陸羽茶室としても、一般の酒楼とは一線を画して、飲茶本来の伝統を守りたい気持ちもありますから、ガイドブックを片手に茶室の雰囲気を壊すような振る舞いをする一見の客には来てもらいたくないのではないでしょうか。 さて、陸羽茶室でお腹いっぱいにするために、お腹にたまる点心も紹介しておきましょう。 まず、チャーシュー饅頭です。ここのチャーシュー饅頭は、本当に旨い。そして、大きい。私は飲茶しているときに、あまりチャーシュー饅頭は食べないのですが、ここ陸羽茶室は別です。本当に美味しいからです。 |
ここ陸羽茶室のチャーシュー饅頭は大きいけれども、食感が本当に軽くてチャーシューが甘くて胃にやさしいのです。中国茶にもよく合います。ここに、チャーシュー饅頭のお手本を見るようです。本当に旨いです。満足です。 |
饅頭系の点心の中で私がおすすめしたいのは滑鶏球大包です。この点心は陸羽茶室の人気点心の一つでもあります。上の写真で分かる通り、蒸籠いっぱいに一つの饅頭がドーンッと入っています。柄の部分を少しちぎって中が見えるようにしたところを写真に撮りました。 |
饅頭の中には大きな鶏肉のボールが入っていて、卵も一緒にくるまれています。これは美味しいですよ。日本人はチャーシュー饅頭はイメージが湧くでしょうけど、鶏肉球饅頭はイメージが湧かないでしょうから、日本人にはあまり知られていない点心かも知れません。これ、最高に美味しいです。 |
一人で食べていると、食べても食べても饅頭が減らない感じになります。数人で食べる場合には上の写真のように大きくちぎってお碗に乗せてから食べると食べやすいです。しつこいですけど、卵が入っているのがミソです。この卵がこの点心の魅力を倍加している気がします。 |
鮮蝦荷葉飯です。蓮の葉に包んだ中国粽については他の店では一般的に蓮葉糯米鶏という名でメニューに並んでいますが、この荷葉飯は蓮葉糯米鶏と同じ系統の点心で、異なるのは鶏肉ではなくエビが入っている点です。この点心の醍醐味の一つは蓮の葉を開いたときに漂う香りにあると私は思っていますが、その時も当然エビの香りがするわけです。 この荷葉飯というのは、中国では西暦600年頃には既に食されていたという伝統的な点心です。西暦600年と言えば日本は大化の改新の前くらいですから歴史ある伝統的な食べ物なのです。で、そのころ食べられていたのはエビを包んだ鮮蝦荷葉飯だったそうですから、これが本家本元の伝統的な味ということになります。鶏肉を包むようになったのはこれより後なのです。 |
鮮蝦荷葉飯です。こうして写真に撮ってしまうと大きさが分からないですが、荷葉飯一つでHK$100します。材料も高いですが大きいのです。鳳城酒家本店で出てくる糯米鶏は蒸籠に一つだけドーンと入っていますが、それに匹敵する大きさです。もちろん、大きいだけでなく美味しいです。エビが入っ |
お腹にたまる点心としては、腸粉もあります。 ただ、腸粉の皮はなめらかなんだけど、ちょっと厚すぎるか |
さて、デザートはメニューの下段に出ています。この中から選びます。この日選択したのはエッグタルトです。点心のデザートとしては定番中の定番です。サクサクしたパイ生地ととろーりとしたプリンが生む絶妙の食感、そして程よい甘さがコロニアルな陸羽茶室の雰囲気にピッタリです。 |
揚州焼餅という選択肢もあります。陸羽茶室でも何回か食べたことがある点心です。陸羽茶室の焼餅は、皮がパリパリしていて私は好きなんです。サクサク感が好きで、若干お腹にたまるし、デザート感もあるという点心です。 |
普洱茶にもよく合うので、少しずつ食べながらゆっくりとお茶を楽しみたいときに注文する点心です。 この日の陸羽は観光客の比率が高くて昔の飲茶風情がありませんでした。香港の食べログ(openrice)での香港人の書き込みを見ても、最近の陸羽茶室には失望したという書き込みが少なくありません。ひょっとすると、最近の陸羽茶室はこの日と同様に観光客比率が高いのかもしれません。 一人で来て新聞を読んでいた人は私の周りでは一人しかいませんでした。他のお客さんはお茶を飲みに来たのではなく、点心を食べに来た人です。点心を食べたらすぐに帰ってしまいます。新聞のじいさんと私しか1時間以上ずっと同じ席に座っている客がいない状況なのです。 もう一度この店の名前を思い出してください。この店は陸羽「茶室」なのです。伝統的な茶室としてのプライドをスタッフも持っているわけです。そうしたことからすれば、点心を食べにくるお客さんは本来の客ではなく、サービスをする対象にならないわけです。 それにしてもお茶代が高くなったなあと思いつつ、揚州焼餅をつまみながら普洱茶を楽しみました。 |
以上、陸羽茶室を紹介してきましたが、陸羽茶室の飲茶の価格は決して安くはありません。点心一つが最低でも最低でもHKS54ですから、一般的な茶楼と比較すると倍以上ですね。特に早茶の時間は、他の店は30%や40%引きするのも一般的ですから、そういう店の早茶と比較すると3倍です。 また、お茶も一人当たりHK$38ですので、これは5倍以上の価格です。まあお茶については、それだけに美味しいお茶ですので文句を言うのはやめましょう。 こうした点心の種類の少なさや価格の高さもありますし、また常連客がどんどん年配になっていってしまうということもあって、正直言うと店内は閑散としています。たまたまかも知れません。 |
一方で、お客さんたちは、見るからに常連という人は少なく、初めて来た観光客みたいな人が殆どです。他に、白人客を連れた香港人というパターンも少なくありません。昔のような陸羽茶室ではなくなってきているという感じがします。変わらないのは、食器とスタッフの気位の高さでしょうか。言葉ができない日本人客や韓国人客などに対しては、徹底的にあしらいます。私はいくらか言葉もできるし飲茶作法もできますから丁寧に扱ってもらえます。遠くから私を見ていて、お茶にお湯が欲しくなった時など合図を何らしなくてもお湯を入れてきてくれたりすることもあります。素晴らしく気が利くのです。が、一見の客にはサービスしないという気位の高さがスタッフにはあります。これは伝統的なもので今に始まったものではありません。 それでも売り子さんがいた時代は、売り子さんとそれなりにコミュニケーションがあったからその気位の高さがあまり気にならなかったのです。観光客の日本人が来たら、さぞ居心地の悪い思いをするだろうなと思います。 |
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管理人から一言(揚州の点心) |
揚州点心というものを聞いたことがありますか? 揚州は江蘇省にある都市で、中国の歴史の舞台にはよく出てくる都市の名前です。いわゆる典型的な玉子炒飯には「揚州炒飯」という名前がつけられていますが、その揚州です。 この揚州には、隋の時代から点心を作り続けている富春茶社という老舗のレストランがあって、今でも高いレベルの点心を食べることができます。最近、この揚州に行き、本場の揚州炒飯を食べるとともに、富春茶社や冶春花園の点心を味わってきました。揚州においても、点心をつまみながらお茶(但し、緑茶です。)を飲むのが朝の習慣で、そのあたりは香港や広州の飲茶の習慣に近いものがあります。むしろ、飲茶の原型を見たような気がしました。 機会があったら皆さんも揚州に行って、揚州の点心を味わってください。私の場合は、期待していた以上の味だったので、大変感動しました。 |