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エビワンタン麺、おすすめは沾仔記


 香港の雲呑麺なら沾仔記


エビワンタン麺で有名な沾仔記(香港)

 香港のワンタンメンはゴムのような食感の麺に本場の雲呑が乗っていて、日本人のファンが少なくありません。香港で美味しい雲呑麺(ワンタン麺)というと、まっさきに名前が挙がるのが銅羅湾(トンローワン、causewaybay)にある池記のワンタンメンです。私はかつて銅羅湾の近くに住んでいましたし、当時から池記は有名な雲呑麺屋さんでしたので、池記には何度も行っています。でも、私が香港で美味しい雲呑麺屋としておすすめしているのは池記ではなく、中環の威霊頓(ウェリントン)街にある沾仔記(チムチャイキー)です。

 
 沾仔記は香港中環の威霊頓(ウェリントン)街にあります。威霊頓(ウェリントン)街は中環エリアにあるB級グルメ街で、ガチョウのローストで有名なレストラン鏞記(YUNG KEE、ヨンキー)酒家がある通りですが、レストラン鏞記から威霊頓(ウェリントン)街をヒルサイドエスカレーター(ソーホーの方に登っていくエスカレーター)の方へ歩いていくと、ヒルサイドエスカレーターの手前に沾仔記があります。

エビワンタン麺で有名な沾仔記のメニュー

 上の写真は沾仔記のメニューです。ラーメン系はワンタンメン、魚のつみれ入りラーメンと牛肉ラーメンの三種類があり、ワンタン麺以外では、魚のつみれ麺(鮮?魚球麺)が私のおすすめです。また、そのすべてを入れた至尊三宝麺や三つのうち二つを入れた麺もあります。また、撈麺(ロウメン、汁なし麺)にして食べることもできます。
 いろいろと組み合わせはできるようになっていますが、基本は、麺とワンタン、つみれ、牛肉で、これらをどのように組み合わせて食べるか選択肢があるということです。



沾仔記のエビ雲呑麺(香港)

 この日選択したのはワンタン麺です。久しぶりの沾仔記ですから、基本に帰ってワンタン麺にしたのです。せっかくだからつみれも入れれば良かったなあという気持ちもありましたが、純粋にワンタン麺を楽しみたかった気持ちが強かったのです。
 ここ沾仔記のワンタン麺は香港の伝統的なワンタン麺で、ゴムのような麺です。20数年前に初めてこの麺を食べたときには、日本の麺との違いにそれこそ面喰いました。でも、その後食べ慣れてくると、このゴムのように噛み切りにくい麺の食感や味が懐かしくなって、わざわざ日本から香港までワンタン麺を食べに来たくなってしまうのです。

沾仔記のエビワンタン麺(香港)

 そして、ワンタンです。実はエビワンタンなのです。上の写真を見ていただくとエビが入っているのが分かりますね。沾仔記のワンタン麺の魅力は、その麺もさることながらエビワンタンの美味しさにもあるのです。ブリブリで大粒のエビがさりげなく入っているのです。私が日本から来た友人などにこのワンタン麺を食べさせるときに、実はあまりエビワンタンだよとは事前に言わないで連れてきて食べさせると、ほとんど全員がこのエビワンタンに感嘆して食べてくれます。
 魚のつみれも入れたいのですが、かえってない方がエビワンタンのお美味しさや素朴さを感じるのです。


 そして、ワンタン麺だけでは少し寂しいのでおかずも注文します。おかずは上の写真にある空心菜だけです。香港では野菜というと空心菜がよく出てきますが、ここ沾仔記の空心菜は、私のひいき目もありますが、日本人には受ける味だと思います。二・三人で一つくらいが適量です。


 上の写真は、レストラン鏞記(YUNG KEE、ヨンキー)酒家です。鏞記酒家はガチョウのローストで有名な店。私もかつてはこのレストランによく来たものです。家族で名物のガチョウのローストを食べに来たり、昼飯にガチョウのロースト乗せご飯を食べたりしました。最近はここ威霊頓(ウェリントン)街に来ても素通りして沾仔記に行くようになってしまいましたので、とんとご無沙汰です。



向かいにあるマックズワンタンも名店です

香港・中環のマックズ・ワンタンメン・ショップ
 
 沾仔記の向かいにあるマックズ・ワンタンメン・ショップもエビワンタン麺の名店です。ワンタンだけなら、沾仔記もいいけど、スープはこちらの方が私は口に合います。ワンタンメンなら、私の一番のおすすめ店です。ただ、量が少ないからちょっとしたおやつ代わりですね。ランチなどで食べたいというときは沾仔記が良いでしょう。

マックズ・ワンタンメン・ショップの店内風景
 
 店内は改装されて緑で統一された内装です。モダンすぎて老舗のワンタンメン専門店らしくなくなってしまった感もあります。ただ、客層は圧倒的に香港人が多く、香港人から強い支持を受けていることが分かります。香港人には美味しいということです。

マックズ・ワンタンメン・ショップのエビワンタン麺
 
 私がマックズに来て注文するのはもっぱらエビワンタン麺です。写真ではわかりづらいのですが、丼が小さいです。えっ、たったこれだけという印象もあります。でも、細いゴム麺がぎっしり入っていますから見た目ほどには少なくはありません。それでも、ランチやまして夕食時には物足りなさを感じます。
 香港に来ると食べたいものが多くて一日三食では食べたいものを食べきれません。そんな時、マックズは良いのです。ちょっとおやつ代わりに食べる感覚で食べられる量なのです。

マックズ・ワンタンメン・ショップのエビワンタン麺
 
 エビワンタンは麺の下に埋もれています。下から二つだけ取り出してみました。プリプリのエビをくるんだ美味しいエビワンタンです。ここにしても沾仔記にしても、日本人の舌の感覚からすると、この二店で食べたエビワンタンメン(ワンタン麺)はきっと忘れられない味になります。香港らしいゴムのような麺とともに香港旅行の最大の思い出の一つになることは間違いありません。

 
 最後に、香港で美味しいラーメンということで、二つの食堂をおすすめします。一つはミシュランにも掲載されている英記麺家で、叉焼麺がおすすめです。私個人的にはハチノスも入れて、ハチノス乗せ叉焼麺にしています。日本人には会ったことのない超穴場です。もう一つはカレー牛肉麺の九記牛腩でいつも大行列ができている地元の人気店です。狭いところに美味しいラーメン屋が沢山ある香港、また住みたいものです。
 


 ワンタン麺のとっておきの名店、好到底

香港で一番美味しい好到底のエビワンタン麺
 
 私が香港のワンタン麺でとっておきの店として紹介するのは、元朗の好到底です。新界の元朗ですから、近くはありません。でも、今では地下鉄西鉄線を使えば九龍から30分程度で入れますから昔ほど時間はかかりません。元朗はB級グルメの宝庫ですから、好到底のエビワンタン麺を食べた後にお粥とかスイーツとかを食べて帰れば大満足のB級グルメ旅になるでしょう。
 さて、上の写真が好到底のエビワンタン麺です。ここでももちろん自家製麺ですが、例のゴムのような麺ではありません。麺については好みが分かれるので一概には言えないものの、日本人には好到底の麺の方が好まれるような気がします。

香港・元朗、好到底のエビワンタン麺
 
 好到底のエビワンタン麺を推奨している理由は、実はその点からではありません。実はエビワンタンそのものの美味しさが好到底ならではなのです。ポイントは好到底の雲呑に入っているエビ味噌の素晴らしさです。コクがあって旨みがあって最高なのです。このエビワンタンを食べてしまうと、沾仔記だろうとマックズだろうと、香港の他の店や、ましてや日本のエビワンタンなど、子供だましのように思えてしまうのです。上の写真を見てください。上の写真からもそんな美味しいエビワンタンの香りが漂ってきそうです。

香港・元朗の好到底麺家
 
 では、なぜ私が好到底のエビワンタン麺こそベストのエビワンタン麺だと言わないかというと、それはやはり元朗にあるという立地の問題です。言葉もできず地理も不案内な日本人が、特に香港に初めて行くような人が、そう簡単には好到底には辿り着けないだろうと思いますので、まず沾仔記のワンタン麺で香港のワンタン麺の素晴らしさを味わってもらいたいと思っているのです。
 そのうえで、好到底のエビワンタン麺を食べ比べてもらえれば、ますます香港のエビワンタン麺が好きになるに違いないと思うからなのです。





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