香港の美味しい叉焼麺、英記麺家 |
西営盤、英記麺家への行き方 |
香港は中華料理の本場ですから日本人の好みに合う美味しいラーメン屋が沢山あるとお考えの方が多いかと思いますが、意外にそうでもありません。ワンタン麺(エビワンタン麺)ですと沾仔記とか好到底とかで大満足できますし、九記牛腩のカレー牛肉麺も日本人なら泣いて喜びそうな味です。 でも、チャーシュー麺ということになるとおすすめできる店が殆どないというが実情で、そんななか西営盤(サイインプン)の英記麺家の叉焼麺は、私が唯一おすすめできる香港の叉焼麺です。 上の写真はメニューにはないけれど、叉焼麺にハチノス(牛肚)を乗せた私のおすすめラーメンです。 |
西営盤(サイインプン)の英記麺家の店頭です。小さなラーメン屋さんです。でも、まだ日本人にはほとんど知られていませんが、2018年のミシュラン(Michelin)で紹介された隠れた名店なのです。この小さな庶民的なラーメン屋の自慢は自家製チャーシューです。 香港のチャーシューは日本のチャーシューと違ってちょっと甘みを感じさせますので、ラーメンに乗せた時も日本のチャーシュー麺とは違った趣きになりますので、日本のようにドーンとチャーシューが乗ったラーメンを期待されると、期待外れに終わってしまいます。この点、最初に断っておきます。 |
ラーメンの紹介は後ほど丁寧に説明しますが、まず、英記麺家がある西営盤(サイインプン)という日本人には馴染みのない街について、行き方などを紹介します。 英記麺家の所在地は西環西營盤高街32號。MTR港島線の西営盤駅B2出口を徒歩5分の位置にあります。西営盤付近の地形は上の写真のように山が迫っていて、地下鉄(MTR)駅は低いエリアにあって、英記麺家は高台の方にあります。 上の写真は英記麺家のすぐ近くから撮影したもので、地下鉄駅はずっとずっと下の方にある、ということはこの坂を上ってこないと英記麺家にたどり着けないということになります。 |
でも心配はありません。坂を上る道は何本もありますが、正街という街市(市場)の脇を通る広い道を選択すれば、その道には登りのエスカレーターが設置されていますので、歩いて登る必要がないのです。英記麺家はこのエスカレータを降りてすぐそばにあります。正街のエスカレータを上って高街という通りを左折したところに英記麺家があります。 |
正街に行く目印は西営盤街市です。ここは典型的な香港の街市(マーケット)で生鮮品から日用品や衣料品まで何でも売っているマーケットです。エアコンもありますので英記麺家に行った際にはぜひ立ち寄ってください。マーケットの中は活気があって見ていて面白いですし、香港庶民の暮らしぶりがよく分かります。 |
上の写真は西営盤の街角です。 中環駅から港島線でたった二つ目の駅なのに、現代的な中環の風景とは全く異なる庶民的な香港の街が広がります。私は1990年代にも香港に住んでいましたが、その時の香港の風景がこの街にはまだまだたくさん残っています。そんな西営盤の街角に叉焼麺の英記麺家があるのです。 |
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英記麺家のメニュー |
さて、英記麺家の店内に入ると、すぐ脇に厨房があって、職人肌の親父さんがラーメンを作っています。厨房を見ただけでも期待が高まります。チャーシューやハチノスなど、麺の具もいろいろ置いてあります。 |
こういうのを見てしまうと、どうしても注文したくなってしまいますね。入り口わきの鍋でグズグズ煮ているとどうしても目に入ってしまって、あれもこれも乗せてしまいたくなります。 |
上の写真は英記麺家のメニューです。ラーメンにはスープ麺の湯麵とスープなしの撈麺とがあります。日本人はスープ麺(湯麵)の方が好きですが、香港人は撈麺も大好きです。 メニューの左側が麺のメニューで右側がおかずのメニューです。おかずは別皿で出されます。このページの冒頭で紹介した叉焼麺のハチノス(牛肚)乗せはメニューにはありません。「叉焼麺にハチノス(牛肚)を加えてください」と伝える必要があります。 |
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英記麺家の叉焼麺 |
さて、それでは基本形の叉焼麺かを食べてみましょう。自家製のチャーシューがこれでもかというくらいにたくさん載っています。スープをすする前にチャーシューを食べてみましょう。日本のチャーシューに比較するとちょっと甘く感じると思いますが、これが香港流です |
噛めば噛むほど甘みが出てくるチャーシューです。このチャーシューをつまみながらラーメンを食べるわけです。柔らかくて美味しい自家製のチャーシュー、きっと満足していただけると思います。 麺はゴムのような麺で量の割にお腹にたまります。チャーシュー麺が出てきた瞬間には少なく見えるかもしれませんが、見た目よりはお腹いっぱいになります。スープは鶏ガラのあっさりスープで、そういえば昔は日本でもこんな感じのスープに入ったラーメンをよく食べたなあと懐かしさを感じるはずです。ミシュラン(Michelin)でも紹介された英記麺家のチャーシュー麺をぜひ味わってください。 |
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私のおすすめ、叉焼麺のハチノス(牛肚)乗せ |
英記麺家に何回か通ううちに、他のお客さんがハチノスを乗せて食べていることに気づきました。相席で食べると周りの人の食べているラーメンが嫌でも目に入ってくるのですが、このハチノス入りがどうにも美味そうに見えて仕方ないのです。 一方で、英記麺家に来たらチャーシューも食べたいです。そこで注文時にチャーシュー麺にハチノスを乗せてくれとお願いしたところ、上の写真のメニューにない特製ラーメンが出てきたわけです。 どうですか? 美味しそうでしょう! |
ハチノスのコリコリ感がチャーシューとまた違った美味しさを引き出してくれます。最近は英記麺家に来たらこの叉焼麺のハチノス(牛肚)乗せばかり注文しています。 他に相席した人のラーメンの具でよく見るのは、揚げ雲吞と牛バラ(牛腩)あたりですね。そのうち試してみたいと思います。 |
チャーシューとハチノスをアップで撮影してみました。チャーシューの甘い肉汁やハチノスのコリコリ感が伝わってくるでしょうか? たかがラーメン、されどラーメン。この香港らしい麺とスープに自家製のチャーシューとハチノスを乗せた特製ラーメンはきっとお気に召すと思います。 |
西営盤という場所柄、他に見るべきものはなくて、まさにラーメンを食べに行くことだけを目的に西営盤まで足を延ばすのはちょっと時間がもったいないと思う人もいるかもしれません。ですが、こんな小さなラーメン屋さんがミシュランに掲載されるのは、それなりの理由があるからなのです。だまされたと思ってぜひ一度訪ねてみてください。 |