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マカオのポルトガル料理


 マカオのポルトガル料理


 マカオに来たらポルトガル料理

 

  香港に来ると、当たり前ですが、毎日中華料理になります。朝は粥、昼は飲茶、夕は本格料理、そして、夜食はつまみと麺類。私はいつもそんな食生活になってしまいます。こんな風に4食ずつずっと中華料理を食べていると、やっぱり飽きてしまうという人がいます。私は全然平気なんですけどね。
 香港でちょっと珍しいものを食べたいというのなら、マカオまで出かけてポルトガル料理なんかは如何でしょうか。 
 マカオには沢山のポルトガル料理レストランがあります。マカオはポルトガルの植民地だった歴史もありますから、当然と言えば当然です。私はポルトガルに行ったことがないので本場のポルトガル料理を知りませんが、マカオ通の人に聞くと、マカオのポルトガル料理というのは本場の味とは異なっていて、むしろ「マカオ風ポルトガル料理」または「ポルトガル風マカオ料理」とでも呼ぶべきものだそうです。
 それはともかく、「マカオ風ポルトガル料理」レストランの中でも老舗としてよく知られているのは、上の写真にある仏笑楼です。セナド広場の近くにあります。まさに「マカオ風ポルトガル料理」の独自メニューをいろいろと開発したレストランとして知られています。

 その仏笑楼は昨今の円安の時代では、一人で食べるポルトガル料理としては値段が高くて贅沢すぎるので、私が今回行こうとしたのは、マカオ半島の下環地区にある船屋葡国餐庁(A Lorcha)です。一人ですので予約するのも面倒くさかったものですから、実は予約しないで行きました。場所は媽閣廟の近くでバス停の横ですから、分かりやすい場所です。
 この船屋葡国餐庁(A Lorcha)は地元では有名な人気レストランでひょっとして入れない場合は以前に行った海湾餐廳(RESTAURANTE LITORAL)も歩いて五分の場所にありますから、どちらか入れるだろうとタカをくくって予約しないで行ったのです。


 ところが、残念ながら船屋葡国餐庁(A Lorcha)では満員で9時半にならないと入れないと言われ、海湾餐廳(RESTAURANTE LITORAL)はなんと貸切で入れなかったものですから、さらに下湾の街を河邊新街に沿って北上したところ、海湾餐廳(RESTAURANTE LITORAL)から5分くらい歩いたところで、上の写真の海島船葡国餐というレストランを見つけました。「葡国餐」の「葡国」がポルトガル国の意味で、「餐」はレストランの意味ですから、看板を見てすぐにポルトガル料理レストランだと分かるわけです。
 こぎれいな外観で期待を膨らましてドアを開けたところ、お客さんは地元の家族一組だけという寂しい状況です。いやな予感がしましたけれども、地元の人が食べているのですから、そんなにひどいレストランではないだろうと考え、ここで夕食を取ることに決めました。




 まず、野菜のスープです。ちょっと冷めてますね。冷たくなっているのではなくて冷めているのです。私はポルトガルに行ったことがないから分かりませんが、こんな中途半端な温度でスープが出てくるのでしょうか。ポテトでとろみをつけていますが、味はとにかくしょっぱいのです。 この塩加減は如何なものでしょうか。私は以前何度かポルトガル料理をマカオで食べていますが、こんな塩の利いたスープは初めてです。

 

 今日のメインディッシュはアフリカンチキンです。マカオで有名な鶏料理にポルトガルチキンというのがあって、これはカレー味です。一方、このアフリカンチキンは激辛メニューとして知られています。大航海時代にポルトガルからマカオに来る途中で仕入れたスパイスを使って料理しているうちに定番になったポルトガル料理です。
 とにかく大きいですから、一人食べるのは無理です。三人くらいで食べてちょうど良いサイズでしょう。辛さはかなり効いています。私としては嫌いな味つけではないですが、肉質があまり良くなくて骨だらけです。 添えてあるポテトの方が美味しいくらいです。


 ご飯ものは馬介休炒飯にしました。 馬介休というのは魚の塩漬けでポルトガル料理ではよく使われる素材です。中華料理で咸魚と呼ばれるものも魚の塩漬けですが、咸魚には様々な魚が使われているのに対し、馬介休は専ら鱈(タラ)を塩漬けしたものです。本当は馬介休球といって馬介休球入りのコロッケを食べたかったのですが、この店にはありませんでした。
 正直言って、この炒飯が一番まともでした。


 全体的に塩味が強くて、よくよく炒飯の具を見ると、金華ハムがかなり使われています。 馬介休の塩味と金華ハムの塩味で、かなり塩の強い炒飯になってしまうのです。それでも、この日注文したなかでは最もまともだったわけですから、その他の料理の味が想像できると思います。


 もうかなりお腹いっぱいですし、 以上の三品もずいぶんと残しているのですが、口直しと言いますか、後味だけでもよくしたいと思ってデザートを注文しました。
 確かメニューではプリンだったのですが、上のようなケーキが出てきてしまいました。写真からも想像できる通り、パサパサです。全然美味しくなくて、口直しになりません。いやいや、このレストランには参りました。因みにビール一本飲んで、トータルで400香港ドルを超えます。6,000円です。全く価値のないレストランでした。

 マカオのポルトガル料理というのは、決して美味しくないわけではありません。美味しいレストランでは美味しいのです。ちょっと古くなりますが、下に今回は貸切で入れなかった海湾餐廳(RESTAURANTE LITORAL)での記録(2003年)を載せておきます。ここから先は参考になる情報だと思います。



 セナド広場(議事亭前地)近くのボア・メサ

マカオのポルトガル料理(セナド広場近くのボアメサ)

 ここまで読んでいただいた方にはお礼を申し上げます。最初に美味しくないレストランを紹介してしまったのですが、こちらはまあまあ並み以上の味が楽しめるポルトガル料理レストランです。オーナー兼シェフはポルトガル人で、長いことこの場所で営業しているようです。レストランの名前は名前はボア・メサと言います。 

聖母誕辰主教座堂(マカオ)

 場所は上の写真の聖母誕辰主教座堂 の前の道を板樟堂巷の方へ降りたところです。上の社員は道が右にカーブしていますが、カーブして板樟堂巷に出たところからすぐに見えます。地図はこちらのサイトを参考にしてください。板樟堂巷はセナド広場に繋がっていますから、そちらから来てもすぐそばです。

マカオのポルトガル料理(馬介休のコロッケ)

 この日はランチタイムに来ました。例によって一人飯、孤独のグルメです。 
 まず注文したのは馬介休のコロッケです。馬介休はタラを塩漬けしたもので、ポルトガルではよく食べられています。当然ながら塩気の強いコロッケです。

マカオのポルトガル料理(馬介休のコロッケ)

 一人飯でも、せっかくポルトガル料理を食べに来たのですからポルトガルらしい馬介休をということで注文した料理です。この店は初めて来たのですが、以前に食べた馬介休のコロッケと同じような味で、そういう意味では予想通りの味付けです。

マカオのポルトガル料理(ボア・メサ)

 今日のメインディッシュはイワシにしました。
 見た目には日本で食べるイワシと同じで、この後何で味付けして食べるかというところが、日本料理とポルトガル料理の異なる点です。日本では醤油ベースで食べますが、ポルトガル料理ではオリーブオイルをかけレモンを絞って味をつけます。いつも思いますが、こういう食べ方も悪くないです。毎日食べていたら飽きてしまうかもしれませんが、たまにですからオリーブオイル味は意外にイワシの味に合っていて美味しく感じます。
 イワシにサラダとポテトもついています。
マカオのポルトガル料理(イワシが美味い)

 イワシはちょっと大きめのサイズで3尾あると、一人で食べるには十分すぎる量です。焼き方も程よくて美味しくいただきました。
 ただ、マカオのポルトガル料理は、大陸からの観光客が相当入り込んできたため、価格が上がってきてしまいまして、この一皿でこれで約150パカタ(香港ドル)ですから、2,000円を超えてしまいます。今日のランチで3,000円を超えてしまうわけで、以前と比べるとかなり高くなってしまったという印象です。このボア・メサに関して言えば、この価格であればマカオのポルトガル料理としては、料理の質も考慮すると廉価な部類に入ると思います。

マカオのポルトガル料理(ボア・メサ)

 以前香港に住んでいたころから感じていたことですが、香港のパンというのは甘くてどうも好きになれません。中国的な味なんです。ところが、マカオのパンというのは、少なくともポルトガル料理レストランで食べれば、普通に美味しいパンです。ここボア・メサのパンも美味しくいただけました。香港でもこういうパンを食べたいなと思うくらいです。
 ポルトガル料理レストランのボア・メサ、家族や友人との旅行や一人飯の時におすすめできる良心的なレストランです。

 


 ちょっと古いですが、美味しいポルトガル料理の思い出


 この日行った店は、マカオフェリーからリスボアホテルを抜けて、河邊新街にある海湾餐廳(RESTAURANTE LITORAL)という店。初めて入ったのですが、こぎれいなレストランで、なかなか期待できそうです。最近はマカオも大型ホテルラッシュで、レストランも高級店が増えてきました。でも、私が好きなマカオのレストランは路地深くにある庶民派のレストランです。ポルトガル料理も中華料理も、マカオの本場の味は旨いのです。

 まず、最初はスープ。これは野菜のクリームスープ。素材の味がほのかに感じられて、なかなか美味でした。


 お次はツナサラダ。盛り付けはきれいだけど、味は普通のツナサラダでした。日本で食べても変わらないですね。はっきり言って、これはポルトガル料理を食べに行った私としては、大失敗です。
 ところで、この店のテーブルクロス、なかなか洒落てますよね。香港の白いテーブルクロスに見慣れた私にとっては、驚きの配色です。


 続いて、ローストサーディン。ポルトガル料理ではいわしは欠かせません。
 味付けは日本で食べるのとどこが違うか、ですか?日本は醤油をかけますけど、ポルトガル料理ではかけません。オリーブオイルをベースにレモンを絞って食べます。さっぱりしてて美味しいです。


 実は、いわしがすごく旨かったんです。気に入っちゃって、思わず写真をアップで撮ってしまいました。日本でもこの食い方で試してみるかな。


 そして、ガーリック・シュリンプ。やっぱ、素材がいいからでしょうか。旨いですね。ぷりぷりした美味しいえびです。オリーブオイルとガーリックが程よく調和していて、素材と醸し出す味のハーモニーは見事です。


 今日のメインディッシュは、ポルトガル料理の定番、アフリカンチキン。
 きっとアフリカンチキンに関しては、マカオで食べるのが一番旨いと思います。何たって、世界で一番鶏の質が良いところですからね。
 このアフリカンチキンは、辛さがちょっと強めで、私にとってはVERY GOOD。

 ポルトガル料理、なかなかいいですね。皆さんも、マカオに行ったら、カジノばかりしていないで、ぜひポルトガル料理に挑戦してくださいね。




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