旺角花園街市の妹記生滾粥品で中華粥 |
旺角花園街市熟食街へ |
旺角は九龍の繁華街の一つですが、尖沙咀が最近は猥雑さを失ってきているなかで、昔ながらの香港の若者の街の雰囲気を残してくれている貴重な存在になってきました。若者の街と言えばB級グルメです。私が行きつけのB級グルメ店は富記粥品で、粥品店のようですが粥品だけでなく焼味などの水準も高くて、とにかく行ってから食べるものを考えるような時には便利な店です。 今日は粥を食べたいと決めつけているような日でも富記に行くこともありますが、面倒くさくなければ行くのがここで紹介する妹記生滾粥品です。 |
妹記生滾粥品は、旺角花園街にある花園街市(市場)三階にある熟食街にあります。三階といっても地面があるのはイギリス式にG階なので、日本風に言えば四階で、日本風に数えて三階まではエスカレータで行けるものの、そこから一階上へは階段で上がります。面倒くさくなければ行くという意味は、暑い日などにはそのあたりが面倒くさくなるのです。 花園街市はそれほど大きな街市ではありませんが、香港庶民の生活の一端を垣間見たい人は回ってみるのも面白いでしょう。上の写真は水産品売り場付近です。 |
上の写真は各種食品が売られているエリアで、正面には焼臘屋(ロースト屋)も見えます。もちろん、フルーツや精肉なども取り扱う専門店もたくさん入っていて、地元のお客さんで込み合っています。 |
熟食街というのは、いわゆる昔風フードコートと言いましょうか、まあ、そんなものです。ここ花園街市熟食街には20くらいの食堂が入居しています。フードコートと同じでテーブルは各店共同です。 |
|
富記粥品は粥も美味いが焼鵝も美味い |
そんな熟食街の一角に妹記生滾粥品はあります。いかにも美味しそうな雰囲気を漂わせる外観です。メニューは店の横の黄色い紙に書いてありますが、近くのテーブルにも妹記のメニューがおいてありますから、注文はテーブルに着いてからゆっくりメニューを見て決めましょう。 |
混雑時以外は自分で勝手に空いているテーブルに座ればオーケーです。店からあまり遠くない場所が良いでしょう。私が最もよく座るのはこのテーブルです。店の目の前です。 |
席に着いたらメニューを見て注文を決めます。ポイントは三つあります。 一つ目は粥を何にするかです。香港の広東粥の初心者であれば皮蛋痩肉粥が無難です。皮蛋が苦手ならさっぱりした味の魚片粥あたりが良いでしょうか。中上級者は肉丸粥や及第粥(レバー粥)辺りも良いでしょう。 二つ目は油条を入れるか否かです。粥の中に入れる揚げパンみたいなやつです。粥だけだとお腹いっぱいにならない人は入れた方が良いでしょう。油条については羅富記の記事の中で触れています。参考にしてください。 三つ目はその他におかずを注文するか否かです。おかずとしては、魚の皮、皮蛋と腸粉があります。 |
ここでおすすめなのは魚の皮(爽魚皮)です。これ意外に美味しくて、すっかり癖になってしまいました。新鮮な魚の皮で変な臭みは全くありません。注文したらすぐに出てきますので、粥ができるまでの間、魚の皮をつまんでアツアツのお粥を楽しみに待ちます。 |
|
魚片皮蛋粥 |
妹記にはもう数えきれないほど来ていていろいろな粥を食べています。基本的に粥に入れる素材の好き嫌いさえなければどれを食べても美味しいです。このページでは最近食べた粥を紹介します。 まず魚片皮蛋粥です。これはメニューにはなくて、メニューの魚片粥にメニュー右側記載のトッピングから皮蛋を選んだものです。このように大体どこの粥屋さんでも、自分の好みでトッピングを選べるようになっています。 そして、上の写真、魚片皮蛋粥が運ばれてきました。少し皮蛋が見えますね。 |
中華粥は、具材が下の方に沈んでいることが多いので、 食べる前に良くかき混ぜます。この時によく分かるのですが、妹記の粥は米粒がなくなるまでよく煮込まれています。これは美味しい広東粥の共通点です。妹記のほか、元朗の發記、上環の羅富記、佐敦の彌敦粥麺家や旺角の富記のいずれにも共通している美味しい広東粥の基本です。 |
魚片もたくさん入っています。そしてその魚の風味が粥全体に広がっていて美味しいのです。 美味しいお粥屋さんは、具材の味がよく粥全体になじむように調理されています。だから食べた時の美味さが違うのです。上で挙げたお粥屋さんではこの点も共通しているのです。 たかが粥、されど粥です。その場しのぎで作っている粥は香港でもよく見かけます。でもそれでは美味さが違うのです。香港のあちこちで粥を食べていると、その差は意外に大きいのです。 |
|
猪腰猪潤粥 |
レバーを入れた粥としては、先に紹介した及第粥があります。及第粥というのは正しくは状元及第粥といって、状元とは中国王朝の役人試験(いわゆる科挙)で一位の成績を収めた者のことで、状元になれば将来の出世が約束されるものです。その科挙テストに合格するために栄養バランスが良く消化も良いものをということで、受験生に食べさせたのが状元及第粥で、広東粥の中に豚の内臓が適度に入ったものです。受験生はこれを食べて精をつけて受験勉強したのでしょう。 一方、レバー粥(猪潤粥)というのは、及第粥のようにレバーの量が適度ではなく沢山入ったもので、写真の通りドーンッとレバーが入った広東粥です。 |
こんなにレバーを入れたら脂っこくてせっかくの広東粥が台無しになると私も思っていたのですが、食べてみると全然そんなことはなくて朝からでも問題なく食べられる健康食です。 今の時代に科挙はないですが、元気のない日本のサラリーマンのために、「CEO粥」として売り出そうなかななんてことも私は考えています。朝からこれで精をつけて低迷している日本経済を復活させてもらいたいものです。 |