上環の蓮香居でワゴン式の一人飲茶 |
蓮香居は香港蓮香楼の姉妹店 |
香港で伝統的な飲茶をしたいのだけれども、どこかおすすめのレストランはありますか、と聞かれた場合に、最初に私がおすすめするのが最高級の陸羽茶室と庶民派の蓮香楼です。静かにお茶を楽しみそうな人には陸羽茶室、ちょっとやんちゃな人には蓮香楼をすすめているのですが、その蓮香楼が混んでいた時のスペアとしておすすめしているのが、このページで紹介する蓮香居で、蓮香楼の姉妹店として創業80年の歴史を有する老舗の広東料理レストランです。 |
蓮香楼と同様に朝6時から営業しています。香港旅行の最終日、朝便で日本へ帰るのだけれども、飲茶をしてないのでどこかで飲茶したいという方におすすめの店が、このページで紹介する香港蓮香居です。6時に着いて7時半くらいまでの1時間半をこの蓮香居で過ごせば、飲茶気分を十分に味わえますし、蓮香居から香港エクスプレスの香港駅へはタクシーですぐですから、香港エクスプレスでの空港への移動を前提に考えれば10時発のフライトにだって間に合うのです。タクシーの捕まえやすさからすると、蓮香楼よりもこちらの蓮香居の方が捕まえやすい立地です。 |
上の写真は平日朝8時くらいの蓮香居です。香港のビジネスマンやビジネスウーマンたちは朝の時間も大切にしますし、通勤も遠い人が多いですから、朝に飲茶でゆっくりするという人は稀です。ここ蓮香居や蓮香楼に飲茶に来る人は地元の年輩の方が多いのです。そして、点心のワゴンを押して回る女性もちょっと年季の入った方が多くて、どうでしょうか、まさに昔の香港の飲茶風景がここ蓮香居には残っていると言えるのではないでしょうか。 |
上環からさらに西の方へトラムが走っている徳輔道西沿いに蓮香居はあります。トラムの皇后街駅の眼の前です。 皇后街は中環方面に行く駅です。中環から来ると修打蘭街が便利です。MTR上環駅から歩いても5分くらいで、上の写真にある通り大きな看板が出ているから場所はすぐに分かると思います。 |
|
2019年上期に蓮香楼は閉店(蓮香茶室になりました) |
さて、速報です。2019年上期中に閉店すると言われていた中環の人気店、蓮香楼は2月末で確かに閉店しましたが、3月に同じ場所で蓮香茶室として、全く同じ形式で再スタートを切りました。現在入居しているビルが事務所・ホテルビルに建て替えられる計画が変更されたようです。 |
もし蓮香楼が閉店したままになってしまうと、香港島内でワゴン式の飲茶で残るのはここ蓮香居と陸羽茶室だけになってしまいますし、しかも陸羽茶室の場合は高級店ですから、これまで蓮香楼に通っていた香港の飲茶好きな人たちが蓮香居に殺到することが予想されていましたが、その心配はなくなりました。 |
私は深圳に住んでいて、蓮香居にはしばしば来ています。香港で昔ながらの飲茶風情を楽しめる数少ない酒楼の一つですし、蓮香楼よりもゆったりとしたスペースなので、気に入っているのです。行きつけの茶楼だと言っても良いと思います。 蓮香茶室(旧蓮香楼)は観光客(大陸の人が最も多く日本人も少なくない)が多くて本来の飲茶風情が失われつつあります。蓮香居も観光客が徐々に増えてきていて同じような傾向になりつつあります。今、私が本当に飲茶を楽しみたいという日には、蓮香桟という荃湾にできた蓮香グループの新しい店に行くようにしています。ここでは観光客がほとんどいませんので、本来の飲茶を楽しめるのです。 |
|
蓮香居に着いたら |
さて、蓮香居に入ってから飲茶を楽しみ会計して帰るまでの流れを説明しましょう。 まず店に入ってからです。香港のレストランでは入口に案内係の人がいてテーブルを指定されることが少なくないのですが、蓮香居のような大衆飲茶屋さんではそんな案内係はいません。開店直後でガラガラに空いているときは、空いているテーブルに勝手に座ります。上で載せた平日8時頃の写真のように賑わってきている場合には、空いている席に勝手に座ります。要は勝手に座るのです。 すると、注文スタンプのシートを持って店員が来て、何か聞いてきますが、これはお茶の種類を聞いています。香港ではポーレー茶(普洱茶の広東語読みです)が一般的です。普洱茶は中華料理に合いますし、油を落としてくれる作用があるので、私はいつも普洱茶を注文しています。 |
そしてお茶が来たら、洗杯(食器洗いの儀式)を始めます。茶碗と箸をテーブル中央の大きな器の中で洗います。香港では衛生上の問題から洗っているのではなくて儀式のようなものです。周りの人のやり方を真似して洗ってください。もちろん、洗わなくても構いません。大陸に行くと、店によってはきちんと洗わないと汚れていることもありますから注意してください。 |
一人飲茶の時にはすぐ上の写真にある一人用のお椀でお茶を淹れます。慣れないとこぼれやすいので、ふたの頭を抑えてお茶がこぼれないように上手に注ぎましょう。 |
二人以上で来ると、上の写真にあるように急須が出てきます。一人用のお椀の方が雰囲気ありますよね。でも、お茶をたくさん飲む人はこちらの急須の方が何度もお湯を追加しないで済むので面倒ではありません。 なお、香港では、上の写真にあるように、お茶のポットのふたをずらすと「お湯が欲しい」という店の人へのサインになります。これは、おしゃべり好きな香港人が話を中断しないでお湯の追加注文をするために編み出されたサインで、どこの店でも共通して通じます。お茶を注いでもらうためには、ふたをずらしてください。これがお茶を淹れてくださいという合図になります。 |
一人飲茶していると、自分の前のテーブルは上のようになります。お茶を飲み、点心を時々つまみます。 |
そして、思い思いの時間を過ごします。新聞を読んでいる人が圧倒的に多いです。しかも一人飲茶です。私は香港の新聞を読めないので、スマホとかiPadとかをいじっています。蓮香居ではWi-Fiもあるのですが、制限時間があるのでスマホ2台とiPadの計3台を順にいじるのです。 この新聞を見ているお客さんが多いことが、香港の飲茶風景の特徴です。私がいる深圳ではWi-Fiが無制限に使えることもあって、スマホを見ている人が多いのです。 |
上の写真をご覧ください。 やかんのお湯を自分でお茶のポットに入れているお客さんがいます。店の人がお茶のポットにお湯を注いでくれないのではありません。常連だから勝手にやかんを自分の席まで持ってきて入れてしまうのです。 ここで飲茶する人は一人で来て新聞などを読みながら自分の時間を過ごしている人が多いので、お湯を追加したいときに勝手に自分で入れた方が都合が良い人が多いのです。私は決してそれほどの常連ではありませんが、一人で来たときには、勝手にやかんを持ってきてお湯を入れている一人です。 |
朝8時ごろの蓮香居の風景です。私が蓮香居に行くときは7時前から行くことが多いのですが、7時半を過ぎたあたりから点心を乗せたワゴンが沢山回るようになります。ワゴンはもちろん開店した6時から回ってはいますが、そのくらいの時間から多く回るようになり、点心の種類が増えるということです。そして、9時くらいになると出勤する人たちがいなくなるのでちょっと空いてきます。でも、その後になるとビジネス相手などと一緒にお茶を飲みに来る人も入ってきますので、また賑やかになります。これって、日本の朝の喫茶店でのお客さんの出入りに似ていますよね。 |
|
朝6時の開店時が最も蓮香居らしい |
上でも書きましたが、蓮香居は6時開店です。この開店時間直後が蓮香居が最も蓮香居らしくなる時間帯です。 話は本論からそれますが大事な情報です。 私が蓮香居をこのサイトで紹介したのが10年くらい前ですが、当時は蓮香居では日本人の姿は殆ど見かけませんでした。以来、このサイトの蓮香居のページのアクセス数が増え、また行かれた方がブログ等で紹介した結果、最近ではかなりの日本人を見かけるようになりました。また、中国大陸からの観光客が急増していることもあって、観光客の比率が高まってしまっています。特に土日は観光客が増えるので、8時過ぎに来られる方は、その時間では二階が一杯になってしまうので、上の写真にあるように8時から入れる三階を利用すると良いと思います。 |
さて、6時ごろ蓮香居に来ると、もう常連さんたちが顔を出しています。私も一番早く来たのは6時10分前ですが、その時間でもすでに20人近くの常連さんたちが自分たちの席を確保しています。 そうした時間は店員が少ないですから、お茶も聞いてくれません。したがって自分でお茶を淹れます。上の写真正面の急須の下に普洱茶や鉄観音など数種類の茶葉がありますからこれを自分の急須に入れて、棚の左の蛇口からお湯を入れるのです。茶葉を見てお茶の種類が分かることと、適切な茶葉の量が分かることが条件です。 |
自分でお茶を入れる際の注意事項です。 日本茶は一杯目が一番美味しいとされていますが、中国茶では一杯目のお茶は捨てます。洗茶といって茶葉を洗うという意味もありますし、実際に一杯目はあまり味も香りも出ないのです。その洗茶のための一杯目のお茶を洗杯(食器を洗うこと)に利用します。ですから一杯目の捨てるお茶は洗杯に必要な量くらいで良いのです。上の写真の要領です。 |
そうこうしているうちに点心を乗せたワゴンが回ってきます。6時10分くらいまでには最初のワゴンが回り始めます。ただ、点心ができあがる時間は点心によりそれぞれです。好みの点心が出てくるまで気長に待ちましょう。 |
上の写真は三階の8時5分前の様子。既にスタッフはいますし、常連さんもパラパラ座っていますが、電気もついていません。気にしないで適当な場所に座ってください。「留座」と書いてある札が乗っているテーブルは予約席です。予約している人が座る場合もあるし、常連さんが座る場合もあります。要は必ずしも予約してあるテーブルではなくて、バラバラ来た人に自由に座らせると大人数の客が来た時に座れなくなるので、勝手に座らせない仕組みだと考えればよいでしょう。 |
三階はスタート時間が遅い分、混みあってくるのは9時くらいからです。早茶特有の騒々しさは味わえないものの、9時くらいまでの時間はゆったりと飲茶を楽しむことができます。お客さんが少ない分、ワゴンがなかなか回ってこないので、短時間で早茶を済ませない人は二階を利用するようにしてください。 |
|
そして点心を乗せたワゴンが回ってきます |
蓮香居には点心のオーダーシートはありません。点心を入れたワゴンが回ってくるのをひたすら待ちます。ワゴンが回ってきたら、蒸籠のふたを開けてみて、食べたいものがあれば、オーダーシートを渡してスタンプを押してもらい、点心を受け取る仕組みです。ワゴン式飲茶の売り子さんたちは、日本語はもちろん、英語を理解する人は殆どいません。最近は大陸からの観光客が増えてきているとはいえ、普通語(北京語)も通じません。蒸籠のふたを開けないと、広東語が分からない人には何が売られているかは絶対にわかりません。 |
ここでワゴンの種類についてお話しします。 最も多いのは蒸した点心のワゴンで、これは他の写真にもよく写っています。蒸籠を積み重ねて運んでいて、同じ点心を高く積んでいます。高く積まれている蒸籠にはできたばかりの点心が入っていることが多いです。蒸籠の点心についてはできた都度このワゴンに乗せられます。同じ売り子さんのワゴンであっても少し前の時間と違う点心を乗せていることもありますので注意しましょう。 |
上の写真は腸粉のワゴンです。これもふたを開けないと分からないのですが、初心者の方はふたを開けても分からないかもしれません。因みに、エビ入り、チャーシュー入り、牛肉入りと豚レバー入りがあります。ふたを開けて必ずわかるのはエビ入りでしょう。腸粉の皮が薄いのでエビが見えるからです。 |
こちらは大根餅のワゴンです。このワゴンの上で炒めることができますので、できたての大根餅を食べることができます。炒めた腸粉もこのワゴンで提供されます。 |
こちらは揚げ物の点心のワゴン。春巻なんかもこのワゴンで運ばれてきます。日本人にとっては、どちらかと言うとデザートとして食べたら良いものが多いです。 |
私はあまり揚げ物は食べないのですが、たまに食べると決して悪くはありません。 他にご飯もの(排骨飯など)のワゴンなどがあります。ワゴンはグルグル回ってきますから、見ているうちに理解できるようになります。 |
|
蓮香居の美味しい点心 |
慣れないうちは、とにかく回ってきたワゴンに乗っている蒸籠を開けさせてもらって見ることが大切です。同じ服務員が回ってきたら同じ点心が乗っているかというと、同じ点心は乗っているかもしれないけど、新しい種類の点心も乗っていることがあります。ですから、マメに蒸籠をチェックすることがここ蓮香居で美味しい点心を食べるコツかも知れません。 上の写真はエビ入り野菜餃子です。日本人好みの味だと思います。 |
ビジュアル的にもきれいな点心は食欲をそそりますよね。眼で楽しんで舌でも楽しむ、それが広東の飲茶です。 |
最近の香港のレストランでは見栄えの美しい或いは可愛らしい点心が花盛りですが、ここ蓮香居や蓮香楼では、そのような点心の華やかさはありません。昔ながらの点心がワゴンで回ってくるのです。 香港らしい見栄えの良い点心は香港の飲茶の楽しみの一つであることに間違いありません。私も大好きです。しかしながら、ここ蓮香居はそうした点心ではなく、あくまでも昔ながらの点心を昔ながらの飲茶風景の中で楽しむレストランなのです。 上の写真は鯪魚球(つみれ)です。 |
上の写真は牛肉球。鯪魚球(つみれ)と同じように見えますが、色が濃いです。味も濃いです。私は牛肉球が大好物です。ちょっと油っこいのでワゴンのおばさんが酢をかけてから蒸篭を渡してくれます。お皿にたまっている黒い液体は酢です。 |
焼売も地味ですね。でも、味は確かです。香港の味にうるさい人たちが長年愛し続けた味がここにはあります。現代香港のめまぐるしい変化をしばし忘れさせてくれるオールド香港がここ蓮香居にはあります。 |
香港での点心の一番人気、蝦餃(エビ餃子)も当然あります。日本のエビ餃子を食べ慣れた人からすると、蓮香居ではプリプリのエビが入っていて満足することは間違いありません。 エビ餃子にしても焼売にしても醤油などは付けずにそのまま食べないとせっかくの味付けが死んでしまいます。その点、お間違えの無いように。 |
上の写真は潮州粉果です。厚めの皮の中には沢山の具が入っています。沢山の具を入れるから皮が厚いと言っても良いでしょう。結構お腹にたまってしまう点心ですが、日本人に好まれる味だと思います。回ってきたからぜひトライしてみてください。 |
|
湯葉巻も昔ながらの濃いめの味付けです。私は20年以上もこの味付けに慣れているので、このどろっとした湯葉巻を見ると、どうしても注文したくなってしまいます。美味しいですよ。 |
鶏の詰めの部分を湯葉で包んだもの。爪の周りに肉がついているので美味しいです。私は鶏の爪を蒸した点心が大嫌いです。あれだけは何度食べても美味しくないのです。そんな私でもこの点心は食べられます。 |
ここで特に早朝時における注意事項です。 点心は早朝の時間帯から、いくつも出ては来ません。出来上がるのに時間がかかるからです。ですから最低でも一時間くらいは蓮香居にいないと、目当ての点心にありつけない場合があります。また、点心を作れる量が限られていますので、例えばエビ餃子(ハウガウ)などの人気商品は、ワゴンが一周しないうちになくなってしまうことが殆どです。ワゴンの周りにお客さんが群がったら、それは人気商品が出てきたシグナルです。日本人はその光景を見たら一目散にワゴンに駆け寄るべきなのです。 上の写真は芋とか鶏肉とかを湯葉で包んだ伝統的な点心、四寶滑鶏扎です。扎というのは一括りにするという意味で、湯葉でもって一括りにした点心です。 |
湯葉巻きにもいろいろ種類があります。一つ上の写真は湯葉でもって鶏肉や里芋などを一括りにした四寶滑鶏扎ですが、こちらはそれぞれの湯葉の中に異なった材料がくるまれている点心です。こちらの方が食べやすいです。そのまま口の中に運べます。一方、四寶滑鶏扎はまとめて口に入れるのではなく、一度お碗にとってそこでばらしてから食べるのが一般的です。 |
もちろん、春巻もあります。揚げ物ですから出来立ての時は皮もパリパリですごく美味しいです。出来立てかどうかを見るのがちょっと大変です。私はどうしているかというと、揚げ物ワゴンが通過した際に何が入っているかをいつも眺めて、新たに加わった点心や皿の数が増えた点心はどれかというのをチェックしています。そうすると新しい点心が入った時に分かるのです。 因みに上の写真は出来立てのエビ入り春巻。もちろん美味しいですがちょっと揚げ過ぎかな。 |
この春巻はエビ入りではないですが、揚げ方が良く美味しそうに見えたので食べた春巻です。春巻のような揚げ物点心は揚げ方ひとつで美味しさが異なります。色合いをよく見て選ぶと良いでしょう。 |
お茶と相性が良いという点では、このイカのニンニク蒸しが一番です。これが回ってくると私は必ず手に入れます。できるだけ冷めないうちに食べるのが美味しく食べるコツです。これをちびちび食べながら、普洱茶を飲む。香港人になった気分です。 |
お茶と相性が良いという点では、この大根餅もその一つです。先ほどワゴンで炒めることができるということを紹介しましたが、できたての大根餅を食べられるのは有難いです。大根餅はできるだけできたてのうちに食べるとその美味しさが理解できると思います。そういう意味では、食べたい点心が回ってきたらすべて取ってしまうのではなく、食べるペースに合わせて点心を取っていくのが香港流です。 一方大陸から来た人は、一度に沢山の点心がに並ばないと満足しないので次々と点心を取ってしまいます。すると、冷めて美味しくなくなった点心を食べることになってしまいます。日本人の食べ方も大陸の人に似ていると思います。せっかくですから美味しく食べましょう。 |
これは何という点心なのか分かりませんけれども、ワゴンで回ってきて見た目に美味しそうなので食べた点心です。お茶飲むよりも酒の肴にしたいような味ですが、もちろんお茶にも合います。蓮香居のようなワゴン式飲茶の場合は、このように食べたことのない、しかも名前も分からない点心を注文できるのが嬉しいところです。 |
これもまた名前の分からない点心です。この2年間くらいで10数回行っているはずなのですが、実は初めて見ました。この点心は外側が饅頭の生地みたいになっていますから饅頭を半分にして中をくりぬいてシイタケ、鶏肉やウズラなどを入れているという点心です。そもそもどのように食べたらよいのか見当もつきません。仕方がないからお椀に入れて、ウズラをつぶしてまぶしたうえで、饅頭の皮と一緒に内側の具を食べてみましたが、これが美味いのです。また、食べたいですね。でも、私が行ったときに運良くこの点心が回って来ないと食べられません。点心の名前くらい聞くべきでした。 |
点心でもお腹にたまるものというと、私が好きなのは腸粉です。この日はチャーシューの入った腸粉です。腸粉の皮は米から作られていますから、結構お腹にたまります。一人飲茶の時には、腸粉を主食のつもりで食べることが私は多いです。 |
腸粉は出来立てのものとそうでないものとの味の差が大きい点心だと私は思います。上の写真は朝8時の腸粉です。まだ温かい腸粉で、滑らかさも風味も時間が経ってしまった腸粉とかなり違います。腸粉は朝しか作らないわけではありませんが、朝に行って食べれば間違いなく出来立ての腸粉に巡り合えるということなのです。腸粉の美味しさを知りたいなら、朝行くことをおすすめします。 |
この腸粉は豚レバー入り腸粉です。豚レバーが一番手前の腸粉から少し見えますね。同じ腸粉でも様々な種類かあるのです。実はレバーの腸粉はこの日初めて食べたのですが、結構おいしいですね。 |
あるいは、上の写真のようにチャーシュー饅頭を主食とすることもあります。要は、その日の気分とかたまたま何が回ってくるかによって、一人飲茶のメニューが変わるのです。 香港のチャーシュー饅頭を食べていると、日本の肉まんなんか食べる気も起こらないですね。ふっくらとした饅頭、汁がたっぷりで美味しく味付けられたチャーシュー、この美味しさを分かってしまうと、ついついこの蒸籠を手に取ってしまうのです。 |
滅多に出てきませんけれども、ワゴンで回ってきたらぜひ食べてもらいたいのがチャーシューパイ。結構大きいですから、主食にもなります。このパイの中に美味しいチャーシューが入っているのです。パイ生地もサクサクしていてケーキを食べているようです。それなのに中から出てくるのはまさに中華料理のチャーシューです。この不思議な組み合わせ、それでいながら絶妙の味ですから、素晴らしいものです。 |
デザートとしておすすめしたいのはゴマ団子です。日本でもよく食べていると思いますが、本場のゴマ団子は味が違います。 |
特にここ蓮香居ではふっくらした団子の中にカスタードクリームが入っていて、きっと印象深い点心の一つになると思います。おすすめです。 |
|
なかなか回ってこない点心というのもあります。オーダー式の飲茶ならオーダーシートに印をつけさえすれば、そのうちアツアツの点心が手に入るのですが、ワゴン式はそうはいきません。美味しい点心、食べたい点心にありつくためには、ワゴンを押してくるおばさんの広東語を聞いたり蒸籠など容器の形を見たりして、これだと思う点心を席を立って見に行くというマメな対応が求められます。これぞ、ワゴン式飲茶の楽しさでもあります。 |
香港の蓮香居を紹介してきましたが、如何ですか。 さきほどは香港から東京に帰る日の朝によく立ち寄るということを書きましたが、実は香港で仕事のある朝もここに8時半頃まで座って朝食を食べながら自分の時間を過ごすということもよくあります。私の場合は他のお客さんのように新聞を見るのではなく、アイパッドを見ていますが。 出勤前のビジネスマンみたいな人もいますよね。日本で言えば、喫茶店のモーニングサービスを食べているようなものです。そんなわけで、出張者の朝食としてもここ蓮香居はおすすめです。 蓮香居も観光客の利用が増えてきました。今、香港らしい伝統的なワゴン式飲茶を楽しめるのは、場所はちょっと遠いですが荃湾の蓮香桟のような気がします。 |