香港流浮山で美味しい海鮮料理 |
流浮山に行ってみよう |
香港の流浮山は香港北部にある漁師町で、カキの養殖をしていることでよく知られています。ここには漁港、海鮮市場があり、当然のごとく海鮮レストラン街もあります。ただ海鮮レストランの数は鯉魚門や西貢に比べると数は少ないので、日本人観光客にはあまり知られていない海鮮レストラン街だと思います。 |
流浮山へは元朗または天水圍から港鉄バスK65系統で行くのが一般的です。港鉄バスK65系統は元朗駅始発で途中天水圍駅を通って流浮山に向かうので、香港島や九龍から行くのであれば、MTR西鉄線で天水圍まで乗って天水圍B出口を出てK65系統のバスに乗り換えるのが最短経路になります。 バスは上の写真の流浮山ロータリーが終点になります。途中に漁港らしいものはなく、住宅地の天水圍から物流倉庫街を抜けていくルートは、本当にこんな場所にシーフードレストラン街があるのかと思ってしまうような場所です。もともと流浮山の漁港は歴史が古いのですが、この立地は香港から深圳・中国大陸方面に向かうトラックのターミナルとして1990年代から開発された結果、このような不思議なルートになってしまったものです。 |
さて、流浮山ロータリーでバスを降りると、そこから周囲に何本も道が伸びています。海鮮市場や海鮮レストランに向かう道は、犬の後ろに見える細い道です。この道には屋根がついていますからそれが目印になります。 |
その細い道の両側には上の写真のように商店が軒を連ね、商店に混じっていくつかレストランが顔を出します。店舗は100店以上、レストランは30店以上はあると思います。逆にそのくらいの規模ですから観光客がどっと押し寄せるということは少なく、香港人に混じってシーフードを楽しめる穴場的存在になっています。 |
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流浮山の海鮮市場を歩く |
流浮山の海鮮市場を歩いてみましょう。距離としては200mくらいでしょうか。その一本道の両側に店舗が並んでいます。上の写真は牡蠣。ここ流浮山のものかもしれません。流浮山の牡蠣は全体的に小粒です。ですからシーフードレストランで食べる時は必ずしも流浮山産のものにこだわらない方が良いと思います。中国広東省の台山産の牡蠣が大きくて美味しいです。香港から近い場所なので鮮度も高いです。 一方で、流浮山の小粒な牡蠣は粥とか卵焼きの中に入れて食べるのに適しているのではないかと私個人的には思っています。 |
魚もあります。これはここの漁港で揚がったものではないと思います。 |
海産物がいろいろ売られています。街中で買うより安いのでしょうが、日本に持って帰れるわけでもないので、見て楽しむくらいですね。おっ、右上のは何でしょうか、 |
ヒトデですね。ヒトデも食べるのですね。私はヒトデを食べたことがないのですが、どのように食べるのでしょうか。美味しいのでしょうか。美味しいはずがないですね。美味しいなら日本でも様々な料理に活用されるはずです。 |
そんなことを考えながら一本道の市場を通り抜けると海に出ます。川のように見えますが、これは深圳湾という湾で、海が入り込んでいる場所です。左に見える橋が深圳湾大橋、深圳湾大橋を渡るとそこは中国の深圳市です。私が住んでいる街です。 天気が良い日は深圳の摩天楼が対岸に広がります。夕方から夜にかけては深圳の摩天楼が作り出す素晴らしい夜景をこの場所から見ることができます。 深圳市は人口1400万人の大都市で最近は世界最先端のIT都市として知られています。天水圍駅から深圳湾行きのバスに乗れば、15分もかからずにこの橋を渡って深圳湾のイミグレーション(国境)に行くことができます。ベストの楽しみ方は昼間に天水圍から深圳に行き、少し深圳市内を見てから天水圍に戻り流浮山にシーフードを食べに来るというルートでしょうか。 |
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いけすでシーフードの素材を選ぶ |
さて、前置きが長くなってしまいました。では流浮山の海鮮料理について紹介します。 流浮山で海鮮料理を食べる時は、上で紹介した海鮮市場の一本道の両側にある店で食べることになります。きれいな店、汚い店、大きな店、小さな店といろいろです。 私が海鮮レストラン街で店を選ぶ基準はいけすです。いけすが清潔であることと種類が豊富であること、この二つの基準で選びます。この日、私が選んだのはこの店です。レストランの名前は成記です。この成記というレストランは一本道からちょっと入ったところにあるので、きっと皆さんは見つけられません。その代わり、この成記は雄記という水産物店(魚屋)を出していますので、この雄記は見つけられると思います。の流浮山で最も種類が豊富できれいな水産物店(魚屋)です。 |
成記以外の店はレストランにいけすがあってそこで選んでも良いですし、予め水産物店(魚屋)で素材を購入し、レストランに持ち込んでも大丈夫です。この仕組みは、鯉魚門や西貢などと同じです。持ち込みの場合、レストランは加工料を取ります。加工料は調理法と重さにより決められます。 この日私が選んだのは、まず蟹です。実は一人でランチを食べに深圳からわざわざ来たのですが、目的は蟹でした。(実は私の家から流浮山は一時間かかりません。) |
一人ですから、あまり注文できません。もう一品はホタテにしました。大きそうなホタテで期待できそうです。 この雄記という水産物店(魚屋)は素材がきれいに並んでいるし管理もしっかりしています。素材をここで買うと良いと思います。流浮山では私は今後ともこの雄記で素材を買おうと思います。 |
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いよいよ海鮮料理です |
私は成記のスタッフと一緒に素材を見に来ましたので、素材を見ながら調理法を決めました。蟹と一口に言っても、調理法により適した蟹は異なります。そのあたりの知識が十分でない場合にはレストランのスタッフと素材を選んだ方が美味しい海鮮料理を食べられます。 個人のブログなどで「素材を自分で買ってレストランに持ち込んだ。美味しかった。」などと自慢げに書いている人をよく見かけますが、香港や深圳の海鮮料理を数多く食べている私でも自分が十分に食べ慣れた料理以外はベストの素材を選ぶことはできないと思います。無難なのは、レストランのスタッフのアドバイスを聞くことだと私は思います。 |
この日は結局定番のねぎ炒めにしたので、実際には蟹の種類を選ぶにあたってスタッフの助けはいらなかったかもしれませんが、美味しい蟹を探し出してくれました。大満足です。 |
昼間から蟹を一人で食べるなんてのは贅沢の極みですが、これも海外一人暮らしのストレス解消法の一つです。素材が良かったこともあるし、成記というレストランの味付けも良かったですね。濃すぎない味、出しゃばらない味付けが気に入りました。 |
ホタテも定番の春雨ニンニク蒸しです。思っていた以上に大きいホタテで感動しました。このホタテがしかも安くて、ホタテと蟹だけなら、材料と加工費で2000円くらいです。 |
ニンニクがたっぷり乗っているのは、私が乗せてくれといったからです。普通よりちょっと多いと思います。 |
どうですか、この厚みのあるホタテ。美味しくないはずがないですね。ニンニクがたっぷり乗って私好みの味になっているし、申し分のないホタテと春雨のニンニク蒸しです。この料理は何十回となく食べていますが、コストパフォーマンスで行けば屈指の出来栄えです。 香港ではお金をたくさん払えば良い素材を買うことができますし良い調理人のいるレストランで食べることができると言われています。高ければ美味しくて当たり前です。ところが、実際には高いだけで美味しくないレストランもたくさんあるし、安いけれども美味しいレストランもあります。 ここなどは安いというほどの価格ではなく普通の価格というべきですから、普通の価格でかなり美味しく食べることができるレストランということができます。 |
炒飯です。一人で食べに来ていますから炒飯を食べきれないのは分かっていて、実はその日の夕食用にパックに詰めて持ち帰るための注文です。揚州炒飯(いわゆる玉子入り炒飯)で十分だと注文時に伝えたのですが、出来上がったのは海鮮炒飯でした。日本人の感覚からすると2-3人前の量ですね。香港で炒飯を注文すると大体このくらいの量になります。 |
茶碗に盛り付けた方が具を見やすくなりますので、上の写真を用意しました。エビはたくさん入っていました。これがご覧の通りちょっと大きめでしかもプリプリなのです。そして、イカ、ホタテに加えてチャーシューも随分入っていました。これだけ具が入っていれば超豪華な炒飯です。 ランチ時には三分の一をいただき、残りをパックに詰めて単身生活者の夕食になったのでした。昼、夜とシーフード三昧の食事になりました。 |
香港ではここ流浮山以外にも、海鮮レストラン街で食べられる場所がいろいろあります。鯉魚門や西貢、南Y(ラマ)島といった有名な場所もあったり、屯門や深圳蛇口のように日本人にはあまり知られていない場所もあります。また、海鮮レストラン街まで足を伸ばさなくても香港の市街地で食べられるレストランはたくさんあります。 香港は海鮮料理の天国です。香港に来たら海鮮料理を楽しまない手はありません。香港に来たら海鮮料理のページに、香港での海鮮料理の楽しみ方をまとめてありますので参考にしてください。 |