マカオの広東料理レストラン、陶淘居の飲茶 |
陶淘居はマカオの老舗広東料理レストラン |
マカオはポルトガル植民地になる以前は、当然ながら当時の清の一部であり、もともとは広州を中心とした珠江経済圏に属する地域でした。ですから、言葉は広東語(中国語の方言の一つで広州や香港などで使用されています。)が話されていますし、食文化は広東料理に属するものです。海に面したこのエリアで好まれている広東料理は、素材の味を生かした最高級の中華料理として知られています。 このページで紹介する陶淘居は、広東料理の老舗のレストランで、恐らくは1880年に創業した広州の老舗広東料理レストラン陶淘居の流れを汲むレストランだと思います。ただ、マカオの陶淘居は広州の陶淘居よりも点心の質も良いですし、高級感もあります。セナド広場から歩いて5分と掛からない場所にあります。 |
マカオの陶淘居の入口にある水槽には美味しそうなカニが泳いでいます。数人でマカオに来ているならば、本来は夕食に本格的な広東料理をいただきたくなるレストランです。広東料理と言えば飲茶も有名ですので、今回のような一人旅では飲茶で我慢するしかありません。 飲茶は朝9時からの営業です。飲茶は恐らく午後4時くらいまでで終了し、その後は広東料理の本格料理だけの営業になると思います。飲茶はお茶を飲む行為ですので、レストランでは夕食時には提供しないのが一般的なのです。朝は9時前に行列ができます。朝に利用したいのであれば10分くらい前に並んだ方が無難でしょう。 |
上の写真は陶淘居の店内です。ゆったりとしたテーブル配置です。しかも、飲茶の時間でも相席はありません。香港や広州、深圳などでは朝の飲茶は、よほどの高級店を除けば相席が基本ですが、ここマカオの陶淘居は相席はさせないようです。ですから、一人で来ても四人席に案内され、一人で飲茶することになります。 そんなわけですから、朝利用する場合は、早く来ないとテーブルが埋まってしまうことがあるのです。 |
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テーブルに着いたら、レストランの係員から何か聞かれます。広東語ですから意味不明でしょうが、香港などのレストランと同じでお茶の種類を聞かれているのです。ですから、飲みたいお茶の種類を応えてください。点心に合う中国茶は普洱茶(プーアー茶)です。広東語ではポーレー茶と言いますので、普洱茶にしたい場合は「ポーレー」とだけ答えれば良いわけです。その他にどんな中国茶がここマカオの陶淘居にあるのか私は知りません。いつも普洱茶にしているからです。 |
それからじっくりと点心を選びましょう。蒸した点心、揚げた点心、腸粉、粥、焼味、甜品など、種類別に分かれています。【特】だの【大】だの書いてあるのは価格です。因みに、2015年12月現在の価格は、超、特、大、中、小の順に、38元、33元、29元、24元、18元です。 |
そうこうしているうちに、注文したお茶が運ばれてきます。片方は茶葉が入った急須で、もう片方は熱湯の入った急須です。お茶が出過ぎないように、時々熱湯を追加しながら美味しくお茶を召し上がってください。 なお、飲茶の作法や点心の種類については、このサイトの香港での昼食(飲茶を中心に)に詳細に載せていますので参考にしてください。 |
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マカオの陶淘居の美味しい点心 |
この日一人で来た私が最初に選んだのは、貝柱の焼売です。これだけ立派な具を載せている焼売は、香港や広州でもそれなりの高級店に行かないと食べられません。見た瞬間からここマカオの陶淘居の水準の高さを感じさせてくれます。 なお余談ながら書きますと、香港や広州で点心を食べる時は醤油などはつけません。点心にはそうした調味料を付けなくても美味しく食べられるように味付けが施されています。せっかく美味しく味付けているのに醤油などでその美味しさを台無しにすると、点心師は嘆き悲しんでしまうのです。点心によっては酢などの調味料をつけて食べるものもあって、そうした場合だけ点心とともに調味料が出てきます。 |
さて、貝柱の焼売の中を見てみましょう。日本の焼売とは全く異なっていて、大粒の肉やシイタケや野菜といったものが丁寧に包まれてます。絶妙の味付けです。とても美味しい焼売です。この贅沢さは高級店ならではで、点心師はお客様を目でも舌でも楽しませてくれるのです。 |
田園椎茸包なるオリジナル点心を注文してみました。大きな椎茸の形をした饅頭みたいなものが三つ蒸籠に乗って出てきました。「点心師は目でもお客様を楽しませる」とはまさにこうした点心を言うのです。 |
饅頭をひっくり返すと、ちゃんと椎茸らしく根っこもついています。凝ったつくりです。まさか椎茸が丸ごと乗っているのでは、などと勘違いしそうな人もいるのではないでしょうか。 |
そして、食べてみると、やはりこの点心は饅頭でして、中の案は野菜を中心に椎茸なども入っていて、味付けは若干濃いめで饅頭の生地の味によく調和します。饅頭の生地自体も、ちょっとふっくらしていて甘い味付けです。一方、シイタケは香りは強いですが、味付け控えめという感じでしょうか。素晴らしいです。 |
そして、今回の注文は饅頭がかぶってしまいましたが、流沙包です。ここでもう一回メニューの写真を見ていただくと分かりますが、点心名の前に冠や星のマークがついていますが、冠のマークは人気点心で星のマークは新作のおすすめ点心です。 流沙包というのはカスタードクリーム入り饅頭ですが、ここ陶淘居の流沙包は流汁沙皇包と名付けられていて、そのカスタードクリームが汁が流れるようにトロトロしているのだろうと想像されるのです。そして、人気点心なのです。 |
食べてみると、命名された名前に恥じず、まさにトロトロと流れ出るようなカスタードクリームがたっぷり入っている流沙包でした。甘さも大人の甘さですから、一人で来た私でさえ、すべて食べても全く苦にならない美味しい甘さだったことを報告しておきます。 マカオの陶淘居は素晴らしい点心を食べさせてくれるレストランです。正確には陶淘居海鮮酒家です。酒家がレストランを意味します。今度マカオに来るときには数人で来て、広東料理の美味しい海鮮を食べたいと思います。 |
なお、マカオの陶淘居の隣は、老舗のポルトガル料理レストラン、仏笑楼です。ポルトガル料理については、マカオのポルトガル料理のページで紹介していますので参考にしてください。 |