アンコールワット中央祠堂と第三回廊の魅力を紹介しています。中央祠堂はアンコールワットの中心部で、その神々しさにはいつ見ても圧倒されます。壁面には見事な彫刻が施されています。また、中央祠堂の周りに数多く彫られているデバターと連子窓が、アンコールワット独特の雰囲気を醸し出しています。 |
第三回廊へ |
私たちがアンコールワット観光をすると、アンコールワットを西参道から入り聖池で逆さアンコールを見た後に、第一回廊、十字回廊と第二回廊を通り沢山のデバターも見ながら第三回廊へと進んでいきます。 第二回廊を出ると、上の写真の通り、前面に第三回廊と中央祠堂がそびえています。中央祠堂の神々しさを見て、体中が興奮します。第三回廊へは、以前は上の写真にあるかなり傾斜の強い階段を登る経路になっていました。 |
しかしながら、現在ではこの階段は通行禁止になっていて、裏手、すなわち東側に回ったところにある専用の階段で第三回廊に登ることになっています。 |
現在使用されていない階段です。確かにかなり傾斜が強いので、這って登るような感じになるのですが、下りる時の方が大変そうです。転落事故などもあったかもしれません。 |
ということで、現在は仮設の階段で第三回廊に登ることになっています。 第三回廊に登る階段はここ一か所なので、混雑時には行列ができてしまいます。これは上りも下りも同じです。特に午後はツアー客が多いので、大行列になっていることもあります。暑いところで待たされますので、その点は覚悟してください。 |
これでも結構傾斜が強いので、ご老人やご婦人の中にはなかなか降りられない人もいます。実際に私が下りかかったときに、前にいたご婦人が突然泣き出して階段の途中で立ち止まり、「怖い!怖い!」を連発していました。上の写真の20代の女性も殆ど前に進めません。混雑時であればブーイング間違いありません。 |
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第三回廊 |
第三回廊の下から第三回廊と角に建つ塔を見たところです。上に載せた地図からも分かる通り、第三回廊自体は、第一回廊や第二回廊に比較すると小さい四角形です。ただ、それが石で積み上げられた相当に高い場所を通っていますから、威容を見せています。 |
仮設階段の下から見た第三回廊です。 実は、上に載せたアンコールワット平面図を見ていただくと分かるのですが、第三回廊は第二回廊に囲まれたエリアの中に建っているのですが、中央に建っているわけではありません。東に寄ったところに建っています。したがって、写真を撮るときもスペースの広い西側から撮った方が見栄えが良くなります。 |
これは西側のスペースから撮影したものです。このページの一番上の写真も同じ場所から撮影しています。西側の広いスペースの出来るだけ西寄りに立って、第三回廊を見た方が私は好きです。 |
第三回廊の壁面です。連子窓が続く回廊になっています。回廊部分の外壁にはデバターなどは彫られていません。すっきりした壁面です。 |
一方、第三回廊の四隅に建つ塔には装飾が施されています。 |
第三回廊に登りました。第三回廊をぐるりと回って、西側(アンコールワットの入口方向)を見たところです。手前から第二回廊、 すぐ先に第一回廊があって、そこからまっすぐに伸びる道の向こうに西塔門が見えます。その道の両側に見える建物が経蔵です。 |
上はアンコールワットの配置図です。この地図でいえば、中央祠堂をいちばん内側で囲んでいるのが第三回廊で、第三回廊から左側を見ていることになります。 |
アンコールワットの入口とは反対側、すなわち東側を見ると、第二回廊と第一回廊は重なるように見えます。 |
第三回廊から南西側の下を見たところです。経蔵が建ち、経蔵や第二回廊の壁に数多くのデバターが彫られているところが見えます。デバターはこちらを向いて、言い換えれば中央祠堂を向いて彫られています。 |
第三回廊の中にもデバターが沢山描かれています。この第三回廊のデバターは、デバターのページでも紹介している通り、落ち着いたポーズのものが多いような気がします。 |
第三回廊自体はそれほど広くないので、デバターと連子窓で埋め尽くされたような作りになっています。 |
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中央祠堂 |
第三回廊から見る中央祠堂です。中央祠堂は第三回廊に囲まれる位置に建てられています。神々しさを感じさせる建物です。 |
アンコールワットの平面図を見ると分かるように、第三回廊と中央祠堂は「田」の字を形成していて、中央祠堂の周りは4つのブロックに分けられます。上の写真はそのうちの一つのブロックです。今、写真を撮っている方がいるところは、もともとは雨水を溜めるスペースで、ここに溜まった雨水を十字回廊のところにある沐浴場に流すようになっていたそうです。 |
屋根や柱の装飾が荘厳な雰囲気を醸し出します。アンコールワットが完成したのは12世紀前半です。日本では鎌倉に幕府ができたのが1192年で、保元の乱でさえ1156年です。ですから平安時代の後期にあたるわけです。その時代にアンコールワットを建造していたクメール文化には驚くばかりです。 |
そんな往時のアンコールワットに思いを馳せながら、中央祠堂と第三回廊の素晴らしさを堪能してください。他のページでも書いてきましたが、アンコールワットの素晴らしさは駆け足で見ても半分くらいかそれ以下しかわかりません。ゆっくりとじっくりと雰囲気に浸って、細部まで目を向けていくと、その素晴らしさが実感できるのです。 |
先ほども書いたように第三回廊と中央祠堂は「田」の字を形成していますから、そのどこかに腰を落ち着けてみましょう。そこから中央祠堂や第三回廊をしみじみと見ていくのです。アンコールワットは暑いですから日陰の場所に座るのは言うまでもありません。 上の写真でも角に座っている人が見えると思います。 |
この女性も私と同様に、もう30分以上ここに座ったままです。でも、時々見上げるように中央祠堂や第三回廊を目に焼き付けています。私は彼女の対角線の位置に座っていたのです。第三回廊と中央祠堂への回廊が交わる地点は日陰が比較的長く続きやすいので、そうした角に陣取るのです。 |
私が中央祠堂に来るのは12時から2時くらいの間です。この時間はほぼ真上に太陽がありますから日陰スペースは小さいです。ですが、すいているのがメリットです。この素晴らしい雰囲気を静寂の中で味わうことができるのです。 この日は青空がきれいでした。青空を背景にここに座ってアンコールワットを眺めていると、時間が経つのを忘れてしまいます。 |
アンコールワットでは、午前中は逆光だから人が少ないです。また、11時過ぎからアンコールワット観光を始めるツアーも少ないです。アンコールワット観光はどんなに端折って見ても二時間くらいはかかるので、11時からだとランチタイムをまたいでしまうからです。朝来たツアー客などは12時前後にはアンコールワットからランチ場所へと姿を消します。 その分、午後になると一気に観光客が増えるわけです。夕方は光線が強くなりますから来る価値はあるものの、午後の1時から2時くらいにアンコールワットに到着するスケジュールは最悪です。観光客が多すぎて、ゆっくりと自分のペースで観光できません。 そんな傾向にありますから、私は朝の逆光がなくなる11時ごろにアンコールワットの西参道に来て、第一回廊や第二回廊を一時間くらいブラブラして12時過ぎに中央祠堂に来るのです。 |
ではもう一度中央祠堂の建物を眺めてみましょう。。建物全体が装飾されています。 日本が鎌倉時代を迎える以前に、これだけの建物がこのクメール王朝では建てられていたのですから驚きです。 |
中央祠堂の柱の上の装飾です。かなり深い彫りで美しく装飾されているのがわかります。 |
そして、この中央祠堂の建物にもデバターが彫られています。 |
上の方の二人を拡大してみました。踊り子ではないですね。女官なのだと思います。 周りの装飾も細かくて見事です。 |
下の方の二体です。これを見ても、やはり女官のような印象です。 |
今はすでに色が取れてしまっていますから分かりませんが、アンコールワットというのはもともと何色に装飾されていたのだろうと、この中央祠堂を見ながら考えてしまいます。金色だったのではないかという説もあるようなのです。 |
けれども、上の写真のデバターの上の装飾を見ると、朱色や緑色の装飾も見えますので、私としては金色だったはずはないと考えています。 |
中央祠堂から第三回廊に続く回廊の門の上にも像が彫られています。このように、中央祠堂の建物は建物全体に繊細で彫りの深い装飾がされていて、さすがにクメール王朝の栄華を感じさせるものです。 |
こういった屋根の装飾は肉眼で見るより、カメラレンズでズームアップした方が良く見えます。日本に帰ってきて撮影済みの写真を見た時に初めて発見することも時々あります。例えば、上の写真のように彫りが美しい部分は、何が彫られているか、どのように彫られていくかを拡大して見てみると、新しい発見があったりするわけです。というわけで、たくさん写真を撮ると、日本に帰った後もアンコール観光を楽しめるのです。 |
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第三回廊、中央祠堂の周りのデバター |
アンコールワットの魅力の一つは、多彩なデバター、躍動感あふれるデバターにあります。デバターが最も多いのは第二回廊の内側ですが、中央祠堂の周りにも多くのデバターが彫られています。第二回廊内側のデバターや西塔門内側のデバターなどと比較すると、中央祠堂の周りにはどちらかと言うと地味目なデバターが多いと思います。 |
それでも、上の写真にあるような踊っているデバターもありますので、やはり一つひとつ丹念に見ていきたいものです。 |
中央祠堂の周りのデバターに華やかさが欠けるきらいがあるのは、そのスペースが限られていることが一番の原因だと思っています。と言うのも、第三回廊内の中央祠堂の周りということになると、柱が多く、また連子窓も多いので、第二回廊内側のように広い壁面を確保できないのです。したがって、上の写真にあるように一体ずつ彫られているデバターが多いという結果になります。 先ほども書きましたが、落ち着いたデバター、中央祠堂に来られた客人を出迎えるようなデバターが多いということになります。 |
上の写真を見てもらうと、第三回廊内の様子がよくわかるのですが、デバターの奥にデバターが見え、そのまた奥にデバターが彫られています。上の写真にあるデバターは柱に彫られているので、一体もしくは二体で彫られています。 |
よく見ると、柱の下の方にも彫られていたりします。この場合は小さいデバターなので、柱に彫られていても四体を描けましたので、踊り子たちが描かれています。 このように、中央祠堂の周りにも、多くのデバターが彫られているのです。 |
第三回廊内のデバターを語るとき、もう一つ忘れてはならないのが、光線です。第三回廊内はあまり日当たりがよくありません。ですから、暗い中で連子窓を作り、連子窓を通して光を入れざるを得ない建物構造になっています。 この建物構造の特徴が、光の加減によってデバターの表情や印象を変えるとともに、連子窓とデバターが並ぶ独特の雰囲気を作り出しています。 |
上の写真を見ると、連子窓には光が当たる一方で、デバターには光が当たらず暗めの映像なのですが、それはそれで妖しい雰囲気を醸し出しているのです。時間によってはこのデバターに強い光が当たるときもあるわけで、その時間帯のデバターの表情はまた違ったものに見えるはずなのです。 |
中央祠堂内の仏像です。今でも地元の人たちを中心に信仰を集めていますが、ここで祈りをささげる人はごくごく少数です。 |
中央祠堂内でじゃれつく二匹の猫です。アンコールワットではサルはよく見かけますが、猫を見たのは初めてです。住み着いているのでしょうか。 |
二匹ともかわいらしい猫です。 |
第三回廊から降りて、第三回廊と中央祠堂を再度見上げてみます。 何か去りがたい思いを感じるのは私だけではないと思います。 |
最後に、アンコールワットの近くにあるプノンバケン山から撮影したアンコールワットです。ここからは濠を見ることはできないのですが、森の中に浮かぶアンコールワットを見ることができます。中央祠堂がそびえたち、第三回廊から上はしっかりと見ることができます。森の木々の間からところどころ第二回廊も姿を見せています。 プノンバケン山は夕陽を見る絶好の場所として知られています。私もそれが目的で夕方にこの山に登ったのですが、あいにく当日は天気が悪く夕陽を見ることはできませんでした。けれども、この森の中に浮かぶようなアンコールワットが見れましたので、それだけでも価値があったと思います。 |
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