アンコール遺跡の一つ、ベンメリア遺跡は宮崎駿の「天空の城ラピュタ」のモデルになった一つだと言われています。そのラピュタらしい光景は、崩れ落ちた石材で埋まった地下通路のような第二回廊を抜けたあたりに広がっています。そこにはまさに「天空の城ラピュタ」が広がっていました。 |
遊歩道から外れてベンメリアを探検しよう |
ベンメリア遺跡が宮崎駿の「天空のラピュタ」のモデルの一つなっているという話は有名です。このことは、日本だけで有名なのではなく、ラピュタがよく読まれている中国や韓国でも知られているようです。その証拠に、このベンメリア遺跡だけは、白人観光客よりも圧倒的に東アジア系(日本、中国、韓国)の観光客が多いのです。 上のような風景がベンメリア遺跡内にはありますが、ここなんかは確かに「天空のラピュタ」に出てきそうな場所です。しかし、この場所は遊歩道からは見えない場所にあるのです。そこで、ベンメリア遺跡に来たからには遊歩道から外れてもっとベンメリア遺跡を楽しみましょうというのが、私のおすすめです。 |
Wikipediaでは上の赤枠の中が見学可能なエリアだと書いてありますが、これは遊歩道を使って見学することができるエリアの間違いです。上の図からも分かる通り、赤枠の範囲はベンメリア遺跡の4分の1くらいの広さです。赤枠の外をどのように楽しむのか、それがこのページのテーマです。 なお、赤枠の中はベンメリア遺跡の魅力が凝縮されたエリアです。回廊の風景のページで、主として遊歩道から見るベンメリア遺跡を紹介しています。 |
赤枠の外、すなわち遊歩道から離れたエリアに行くには、上の平面図の中の右上の角にある経蔵のところから地面に下ります。ベンメリア遺跡では経蔵が南東と北東にありますが、北東の経蔵です。上の写真は北東の経蔵です。この角度から絡み合った木々も含めて見ると、ベンメリアらしくていかにも密林の中にある遺跡といった風情です。私の好きなアングルです。 |
ここから地面に下りて、上の平面図を時計と反対周りに回るような感じになります。経蔵の裏にそびえる巨木も木と木が絡み合っていて、なかなか見ごたえがあります。この時間はちょうど天気が良くて青空が背景にあったことも美しく見えている理由の一つです。 |
また、塀の方に目を向けると、そこにも絡み合う木が見えます。根の方などはまるで塀の模様のように美しく絡んでいます。これらの木は北東の経蔵の裏手にあります。ベンメリア遺跡のあちこちでこうした光景は見られるのではありますが、ここ北東の経蔵の一帯はベンメリアの中でも幻想的な風景が見られる場所です。 |
このエリアに無造作に地面に置かれているレリーフです。あまりにも無造作に置いてあるので通り過ぎて行ってしまう人が殆どでしょうけど、この日一緒に回ってくれたガイドさんが、これ素晴らしいでしょうと紹介してくれたから私も見落とさなかったのだろうと思います。 |
実はこの日一緒に回ってくれたガイドさんというのは、特に雇ったガイドさんではなく、おそらくはベンメリア遺跡の案内員の方です。だから無料のガイドさんです。近くにいたので私がいくつか英語で質問したら、一緒に回ってあげるから付いてきてくださいと快く案内してくれたのです。 上の写真を見てください。北東の経蔵があるエリアから、今度は跳ねるように階段を上って半分埋もれているような門の中を抜けていきます。 |
こんながれきの中を歩いていきます。がれきとはいってもところどころレリーフが転がっていて、小さいものがあったら持って帰りたくなるような変な気持ちになってしまいます。でも、決して持ち帰ったり動かしたりしないようにしてください。 |
ちょっと風化してしまいましたが、踊るシヴァ像の一部です。12~13世紀に彫られた踊るシヴァ像がこんなに無造作に転がっているのです。 |
私はがれきで足を踏み外さないようにゆっくりと歩いているのですが、ガイドさんは歩き慣れているし写真も撮らないのでサッサッと先に行ってしまいます。でも親切だから待っててくれています。がれきの上を歩いていくと原形をとどめている回廊の横に出ました。回廊の風景のページで紹介した遊歩道から見える回廊の裏あたりでしょうか。 |
先ほどの踊るシヴァ像と同型だと思われる石が回廊の台座として使われていました。何らか上からの圧力で一つの石が飛び出してきそうです。 |
ブランコ状にカーブした木の枝、絡みついている木の枝、建物に侵食している木の枝や木の根、‥‥。このベンメリア遺跡の遊歩道から外れたエリアは、まさに密林の中の遺跡そのもので、こうした風景こそがベンメリア遺跡のベンメリアらしい風景だと私は思うのです。 そうこうしているうちに、天空の城、ラピュタの風景が始まります。 |
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天空の城ラピュタの風景 |
上の写真は、ベンメリア遺跡に連子連呼窓のある回廊です。連子窓は、アンコール遺跡ではアンコールワットのみならず多くの遺跡でよく見られます。 上の写真のあたりを見る限り、ベンメリア遺跡の連子窓も綺麗に残っています。 |
ベンメリア遺跡の連子窓から見た風景です。外はがれきばかりですからあまり絵になりません。やっぱり連子窓がきれいで、光が強い朝日や夕陽の時間に美しく映えるのは、アンコールワットとバンテアイスレイ(朝日の時間だけ)だけかもしれません。 |
連子窓のある回廊に木の枝や根が絡まり、建物や木々で陽が陰った狭い空間があるこの風景が、何となく神秘的です。このあたりはラピュタのイメージに合うのですがいかがですか。 |
このエリア一帯だけが独特の雰囲気を持っていて、しかも観光客が多い遊歩道エリアとは隔離されているので、信じられないような静寂の空間なのです。 |
こうした風景こそが、宮崎駿のラピュタのイメージではないでしょうか。変な言い方ですが、ほどよく苔むしている壁に木の枝や根が這いまわり、連子窓が怪しい雰囲気を漂わせています。 |
ここなんかもラピュタに出てきそうですね。この扉など、ムスカ大佐が出てきそうな気配さえあります。 |
上の写真の扉の左側の細い空きスペースを奥の方へ見ていきますと、ここは建物があまり崩れていません。ずっと続く連子窓の壁は見事なものです。 |
このあたりの光景を見ると、在りし日のベンメリアをイメージできるような気がします。優美な連子窓が連なる回廊に囲まれた瀟洒な寺院だったに違いありません。 何度も言いますが、このベンメリアの素晴らしい景色は遊歩道からは見えません。観光客はこのエリアにはほとんど入ってきません。Wikipediaでは観光客が参観不可能なエリアとされています。そして、実際に行ってみると、確かに分かりづらい場所にあるのです。後ほど紹介しますが、実は以前に歩けたルートが今は通れなくなっていて、今回はたまたまベンメリア遺跡の案内員の人がいたから来れたようなものです。この記事は2016年7月に書いていますが、また近いうちにルートが変わるかもしれませんので、その点は承知しておいてください。要は、自分で探検するつもりでベンメリア遺跡の中を歩き回らないと見つからないということは知っておいてください。 |
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ベンメリア遺跡をさらに探検する |
ラピュタのエリアからさらに時計と反対周りにベンメリア遺跡を歩いていきます。建物の間を結ぶ橋の廊下です。もともとは橋の上に建物があって回廊だったはずです。 ガイドさんが この向こうにも素晴らしい場所がありますよ、と言いながら案内してくれます。 |
このエリアには私も初めて入りました。こちら側も幻想的な雰囲気が漂っています。上の写真の木はかなりの大木で例によって枝のカーブが素晴らしいです。そして、背景には大きめの連子窓を有する建物が見えます。このあたりまで来ると、ガイドさんも写真を撮る位置やアングルまでアドバイスしてくれるようになります。 |
こういう門も私は好きです。 門の上や柱のレリーフが見事です。 |
別の柱のレリーフです。これも大変印象的なレリーフです。 |
そして、さらにガイドさんは道なき道を進んでいきます。滑りやすいから気を付けてくださいね、とか言いながらも例によってすごいスピードで歩いて行ってしまいます。 |
地下道みたいなところに来ました。もちろん、地下道ではなくて普通の回廊の中を歩いているだけです。ただ、がれきの中に埋もれているので、一つ上の写真のようにがれきの中を潜っていくように下に下りて行ったところにあります。 |
がれきの中で見つけたレリーフです。そのうちいつかは片づけられて建物などの横の空地に積まれ、その後、もともとあった場所が判明すれば修復作業をして建物の上に乗せられるということになりますが、何といってもこれだけがれきばかりの遺跡ですから、いつになったらすべての修復が終わるのかは検討もつきません。 |
上の写真のように見事に崩れてしまっている遺跡を修復する場合、石を勝手に動かしてしまうと修復するときにもともとどこにあった石なのかが分からなくなってしまいます。壁や柱に使用されていた石の間にレリーフがあれば、周りの石がどこに使用されていたかが分かればレリーフもどこにあったかが分かるわけです。ですから、がれきは動かしてはいけないのです。がれきを動かしてしまうと修復に支障が生じるのです。 |
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ベンメリア遺跡は変化している? |
遊歩道以外のエリアに行くルートは前回2014年に来た時とは変わっていました。実は2014年に来た時には上の写真のような場所を抜けて行ったのです。ここは第二回廊の一部を通っていくコースだと思いますが、今回通った回廊とは別の回廊です。 どうやらベンメリア遺跡は変化しているのです。少しずつ修復を進めているからではないでしょうか。 |
かつて遊歩道以外のエリアに行く入り口は上の写真のように既に石に埋まっている所でした。ここはもともと第二回廊への入口ではなく、単に第二回廊の屋根がなくなり残っていた屋根部分から下りられるように作った場所でした。 |
当時回廊の中に下りて、屋根がまだ崩落していないところまで来ると周りの状況が見えてきて、回廊と回廊の間に巨木が生えているところもありました。第二回廊(二本目の回廊)と第一回廊(最も内側の回廊)との間です。恐らくはこの巨木が育っていく過程で、連子窓が突き破られたのだと思いますが、連子窓がかろうじて一本だけしかも下の部分だけが残っていました。 この時の方が迫力がありましたが、今は少し修復されてしまったようです。 |
この窓については、連子窓が二本生き残っています。向かい側にある第一回廊の連子窓はきれいに残っているのが分かります。この辺りは巨木が生えていないため、崩落を免れたのだと思います。それでも、回廊と回廊の間には無残に崩れ落ちた石が転がっていました。 |
上の写真は第二回廊の中です。 第一回廊は左側にあって、上の二枚の写真で見た通りの光景が広がります。第二回廊がこれ以上崩れないように、当時補強工事がなされていることが分かります。 |
こういったところも両手を使って、這ったり屈んだりしながら抜けていきした。この頃の方が探検気分でしたね。地元の子供たちがベンメリア遺跡を遊び場代わりにしてしまうのもよく分かります。子供はこういうところで遊ぶのが大好きですから。 確かにこの頃はちょっと危険なルートでしたので、別のルートから入り込めるようにルートを変更したのだと思います。今後もルートは変更されることが考えられます。ベンメリア遺跡の素晴らしさは遊歩道以外のエリアまで回ってこそ味わえますので、探検する気持ちでベンメリア遺跡の中を歩き回ってください。ルートを探し出すのに時間がかかることも想定されますので、時間に余裕をもって見学することをおすすめします。 |
シェムリアップのホテル |
シェムリアップでのホテルについて、簡単にお話しします。 シェムリアップは世界にも知られた観光地ですから、ホテルについてはそれこそ豪華ホテルからゲストハウスまで様々あります。ホテルは個人が旅行に何を求めるかにより、 おすすめする場所は異なりますが、私が宿泊しているのソマデヴィ・アンコール・リゾート&スパです。 |
私が宿泊しているのソマデヴィ・アンコール・リゾート&スパです。パブストリートやオールドマーケットまでシェムリアップのメインロードであるシヴァタ通りを歩いて5・6分ですが、静かですし周りにレストラン(韓国料理ダイバク、ラーメンのリリー)やマッサージ屋はいろいろあるし、ラッキースーパーやアプサラダンス(クーレンⅡ)も歩いて5分とかかりません。横の通りにはクリーニング屋もあって、アンコール遺跡観光で汗をかいて何回も着替えてもすぐクリーニングできますから、荷物が少なくて済むのです。 ご覧のとおり少し古いホテルですが、プールを含めてホテルの設備は申し分ありません。価格もリーズナブルだと思います。ですから、私がシェムリアップに宿泊する際はいつもこのソマデヴィなのです。 |
因みに予約はアゴダでネット予約しています。 アゴダですと、手続きは確実に行われ予約番号などもメールで来ていますので、それをiPadやEvernote、または予め印刷したペーパーなどで見せればトラブルなく手続きできます。この当たり前と言えば当たり前のチェックインができることが何と言っても嬉しいのです。また、価格的にも最も競争力を持っているのがアゴダです。 場所や価格、設備、ホテルランクなどで絞り込みできますので、各ホテルの比較をするのも簡単です。また、口コミも参考になりますし、各地を旅行する私のような者が毎回使っているとポイントがたまるも嬉しいことです。おすすめのホテル予約サイトです。 シェムリアップのホテル予約はこちら ソマデヴィのページ |
ベンメリア遺跡の見学を終えて |
ベンメリア遺跡はシェムリアップから遠く、また、天空のラピュタのモデルということばかりが有名になってしまっていて、わざわざ行くまでもない遺跡などと考えている人がいるかもしれません。また、年配の人の中には瓦礫の上を歩かないと見学できないなどと思っている人もいるかもしれません。 そういう方には、ぜひ考えを改めてもらって、足を延ばしてもらいたい遺跡だと申し上げておきたいと思います。 |
アンコール遺跡というのは、どれも長い年月の間、森に埋もれていた遺跡です。発見が早かった遺跡はそれなりに整備され、往時の様子が想像しやすいレベルにまで修復されています。そうした遺跡を見て、当時はもっと豪華絢爛だったのだろうと想像するのも、それはそれで楽しい旅行かもしれません。 でも、ベンメリア遺跡のように、ほとんどが崩壊している遺跡から、往時の華やかな建物を想像するのは、難しいけれどももっと楽しいものなのです。 |
ベンメリア遺跡の中では、沢山の地元の子供たちが遊んでいます。皆、純朴で擦れていない子たちばかりです。バイバイと言ったらバイバイと答えてくれました。 子供たちの笑顔も見たいし、私はまたいつか近いうちに、ベンメリア遺跡を再訪することになるでしょう。 |
ベンメリア遺跡のページ構成(ご覧になりたいページをクリックして下さい。) | ||
参道を通り南門へ | ||
長い参道の途中では素晴らしい蛇神ナーガが見られます。地元の子供たちが出迎えてくれました。 | ||
南門からの風景 | ||
発見された当時のまま、修復されずに残るその光景に、思わず目を見張ります。 | ||
回廊の風景 | ||
遺跡内はどこも崩壊が激しく、原形をとどめていません。ほの暗く苔むした遺跡の姿に感動します。 | ||
天空の城ラピュタ | ||
地下の回廊を通った先には、まるで「天空の城ラピュタ」のような世界が広がっていました。 | ||
ベンメリア遺跡への行き方 | ||
シェムリアップからベンメリアまでは直線距離で約50㎞あります。途中の村の風景です。 |
アンコールワット概要
西参道から聖池まで
第一回廊
十字回廊と第二回廊
デバター
中央祠堂と第三回廊
アンコールワットのサンライズ
クメール料理レストラン
おすすめ、オールドハウス
クメールキッチン
ライブハウス、サムブラザース
静かでお洒落な店、ジョムナン
イートアットクメール
ファーザーズレストラン
インド料理、韓国料理
おすすめ、インド料理のダクシン
おすすめ、韓国料理のダイバク
インド料理のニューデリー
メキシコ料理のVIVA
カンボジアらしい食事
美味しいラーメンはリーリー
アプサラダンス(クーレンⅡ)
その他
パブストリート
ドリアンを食べよう
アプサラベーカリー
私の好きなコーヒーショップ
粘着式ですから大切な
SIMカードを落としません。
私も使っています。