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アジア写真帳(アンコールワット)             アンコール遺跡の観光とグルメを紹介しています。 

         トンレサップ湖と水上村|アジア写真帳

 トンレサップ湖はカンボジアにある東南アジア最大の湖で、100万人を超える水上生活者が水上村に住んでいます。シェムリアップから近いので、アンコール観光の際にはぜひ立ち寄りたい旅行先です。雨季と乾季とでは広さが相当に変化しますが、海のように広い湖です。

トンレサップ湖への行き方とトンレサップ湖の概要

トンレサップ湖の水上生活者

 トンレサップ湖は、東南アジア最大の湖です。100万人以上とも言われる水上生活者が生活していることで知られ、その数は世界最大規模です。
 シェムリアップからトンレサップ湖観光をしようとした場合、その入口(ボート乗り場)はチョンクニア、コンポンブルックとメイチュレイが知られていますが、この日は最もメジャーなチョンクニアから入りました。シェムリアップからチョンクニアへは車で約30分です。
 トンレサップ湖への行き方はトゥクトゥクを時間で借り切るのが一番良いでしょう。片道だけトゥクトゥクを借りたとしても帰りにトゥクトゥクを捕まえることができるかどうかは分かりません。私は二回トンレサップ湖に行きましたが、少なくとも私は客待ちのトゥクトゥクやタクシーを見たことはありません。シェムリアップ発のツアーに入る手もありますが、それでは自由度が落ちますし、費用も高くつきます。最も自由度が高く費用も抑えられる行き方は、トゥクトゥクで行って戻ってくるまでトゥクトゥクに待っててもらう方法です。なお、トンレサップ湖の遊覧チケット(英語ガイド付き)はチョンクニアのボート乗り場で購入できます。

トンレサップ湖水上村の子供
 
 ある日本語の旅行記では、チョンクニアはベトナム人の移民が多いので本当のカンボジアの水上生活者ではないなどといった記載がされていますが、それは誤解です。ベトナム戦争中から、ベトナムを脱出したベトナム人(いわゆるベトナム難民)を当時のカンボジア政府がトンレサップ湖を指定して住まわせたことが、今の水上生活者の大半であり、水上生活者というのは元を辿ればベトナム人なのです。
 ただ、こうしたベトナム難民を政府が多数受け入れたことについて、トンレサップ湖の豊富な水産資源や今では観光資源の美味しいところを持っていかれてしまったということで、もともとのカンボジア人から批判が多いのは事実です。


 さて、チョンクニアのボート乗り場です。時は5月中旬、乾季の終わりです。トンレサップ湖には水がありません。トンレサップ湖では乾季は雨期の水量の2割くらいしかないので、トンレサップ湖の水はチョンクニアまで来ないのです。
 乾季で水が少ない時期でもトンレサップ湖観光はできますか、などという質問も受けたことがあります。私は二回とも乾季の終わりに行ってまして、最も水が少ない時期です。結論は、乾季であっても全く問題はないということです。詳しくはこのページをご覧いただければわかると思います。


 チョンクニアのボート乗り場から見える風景です。ボートが手前に沢山あります。丘の上に建てられているのは韓国資本のリゾート施設です。2013年には完成しそうです。カンボジアに行って驚いたのは韓国の進出スピードの速さです。日本は完全に出遅れてしまっています。シェムリアップには韓国人のビジネスマンも観光客も多く、おかげでシェムリアップの街中にも、韓国料理の美味しい店ができています。


 さあ、チョンクニアからトンレサップ湖の乾季でも水のあるエリアまでボートが走ります。水路のような川のようなところを15分くらい走ったでしょうか。


 ボートの中はこんな感じです。私とガイドと二人だけなので、ゆったりとしています。

トンレサップ湖をボートで走る

 ボートはこんな感じの水路を走っていきます。水深が浅いですから、時々すれ違いができずに乗り上げてしまいます。浚渫を毎日のようにしないと、通れなくなってしまうようです。

トンレサップ湖で魚を捕る親子
 
 水が少ないので、トンレサップ湖らしい風景に出る手前の小川のようなところでは、網で魚を捕る住民の姿を多く見かけます。上の写真は親子の姿です。たくさん捕れるといいですね。

トンレサップ湖は魚の宝庫
 
 上の写真は手つきなどからすると、漁師ではなさそうです。素人でもこんな捕り方で魚が捕れるほどトンレサップ湖は水産資源に恵まれているようです。


 トンレサップ湖は、東南アジア最大の湖です。ただ、カンボジアの気候は雨季と乾季がはっきりしているので、雨季と乾季とでは面積が大きく異なります。乾季の面積は2700平方㎞に対して雨期には雨量の増加とともにトンレサップ川が逆流してメコン川の水まで入ってくるため、周囲の土地と森を水浸しにしながら面積は1万6000平方㎞まで拡大して深度も9mに達します。なお、クメール語で「トンレ」は川、「サップ」は淡水湖を意味しますが、これも雨期での川からの逆流に語源があるかもしれません。
 湖畔に建つ家は、雨期でも水につからないようにするために、かなり高い柱の上に建物が建っています。



 トンレサップ湖は広い


 ようやく水路を抜けて乾季のトンレサップ湖に到着しました。広いです。第一印象は、ただただ広いというイメージです。海のように広がっています。先ほど書いたように、トンレサップ湖の面積は乾季でも2700平方㎞、雨期ですと1万6000平方㎞ですから、琵琶湖の面積670平方㎞と比較すると、水の少ない乾季でさえ4倍くらいの広さなのです。


 海のように広がる水面に、建物が建っています、というか、浮いています。これが水上村なのですね。

トンレサップ湖の水上商店

 商店らしきものが見えます。少し近づいてもらいましょう。

トンレサップ湖の船上商店

 買い物客はボートでこの店に近づき、ロープでボートを縛り付けたうえで、右の入り口から店内に入ります。ここには入りませんでしたが、食料品を中心に雑貨なども売っているので、コンビニエンスストアみたいなもののようです。そのうち、セブンイレブンやファミリーマートなどが湖面に登場するかもしれないですね。


 湖の上にはポツポツと建物が浮かんでいます。建物がポツポツと建つエリアでは、個人の家よりも商店や学校、教会などの 公共施設が多いようです。個人の家は、後ほど紹介するようにむしろまとまった集落のように軒を連ねて浮かんでいます。

トンレサップ湖の水上村

 ところで、何度も書いてきたとおり、トンレサップ湖は乾季と雨季とで水量が大きく変わります。そうすると、水上生活者は常時同じ場所で生活するのではなく、水域の広がりとともに家を動かしていきます。その際に、家をどのように動かしどのように固定させるのかということですが、上の写真の商店で説明しましょう。
 水上生活者の建物はドラム缶や筏の上に建てていますので、まさにフローティングの状態ですが、竹を何本か突き刺している物が見えると思います。右の二つはボート置き場にもしています。合計で三つの竹の束を突き刺したものがみえますが、この竹の束の下に錨があって流されないようにしているわけです。ですから、家を動かしたいときは竹の束と錨を引き上げ、例えば浅いところへ、あるいは深いところへと、水量の変化を見ながら動かしていくのです。

トンレサップ湖フローティングヴィレッジ
 
 竹の束をアップにしてみました。なるほど、奥の商店みたいなところにも竹の束が刺さっているのが分かりますね。フローティングビレッジと言っても、半固定なのです。



 トンレサップ湖の水上村を見学(その1)

トンレサップ湖水上村の風景
 
 トンレサップ湖の湖面に沢山の住宅が見えます。まさにフローティング・ヴィレッジ、水上村ですね。このように住宅は密集して浮かんでいます。

トンレサップ湖水上村
 
 水上生活者の住宅というのは、やはり陸地から一定の距離の場所に造るのですね。陸地からあまり遠くないところに作られています。確かに水深が深いところですと、揺れも大きくなるでしょうし、安定しないですからね。

トンレサップ湖の水上村
 
 タイのバンコク近くのフローティングマーケットは、もうすでに観光地であって生活の匂いがしないのですが、ここトンレサップ湖はまさに生活のにおいが漂います。

トンレサップ湖水上村の住宅

 屋根の色が派手なので商店かと思っていましたら個人住宅でした。テレビ、テーブルや収納棚などが見えます。

 
 
 水上村の生活感ある風景です。ほとんどの人が漁業を生業としていることは言うまでもないことです。

トンレサップ湖水上村(ボートと親子)
 
 集落に近いところでは、このようにボートで移動する住民の姿を多く見かけます。水上村ですからボートに乗らないと家の外に出れないわけです。どこに行く場合でもボートは必須です。

トンレサップ湖水上村でボートを漕ぐ子ども
 
 ですから水上村の子供たちは小さい時からボート漕ぎが上手です。トンレサップ湖で私が見たかった風景というのは、こういう日常性を感じる風景なんです。この水上村の周辺とか後ほど紹介する学校には子供の姿が沢山あって、力強く生きている姿がとても印象的でした。

水上の教会(トンレサップ湖)
 
 よくよく見ると、ここは教会です。屋根の上に十字架が立ってますね。

 
 協会の裏手の住宅はちょっと水深が深いところに造られていると思うのですが、このあたりになると家の数はまばらになります。

トンレサップ湖水上村の学校と集落
 
 こちらにも水上村の集落が見えます。手前にあるのが学校です。上の写真は2016年6月に撮影したものです。

水上村では学校も船の上(トンレサップ湖)
 
 こちらは同じ学校ですが、2013年に撮影したものです。後ろに集落が見えませんね。このように集落の位置が動いてしまうのが、水上村の特徴です。トンレサップ湖は広いですから誰も文句を言わないのでしょう。と言うか、同じ場所に集落を作ることの方が難しいのかもしれません。

カンボジアのトンレサップ湖
 
 学校の前を通っていたボートに乗る地元の親子です。こうやって、生まれてずっとこのトンレサップ湖で育っていくのです。

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 トンレサップ湖水上村の学校を訪問

トンレサップ湖水上村の学校

 私たちが利用したボートは水上村にある学校にも訪問します。若干カラクリがあって、そのカラクリについてはのちほど説明します。この学校は生徒の数に施設の広さが合わないため、どうやら授業時間をずらしたシフト制で授業を受けさせているようで、先生は大変です。 私たちが行った午後の時間は低学年の子たちが多かったです。

トンレサップ湖水上村の学校の子供たち

 さらに言えば、教室がいくつかあって先生が授業をしている教室もあれば、休み時間なのか生徒たちしかいない教室もあります。上の写真は図画の授業が終わった教室なのでしょうか、子供たちが自分が描いた絵を見せ合っています。 無邪気な笑顔は日本もカンボジアも変わりません。

トンレサップ湖水上村の小学校

 この教室の子供たちは机の上にまだ何も置いていません。私たちが学校に着いた時間は午後4時くらいでしたから、放課後の時間に入っている子供たちもいるのかもしれませんね。家に帰る時間を待っている子たちなのかもしれません。でも、走り回ったりしないで、おとなしく机に向かっているところを見ると、意外に行儀が良いんですね。

トンレサップ湖水上村の学校の女の子

 カメラを向けたらにこにこした笑顔を返してくれた女の子。素直そうな笑顔です。可愛いですね。 

トンレサップ湖水上村の小学校を見学
 
 ここは運動場代わりの部屋のようです。広々とした建物の中で子供たちが駆け回っていました。
 上の写真の正面にはベトナム語の文字が見えます。ベトナム難民の子供たちが多いのでしょう。ベトナムからの難民が多かったのは1970年代です。今は2016年ですから、約40年前のことです。とすると、ここの学校の子供たちは難民から数えて三代目くらいが多いのでしょうか。ベトナム難民三世ということになります。

米置き場(トンレサップ湖水上村小学校)

 上の写真は学校の米置き場です。 ここが私たちがこの学校に訪問したカラクリです。
 実は昨年大水害でトンレサップ湖の水上村が大きな被害を受け、多くの住民の命が失われたそうです。その水害の中で両親を失った子供たちも多く、そうした水害孤児たちは学校に寄宿をしているそうで、そうした子供たちのために米を贈呈してほしいということで、観光客を学校に誘導しているのです。因みに3年前にトンレサップ湖に来た時にはこんな学校見学はありませんでした。
 水害事故の発生や孤児が増加し学校に寄宿しているところまでは事実のようですから、趣旨に賛同して私もUS$50のお米一袋を湖上の商店で購入し贈呈することにしました。ただ、その米代金はマーケットなどで販売している価格とは一ケタ以上違いますので、そこに不法利益が生じていることは間違いありません。それはそれとして、孤児の食料になっていることは間違いないようですので、災害支援の気持ちがあれば支援してあげてください。

調理場(トンレサップ湖水上村小学校)

 あなたが贈呈してくれたお米はちゃんとこの調理場で子供たちの食事に使われますから安心してください、などと調理場にまで案内されてしまいました。

 
トンレサップ湖水上村の学校見学

 いくつかのスクールボートが出る時間なのか、あわただしく廊下を走る子や友達を大声で呼んでいる子たちの姿が目立ちます。おそらくは学校に住み着いているワンちゃんも、ボートの上や廊下をあわただしく走り回っています。

トンレサップ湖水上村の学校の通学風景

 以前に来た時にはスクールボートはなかったのですが、今はスクールボートがあります。もちろんスクールバスはありません。このボートでも子供たちは行儀が良いですね。
 このように家に家族がいる子もいれば、孤児で学校に寄宿している子もいるわけです。

スクールボート(トンレサップ湖水上村)
 
 毎日、親が家のボートで送り迎えをする家庭もあります。
 日本人から見ると水上の学校に通学するのは大変だと思ったしまいますが、住民にとってはこれが日常ですからどうということはないのでしょう。ボートの向こうに水上村の集落が見えていて、まるで水田の向こうに見える日本の村の集落のようでもあります。こんな生活も風情はあるしのんびりしていて、ちょっといいかもなんて思ってしまいます。



 トンレサップ湖の水上村を見学(その2)


 ボートに乗ってかなり時間もたちましたので、観光客向けのドライブインみたいなところに立ち寄ります。ここでボートを降りて休憩します。特に土産物をすすめられるでもなく、本当に単なる休憩です。

トンレサップ湖の水上村
 
 このドライブインみたいな店の二階はテラスになっていて、トンレサップ湖を360度見渡せます。素晴らしい景色です。椅子も置いてあって快適です。と言いたいところですが、ここはカンボジアの気温40度近い灼熱の太陽のもとです。いやいや、暑いのなんのって大変な思いをして見学することになります。一階に行けば日陰で涼しいのですが、眺めは良くないのです。

トンレサップ湖の水上村
 
  既にこのページの上の方でもいくつか紹介していますが、ちょっと上から写した水上村の写真はすべてこの場所から撮影したものです。トンレサップ湖の面積は乾季と雨季とでは6倍くらい違いますから眺めが全然違うのでしょう。今度は雨季に来てみたいものです。

カンボジアのトンレサップ湖水上村

 30分もこの二階のテラスにいると、だんだんこの水上村の景色も心になじんできます。広々とした生活空間は快適そうにさえ、見えてしまいます。それ以上に思うのは、朝や夕方の美しさです。この広い湖の向こうから昇る朝日は綺麗だろうなと想像してしまいます。
 実はこの日は夕方までトンレサップ湖にいて夕陽を眺める予定にしていました。ところが、シェムリアップに住むカンボジア人の友人から、「この日の夕方は雷雨になって風雨ともに強まるので、雨が降り出す前にトンレサップ湖を引き揚げないとちょっと危険です」という電話がかかってきていたので、そのアドバイスに従ったわけです。トンレサップ湖の夕陽を見るなら乾季に来るべきなのかもしれません。

カンボジア、トンレサップ湖の水上村

 カンボジアの国民一人あたりの淡水魚漁獲量は年間約20 kgと世界一だそうです。トンレサップ湖で水揚げされる魚がその大宗を占めることからすれば、このトンレサップの水産資源がカンボジア人の胃袋を支えていると言うこともできそうです。因みに、トンレサップ湖にはナマズをはじめ200種以上の魚が生息しているそうで、琵琶湖の60種弱に比較しても大変多いということができます。
 それだけトンレサップ湖の水産資源が豊かだからこそ、ベトナム難民が集まり、100万人を超える水上生活者が住むようになったとも言えると思います。

水上ドライブインのワニ(トンレサップ湖)

 水上ドライブインの一階で生息していたワニです。トンレサップ湖にはワニも生息しているのですね。

        
トンレサップ湖のワニ

 なかなか精悍なワニですが、あわせて良さそうな皮を付けたワニでもあります。このドライブインではワニ革の製品もたくさん売られています。

トンレサップ湖の風景

 トンレサップ湖の水上生活者の一家です。ボートの上で子供たちがそれぞれ一人遊びしていて、ほのぼのとする情景でした。

 アンコールワット観光でシェムリアップに来ると、アンコール遺跡が数多くある中で、遺跡巡りにばかり時間をかけすぎてトンレサップ湖の観光をしないで帰らざるを得なくなる旅行者も多いようです。でも、それはもったいないと私は思います。ここにも、日本にはない風景、世界でも例を見ない風景が広がっているのです。


アジア写真帳(アンコールワット)  




アンコールワット

アンコールワット概要
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十字回廊と第二回廊
デバター
中央祠堂と第三回廊
アンコールワットのサンライズ

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 バイヨンの概要
 バイヨンの威容と第一回廊
 バイヨンの観世音菩薩四面塔

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 王宮とピミアナカス
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タ・プローム


ベンメリア遺跡


 ベンメリア遺跡の概要
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 南門からの風景
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 ベンメリア遺跡への行き方

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